胃のポリープって放置していいの!?【胃底腺ポリープ】|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

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胃のポリープって放置していいの!?【胃底腺ポリープ】

胃のポリープって放置していいの!?【胃底腺ポリープ】|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

         

2025年1月11日

『胃にポリープがあるって言われましたが大丈夫ですか?』

『胃のポリープって勝手に治ったりしますか?』

『胃のポリープも大腸みたいにとった方がいいですか?』

そんな質問に答えます。

1. 胃底腺ポリープとは一体何か

胃にポリープを指摘されたのにも関わらず、医師から治療を勧められなかった場合、胃底腺ポリープである事が殆どです。胃底腺ポリープは癌化する可能性が低く、通常経過観察の方針となりますが、自然に消失することはありません。

1.1. 胃底腺ポリープの基本的な知識

胃底腺ポリープは、胃の粘膜層に非がん性の腫瘍として発生するものであり、胃底腺領域に位置することが多いです。悪性化する事は少ないため無治療で経過観察されることが多いです。胃底腺ポリープの発生原因は不明ですが、胃薬の内服によって稀に増加するという性質があります。

1.2. 発生するポリープの種類と特徴

胃のポリープには様々な種類があります。胃底腺ポリープはその一つで、良性の腫瘍であることがほとんどです。他にも、さまざまな因子によって発生する可能性のある過形成性ポリープやアデノーマ(腺腫)といったタイプが存在します。これらの違いは、形状や組織の特徴、そして将来的な癌化のリスクによって区別されます。

1.3. ポリープが癌化するリスクについて

極めて低い頻度ですが、良性の胃底腺ポリープであっても、一部には将来、胃癌へと進行する可能性が否定できません。特に大きなポリープや数が多く見られる場合、または異型細胞が確認された場合などは、リスクが高まるとされています。定期的な内視鏡フォローによって、ポリープの変化を監視し、癌化の兆候を見逃さないようにすることが大切です。

2. 胃のポリープの種類

ポリープの種類にはいくつかあり、それぞれが異なる特徴や、潜在的なリスクを持っています。大きく分けて、ピロリ菌感染に関連するものと、そうでないものがあり、またサイズや表面構造によって治療法やフォローアップの方法が異なってきます。

2.1. ピロリ菌感染がなければポリープのほとんどが胃底腺ポリープ

胃のポリープにはいくつかの種類があるのですが、ピロリ菌が原因でない場合、最も頻繁に診断されるのが胃底腺ポリープです。これは胃酸の分泌部である胃底腺から発生することが特徴で、通常は良性で癌化するリスクも低いとされています。しかし、数や大きさが異常に多かったり大きかったりする場合には、医師の精密な検査が必要です。

2.2. ピロリ感染があった方は過形成性ポリープの可能性も

一方で、ピロリ菌への感染が認められた場合、過形成性ポリープが生じる可能性が高まります。これは胃の粘膜が刺激されて過剰に成長した結果、ポリープとして現れるタイプです。過形成性ポリープは一般的に胃癌への進行リスクがあり、ピロリ菌の除去治療が必要となりえます。除去後には、ポリープが退縮することもあります。

2.3. ピロリ菌がなくとも癌化するポリープがまれにある

ピロリ菌の有無にかかわらず、ごく稀に癌化するポリープが存在することが知られています。例として腺窩上皮型胃腫瘍と呼ばれるものがあります。こちらは良性から悪性へと変化する可能性があるため、注意深く観察が必要です。ポリープの形状や大きさ、形成されている部位などから、癌化のリスクを評価することになりますが、確実な診断のためには組織検査を行うことが一般的です。

3. 腺窩上皮型胃腫瘍とは何か

腺窩上皮型胃腫瘍とは、胃の腫瘍の一つで、その見た目がラズベリーのように赤く隆起していることも多いです。この腫瘍は、多くが良性ですが、一部に悪性に転じるケースもあるため、注意が必要です。早期発見と治療が重要で、定期的な検診が推奨されます。専門医による診断と治療が必要です。

3.1. 腺窩上皮型胃腫瘍の特徴

腺窩上皮型胃腫瘍のリスク要因は明らかではありませんが、ピロリ菌陰性の胃粘膜に発生するという特徴があり、ラズベリーに似ているとが多いことから、ラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍とも呼ばれます。

3.2. 診断と治療のポイント

腺窩上皮型胃腫瘍の診断には、胃カメラが用いられます。この検査では、胃の内部を詳細に観察し、腫瘍の存在を確認します。内視鏡による生検も行われ、腫瘍の良性・悪性の判定が行われます。

症状が出ない事が多く、健診の内視鏡でたまたま見つかるケースが多いです。

治療方法は、腫瘍の大きさや位置、悪性度に応じて異なります。多くの場合、内視鏡的切除術が選択されます。適切な治療を受けることで、症状の軽減や再発防止が期待されます。継続的な医師のフォローアップも欠かせません。

実際の腺窩上皮型胃腫瘍

4. 胃内視鏡検査が必要な理由

胃の病気は初期段階であれば無症状または軽度の症状しか現れません。胃内視鏡検査は、症状のない胃疾患を早期発見し、適切な治療へと繋げるため、極めて重要な手段となるのです。

4.1. 胃内視鏡によるポリープ診断の重要性

胃内視鏡を用いたポリープ診断は、そのサイズや形状、位置を正確に把握するために不可欠です。さらに、その場で組織の採取を行い、病理診断を通じてポリープの良性・悪性の判断を行います。胃ポリープが見つかった際に、適切な治療方針やフォローアップ計画を立案するためにも、内視鏡による診断は重要であることがわかります。

4.2. 検査プロセスと患者様が知っておくべきこと

胃内視鏡検査を受ける患者様は、検査の流れや必要な準備、検査後の注意点を理解しておくことが大切です。検査前日からは食事の制限があり、当日は胃の中を空にしておく必要があります。内視鏡は鼻からまたは口から挿入され、局所麻酔や鎮静剤を使用して患者様の不快感を軽減します。検査中は胃の中の空気を膨らませ、胃壁をはっきり観察します。このプロセスは概ね5分から10分ほどで終了し、組織の採取が必要な場合にはバイオプシーが行われます。

4.3. 内視鏡検査の安全性と注意点

胃内視鏡検査は非常に安全な検査方法ですが、まれに合併症が起こる可能性があります。そのため、検査を受ける際には医師に既往症やアレルギー、服用している薬について詳しくお伝えください。合併症には、胃壁や食道壁の穿孔(穴が開くこと)や出血などが挙げられますが、これらは極めて稀なケースです。バイオプシーを行った後には少量の出血が見られることもありますが、通常は自然に止まります。万が一、検査後に強い痛み、発熱、呼吸困難などの症状が現れた場合には、速やかに医師の診察を受けることが重要です。

5. ポリープの大きさと治療選択

胃のポリープと診断された後に、最も重要となるのは、ポリープの大きさです。それと連動して、どんな治療を選択するかが決定されます。小さければ経過観察の選択もありますが、一定の大きさを超えると切除が勧められるケースもあるのです。この治療選択をする上で、患者様が把握しておくべきポリープの基準や、専門家の判断基準などについて、具体的な情報を提供していきたいと考えています。

5.1. 大きさによる治療方針の決定

胃ポリープが見つかった時、最も基本的な情報はその大きさになります。医学的には、一般的に5ミリメートル以下のポリープは比較的リスクが低く、定期的な内視鏡による観察で十分です。しかし、この大きさを超えるポリープには注意が必要で、10ミリメートルを超えるなどの大きなものになると、そのポリープが悪性化する可能性が高まるとともに、対応も切除へと傾いていきます。胃ポリープの性質、発見された大きさによって、その後の管理方法が大きく変わるため、患者様と医師が緊密にコミュニケーションをとりながら適切な治療方針を決める必要があります。

5.2. 小さいポリープへのアプローチ

小さなポリープ、特に5ミリメートル以下のものは、大抵の場合は悪性の恐れが低いため、切除することなく定期検査による経過観察を選択します。胃ポリープの中でも胃底腺ポリープや過形成性ポリープなどの種類は、特に鑑別が必要でありますが、これらも同様に経過観察が基本となります。観察の間隔は、ポリープの大きさに応じて、またその他のリスク因子の有無に応じて医師が決定します。このように、小さいポリープでは積極的な治療よりも観察を優先し、患者様の負担を減らしながらも、リスク管理を行っていくことが大切です。

5.3. 大きなポリープの切除方法と時期

一方で、大きなポリープに対しては、切除が推奨されます。20ミリメートルを超えるポリープや、内視鏡で見ても明らかに異常な形状のもの、表面に悪性の徴候が見られる場合などは、できる限り早期に切除が選択されます。現在では内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)といった高度な技術を用いた手術が主流であり、患者様の負担を軽減しながらも、効果的な治療結果を得ることができます。しかし、そのタイミングや、手術後の管理にも注意が必要であり、患者様の健康状態やポリープの具体的な状況など、様々な要素を考慮した上での治療計画が重要となります。

6. 防げる胃癌 早期発見と早期治療の重要性

胃がんは、特に見過ごされがちながんのひとつでありますが、早期に発見し、適切な治療を行うことで、遥かに良好な治療成績を得ることが可能です。

6.1. 胃癌予防のためのポリープ管理

胃癌防止におけるポリープの管理は、治療よりも前の重要なフェーズです。ポリープが胃癌へと進行する可能性を理解し、適切な診断と治療を受ける事が必要になります。ポリープの大きさ、数、形状、組織型によって、その管理方法は大きく異なります。これらの判断には、エキスパートの意見が欠かせないため、一人で不安を抱えることなく、医療機関への相談を強く推奨します。

6.2. 胃癌のリスク因子と早期発見の利点

胃癌になり易いリスク因子には、生活習慣、遺伝、ピロリ菌感染など多岐に渡ります。これらのリスク因子を把握し、自己の健康状態に常に注意を払っていくことが重要です。また、早期に胃癌を発見する利点は計り知れません。初期段階での治療は外科手術だけでなく、内視鏡的切除などの最小限の侵襲で済む場合が多く、その後の生活の質(QOL)や予後にも大きく好影響を与えます。

6.3. 定期検査による早期発見と早期対応のステップ

胃癌の早期発見を実現するには定期的な検査が不可欠です。胃内視鏡検査は特に有効であり、非常に細かい異常まで発見することが可能です。定期検査による早期発見から早期対応へのステップには、以下のようなプロセスがあります。まず初めに、リスク因子がある方や定期的なチェックが必要な方が、予防的な態度で検査を受けることがスタート点となります。そして、ポリープや異常を見つけた場合には即座にバイオプシーや精密検査へ移行し、その結果に基づいて最適な治療法を選択します。このようにして早期の段階で適切な対応を取ることで、胃癌を予防し、また早期に発見された場合の完治率を高めることができるのです。

<文責:福田遼>

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