2025年4月13日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

排便時に血液が混じっていることに気づき、大変ご心配な思いをされているのではないでしょうか。

「もしかしたら何か大きな病気なのではないか…」と不安に感じ、インターネットで検索したり、誰かに相談したりされているかもしれません。

血便は、ご自身の健康状態を知る上で非常に重要なサインです。

今回は、血便の原因となりうる様々な病気、そして大腸カメラがいかにしてその原因を明らかにし、適切な治療へと繋げることができるのかについて、詳しくご説明させていただきます。

目次
1.血便とは?見過ごせない体からのSOS

血便とは、便に血液が混じっている状態を指します。

その色や量、性状は様々で、鮮やかな赤い血が付着している場合もあれば、黒色でタール状の便が出る場合もあります。また、目に見えるほどの出血でなくても、便潜血検査で陽性と判定されることもあります。

大切なのは、どのような血便であっても、決して自己判断で放置しないことです。血便は、消化管のどこかに異常があるサインであり、早期の診断と適切な治療が非常に重要となります。



2.血便の原因となる様々な病気

血便の原因は多岐にわたりますが、代表的なものをいくつかご紹介します

痔(じ):
肛門付近からの出血で、鮮やかな赤い血が便器やトイレットペーパーに付着することが多いです。排便時のいきみや便秘などが原因で起こりやすいです。

大腸ポリープ:
大腸の粘膜にできたイボ状の隆起物で、良性のものが多いですが、中には将来的にがん化する可能性のあるもの(腺腫性ポリープ)もあります。ポリープ自体が出血したり、内視鏡検査で切除した際に出血することがあります。

大腸がん:
大腸にできる悪性の腫瘍です。初期には自覚症状が少ないことが多いですが、進行すると血便、便秘や下痢の繰り返し、便が細くなる、体重減少、腹痛などの症状が現れることがあります。

潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患:
大腸や小腸に炎症が起こる病気で、腹痛、頻回の下痢、血便などの症状が見られます。

感染性腸炎:
細菌やウイルスなどの感染によって腸に炎症が起こり、下痢や腹痛、血便を伴うことがあります。

虚血性大腸炎:
大腸への血流が一時的に悪くなることで炎症が起こり、腹痛や血便が生じます。

憩室出血:
大腸の壁の一部が外側に袋状に飛び出した憩室から出血することがあります。

これらの他にも、様々な原因で血便が起こりうるため、自己判断は非常に危険です。


3.血便の原因特定に不可欠な大腸内視鏡検査

大腸カメラ検査では、以下のことが可能です

大腸の粘膜を直接観察:
炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無を詳細に確認できます。

早期の病変を発見:
5mm以下の小さなポリープや早期のがんも見つけやすく、早期発見・早期治療に繋がります。

組織採取(生検)による確定診断:
疑わしい部分があれば、その場で小さな組織を採取し、病理検査を行うことで、良性か悪性かの確定診断をつけることができます。

その場での治療:
ポリープが見つかった場合、その場で内視鏡的に切除することも可能です。これにより、将来的ながんのリスクを大幅に減らすことができます。

便潜血検査は、大腸からのわずかな出血を捉えるための大切な第一歩ですが, 早期のがんや小さなポリープでは必ずしも出血があるとは限りません。

また、痔や炎症など、がん以外の原因でも陽性となることがあります。そのため、便潜血検査が陰性であっても大腸がんを完全に否定できるわけではありません。

血便が見られた場合は、便潜血検査の結果に関わらず、大腸カメラ検査を受けることを強くお勧めします。



4.札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックの大腸カメラ検査の特徴

当院の大腸カメラ検査には、以下のような特徴があります

苦痛の少ない検査:
患者様の不安を軽減するため、ご希望に応じて鎮静剤を使用し、眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただくことが可能です。検査中に不快感や痛みを感じることはほとんどありません。

丁寧な事前説明:
初診時に、症状や既往歴を詳しくお伺いし、検査の流れや注意点について丁寧に分かりやすくご説明いたします。不安なことや疑問点は、遠慮なくご質問ください。

清潔で快適な環境:
院内は明るく清潔に保たれており、患者様がリラックスして検査を受けられるよう配慮しています。

土日も予約可能:
平日お忙しい方でも受診しやすいよう、土日も診療を行っております。ウェブサイトから24時間いつでも予約が可能です。

大学病院レベルの内視鏡システム:
最新の内視鏡システムを導入し、高画質で詳細な観察を行います。

日帰りポリープ切除:
大腸カメラ検査中にポリープが発見された場合、95%以上のケースでその場で切除が可能です。

検査後の丁寧な説明とフォローアップ:
検査後には、内視鏡画像をお見せしながら、結果について詳しくご説明いたします。ポリープ切除を行った場合の注意点や、今後の治療方針についても丁寧にご説明いたします。



5.大腸ポリープ切除後の注意点

大腸カメラ検査でポリープが発見され、切除を行った場合は、以下の点にご注意ください:

食事:
約1週間は消化の良い食事を心がけ、刺激物(香辛料、アルコールなど)、脂肪分の多い食品、生ものは避けてください。

飲酒・喫煙:
ポリープ切除後1週間程度は、飲酒・喫煙を控えてください。

運動:
激しい運動や腹圧のかかる動作は、1週間程度避けてください。軽い散歩程度の運動は可能です。

入浴:
当日はシャワー程度にし、湯船に浸かるのは翌日からにしてください。

便通:
便秘をしないように、水分を十分に摂取し、消化の良い食事を心がけてください。

出血:
稀に、ポリープ切除後数日~1週間程度で出血することがあります。少量であれば心配ありませんが、出血量が多い場合や腹痛を伴う場合は、速やかに当院にご連絡ください。

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6.大腸がんのリスク要因と予防

大腸がんの発症には、様々な要因が関与しています:

主なリスク要因:
- 加齢(50歳以上)
- 大腸がんやポリープの家族歴
- 食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)
- 喫煙
- 多量の飲酒
- 肥満
- 運動不足

大腸がん予防のためにできること:

バランスの取れた食生活:
野菜、果物、全粒穀物など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。赤身肉や加工肉の摂取は控えめにしましょう。

適度な運動:
定期的な運動は、腸の働きを活発にし、肥満の予防にも繋がります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。

禁煙・節酒:
喫煙は大腸がんのリスクを高めます。禁煙に取り組みましょう。飲酒も適量を守ることが大切です。

適切な体重維持:
バランスの取れた食事と適度な運動で、適切な体重を維持しましょう。

定期的な大腸がん検診:
40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。特に、便潜血検査で陽性の結果が出た場合は、必ず精密検査(大腸カメラ)を受けましょう。家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方は、より早めの時期からの検査をお勧めします。

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7.費用と保険適用について

大腸内視鏡検査は、症状がある場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。

保険適用の場合、自己負担額は通常3割となります。

ただし、検査の結果、ポリープを切除したり、組織検査を行った場合には、別途費用がかかることがあります。(3割負担の場合、目安として1万5千円から3万円程度、ポリープ切除などを伴う場合はさらに費用が加算されます)。費用の詳細については、検査前または検査後にお気軽にご質問ください。

また、大腸ポリープ切除などの治療内容によっては、加入されている生命保険の手術給付金や医療保険の給付金が支払われる場合があります。ご加入の保険会社にお問い合わせいただくことをお勧めします。

大腸内視鏡検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。



8.最後に:血便を放置せずに、まずはご相談ください

血便は、体からの大切なメッセージです。自己判断で様子を見たり、市販薬で済ませたりせずに、早期に専門医の診察を受けることが、ご自身の健康を守る上で最も重要です。

当院では、専門医が、最新の医療技術と温かいホスピタリティで、皆様の健康をサポートいたします。早期診断と適切な治療により、皆様が安心して日常生活を送れるよう、全力でサポートさせていただきます。

血便でお悩みの方、大腸がん検診で精密検査が必要と診断された方は、ぜひ一度、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックにご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


