2025年3月10日

大腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば治癒する可能性の高いがんです。

しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な検診が非常に重要となります。

現在、大腸がん検診で行われている便潜血検査で陽性の結果が出た場合、それは大腸からの出血がある可能性を示唆しています。

目次
1.便潜血検査陽性の意味

便潜血検査が陽性となる原因は、大腸がんだけではありません。

以下のような疾患や状態でも陽性となることがあります。

- 大腸ポリープ:大腸の粘膜にできるイボ状の隆起で、良性のものからがん化するももあります。
ポリープの表面が便と擦れることで出血することがあります。 - 痔(じ):肛門付近の血管がうっ血したり、切れたりすることで出血します。
- 潰瘍性大腸炎:大腸の粘膜に炎症が起こる病気で、出血を伴うことがあります。
- その他の炎症性疾患:大腸の粘膜に炎症を起こす様々な病気が出血の原因となることがあります。
- 食事の影響:稀に、摂取した食品に含まれる成分が便潜血検査に影響を与えることがあります。
日本対がん協会の統計データによると、便潜血検査で陽性となる確率は約5%から10%です。しかし、陽性であっても、実際に大腸がんが発見される確率は約0.1%から0.2%と報告されています。自治体が行った大腸がん検診の報告では、陽性となった人のうち、精密検査で大腸がんと診断された人の割合は2.79%でした(2019年度)。
このように、便潜血検査で陽性となった場合でも、過度に心配する必要はありません。しかし、大腸がんの可能性を否定するためには、必ず精密検査を受けることが重要です。



2.なぜ精密検査が必要なのか?

便潜血検査は、あくまでも大腸からの出血の有無を調べるスクリーニング検査です。

陽性の結果だけでは、出血の原因が特定できませんし、大腸の内部の状態を直接確認することもできません。
大腸がんを早期に発見するためには、大腸の内部を直接観察できる大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が最も有効な検査方法です。
大腸カメラ検査では、医師が肛門から内視鏡という細長いカメラを挿入し、大腸の粘膜の状態を詳しく観察します。検査中に、ポリープなどの異常を発見した場合には、その場で切除したり、組織の一部を採取して病理検査(顕微鏡で詳しく調べる検査)を行ったりすることができます。
大腸ポリープは、放置するとがん化する可能性があるため、早期に発見し切除することが大腸がんの予防につながります。実際、大腸ポリープを切除することで、大腸がんによる死亡率を53%減少させるという報告もあります(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1100370)。



3.当院での大腸内視鏡検査

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、患者様に安心して大腸カメラ検査を受けていただけるよう、様々な取り組みを行っております。

3.1. 経験豊富な専門医による丁寧な検査
当院には、内視鏡検査の経験豊富な専門医が在籍しており、高度な技術と知識に基づいた質の高い検査を提供しています。患者様一人ひとりの症状や状態に合わせて、丁寧に検査を行います。
3.2. 最新の内視鏡システムと清潔な環境
最新の高解像度内視鏡を使用し、微小な病変も見逃さないように努めています。また、内視鏡の消毒や使用する器具の管理を徹底し、清潔で安全な検査環境を整えています。
3.3. 鎮静剤を使用した無痛内視鏡
大腸カメラ検査に不安を感じる方や、過去に苦痛を感じた経験のある方には、鎮静剤(眠くなるお薬)を使用して検査を行うことができます。鎮静剤を使用することで、検査中の痛みや不快感を大幅に軽減し、リラックスした状態で検査を受けていただけます。
検査後は、鎮静剤の効果がなくなるまで院内で休憩していただきます。鎮静剤を使用した場合は、当日の自動車、バイク、自転車の運転はできませんので、公共交通機関やご家族の送迎をご利用ください。
3.4. 土日も検査可能、WEB予約・電話予約に対応
平日はお忙しい方でも検査を受けやすいように、土曜日・日曜日も大腸カメラ検査を実施しています。ご予約は、24時間可能なWEB予約システムをご利用いただくか、診療時間内にお電話にてご連絡ください。当日や前日のご予約も可能な場合がありますので、お気軽にお問い合わせください。
3.5. 大通駅徒歩30秒の好立地
当院は、札幌市営地下鉄大通駅から徒歩30秒という非常に便利な場所に位置しています。15番出口・14B出口から出てすぐですので、初めての方でも迷わずにご来院いただけます。
3.6. 事前診察なしでの検査(院内下剤)も可能
通常、大腸カメラ検査の前には事前診察が必要となりますが、当院では、検査日程を早めに予約したい場合には大腸カメラ(院内下剤)の予約をお取りいただくことで検査日と同日に事前診察が可能です。下剤を自宅で服用することに抵抗がある方には、院内で下剤を服用していただくこともできます。



4.大腸カメラ検査の流れと準備

陽性の結果を受けて、当院で大腸カメラ検査をご希望される場合の流れと準備についてご説明します。

4.1. ご予約
WEBまたはお電話にてご予約ください。
4.2. 事前問診
ご予約後、事前にWEB問診にご協力いただくと、当日の診察がスムーズに進みます。
4.3. 検査前の準備
検査の2~3日前から、消化の良い食事を心がけてください。キノコ類、種のある果物、食物繊維や脂肪分の多い食品は避けてください。検査前日の夕食は21時までに済ませ、その後は水、お茶、スポーツドリンク以外の飲食は控えてください。
検査当日は、検査の4~5時間前から、クリニックで処方された前処置用の下剤(腸管洗浄液)を服用していただきます。下剤を服用することで、大腸の中をきれいにし、より正確な検査を行うことができます。
4.4. 検査当日
ご予約の時間にご来院ください。受付後、検査着に着替えていただき、鎮静剤を使用する場合は点滴を行います。検査室へ移動後、医師が内視鏡を肛門からゆっくりと挿入し、大腸の内部を観察します。検査時間は通常15分から30分程度です。
4.5. 検査後
検査終了後、鎮静剤を使用した場合はリカバリー室で休憩していただきます(約20分程度)。医師から検査結果の説明を受け、必要に応じて今後の治療や生活上の注意点などの説明があります。組織検査やポリープ切除を行った場合は、後日改めて病理検査の結果をご説明いたします。
検査後は、少量の水分から始め、問題なければ通常の食事が可能です。ポリープ切除を行った場合は、約1週間は消化の良い食事を心がけ、刺激物、脂肪分の多い食品、生もの、アルコールは避けてください。便秘予防のため、十分な水分摂取を心がけてください。



5.大腸がんのリスク要因と予防

大腸がんの発症には、様々な要因が関与しています。

主なリスク要因としては、加齢(50歳以上)、大腸がんやポリープの家族歴、食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、飲酒、肥満、運動不足などが挙げられます。

これらのリスク要因を意識し、バランスの取れた食生活、適度な運動、禁煙、節酒などを心がけることが、大腸がんの予防につながります。また、40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。


6.費用と保険適用について

大腸内視鏡検査は、症状がある場合や、便潜血検査で陽性となった場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。

保険適用の場合、自己負担額は通常3割となります。
ただし、検査の結果、ポリープを切除したり、組織検査を行った場合には、別途費用がかかることがあります。費用の詳細については、検査前または検査後にお気軽にご質問ください。
また、大腸ポリープ切除などの治療内容によっては、加入されている生命保険の手術給付金や医療保険の給付金が支払われる場合があります。ご加入の保険会社にお問い合わせいただくことをお勧めします。
大腸内視鏡検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合があります。領収書は大切に保管しておきましょう。



7.最後に

大腸がん検診で陽性の結果が出たことは、決して無視できないサインです。

早期に精密検査を受け、適切な診断と治療を行うことが、ご自身の健康を守るために最も重要なことです。
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、患者様が安心して検査を受けられるよう、万全の体制を整えております。ご心配なことやご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同努めてまいります。
皆様のご来院を心よりお待ちしております。

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


