2025年5月04日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

本日は、「同じ日に2回でた便からそれぞれ便潜血検査を提出したらバレますか!?」という、患者様から時折いただく、ご質問についてお話しさせていただきます。

このタイトルを見て、「えっ、バレるの?」「それってズルになるの?」とドキッとされた方もいらっしゃるかもしれませんね。

まず結論から申し上げますと、基本的にはバレませんし、そもそも同じ日の別の便から検査をおこなっても問題ありません。

しかし、ここで大切なのは、「バレるかどうか」ではなく、便潜血検査がなぜ「2日法」で行われるのか、そしてその検査の本来の目的を理解することです。

目次
第1章:大腸がん検診としての便潜血検査の重要性

便潜血検査は、大腸がんの早期発見に有効なスクリーニング検査です。

肉眼では確認できない微量の血液を便中に検出することで、大腸に何らかの異常がある可能性を示唆します。特に、40歳以上の方には年1回の受診が推奨されています。定期的に受けることで、大腸がんによる死亡率を減らす効果があることがわかっています。

日本で行われている便潜血検査の主流は「免疫法」という方法です。この方法はヒトのヘモグロビン(赤血球の成分)に特異的に反応するため、食事や薬剤の影響を受けにくいという特徴があります。採便容器に詳しい説明が記載されていますので、適量を守って採取することが重要です。

量が不足したり多すぎたりすると、正しい診断が難しくなることがあります。また、採取した便は、ヘモグロビンが分解されてしまうのを避けるため、提出までできるだけ冷暗所で保管することが推奨されます。



第2章:なぜ2日法なのか

では、なぜ「2日法」なのでしょうか?

その理由は、大腸がんやポリープからの出血は、常に続いているわけではないからです。出血する時としない時があり、特に初期段階では出血がないことも珍しくありません。

このため、異なる排便からそれぞれ便を採取することで、出血があった日を捉える可能性が高まり、検査の感度(病気がある場合に陽性となる割合)を上げています。

つまり、同じ日に出た別の便からそれぞれ採取して提出しても、スクリーニング検査上はさほど問題にはなりません。

因みに便潜血検査は、1回でも陽性反応が出れば、それは「ラッキー」な病気発見のチャンスと捉えるべき検査なのです。



第3章:便潜血陽性の場合に推奨される精密検査

もし便潜血検査で「陽性」と判定されたら、迷わず精密検査を受けてください。

便潜血検査が陽性でも、必ずしも大腸がんというわけではありません。痔や大腸の炎症など、がん以外の原因でも陽性となることがあります。しかし、大腸に何らかの異常がある可能性を示唆する重要なサインであることは間違いありません。

残念なことに、便潜血陽性が出たのに再検査を勧められたり、放置してしまったりする方もいらっしゃいます。これは病気発見の貴重な機会を逃してしまうことになりかねません。一度でも陽性だった場合は、必ず大腸カメラ検査を受けてください。

便潜血検査で「異常あり」と判定された場合の精密検査として、最も有効なのが大腸カメラ(大腸内視鏡検査)です。大腸カメラでは、カメラを使って大腸の粘膜を直接詳細に観察することができます。

炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無をリアルタイムに確認できるだけでなく、5mm以下の小さなポリープや早期のがんも発見しやすいという利点があります。

また、疑わしい部分があればその場で組織を採取して確定診断(生検)を行ったり、見つかったポリープをその場で切除したりすることも可能です。これにより、大腸がんの予防にもつながります。大腸がん以外の病気(炎症性腸疾患、大腸憩室症、感染性腸炎など)が見つかることもあります。



第3章:大腸カメラ検査の苦痛軽減と快適な検査体験

当院では、患者様に安心して大腸カメラ検査を受けていただけるよう、様々な配慮をしています。

まず、多くの患者様が不安に感じられる「痛み」や「苦痛」についてです。当院では、鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しています。鎮静剤を使用することで、ほとんど眠っているかのようなリラックスした状態で検査を受けることができ、身体的な負担や不快感を大幅に軽減することが可能です。ご希望の方には、事前にしっかりとご説明し、安全に配慮した上で実施いたします。

次に、女性の患者様が気にされることの多い「恥ずかしさ」についてです。大腸カメラ検査では、肛門からカメラを挿入するため、お尻や肛門を見られることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかと思います。

当院では、お尻の部分にスリットが入った検査着をご用意し、必要最低限の露出に留めるよう配慮しています。また、女性の看護師が検査をサポートすることも可能です。生理になってしまった場合でも、検査は可能です。遠慮なくスタッフにご相談ください。



第4章:当院の特徴

当院では最新の内視鏡システムを用いて、丁寧かつ高精度な検査を行います。

正確な診断のためには、腸の中がきれいになっていることが非常に重要です。検査前日の食事や下剤の服用が適切に行われているかどうかが、微小な病変を見つけられるかどうかの大きな鍵となります。

当院では、検査前日の食事についても、分かりやすく具体的な指針(食べていいもの、避けるべきものなど)や検査食を提供しています。忙しい方のためにコンビニで買える消化の良い食事リストなどもご紹介しています。

当院は札幌大通駅から徒歩圏内(出口14Bもしくは15からすぐ)に位置しており、アクセスが非常に便利です。お仕事帰りや買い物の途中にも立ち寄りやすく、通院による時間のロスを最小限に抑えられます。土曜日や日曜日も検査を行っていますので、平日の時間が取りにくい方にも受診しやすい環境です。インターネットからの予約も可能です。



第5章:大腸内視鏡検査

検査自体は平均して15~30分程度で終了します。

検査後は鎮静剤使用した場合、15~20分程度の休息が必要です。ポリープ切除を行った場合は、1週間ほど消化の良い食事を心がける必要があります。検査後には、結果について丁寧にご説明し、今後の健康管理に関するアドバイスもさせていただきます。

便潜血検査は、大腸がん発見の「きっかけ」を与えてくれる素晴らしい検査です。しかし、そこで陽性という結果が出た場合、次に何をすべきか、そしてその後の検査をどこで受けるかが非常に重要になります。「同じ日の便から2回採取したらバレる?」という素朴な疑問から始まりましたが、大切なのは、検査の目的を理解し、正しく検査を受け、そして必要な精密検査から逃げないことです。

特に40歳以上の方は、症状がなくても年に一度の便潜血検査を、そしてもし陽性が出た場合は、ぜひ精密検査として当院での大腸カメラ検査をご検討ください。 苦痛を少なく、安心して検査を受けていただけるよう、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。早期発見、早期治療が、何よりも大切な命と健康を守る最善策です。

ご自身の健康のため、勇気を出して一歩踏み出しましょう。何かご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


