2025年4月10日


日頃、患者様から様々なご相談を受ける中で、

「胃薬を飲み始めたら下痢をするようになりました。」

といった意見をいただくことがあります。

確かに、胃薬の種類によっては、その副作用として下痢を引き起こす場合があります。

しかし、自己判断で「胃薬のせいだろう」と安易に済ませてしまうのは、思わぬ病気のサインを見逃してしまう危険性も孕んでいます。

今回は、胃薬と下痢の関係性について詳しく解説するとともに、下痢に対して大腸カメラ検査がいかに重要であるかについて、お話させていただきます。

目次
意外と多い?胃薬と下痢の関連性

まず、胃薬が原因で下痢を引き起こす可能性について見ていきましょう。

今回は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、慢性的な下痢を引き起こす膠原線維性大腸炎(collagenous colitis)について簡単にお話したいと思います。

この病気の主な症状は、血便を伴わない慢性的な水様性下痢です。

原因はまだはっきりとはわかっていませんが、特定の薬剤、特にプロトンポンプ阻害薬(PPI)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)との関連が指摘されています。

当院でも、PPIの中でもランソプラゾール(タケプロン®)の服用歴がある患者様で診断されることが多い印象です。

厄介なことに、大腸内視鏡検査を受けても、見た目にはほとんど異常がない場合や、軽微な粘膜の発赤や浮腫程度しか見られないことが多いのです。

「異常なし」と言われても下痢が続く場合は、この病気の可能性も考慮する必要があります。診断には、大腸の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べる(生検)ことが不可欠です。

生検では、大腸の粘膜のすぐ下に厚い膠原線維の層が認められるのが特徴です。

治療としては、原因と考えられる薬剤を中止することで、多くの方で症状の改善が見込めます。もし慢性的な下痢でお困りの場合は、自己判断せずに、消化器内科を受診し、専門医に相談することが大切です。

もしかしたら、長年悩んでいた下痢の原因が、この膠原線維性大腸炎かもしれません。



下痢の裏に潜む、大腸からのサインを見逃さないで

下痢を引き起こす病気には多くの種類があります。

大腸がん:
進行すると便通異常を引き起こすことがあります。早期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると便秘と下痢を繰り返したり、便が細くなったり、血便が出たりすることがあります。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など):
腸管に慢性的な炎症が起こり、腹痛や下痢、血便などの症状を引き起こします。

過敏性腸症候群(IBS):
ストレスなどが原因で、腹痛を伴う下痢や便秘を繰り返す病気です。

感染性腸炎:
細菌やウイルスなどが原因で、急な下痢や腹痛、嘔吐などを引き起こします。

虚血性腸炎:
大腸への血流が一時的に悪くなり、腹痛や下痢、血便などを引き起こします。中年女性に多い傾向があります。
このように、下痢という一見ありふれた症状の裏には、様々な大腸の病気が潜んでいる可能性があるのです。

特に、40歳以上の方 や、ご家族に大腸がんやポリープになった方がいる方 は、注意が必要です。



大腸の異変を早期に捉える、大腸カメラ検査という選択

では、下痢の原因を把握するためには、どのような検査が必要なのでしょうか。

その最も有効な手段の一つが、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。 大腸カメラ検査は、肛門から細くて柔軟な内視鏡を挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。

この検査によって、医師は大腸の粘膜の状態を 詳細に観察し、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無を確認することができます。 5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、早期の大腸がんを発見する上で非常に優れています。

さらに、疑わしい部分があれば、その場で組織を採取(生検)し、病理検査を行うことで確定診断をつけることができます。 また、ポリープが見つかった場合には、その場で切除することも可能です。 ポリープを切除することで、将来の大腸がんのリスクを低減させることが期待できます。

当院、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、消化器内視鏡専門医が、最新の内視鏡システムを用いて、丁寧かつ高精度な大腸カメラ検査を行っております。



当院だからできる、安心・安全な大腸カメラ検査

「大腸カメラって、なんだか大変そうで怖い…」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

苦痛の少ない検査への配慮:
ご希望の方には、鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しております。 鎮静剤を使用することで、検査中はほとんど眠ったような状態で受けることができます。

丁寧な事前説明:
初めて大腸カメラ検査を受けられる方にも安心して臨んでいただけるよう、検査の流れを事前に詳しくご説明いたします。 医師が問診を行い、検査の目的や方法、注意点などを丁寧に説明します。

女性に優しい環境:
女性の患者様が抱える不安(お尻を見られることへの抵抗、生理との重なり)にも配慮し、女性スタッフによるサポートや、使い捨ての検査着の着用など、安心して検査を受けていただける環境を整えています。。

駅近の好立地:
当院は大通駅から徒歩30秒という非常に便利な場所に位置しています。 お仕事帰りや買い物のついでにもお立ち寄りやすく、検査による時間的な負担を最小限に抑えることができます。

午前中に検査を完了できる:
事前の準備をしっかりと行うことで、午前中に大腸内視鏡検査を終え、午後の時間を有効活用していただくことも可能です。



下痢が続くあなたへ:放置せずに、まずはご相談ください

「胃薬を飲んでも下痢が続く」といった症状でお悩みでしたら、早めに当院にご相談ください。

たとえ一時的な下痢であっても、それが大腸からのSOSである可能性を考慮する必要があります。 特に、40歳以上の方、便潜血検査で陽性の結果が出た方、ご家族に大腸がんやポリープになった方がいる方 は、大腸カメラ検査による精密な検査を受けることを強くお勧めします。

早期に大腸の異常を発見し、適切な治療を行うことが、あなたの健康を守る上で最も重要なことです。 当院では、患者様一人ひとりの症状や状況に合わせて、最適な検査と治療をご提案させていただきます。



検査費用と保険適用について

大腸内視鏡検査は、症状がある場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。

保険適用の場合、自己負担額は通常3割となります。

また、検査の結果、ポリープを切除したり、組織検査を行った場合には、別途費用がかかることがあります。 費用の詳細については、検査前または検査後にお気軽にご質問ください。

さらに、大腸ポリープ切除などの治療内容によっては、加入されている生命保険の手術給付金や医療保険の給付金が支払われる場合があります。 ご加入の保険会社にお問い合わせいただくことをお勧めします。



最後に

「もしかして胃薬のせい?」と感じた下痢の裏には、思いもよらない大腸からのサインが隠されているかもしれません。 自己判断で放置することなく、気になる症状があれば、まずは札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックにご相談ください。

私たちは、地域の皆様の健康な毎日をサポートできるよう、丁寧で質の高い医療を提供してまいります。 皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


