2025年7月22日

皆様、こんにちは。札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

私たちのクリニックでは、北海道の皆様の大腸がん死亡率を減少させるという揺るぎない使命のもと、日々診療に励んでおります。

大腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、極めて高い確率で治癒が期待できる病気です。

しかし、その厄介な特徴として、初期の段階では自覚症状がほとんど現れないため、病気が進行するまで気づかれにくいという現実があります。だからこそ、症状がなくても定期的な検診が何よりも重要となるのです。

大腸カメラ検査は、大腸がんの予防と早期発見に最も有効な手段の一つとされており、その重要性は増すばかりです。

今回は、大腸カメラ検査における「院内下剤」と「自宅下剤」という二つの主要な準備方法について詳しくご説明し、皆様が当院でいかに安心して快適に検査を受けていただけるか、その具体的な取り組みをご紹介したいと思います。

目次
なぜ検査前の下剤服用が不可欠なのか?

大腸カメラ検査は、検査前に大量の下剤を内服する必要があります。

この検査で最も重要なのは、大腸内が完全にきれいな状態であることです。

もし大腸の中に便や未消化物が残っていると、カメラの視野が妨げられ、検査に非常に時間がかかってしまうだけでなく、何よりも小さな病変、特に早期の大腸がんや、将来がんへと進行する可能性のあるポリープ(腺腫性ポリープなど)を見落としてしまう危険性が格段に高まります。

微細な病変の発見は、まさにこの事前の腸内洗浄の徹底度に大きく左右されると言っても過言ではありません。この腸内をすみずみまできれいにするために、検査前に服用するのが「腸管洗浄液」、一般に「下剤」と呼ばれる薬剤なのです。



様々な下剤の種類と、その「つらさ」を乗り越えるために

大腸カメラ検査で使用される下剤には、いくつかの種類が存在します。

主に使用されるものとしては、モビプレップ、ニフレック、マグコロールP、サルプレップなどがあります。
モビプレップ
やや酸っぱくて濃い梅味風味で、比較的小さい服用量で高い洗浄力が期待できます。 服用量は1L-1.5Lです。

ニフレック
バランスの取れた洗浄力と味を持つと評価されますが、服用量は約2Lです。体内への吸収がほとんどなく電解質への影響が少ないため、高齢者や腎機能が低下している患者様にも比較的安心して使用できる汎用性の高さが特徴です。

マグコロールP
スポーツドリンクのような風味で飲みやすいと感じる方が多いですが、洗浄力はやや弱めとされています。 服用量は1.8Lです。

サルプレップ
レモン風味で、服用量が比較的少なく、溶解不要でそのまま服用できる手軽さが特徴の新しめの下剤です。 服用量は480ml-960mlです。

これらの下剤は、多くの場合1~2リットル、場合によってはそれ以上の水分と一緒に服用する必要があります。この多量の液体を短時間で飲み切ること、そしてその独特の味に対する抵抗感が、多くの方にとって大腸カメラ検査を受ける上での心理的、身体的な「つらさ」の一つとなっています。しかし、正確な診断のためには避けて通れないプロセスです。

「自宅下剤」と「院内下剤」:あなたに合った準備の選択肢

当院の場合、服用方法として、「自宅下剤」と「院内下剤」があります。

1. 自宅下剤:
自宅下剤は、検査当日朝にご自宅で下剤を服用し、腸をきれいにする方法です。

メリット
ご自身の慣れた環境で、周囲を気にすることなく、リラックスして準備を進めることができます。特に、ご自宅で過ごすことに安心感を覚える方には適した選択肢と言えるでしょう。

デメリット
ご自宅が遠いと来院途中に催してしまうリスクがあります。また検査前日までに事前診察が必要です。

準備の流れ
検査の2~3日前から、消化に良い食事を心がけていただきます。検査前日の夕食は21時までに軽めに済ませ、その後は水、お茶、スポーツドリンク以外の飲食は控えていただきます。検査当日は、クリニックで処方された前処置用の下剤を、ご自身のペースで時間をかけてご自宅で服用していただきます。


2. 院内下剤:
院内下剤は、検査当日にクリニックにご来院いただき、院内の専用スペースで下剤を服用していただく方法です。

メリット
圧倒的な安心感とサポート
最大のメリットは、看護師や医療スタッフが常にそばにおり、下剤の服用中に気分が悪くなった場合や、便の排出状況に不安があった場合でも、すぐに専門的なサポートや的確なアドバイスを受けることができる点です。

利便性の追求
普段から多忙で事前にクリニックを受診する時間が取れない方や、遠方からお越しになる方でも、検査当日にまとめて準備を完了できるため、時間的負担を大幅に軽減できます。

デメリット
院内のトイレを使用するため、慣れないトイレで用を足す必要があります。
ただし当院の場合、トイレは常に清潔に保ち、不足なく用意しておりますのでご安心下さい。

当院での流れ
当院では、院内で下剤を服用される患者様のために、快適な専用スペースをご用意し、スタッフが丁寧かつきめ細やかにサポートいたします。

午前中だけで検査を終わらせたいというご要望にもお応えしており、自宅で下剤を服用して10時台に検査を始め、12時までに帰宅するプランや、当院で下剤を服用し、13時台に検査、14時までに帰宅するプランもご用意しています。

当院での大腸カメラ

当院では、患者様目線に立った様々な工夫を凝らしています。

1. 腸内洗浄を確実にするための徹底した食事サポート
検査前の食事制限は、腸をきれいにする上で検査の成否を分ける非常に重要な要素です。当院では、「日本のスタンダードとなる大腸内視鏡検査前日の食事の指標」を独自に作成し、どなたにも分かりやすく、かつ具体的にご案内しております。
「食べていいもの」「食べてはいけないもの」の明確なリスト
消化に良く、腸に残りにくい食品(脂肪の少ない白身魚や鶏肉、白米、うどんなど)は通常通り召し上がっていただけます。一方で、健康に良いとされているものの、大腸に残って検査の妨げとなる食物繊維の多い野菜(特に葉物野菜、きのこ類)、海藻類、種のある果物(キウイ、イチゴ、ゴマなど)、ナッツ類は、検査前日には避けていただく必要があります。
利便性を追求した具体的な提案
ご自身で調理する時間がない方や、献立に悩む方のために、スタッフ全員で試食を重ねて厳選した「消化に良いコンビニ食」の具体的な商品例を提案しています。

2. 痛みや苦痛を限りなくゼロにする「無痛内視鏡検査」
「大腸カメラは痛い」「苦しい」といったイメージは、多くの患者様が検査をためらう大きな要因です。当院では、この不安を根本から解消するために、鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を積極的に導入・提供しております。

「気づいたら終わっていた」体験
鎮静剤を適切に使用することで、検査中はほとんど眠ったような状態で、痛みや不快感をほとんど感じることなく検査を受けることができます。患者様からは、「気が付かないうちに終わった」「全く痛みがなかった」といったお声を多数いただいております。

診断精度の向上
患者様がリラックスし、身体が安定していることで、医師はよりスムーズに、そして集中して大腸のすみずみまで丁寧に観察することが可能となります。これにより、微細な病変も見落とすことなく、診断の精度を飛躍的に高めることができます。

3. 熟練の専門医による確かな技術と最先端の設備
当院では、月300件以上の胃カメラ・大腸カメラ検査をおこなっており、経験豊富な消化器内視鏡専門医がすべての検査を責任をもって担当しております。

困難な症例にも対応
大腸の長さや形は個人差が大きく、女性や過去に手術歴のある方、腸に癒着がある方などは、内視鏡の挿入が難しい場合があります。当院の専門医は、そのような困難なケースにおいても、熟練の技術と豊富な経験に基づき、患者様への負担を最小限に抑えながら、安全かつ確実に盲腸まで挿入し、精度の高い観察を可能にしています。

最新の内視鏡システム
高精細な画像診断を可能にする最新の内視鏡システムを導入しており、これにより、肉眼では見分けにくいわずかな粘膜の変化や、早期のがんの兆候を捉えることができます。

その場での早期治療
検査中にポリープが見つかった場合、ほとんどの良性ポリープや早期がんは、その場で内視鏡的に切除する「日帰り手術」が可能です。これにより、患者様は改めて手術のための日程を組む手間や、身体的・精神的な負担を大幅に軽減することができます。

4. 現代のライフスタイルに合わせた利便性の追求
柔軟な診療時間
平日はお仕事や家事、育児で忙しい皆様のために、当院では土曜日・日曜日も内視鏡検査を実施しております。これにより、大切な休日を有効活用しながら、健康管理を継続いただけます。

24時間オンライン予約
お好きな時に、スマートフォンやPCから24時間いつでも簡単に検査の予約が可能です。リアルタイムで空き状況を確認でき、ご自身のスケジュールに合わせて柔軟に調整いただけます。また、事前にWEB問診を記載いただくことで、来院時の手続きを短縮し、スムーズな診察へと繋げることができます。

アクセス抜群の立地
札幌の中心部に位置し、大通駅からわずか徒歩30秒という好立地にあります。地下鉄の改札から直結に近いビル内に位置するため、雨や雪の日でもほとんど濡れることなくご来院いただけます。



検査後の丁寧なサポートと、長期的な健康維持のために

検査でポリープが切除された場合、術後の出血や合併症を避けるため、約1週間は消化の良い食事を心がけ、刺激物、脂肪分の多い食品、生もの、アルコールは控えていただくよう、詳細にご説明しております。また、便秘予防のために十分な水分摂取も推奨しています。

切除されたポリープは病理検査に回され、その結果(良性か悪性か、がん化の可能性など)に応じて、今後のフォローアップ計画を立てます。

大腸ポリープは、その多くは良性ですが、種類によっては放置するとがんへと進行するリスクがあるため、定期的な内視鏡検査による早期発見・早期治療が非常に重要です。

当院では、検査結果に基づいて今後の治療や生活上の注意点について丁寧に説明し、患者様一人ひとりに合わせた継続的なメンテナンスとサポート体制を整えております。

大腸カメラ検査にかかった費用は、健康保険が適用される場合が多いですが、ポリープ切除など治療内容によっては、ご加入の生命保険や医療保険の手術給付金の対象となる可能性もありますので、事前に保険会社へご確認ください。

まとめ

大腸カメラ検査前の下剤服用は、皆様の健康を守る上で不可欠なステップです。

ご自宅での準備が難しい方や、検査への不安が大きい方のために、当院では「院内下剤」という選択肢、そして徹底した食事サポート、鎮静剤を用いた「無痛内視鏡検査」、熟練の専門医による確かな技術、そしてアクセスの良い立地と便利な予約システムで、皆様に最高の検査体験を提供することを目指しております。

大腸カメラ検査の準備は、まるで大切な資産を守るための地道な手入れのようなものです。 目には見えなくても、定期的な手入れを怠れば、大切な資産(健康)は徐々に傷んでしまいます。しかし、専門家の助けを借りて適切な手入れ(腸内洗浄)を行うことで、その資産は輝きを保ち、長く活用することができます。当院は、皆様の大切な健康という「資産」を末永く守るための、信頼できる「手入れの専門家」でありたいと願っています。

大腸がんは、早期発見により克服できる可能性が高いがんです。決して「つらいもの」「恥ずかしいもの」と諦めることなく、皆様の健康な未来のために、ぜひ一度、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックにご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


