2025年5月28日

健診の便検査で陽性と結果が出た際、「精密検査を受けてください」と通知が来ることが多いです。

その場合、「大腸カメラ」で精密検査を受ける場合が通常です。

今回のコラムでは、「便潜血陽性の時の精密検査って何?」という皆様の疑問にお答えします。

またなぜ精密検査が必要なのか、そして当院(札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック)ではどのような検査を提供しているのかを詳しくご紹介致します。

当院で内視鏡検査をご希望の方は以下のリンクからご予約ください。

目次
便潜血検査とは? その目的と限界

便潜血検査は、大腸がん検診の一次検査として広く行われている検査法です。

この検査の目的は、便の中に混じった肉眼では確認できないほどの微量の血液(潜血)を検出することで、大腸に何らかの異常がある可能性のある方を見つけ出すことです。

便潜血検査は、40歳以上の人には年1回の受診を推奨しており、特に50歳以上では強く推奨しています。これは、40歳頃から大腸がんの死亡率と罹患率が増加し始め、特に50歳以上で急増するためです。

しかし、便潜血検査には限界もあります。便潜血検査で「陽性」となるのは、受診者全体の約5%程度とされていますが、このうち実際に大腸がんが発見される確率は、5%未満と言われています。

逆に、早期のがんや小さなポリープでは出血がない場合や、出血があっても少量でタイミングによっては検出されないこともあります。そのため、「便潜血陰性=大腸がんではない」とは言い切れません。



精密検査の主役:大腸カメラ(大腸内視鏡検査)

便潜血検査で「異常あり」と判定された場合に推奨されているのが大腸カメラです。

大腸カメラ検査は、「下部消化管内視鏡検査」とも呼ばれ、細く柔軟なチューブの先端についた小型カメラを使って、肛門から大腸の奥(盲腸)まで、場合によっては小腸の一部(回腸末端)まで直接観察する検査です。

大腸カメラ検査の最大のメリットは、粘膜を直接観察できることで、炎症や潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無や状態を詳細に把握できる点です。5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、早期のがん発見に非常に優れています。

さらに、疑わしい病変が見つかった場合、その場で組織の一部を採取する「生検(せいけん)」を行い、顕微鏡で詳しく調べる「病理診断」によって、良性か悪性か、がんかどうかの確定診断をつけることができます。これはバリウム検査ではできない、内視鏡検査の非常に重要な点です。

そして、大腸カメラ検査で見つかったポリープは、種類によっては検査中にその場で切除することが可能です。

大腸ポリープの中には、将来的に大腸がんへと進行するもの(前がん病変)があるため、ポリープを早期に発見し切除することは、大腸がんの発生そのものを予防する上で非常に効果的なのです。




札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでの大腸カメラ検査

「大腸カメラ検査痛そう…」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

私も多くの患者様の声を聞いてきましたので、そのお気持ちはよく理解できます。特に大腸カメラ検査は、内視鏡を挿入する際に痛みや不快感を伴うことがあり、この点が検査を敬遠される大きな理由の一つとなっています。

当院、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、皆様に安心して、そして快適に大腸カメラ検査を受けていただけるよう、様々な工夫を凝らしています。

苦痛を最小限に抑える「無痛内視鏡検査」
当院では、鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しており、検査時の苦痛や不快感を大幅に軽減することが可能です。

鎮静剤を使用することで、ほとんど眠っているような、あるいはリラックスしてぼーっとしているような状態で検査を受けることができます。これにより、内視鏡の挿入時に腸管が伸びてしまうことによる痛みなどが起こりにくく、患者様のご負担を軽減しながら、医師もスムーズかつ丁寧に観察を進めることができます。

ただし、鎮静剤を使用した場合は、検査当日は車の運転や自転車の運転は絶対にお控えいただく必要があります。一度覚醒したように見えても、数時間後に再び眠気が出る可能性があるためです。ご来院の際は公共交通機関をご利用いただくか、送迎をご手配ください。

専門医による質の高い検査と診断
内視鏡検査は、行う医師の技量や経験によって、病変の発見率に差が出ることが事実です。特に早期がんや小さなポリープを見つけるには、熟練した技術と経験が必要です。

当院では、消化器内視鏡専門医が、最新の内視鏡システムを用いて、丁寧かつ高精度な大腸カメラ検査を行っております。

多くの症例経験を持つ専門医が、患者様一人ひとりの腸管の状態を見極めながら、最も安全で苦痛の少ない方法で検査を進めます。

スムーズな予約と受診体制
「忙しくてなかなか検査を受ける時間がない」という方もいらっしゃるでしょう。当院では、お仕事などで忙しい方でも検査を受けやすいよう、利便性の高い予約・受診体制を整えています。

土曜日・日曜日も内視鏡検査を実施しております。平日がお忙しい方でも、週末を利用して検査を受けていただくことが可能です。また、ウェブ予約にも対応しており、24時間いつでもご予約いただけます。

さらに、緊急性の高い場合や、ご希望があれば、当日の内視鏡検査予約も可能な場合があります。血便が出ているなど、今すぐに検査が必要か判断に迷う場合も、まずはご相談ください。

胃カメラとの同時検査も可能
胃の症状(胃痛、胸焼け、食欲不振など)もある方や、「一度に胃も大腸もまとめて調べてしまいたい」とお考えの方には、胃カメラと大腸カメラの同日検査も提供しています。

胃カメラと大腸カメラを別々に受ける場合、それぞれで検査前の食事制限や準備が必要になりますが、同日検査であればこれらのご負担を1日で済ませることができます。また、費用も別々に受けるより抑えられることが多いです。



大腸がんのリスク要因と予防について

大腸がんの発症には様々な要因が関与しています。

主なリスク要因としては、加齢(50歳以上)、大腸がんやポリープの家族歴、食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、飲酒、肥満、運動不足などが挙げられます。

特に食生活は重要で、野菜、果物など食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取することは、便通を改善し、腸内の有害物質の排出を助けるため、大腸がん予防に繋がると考えられています。

日本人の食物繊維平均摂取量は推奨量を下回る傾向にあるため、意識して摂ることが大切です。成人では一日あたり約20~25グラムが推奨されています。ただし、食物繊維を摂ればとるほど大腸がんの予防効果が期待できるわけではないようですが、極端に少ない人ではリスクが高くなる可能性が示されています。

また、アルコールと大腸がんリスクの関係も見逃せません。常習的な飲酒や過度なアルコールの摂取は、腸内環境を悪化させ(善玉菌の減少など)、大腸ポリープや大腸がんのリスクを高める可能性があると言われています。腸へのダメージを避けるためには、適量を守り、過度な飲酒は控えることが大切です。



まとめ:便潜血陽性は、未来の健康への扉を開くサイン

便潜血陽性という結果は、皆様の心に少なからず不安をもたらしたことでしょう。

しかし、これは大腸からの大切なメッセージであり、ご自身の健康を見つめ直し、早期に異常を発見するための貴重な機会を与えてくれたと前向きに捉えていただきたいと思います。

便潜血検査はスクリーニング検査であり、陽性が出たからといって必ずしも大腸がんではありませんが、大腸に何らかの異常がある可能性を示す重要なサインです。このサインを見過ごさず、精密検査である大腸カメラ検査を受けることが、早期発見・早期治療、そして大腸がんの予防に繋がる最善の選択です。

便潜血陽性という結果が出た皆様。あるいは、血便が出たなど大腸に不安を感じている皆様。自己判断せずに、まずは専門医にご相談ください。当院では、皆様の不安に寄り添い、質の高い検査と丁寧な説明を通じて、安心を提供できるよう努めています。

健康な未来のために、一歩踏み出して、ぜひ当院で大腸カメラ検査を受けてみませんか。皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


