便秘って症状なければ放置しててもいいの?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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便秘って症状なければ放置しててもいいの?

便秘って症状なければ放置しててもいいの?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年5月26日

はじめまして。札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田遼です。

便秘は非常に身近な症状であり、日本人の多くが経験すると言われています。特に女性に多い印象もありますが、男性でも悩んでいる方は少なくありません。

一時的な便秘であれば、「いつものこと」「体調が悪いのかな」程度で済ませてしまいがちです。しかし、「便秘があっても、特にひどい症状がなければ放置していても良いのだろうか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

残念ながら、「症状がない便秘だから大丈夫」と安易に放置することは、非常に危険な場合があります。便秘というサインの裏に、実は重大な病気が隠れていることがあるからです。

今回のコラムでは、便秘と放置のリスクについて、そしてなぜ症状がない方でも定期的な検査が大切なのかを、専門医の立場から詳しく解説させていただきます。

便秘はなぜ起こる?身近な原因から見過ごせないサインまで

便秘が起こる原因は様々です。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

食生活の偏り:

特に食物繊維の摂取量不足は、便秘の大きな原因となります。食物繊維は便のかさを増やし、腸の動きを活発にする働きがあります。また、水分不足も便を硬くし、排便を困難にさせます。

運動不足:

適度な運動は腸の蠕動運動を促し、便通を改善します。運動量が少ないと、腸の動きが鈍くなりがちです。

加齢:

年齢を重ねると、腸の機能が自然と低下したり、筋力が衰えたりすることで便秘になりやすくなることがあります。

特定の薬の服用:

高血圧の薬など、一部の薬には副作用として便秘を引き起こすものがあります。

飲酒:

お酒の飲みすぎは自律神経に作用し、腸の働きを抑制することがあります。また、アルコール分解時に生じるアセトアルデヒドなどが善玉菌を減らし、腸内環境を悪化させることもわかっています。

大腸癌:

大腸癌が原因となり、便の通り道をふさいでしまっている場合があります。この場合は癌を取り除くなどの治療が必要となります。

大腸癌によって内腔が閉塞した大腸

便秘があっても「症状なければ放置」が危険な理由

便秘でも、「お腹は張るけど、痛くないし…」と軽視している方が多いです。

しかし、これが落とし穴となることがあります。特に、怖いのは大腸がんが隠れている可能性です。

大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどないことが多い病気です。これは非常に厄介な特徴です。がんが少し大きくなってくると、便が細くなったり、血便が出たりといった症状が出てくることがありますが、これらの症状が出たときには、すでにがんが進行しているケースも少なくありません。

日本において、大腸がんは非常に多いがんであり、年々増加傾向にあります。特に女性のがんによる死亡原因の第1位は大腸がんです。年間に大腸がんと診断される方は15万人以上、大腸がんで死亡される方は5万人以上にも及びます。

症状がない、あるいは軽い便秘だからこそ、「病気ではないだろう」と医療機関を受診するきっかけを逃してしまいやすい。これこそが、大腸がんの早期発見を妨げる大きな要因の一つと言えるでしょう。

大腸がんを「早期に」見つけるために

鍵となるのは、「定期的な検査」です。

大腸がんの検査には、主に以下の2つの方法があります。

便潜血検査(検便):

これは、文字通り便の中に肉眼では見えない微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。便潜血検査は、一定の集団において大腸がんによる死亡率を減少させる効果があることが科学的に証明されており、特に40歳以上の方には年1回受診することが推奨されています。

しかし、便潜血検査には限界もあります。出血がない早期がんや小さなポリープは検出できない場合があります。また、痔や大腸の炎症など、がん以外の原因でも陽性になることがあります。便潜血陽性者から実際に大腸がんが見つかる確率は5%未満とも言われます。

重要なのは、便潜血検査で一回でも「陽性」と判定された場合、必ず精密検査を受ける必要があるということです。便潜血検査で陽性であること自体が、大腸に何らかの異常がある可能性を示唆する重要なサインだからです。

大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査):

これは、肛門から細くて柔らかい管(内視鏡スコープ)を挿入し、大腸の粘膜をカメラで直接観察する検査です。便潜血検査で陽性だった場合の精密検査として行われるほか、症状がある方や、家族歴などリスクが高い方にも推奨される検査です。

大腸カメラの最大のメリットは、大腸の粘膜の状態を詳細に直接観察できる点にあります。色の変化やわずかな粘膜の隆起や凹み、模様の違いも認識できます。これにより、便潜血検査では見つけにくいような、早期のがんや小さなポリープも見逃しにくくなります

さらに、大腸カメラ検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することができます。大腸ポリープの中には、将来がんになる可能性がある「前がん病変」が含まれています。ポリープを早期に切除することで、将来的な大腸がんの発生を予防する効果が期待できるのです。

大腸カメラへの不安を解消したい! ~当院がこだわっていること~

大腸カメラ検査には不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

当院、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがこだわっていることをご紹介させてください。

「痛くない」「苦痛の少ない」内視鏡検査:

大腸カメラで痛みを感じやすいのは、S状結腸や横行結腸といった、腸が伸び縮みしやすい部分です。特に腸が長い方や、過去に手術や炎症で腸に癒着がある方は、内視鏡の挿入時に痛みが出やすい傾向があります。

しかし、これは医師の技量や工夫である程度克服可能です。当院では、経験豊富な消化器内視鏡専門医が、患者様の痛みに最大限配慮しながら、丁寧かつ迅速に検査を行います。さらに、ご希望の方には鎮静剤を使用した「無痛内視鏡検査」を提供しています

鎮静剤を使うと、ウトウトしたり、ほとんど眠っているような状態で検査が終わりますので、検査中の苦痛や不快感を大幅に軽減できます。私は自身も上下部の検査を同日に受けたりしますが、特に問題ありません。

多忙な方でも受けやすい検査体制:

お仕事や家事、育児で忙しい方にとって、検査のためにまとまった時間を取るのは難しいことでしょう。当院では、土曜日や日曜日も検査を行っています。また、WEBから24時間いつでも予約が可能です。さらに、当日予約にも対応できる場合がありますので、急な症状やスケジュールの変更にも柔軟に対応可能です。

胃カメラとの同日検査も可能:

「胃も大腸も一度に調べてしまいたい」「何度も食事制限するのは嫌だ」という方のために、当院では胃カメラと大腸カメラの同日検査も行っています。これにより、食事制限や時間的な拘束を1日で済ませることができ、身体的負担を軽減できます。

便秘の改善は生活習慣から、でも「検査」が何より大切

便秘を改善するためには、やはり日々の生活習慣の見直しが基本となります。

食物繊維を意識して摂る、こまめに水分を摂る、適度な運動を習慣にする、飲酒量を控える、タバコをやめる、適切な体重を維持する といったことは、便秘だけでなく、大腸がんを含む様々な病気の予防にもつながります。

特に食物繊維は、成人で一日20~25グラム程度が推奨されていますが、多くの日本人が不足していると言われています。急に増やすと逆効果になることもあるため、徐々に増やしていくのがコツです。発酵食品やプロバイオティクスも腸内環境を整えるのに有効です。

しかし、これらの生活習慣の改善は、「便秘そのもの」の対処法であり、「便秘というサインの裏に隠れた重大な病気」を見つける方法ではありません。特に、自覚症状がない方や、便秘が軽く「こんなものだろう」と思っている方にこそ、検査を受けていただきたいのです。

「まだ若いから大丈夫」「特に症状ないし面倒くさい」…そう思っている間に、病気はひっそりと進行してしまうことがあります。定期的な検査は、早期発見・早期治療につながり、皆さんの健康と未来を守るための最も確実な投資です。

まとめ ~便秘は身体からのサイン。放置せず、検査で安心を~

便秘には重大な病気が隠れている可能性もゼロではありません。

特に大腸がんは、進行するまで症状が出にくいという特徴があります。症状がない、あるいは軽い便秘だからこそ、安易に放置せず、身体からのサインとして受け止めることが大切です。

大腸がんを早期に発見し、完治を目指すためには、定期的な検査が非常に重要です。まずは便潜血検査でスクリーニングを行い、陽性だった場合は必ず精密検査(大腸カメラ)を受けてください。

症状がない方でも、40歳を過ぎたら定期的な便潜血検査、そして場合によっては大腸カメラ検査をご検討いただくことを強くお勧めします。

「便秘が気になるけど、病院に行くほどでもないかな」「特に症状ないけど、大腸がんって怖いな」「大腸カメラってなんだか不安…」

もし、あなたがこのように感じているなら、ぜひ一度当院にご相談ください。

皆さんの健康な毎日を心より応援しています。

 文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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