2025年5月07日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック 院長の福田遼です。

この度、私の執筆した医療コラムをお読みいただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「大腸ポリープ切除は手術になるのか」という、多くの方が抱かれている疑問にお答えするものです。

この疑問を解消し、当院での大腸カメラ検査がいかに患者様にとって安心で有益であるかをお伝えできれば幸いです。

目次
大腸ポリープ切除は手術になるのか?皆様の疑問にお答えします

ポリープが見つかったらどうなるんだろう?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

結論から申し上げますと、大腸ポリープの切除は、内視鏡的ポリープ切除術【K721】という「手術」とみなされます。

ただし、お腹を切るような外科手術とは異なり、大腸内視鏡検査の際に内視鏡を用いて行う「内視鏡手術」という種類の処置です。

多くの場合、大腸検査と同時にその場で行うことができ、入院せずに日帰りでの対応が可能となっています。

手術扱いとなりますので医療保険に加入されている方は手術給付金が支給される可能性があります。



なぜ大腸ポリープは切除した方が良いのか?

大腸ポリープが見つかった場合、全てが悪性(がん)というわけではありません。

しかし、ポリープの中には、将来的にがん化する可能性がある「腺腫性ポリープ」という種類があります。腺腫性ポリープは、放置すると時間とともに大きくなり、悪性化して大腸がんへと進行するリスクがあるのです。

大腸がんは、早期発見・早期治療が非常に重要です。がんがまだ粘膜や粘膜下層にとどまっている「早期がん」のうちに発見できれば、内視鏡治療で根治できる可能性が高く、5年生存率も非常に高くなります。

しかし、進行してしまうと、大腸の壁を深く食い破り(浸潤)、リンパ節や肝臓、肺などの他の臓器へ転移する可能性が高まり、治療がより複雑で身体への負担も大きくなり、生存率も低下します。

腺腫性ポリープの段階で発見し、内視鏡で切除すること。これこそが、大腸がんを予防する上で最も効果的な手段なのです。ポリープを切除することで、将来がんになる芽を摘むことができるわけです。



大腸カメラ検査で何がわかるのか?

大腸がんのリスクがある方には、大腸カメラによる精密検査が強く推奨されます。

大腸カメラ検査は、肛門から細い管状のカメラを挿入し、大腸の粘膜を医師が直接目で見て詳しく観察する検査です。これにより、以下のようなことが可能になります。

粘膜の状態を直接確認:
炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無や詳細な状態を確認できます。

早期病変の発見:
5mm以下の小さなポリープや早期がんも見つけやすく、診断精度が高い検査です。

組織検査(生検):
疑わしい病変があれば、その場で組織の一部を採取し、病理検査で良性か悪性か確定診断ができます.

ポリープの切除:
見つかったポリープをその場で切除し、がん予防や治療を行うことが可能です。



大腸ポリープ切除の費用と保険適用について

大腸ポリープ切除が「手術」であることのもう一つの重要な点は、医療保険の適用です。

大腸カメラ検査自体は、腹痛や血便などの症状がある場合 や、便潜血検査で陽性となった場合 など、医師が必要と認めた場合に健康保険が適用されます。3割負担の場合、検査費用は一般的に1万円程度が目安となります。

そして、検査中にポリープが発見され、その場で切除した場合は、別途手術費用がかかります。これは内視鏡的ポリープ切除術という内視鏡手術にあたるためです。ポリープ切除を伴う場合の費用は、3割負担で約2万円から3万円程度が目安となることが多いです。ポリープの数や大きさによって費用は多少変動します。

ここで朗報です。多くの民間の生命保険や医療保険では、「手術給付金」が設定されています。大腸ポリープ切除は多くの場合、これらの給付金の対象となる手術とみなされます。

たとえ日帰りの手術であっても、給付金が支払われるケースがあります。ご加入の保険内容によって支払われる金額は異なりますので、ご自身の保険会社に事前に確認されることを強くお勧めします。

このように、大腸ポリープ切除は医学的には手術ですが、身体への負担が少なく、費用面でも保険適用や給付金によって軽減される可能性があるため、過度に心配する必要はありません。それよりも、早期発見・早期治療の機会を逃さないことの方が、ご自身の健康にとって圧倒的に重要です。



安心・快適な大腸カメラ検査は当院にお任せください

当院では、患者様に安心して大腸検査を受けていただくための体制を整えています。

苦痛を最小限に抑える工夫:
「検査が痛い」「辛い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。当院では、ご希望に応じて鎮静剤を使用した「無痛内視鏡検査」を積極的に行っております。

鎮静剤を使用することで、「寝ている状態」や「ウトウトした状態」で検査を受けることができ、検査中の苦痛や不快感を大幅に軽減できます。

患者様へのアンケートでも、ほとんどの方が「楽だった」「痛みを感じなかった」と回答されています。

日帰りポリープ切除への対応:
検査中にポリープが見つかった場合、90%以上の方でその場での日帰り切除が可能です。これにより、再度準備をして検査を受ける手間や、入院の負担を省くことができます。大型のポリープなど、入院が必要な場合は連携病院へご紹介いたします。

胃カメラ・大腸カメラ同日検査:
ご希望の方には、胃カメラと大腸カメラを同日に受けることも可能です。検査前後の準備や鎮静剤の使用を一度で済ませられるため、別々に受けるよりも身体への負担が少なくて済みます。費用も別々に受けるより抑えられる傾向があります。

検査前準備のサポート:
大腸カメラ検査には事前の食事制限や下剤の服用といった準備が必要ですが、当院では患者様に合わせた最適な下剤の選択や、丁寧な説明でサポートいたします。

通院しやすい環境:
当院は札幌の中心部に位置しており、土日も診療を行っています。お仕事でお忙しい方、平日の受診が難しい方でも、週末を利用して検査を受けていただけます。

また、お電話やインターネットから24時間いつでも予約が可能です。予約制のため待ち時間も少なく、快適な環境で過ごしていただけます。



大腸がんのリスクを減らすために

大腸がんは、食生活の欧米化や運動不足など、生活習慣の変化に伴い北海道を含め全国で増加傾向にあります。

女性ではがん死亡原因の第1位、男性では第2位となっており、その対策は喫緊の課題です。

大腸がんのリスク要因としては、加齢(50歳以上)、大腸がんやポリープの家族歴、食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、飲酒、肥満、運動不足 などが挙げられます。

これらのリスク要因を意識し、バランスの取れた食事(食物繊維を豊富に摂り、赤身肉や加工肉を控える)、適度な運動、禁煙・節酒、適切な体重維持 など、生活習慣を見直すことが大腸がんの予防に繋がります。

そして何より重要なのが、定期的な大腸がん検診です。特に40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に検診を受けることが推奨されています。

血便や気になる症状がある方もご相談ください

便潜血陽性だけでなく、血便が出た、便秘や下痢が続くなど便通に異常がある、便が細くなった、お腹の張りや腹痛がある、体重が減った など、気になる症状がある場合は、放置せずに医療機関を受診することが大切です。

特に血便がある場合や、以前にポリープを切除した経験がある方は、便潜血検査ではなく、より詳細な大腸カメラ検査が推奨されます。当院では、このような症状がある方のご相談も承っており、保険適用での検査が可能です。



最後に

大腸ポリープ切除は将来の大腸がん予防に繋がる非常に重要な処置です。

そして、多くの場合、検査と同時に日帰りで行うことができ、保険適用や医療保険の給付金の対象となる可能性があります。

便潜血検査で陽性だった方 はもちろん、40歳以上の方 や、ご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方 など、リスク要因をお持ちの方は、症状がなくても定期的な大腸カメラ検査をご検討ください。

当院では、経験豊富な専門医による丁寧な検査、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査、土日を含む便利な診療体制、そして患者様一人ひとりに寄り添うきめ細やかなサポートで、皆様の健康管理をサポートさせていただきます。

ご心配なことやご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております.


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


