2025年3月13日

『やっぱりタバコは大腸にも悪いですよね?』

『いまさら禁煙しても無駄ですよね?』

『別に回りに迷惑かけなければ吸ってもいいですかね?』

そんな質問を頂きましたのでお答えします。

目次
1. たばこと大腸癌リスクの関係

たばこには健康への悪影響が多くありますが、その中でも注目されるのが大腸癌リスクの上昇です。

1.1. 大腸癌リスクが1.4倍に上昇する理由
たばこを吸うことで、大腸癌リスクが1.4倍に上昇するという報告があります(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14693743/)。理由としてはまず、たばこに含まれる有害物質が腸内の細胞に直接、悪影響を与えるためです。これらの物質はDNAを損傷し、細胞の異常増殖を引き起こします。また、慢性的な炎症を誘発することでも知られています。この炎症反応が長期間続くと、正常な細胞が癌細胞に変わってしまう可能性が高まります。
1.2. 喫煙により引き起こされる腸内の変化
喫煙は、腸内環境を悪化させる主な要因の一つです。たばこを吸うと、まず腸内のバクテリアバランスが崩れやすくなります。これにより、善玉菌が減少し、悪玉菌が増えるのです。悪玉菌の増加は、腸内の炎症を引き起こしやすくなります。また、喫煙は腸壁の細胞にも直接ダメージを与え、バリア機能を低下させます。腸壁のバリア機能が低下すると、有害物質が血液中に入りやすくなり、全身の健康にも影響を及ぼします。
1.3. たばこ一本で寿命は22分縮むという報告もあり
たばこが健康に及ぼす影響は計り知れません。ある報告によれば、たばこ一本を吸うことで寿命が22分縮むとのデータがあります(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/add.16757)。これは、たばこに含まれる有害物質が体内で代謝される過程で、多くの健康被害を引き起こすからです。例えば、心臓病や呼吸器疾患のリスクが高まり、全身の血管にダメージを与えます。また、抗酸化力が低下し、細胞の老化が進むため、大腸癌を含むさまざまな病気が発症しやすくなります。



2. 大腸癌早期発見のための内視鏡検査

大腸癌を早期に発見するためには、内視鏡検査がとても重要です。

2.1. 大腸内視鏡により大腸癌予防
大腸内視鏡は、大腸癌の予防に非常に効果的です。まず、内視鏡を使って腸内を詳しく観察します。この検査によって、ポリープなどの異変を早期に発見することができます。ポリープが見つかれば、その場で切除することも可能です。早期に異変を見つけ出すことで、大腸癌の発生を未然に防止できます。定期的な内視鏡検査を受けることで、健康な状態を維持しやすくなります。
2.2. 大腸ポリープ切除で大腸癌死亡を53%減少
大腸ポリープの切除は、大腸癌の死亡を著しく減少させる効果があります。研究によれば、ポリープを切除することで、大腸癌による死亡率を53%も低下させることができるとされています(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1100370)。ポリープは癌化する前段階であるため、早期に切除することで、癌の進行を防ぐことができます。定期的な検査とポリープの早期切除で、健康リスクを大幅に減少させることができます。
2.3. 大腸ポリープ切除は日帰り治療可能
大腸ポリープの切除は、日帰りで行うことができます。内視鏡を使ったポリープ切除は、比較的簡単な手術です。手術時間は30分から1時間程度で済むことが多いため、患者の負担も少ないです。さらに、切除後の回復も早く、多くの場合、術後の数時間で帰宅することが可能です。日常生活に戻るまでの期間も短いので、生活への影響も少なく済みます。



3. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックの紹介

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、北海道の大腸癌死亡率を減らすために日々努力しているクリニックです。

3.1. 大通駅徒歩30秒の立地
当院は、大通駅から徒歩30秒の便利な場所にあります。駅近のため、仕事帰りや休憩時間を利用して受診することも可能です。さらに、交通の便が良いため、遠方からの患者さまにもご利用いただきやすいです。
3.2. 鎮静剤を使用した安全な大腸内視鏡検査
当院では、鎮静剤を使用した安全な大腸内視鏡検査を提供しています。検査時の不快感を最小限に抑え、患者さまがリラックスした状態で受けられるよう配慮しています。経験豊富な医師が適切な鎮静剤を選び、適切に使用することで、安全かつ効果的な検査を実現しています。
3.3. 院内で下剤内服可能
当院では、院内で下剤内服が可能です。これにより、遠方から来られる患者さまでも、来院までにトイレに行く心配も少なくなります。クリニック内での下剤内服は、医師やスタッフの指導のもと行われるため、安全です。
院内での下剤内服は、準備にかかる負担を軽減します。患者さまがリラックスして受診できる環境を提供し、検査への不安を解消します。このサービスにより、多くの方に大腸内視鏡検査を受けていただけることを目指しています。

当院で内視鏡検査をご希望の方は以下のリンクからご予約ください。

4. 禁煙が大腸癌リスク低減に与える影響

禁煙をすることは、健康にとって非常に大切な行動です。

4.1. 禁煙のメリット 健康へのプラス効果
禁煙はさまざまな健康へのプラス効果を持ちます。まず、心臓血管系疾患のリスクを低減します。喫煙は動脈硬化の進行を早め、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める原因となります。また、肺機能の改善も期待できます。喫煙による肺への負担がなくなり、呼吸が楽になるでしょう。そのほか、肌の状態も改善します。喫煙は肌の老化を早めるため、禁煙することで肌の若々しさを保つことができます。
4.2. がん予防としての禁煙の位置付け
がん予防において、禁煙は非常に重要な位置付けを占めています。喫煙はさまざまながんのリスクを高め、がん発症の大きな要因です。具体的には、肺癌や大腸癌だけでなく、口腔癌、喉頭癌、食道癌、膀胱癌など、多岐にわたるがんのリスクが高まります。したがって、禁煙はがん予防の第一歩であるといえます。また、禁煙することで、周りの人々への受動喫煙のリスクも減少します。
4.3. 禁煙後も大腸癌発症リスクは高い
禁煙をしても、大腸癌の発症リスクが完全にゼロになるわけではありません。禁煙後もリスクは依然として存在します。これは、過去の喫煙習慣が体に与えた影響が長期間にわたって続くためです。しかし、禁煙することで、それが徐々に軽減されていきます。それにより、大腸癌だけでなく他のがんのリスクも低減します。早期の禁煙は体の回復を促進し、健康改善につながります。大腸癌リスクは生活習慣だけでなく遺伝など複数の要因が関わるため、禁煙だけでなく定期的な健康診断も重要です。



5. 喫煙と生活習慣病の関連性

喫煙は、多くの生活習慣病と密接に関連しています。

5.1. 喫煙による糖尿病リスクの増加
喫煙は、糖尿病のリスクを顕著に増加させます。タバコに含まれるニコチンは、インスリンの働きを阻害し、血糖値のコントロールを難しくします。また、喫煙は体内の炎症を引き起こし、インスリン抵抗性を増強させます。そのため、糖尿病の発症リスクが上昇します。さらに、既に糖尿病を持つ人が喫煙を続けると、病状の悪化が一層進む可能性があります。健康を保つためには、禁煙を実践することが重要です。
5.2. 喫煙と体重管理の相互関係
喫煙は、体重管理とも密接な関係があります。多くの人が、喫煙をやめた後に体重増加を経験します。これは、喫煙が新陳代謝を一時的に増加させるためです。禁煙することで新陳代謝が正常化し、食欲が増進されることが原因です。しかし、禁煙による体重増加を恐れて喫煙を続けることは、本末転倒です。健康的な体重管理を行いながら、禁煙することは可能です。一方、禁煙後の体重増加を防ぐためには、バランスの良い食事と定期的な運動を心がけることが効果的です。



6. たばこが与える健康全体への影響

たばこは、健康にさまざまな悪影響を与えます。

6.1. 腫瘍マーカーの変動と喫煙の関係
腫瘍マーカーとは、がん細胞が体内で増殖する際に産生される物質のことを指します。喫煙は、これらの腫瘍マーカー(特にCEA)の値に悪影響を与えることが知られています。一方、禁煙を始めると、腫瘍マーカーの値が徐々に低下することが観察されています。
6.2. 喫煙人口の減少と健康向上の相関性
喫煙人口が減少すると、それに伴って健康向上が見られることが、複数の研究で示されています。まず、喫煙に関連する病気の発症率が下がるため、医療費の削減につながります。また、非喫煙者の受動喫煙による健康被害も減少します。さらに、禁煙政策が社会全体に浸透することで、若年層の喫煙開始率も低下することが期待されます。喫煙人口の減少は、個人だけでなく社会全体にも多大な利益をもたらします。
6.3. 喫煙が肺以外の臓器に与える影響
喫煙は肺だけでなく、他の臓器にも深刻な影響を与えます。たとえば、心臓に対しても悪影響があります。喫煙により血管が狭くなり、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが増加するからです。また、胃や腸にも有害です。たばこの有害物質が消化器系に直接影響を与え、胃がんや胃潰瘍のリスクを高めます。さらに、肝臓にも負担がかかり、肝臓がんのリスクが増すことが知られています。他にも、喫煙が腎臓や膀胱、さらには生殖器にも悪影響を及ぼすことがあります。関係する医療機関での指導や支援を受けつつ、禁煙を進めることが望ましいです。


7. 大腸癌予防のための生活習慣

大腸癌を予防するためには、いくつかの生活習慣を見直すことが重要です。

7.1. 禁煙・節酒
上述のように、禁煙は大腸癌予防にとても重要です。タバコには多くの発癌物質が含まれており、これが大腸の細胞に悪影響を及ぼします。
また、アルコールの摂取についても注意が必要です。過度のアルコール摂取は大腸癌のリスクを高める要因となります。適量を守ることが大切です。
7.2. 適度な運動
適度な運動は、大腸癌の予防に非常に効果的です。日常的に体を動かすことは、腸内環境を整えるだけでなく、体全体の免疫力を高めることにもつながります。ウォーキングやジョギング、また軽い筋力トレーニングなどを継続的に行うことが推奨されます。
さらに、定期的な運動は腸の蠕動運動を活発にし、便通を良くする効果もあります。これにより、有害物質が腸内にとどまる時間を短くすることができ、発癌リスクを低減させることが可能です。
7.3. 赤身肉・加工肉を避ける、食物繊維をとる
大腸癌予防のためには、食生活の見直しも重要です。特に赤身肉と加工肉を避けることが推奨されています。これらの食品には、発癌物質が含まれていることが多く、過剰に摂取することでリスクが高まるのです。
その一方で、食物繊維を豊富に含む食事を積極的に摂取することが重要です。野菜や果物、全粒穀物などには多くの食物繊維が含まれており、これが腸内の健康を保つ役割を果たします。特に食物繊維は、便通を促進し、有害物質を体外に排出する助けになるのです。




内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


