2025年11月29日

こんにちは!札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック栄養士の田中です!
「腹痛なし」「便秘なし」「下痢なし」。
これらを“腸が健康な証拠”だと思い込んでいる方は、実はとても多いのではないでしょうか。
しかし、40代以降の患者さんを診ていると、ある現実が見えてきます。
それは、
「症状ゼロなのに腸に炎症が起きている人が急激に増えている」ということ。
検査をしてみると、腸の粘膜にうっすら赤みがあったり、小さなびらん(傷)があったり、
全く自覚のない小さなポリープが複数見つかったりすることが非常に多いのです。
自分では健康だと思っていても、腸は静かにダメージを受け続けています。
この“気づけない腸の異変”こそが、今医療現場で問題視されている
「隠れ炎症腸(サイレントインフラメーション)」です。
そして、この変化は加齢とともに進行しやすく、特に40代以降の方に急増しています。
「お腹が痛くないから大丈夫」──その思い込みが、腸を危険にさらします。
この記事では、
「なぜ40代から隠れ炎症腸が増えるのか」「放置した場合に何が起きるのか」
そして「大腸カメラ検査がなぜ症状ゼロの人にこそ必要なのか」
について詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
【第1章】40代から腸に“炎症の火種”が生まれやすくなる理由
40代を境に、腸は大きく変化します。
20代・30代と同じ生活をしていても、腸だけは確実に弱っていきます。
では具体的にどのような変化が起きているのでしょうか。
■1. 腸粘膜の再生スピードが落ちる
腸の粘膜は1〜3日で入れ替わるほど再生能力の高い組織です。
しかし40代を超えると、その再生サイクルが少しずつ鈍っていきます。
本来であればすぐ修復できる小さな傷が、完全には治らず残りやすくなる。
この“治りきらない微細な傷”が、やがて慢性炎症の火種になるのです。
症状はほとんどありません。
むしろ痛みなどが出る頃には、炎症はある程度進んでしまっています。
■2. ストレス・睡眠不足・長時間の座位姿勢が腸の血流を悪くする
40代といえば、仕事も家庭も責任が重くなり、時間的にも精神的にも余裕を失いやすい年代です。
・睡眠時間が減る
・運動不足になる
・長時間座りっぱなし
・外食やコンビニ食が増える
・アルコール摂取量が増える
これらはすべて、腸の血流を下げ、腸内細菌のバランスを乱し、腸粘膜の炎症を引き起こします。
特にコロナ禍をきっかけに増えた“在宅ワーク”は、
“座りっぱなし”という腸にとって最悪の環境を生みやすく、結果的に腸の動きが鈍り、炎症も起こしやすくなります。
■3. 腸内細菌叢の多様性が急低下する
最新の研究では、40代を境に腸内細菌の種類が減り始めることがわかっています。
特に、腸を守る働きを持つ
・酪酸産生菌
・ビフィズス菌
・バクテロイデス属の一部
こうした“善玉菌”が減りやすくなります。
結果として、
・悪玉菌が優勢になる
・腸粘膜に炎症が起きやすくなる
・免疫バランスが崩れる
という流れが生まれます。
■4. 自覚症状が出ないまま進行する“サイレント炎症”
腸の炎症の特徴は、痛みを出さないこと。
皮膚なら、赤く腫れたら気づきます。
しかし腸粘膜のダメージは、神経が鈍く、自覚しにくい構造になっています。
そのため、
・毎日快便
・腹痛がない
・体調も悪くない
という方でも、大腸カメラで見てみると粘膜はボロボロ…ということがあるのです。
【第2章】隠れ炎症腸を放置するとどうなる?
“静かに、しかし確実に”進む腸の変化
では、この静かな炎症を放置してしまったらどうなるのでしょうか。
その過程を順を追って説明します。
■ステップ①:腸粘膜のバリア機能が弱る
まず起きるのは、腸粘膜のバリア能力の低下です。
腸のバリアが弱ると、
・ちょっとした刺激で炎症が起きる
・悪玉菌が増えやすくなる
・ガスが増える
・免疫が暴走しやすくなる
という状態になります。
まだこの段階でも自覚症状はほとんどありません。
■ステップ②:粘膜の荒れ → ポリープ形成へ
炎症と修復を繰り返すと、粘膜の細胞増殖が活発になり、
結果としてポリープが形成されやすくなります。
実際に40代の検査では、
・3〜5mmの小さなポリープが複数
・平坦で見つかりにくいポリープ
・炎症後の隆起性変化
などが非常によく見られます。大腸カメラ検査を受けた患者さんがよくおっしゃることは
「え?こんなにポリープがあるとは思わなかった…」
それほど自覚がなく進行するのです。
■ステップ③:腸から全身へ炎症が波及する
腸と体はつながっています。
腸の炎症は腸壁を通して全身の炎症へと波及するため、疲労、眠りが浅い、イライラ、血糖値の上昇など
一見、腸とは関係のなさそうな不調の原因にもつながります。
■ステップ④:最終的には大腸がんリスクへ
最も重要なのはここです。
ポリープの一部は、5〜10年かけて大腸がんに進行する。
早期の大腸がんは、ほぼ100%症状がありません。
便潜血も陰性のことが多いです。
だからこそ、症状の有無で判断してはいけないのです。
【第3章】隠れ炎症腸は“大腸カメラ検査でしかわからない”
症状・血液検査・便潜血があてにならない理由
●症状 → ほぼ全く出ない
痛みが出る頃には炎症は中等度以上。
●血液検査 → 炎症のマーカーは軽度では上がらない
腸の表面だけの炎症では血液に影響しません。
●便潜血 → 小さなポリープはほぼ陰性
便潜血で拾えるのは“出血している病変”だけ。多くのポリープや早期がんは出血していません。
つまり、「隠れ炎症腸は大腸カメラでしか発見できないのです」
【第4章】実際に40代の大腸カメラ検査でよく見られる所見
ここからは、少し専門的にお伝えします。
■1. 非特異的腸炎(Nonspecific Colitis)
粘膜が赤く、血管模様が見えにくくなる状態。
軽度でも慢性化すると、将来のポリープ形成リスクを上げます。
■2. 微小ポリープ(3〜5mm)
40代以降、急に増えるタイプ。
小さくても腺腫(がんの元)であることがあり、
発見して切除することで将来のがんを確実に防げます。
■3. 平坦腫瘍(LST)
表面が平らで、光の当て方や観察技術によっては見逃される腫瘍。
高画質スコープ・特殊光観察が必須。
■4. 緩慢腸(腸の動きが弱くなる状態)
最近特に多い所見。
便通に問題がない人でも、内視鏡で“便が残りやすい腸”が見つかることがあります。
【第5章】40代以降に必要な検査頻度
・40歳:一度は大腸カメラ検査を受けましょう
・ポリープなし:年に1回
・ポリープあり:1〜3年ごと
・家族歴あり:40歳より前にスタートすることも
ポイントは、「症状の有無ではなく年齢と腸の状態で決める」という点です。
【第6章】隠れ炎症腸になりやすい人の特徴
以下のいずれかが当てはまる方は、特に注意が必要です。
・座りっぱなしの仕事
・ストレスが強い
・睡眠時間が少ない
・外食・コンビニが増えた
・アルコールをよく飲む
・40歳を過ぎた
・家族に大腸がんの方がいる
・最近便の状態が不安定
1つでも当てはまれば、隠れ炎症腸の可能性があります。
【第7章】当院の大腸カメラ検査が“隠れ炎症腸の発見”に強い理由
■1. 最新内視鏡システムで微細な変化も見逃さない
当院では最新の内視鏡システムを採用し、微小病変まで丁寧に観察が可能です。
隠れ炎症腸のサインは、色調や粘膜の質感といった“微細な差”に現れるため、
肉眼では判別できない領域の情報を内視鏡が補ってくれます。
医師の技術 × 最新機器=負担の少ない、安全で正確な検査
大腸カメラ検査は単に腸の中を“見るだけ”の検査ではありません。
患者様の負担を最小限に抑え、かつ病変を確実に見つけるためには、
以下の3つが揃っている必要があります。
・内視鏡専門医の挿入技術(痛みを出さない腕)
・粘膜のわずかな変化を読み取る診断力(経験と知識)
・細部を映し出す最新機器(高画質+画像強調)
この3つが揃うことで、挿入がスムーズで苦しくない・観察が丁寧で見落としがない・必要な処置もその場で安全に行える
といった “質の高い大腸カメラ” が実現します。
当院では、これらすべてを満たす診療体制を整え、
“不安なく、痛みなく、正確に” を徹底した大腸検査を提供しています。
■2. 眠っている間に終わる“無痛大腸カメラ”
「痛いのが怖い…」
「前に苦しい思いをした…」
そうした方にも安心して受けていただけるよう、鎮静剤を使用した
「眠ったまま行える大腸カメラ検査」に対応しています。
鎮静剤(静脈麻酔)を適切に使用することで、
多くの方は “深いリラックス状態” または “ほぼ睡眠状態” になります。
これにより挿入時の痛み・違和感がほとんどない、緊張による腸の収縮が減って挿入しやすくなる、医師が細部まで丁寧に観察できる、というメリットがあります。
鎮静中は内視鏡に精通した医師が管理し、
血圧・脈拍・酸素飽和度を常にモニタリング。
安全性を確保しながら、快適な状態で検査を受けられるよう調整を行います。
■3. 当日ポリープ切除まで可能
大腸カメラを受ける多くの方が感じているのが、
「ポリープが見つかったら、今日そのまま取ってほしい」
というニーズです。
実際、大腸ポリープは放置すると進行して大腸がんへ発展する可能性があるため、
“気づいたその場で確実に切除する” ことは、将来のリスクを大きく下げる最も有効な方法です。
当院では、そのニーズに応えるため、
検査 → 診断 → 治療を同日中に完結できる体制 を整えています。
また、すべてのポリープを闇雲に切除するのではなく、
炎症性ポリープや過形成性ポリープのように
治療の必要が少ないものを過剰に切除しない
医療的良識も大切にしています。
患者様の負担やリスクを最優先に考え、
“本当に必要な治療だけを、その場で行う”
という、安全性と合理性の両立を徹底しています。
■4. 下剤が辛い方にも配慮した前処置
大腸カメラで多くの方が負担に感じるのが、
前日の食事制限と検査当日の下剤(腸管洗浄剤) です。
当院では、この“準備のつらさ”をできるだけ軽減するため、
腸に負担をかけない専用検査食 や、
業界でも最新の“少量で済む下剤” を導入しています。
患者様の腸の状態・便秘傾向・体質を考慮し、医師が最適な前処置方法を選択するため、
「なるべく楽に終わらせたい」という方でも安心して受けられる体制 を整えています。
■5. プライバシーに配慮した安心の検査環境
当院では、患者様が“大腸カメラ=恥ずかしい・不安”と感じる最大の要因である プライバシー面のストレスを徹底的に取り除くことを重視しています。
検査前から検査後まで、院内のどこにいても他の患者様の目が気にならないよう、動線設計・部屋配置・案内方法 を一から設計し直し、安心して過ごせる空間を整備しています。
大腸カメラ検査は、安心できる環境で受けるかどうかで 検査そのものの満足度が大きく異なります。
当院では「恥ずかしい」「不安」といった心理的なハードルを極力軽減し、医療として最も重要な “安全性” と “正確な観察” を両立できる環境づくりを徹底しています。
まとめ
40代からの“症状ゼロ”は、むしろ検査をすべきサイン
腸は、ほとんどの異変を“無言”のまま進行させる臓器です。
痛みも違和感もなく、普段通りの生活ができてしまう。その裏で、細かな炎症やポリープがゆっくり大きくなっていくことがあります。
気づいたときには何年も経っている――。
これが腸の怖さであり、同時に「早期に見つければ守れる臓器」と言われる理由でもあります。
特に40代以降は、体の修復力が少しずつ落ち始め、“軽い炎症”が慢性化しやすい時期。
仕事のストレス・夜遅い食事・不規則な排便リズムなどが積み重なり、自覚症状ゼロのまま“隠れ炎症腸”へと進んでいくケースが増えています。
この“隠れ炎症”が放置されると、
ポリープ形成 → 将来の大腸がんリスクへ
という一本道に入ってしまう可能性があることです。
もちろん、すべてのポリープががんになるわけではありません。
しかし、一度できたポリープは自然に消えることはなく、
「気づく → 見つける → その場で切除する」
という流れが、リスクを確実に下げる唯一の方法です。
そして、この“気づく”を担っているのが大腸カメラ検査です。
症状が出てからでは遅い。だから“症状ゼロ”で動く。
実際に外来でよくあるのが、
「便秘も下痢もないし、検査する理由がないと思っていた」
「健康診断で便潜血が陰性だから安心していた」
「ずっと元気だったのに、突然ポリープが見つかって驚いた」
という方々です。
腸は、胃のように痛みでSOSを出す臓器ではありません。
“異変があっても静かに進む”ことこそが腸の特徴なのです。
だからこそ、症状ゼロの40代・50代こそ検査タイミングのベストゾーン。
実際、医学的には「症状の有無」よりも、「年齢の節目」と「生活習慣の変化」がリスク判定に強く影響します。
大腸カメラ検査は“守るための検査”
現代の大腸カメラは、苦痛を抑える鎮静、飲みやすい下剤、その場でポリープ切除など技術が進み、以前より圧倒的に受けやすくなっています。
そして何より、早期に見つければほとんどがその場で簡単に処置できるというメリットがあります。
大腸がんは、見えないうちに始まり、見えたときには治療が大がかりになる病気。
だからこそ、まだ“何も起きていない”段階で腸の状態を見ておくことが自分を守る最大の武器になります。
あなたの健康を守るために、40代からの大腸カメラ検査を!
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、札幌市大通駅徒歩30秒の好立地で、鎮静剤使用で苦痛が少ない、専門医による精度の高い大腸カメラ検査を土日も提供し、皆様の健康をサポートしています。
本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックまでお気軽にご相談ください。


