2025年7月14日


皆様、こんにちは。札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田遼です。

今日は、私たちの健康にとって非常に重要なテーマである「大腸がん検査」についてお話ししたいと思います。

このコラムを通じて、皆様が大腸がん検査の必要性を深くご理解いただき、安心して検査に臨めるよう、当院の取り組みについてもご紹介させていただきます。

目次
1. 大腸がんの現状と早期発見の重要性

「大腸がん」という言葉を聞いて、「もしかしたら自分には関係ないかも」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、国立がん研究センターの全国がん登録データによると、2023年にはがんで亡くなった方のうち、大腸がんの死亡数は女性では第1位、男性では肺がんに次いで第2位となっており、男女を合わせると第2位です。

この半世紀で大腸がんによる死亡数は約6倍にまで増加しており、食生活の欧米化や運動量の減少などがその理由として考えられています。北海道においても、大腸がんは主要な死亡原因の一つであり、その対策は喫緊の課題です。

このような状況を聞くと、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、どうかご安心ください。大腸がんは、ほかのがんに比べて比較的治りやすいがんの一つであり、早期に発見して治療すればほぼ治癒が可能な病気です。

ただ厄介なことに、大腸がんは初期段階ではほとんど自覚症状がありません。症状が現れた時には、すでに病気が進行している可能性が高いのです。だからこそ、症状がなくても定期的に検査を受けることが、ご自身の健康を守る上で不可欠となります。

2. 大腸がん検査の第一歩:便潜血検査

大腸がん検診の一次検診として「便潜血検査」が推奨されております。便潜血検査は、便中に混じったごくわずかな血液(肉眼では見えない微量の出血)を検出する検査法です。

便潜血検査の結果について理解する
便潜血検査の結果には、「陽性(異常あり)」と「陰性」があります。

最も重要なことは、便潜血検査で「陽性」と結果が出た場合は、必ず精密検査を受けることです。健診施設の中には、便潜血陽性の方に「再検査」を勧める場合がありますが、これは「とんでもない間違い」です。

出血は常に起こっているわけではないため、一度でも陽性反応が出たことは、病気発見の貴重なチャンスなのです。放置してしまうと、病気の発見が遅れ、手遅れになる可能性があります。

便の採取方法としては、採便スティックのスプーン部分で、便の表面を広くまんべんなく擦り取るように、小豆サイズ程度の量を採取します。

また、採取した便は冷蔵保存(4℃)が最も良い保存方法とされており、家庭で冷蔵保存できない場合は、直射日光の当たらない風通しの良い場所(25℃以下)で保存することが推奨されています。

3. 大腸がん精密検査の「ゴールドスタンダード」:大腸カメラ

便潜血検査で「異常あり」と判定された場合や、気になる症状がある場合に、最も重要な精密検査となるのが「大腸カメラ(大腸内視鏡検査)」です。

大腸カメラの卓越したメリット

粘膜の状態を直接観察し、正確な診断が可能:
大腸の内部をカメラで詳細に観察することで、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無を直接確認できます。色調や細かい模様まで観察できるため、非常に精度が高いのが特徴です。

その場で「診断」から「治療」まで一貫して対応可能:
疑わしい部分があれば、その場で組織を採取(生検)し、病理検査を行うことで確定診断をつけることができます。 さらに、ポリープが見つかった場合、その場で内視鏡的に切除することが可能です。大腸ポリープの切除によって、大腸がんによる死亡率が53%も低下することが報告されています。



4. 大腸がんの予防と健康的な生活習慣

大腸がんの発症には、様々な要因が関与しています。食生活の欧米化や運動量の減少が指摘されているように、日々の生活習慣を見直すことが、大腸がんの予防に繋がります。

バランスの取れた食生活:
野菜、果物、全粒穀物など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。食物繊維は、便通を改善し、腸内の有害物質の排出を助けます。 食物繊維の摂取推奨量は、成人で一日約20~25グラムとされていますが、日本人の平均摂取量はこれを下回る傾向にあります。

適度な運動:
定期的な運動は、腸の働きを活発にし、肥満の予防にも繋がります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。運動はストレス解消にも効果的です。

禁煙・節酒:
喫煙は大腸がんのリスクを高めます。禁煙に取り組みましょう。飲酒も適量を守ることが大切です。

適切な体重維持:
肥満も大腸がんのリスク要因の一つです。バランスの取れた食事と適度な運動で、適切な体重を維持しましょう。

これらの生活習慣の改善は、大腸がんだけでなく、多くの生活習慣病の予防にも繋がります。

5. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックが選ばれる理由

当院は、札幌の皆様の健康をサポートするため、質の高い医療サービスを提供しています。

抜群のアクセス:
当院は、地下鉄大通駅から徒歩30秒という非常に便利な立地にあります。駅直結なので、雨や雪の日でも傘を使わずに通院でき、通院の負担が少ないと患者様から好評をいただいています。

柔軟な予約体制:
お電話やインターネット(WEB)から24時間いつでも検査のご予約を承っております。平日はお忙しい方のために、土曜日・日曜日も診療を行っており、週末を利用して検査を受けていただくことが可能です。 また、急な体調不良や突然予定が空いた方のために、当日予約での検査にも対応しております(お電話でご確認ください)。

「苦痛の少ない検査」への徹底したこだわり:
先ほども述べましたが、当院では鎮静剤(麻酔薬)を積極的に使用し、患者様がリラックスした状態で、ほとんど痛みを感じずに検査を受けられるよう努めています。 さらに、院内で下剤を服用できるスペースも設けており、ご自宅での下剤服用に不安がある方でも、スタッフのサポートのもと安心して準備を進められます。

胃カメラとの同日検査も可能:
胃と大腸の両方に不安がある方、また多忙で何度も通院する時間がない方には、胃カメラと大腸カメラの同日検査をお勧めしております。これにより、事前診察や食事制限、検査の緊張を1回で済ませることができ、患者様の負担を大幅に軽減できます。

6. まとめ

大腸がんは、罹患数・死亡数ともに年々増加傾向にあります。

しかし、幸いなことに、早期に発見し適切な治療を行えば、ほぼ治癒が可能な病気です。

症状がない段階で大腸がんやその前段階であるポリープを見つけ出すためには、定期的な大腸がん検診、特に精密検査としての「大腸カメラ」が不可欠です。40歳を過ぎたら、ぜひ一度ご自身の健康状態をチェックするために、大腸がん検査をご検討ください。ご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方は、より積極的に、若いうちからの検査をお勧めします。

「検査は不安だ」「痛そう」「恥ずかしい」といったお気持ちもよく理解しております。しかし、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、そのような患者様の声に真摯に耳を傾け、鎮静剤の使用、経験豊富な専門医による検査、そしてきめ細やかなサポート体制を通じて、「苦痛の少ない、安心できる検査」を提供することに全力を尽くしています。

ご自身の、そして大切なご家族の健康を守るために、この機会にぜひ、大腸カメラ検査をご検討ください。ご心配なことやご不明な点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同心よりお待ちしております。

当院で内視鏡検査をご希望の方は、お電話またはインターネットからご予約ください。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


