お尻から紐が出てきたら(日本海裂頭条虫:サナダムシ) |札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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お尻から紐が出てきたら(日本海裂頭条虫:サナダムシ) 

お尻から紐が出てきたら(日本海裂頭条虫:サナダムシ) |札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年7月24日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックの院長、福田です。 

ある日、排便時に「お尻から紐のようなものが出てきた」と気づかれたら、それは大きな驚きと不安を伴うことでしょう。

もしかしたら、テレビなどで耳にする「サナダムシ」ではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。そのような場合でも、適切に対処すれば十分に治療が可能です。

今回は、この「紐のようなもの」の正体であるサナダムシ(日本海裂頭条虫)について詳しくご説明し、当院での対応、そしてこれをきっかけに考えるべき消化器全体の健康管理についてお話ししたいと思います。 

実際のサナダムシの写真

サナダムシ(日本海裂頭条虫)とは? その特徴と感染経路 

50cmのサナダムシ

サナダムシ、または日本海裂頭条虫は人体の腸の中で生息する寄生虫です。その名前は、真田紐に似ていることに由来します。種類によっては10メートル以上にまで成長するものも存在します。 

一般的にサナダムシとしてイメージされるのは日本裂頭条虫で、頭部とそれに続く片節から体が構成されます。頭部の先端には吸盤や鉤など、宿主に固着するための構造が発達しています。

続く片節はそれぞれに生殖器を含んでおり、分裂によって形成され、成熟すると切り離されます。これは一見すると体節のように見えますが、実際にはそれぞれの片節が個体であり、分裂した個体がつながったまま成長し、成熟するにつれて離れてゆくものとされています。長く切り離されずに10mにも達するものもあれば、常に数節のみからなる数mm程度の種もあります。

大腸内で見つかった片節

感染経路と生活史 

サナダムシの感染は、主に条虫に汚染された肉や魚を、調理が不十分な状態(生肉や生魚)で摂取することで成立します。 

日本海裂頭条虫

日本国内で近年確認されており、主に魚類に寄生した幼虫を生食(多くは生魚)で摂取することから感染します。サケ・マスの生食や加熱不十分な摂取が感染源となることが多いです。 

成虫の多くは脊椎動物の消化管に寄生し、多くは中間宿主を持ち、複数の宿主を乗り換えながら成長します。幼生が中間宿主体内で無性生殖する種もあります。 

サナダムシ感染症の症状と「危険な場合」 

成虫のサナダムシが消化管に生存するだけでは、多くの場合、重篤な症状を引き起こすことはありません。体長5~10mにもなる日本海裂頭条虫も、組織への侵入性がなく、特異的な症状は軽微であることが多いです。

下痢、腹痛、腹部膨満感などの消化管症状が見られることもありますが、最も多く見られる主症状は、片節が肛門から排出されることによる不安感、不快感、恐怖感です。排便時に虫体の片節が排出されて驚き、受診されるケースが非常に多いのが特徴です。 

診断と治療:お尻から紐が出てきたら、どうする? 

「お尻から紐状のものが出てきたら、病院受診してください」

受診の際には、実物(乾燥しないように保管)をお持ちいただくか、携帯電話で撮影した写真があると診断の助けとなります。 

診断は、感染者が持参した、あるいは治療で駆虫した片節や片節連鎖を確認して行われます。

サナダムシの治療は、主にプラジカンテルなどの内服薬を使用して行われます。これらの薬剤は成虫のサナダムシには効果がありますが、卵に対しては効果がありません

また、サナダムシに対する駆虫薬は保険適用外となる場合があるため、診察は保険診療でも処方・投薬は自費となることがあります。治療後には、約1か月後に便検査を行い、虫卵を確認することで治癒の確認をします。 

サナダムシをきっかけに考える「大腸の健康」

サナダムシの治療はもちろん重要ですが、これを機に、ご自身の消化器、特に大腸の健康について深く考えてみませんか。 

大腸がんは、日本人の死因の第1位である悪性新生物(がん)の中でも、女性では死亡数の第1位、男性では肺がんに次いで第2位(男女合わせると第2位)を占める、非常に身近ながんです。過去半世紀で死亡数が約6倍に増加しており、食生活の欧米化や運動量の減少などがその理由として考えられています。

 

しかし、大腸がんは早期に発見して治療すれば、ほぼ治癒が可能です。ステージが低いほど5年相対生存率が高いです。早期発見は治療の負担も軽減し、患者様の心身のストレスも減少させます。

 

また厄介なことに、早期の大腸がんは自覚症状がほとんどありません。症状が現れた時には、病気が進行している可能性が高いのです。だからこそ、症状がなくても定期的に検査を受けることが極めて重要なのです。 

大腸がん発見の第一歩:便潜血検査 

大腸がん検診で一般的なのは便潜血検査です

これは、便中に混じったごく微量の血液を検出する検査で、肉眼では見えない出血も捉えられます。 

40歳以上の方には年に1回の便潜血検査受診が推奨されており、特に50歳以上では強く推奨されています。この検査によって、大腸がんによる死亡率を60%減らすという研究結果も出ています。

ただし、便潜血検査はあくまで「スクリーニング(ふるい分け)検査」です。 

もし便潜血検査で「異常あり(陽性)」という結果が出た場合、最も重要なことは、必ず精密検査(大腸カメラ)を受けることです。痔がある場合でも、陽性となった原因が痔なのか他の病気なのかは精密検査をしないと分かりません。 

確定診断とがん予防の「切り札」:大腸内視鏡検査 

大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察できる最も有効な検査です。 

大腸カメラ検査では、以下のようなことが可能です。 

粘膜の状態を直接観察し、小さな病変の有無も高い精度で確認できます。 

疑わしい部分があれば、その場で組織を採取し、確定診断をつけることができます。 

ポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。


これは早期のがん予防に非常に重要です。ポリープの中には、良性であっても放置すると将来的にがん化する可能性があるもの(腺腫性ポリープ)があるためです。ポリープ切除によって、大腸癌による死亡率が53%も低下することが報告されています。 

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックのこだわり 

当院では、様々な配慮と最新の医療を提供しています。 

「痛くない・苦しくない」を追求した検査 

大腸カメラ検査は「痛いのではないか」という懸念を持たれやすい検査です。当院では、鎮静剤(麻酔薬)を積極的に使用することで、検査中の身体的な負担が大幅に軽減され、不快感をほとんど感じることなく検査を終えることが可能です

経験豊富な専門医による確かな診断と治療 

  1. 当院では、内視鏡専門医が全例で検査を担当します。特に、大腸カメラの盲腸までの挿入は女性の方が難しく他院での挿入困難例も多く依頼を受けております。 
  1. 大学病院レベルの最新鋭の内視鏡システムと設備を導入しており、高解像度のカメラや高度な画像処理ソフトウェアを駆使することで、微細な病変も見逃さずに捉え、精度の高い診断を可能にしています。 
  1. 検査中にポリープが見つかった場合、ほとんどのポリープはその場で切除することが可能です。これにより、将来的ながん化のリスクを大幅に減らすことができます。 

患者様へのきめ細やかな配慮とサポート 

  1. 検査前には、消化に良い食事のアドバイスや、服用中の薬に関する指示など、詳細な準備方法を丁寧にご案内します。 

抜群のアクセスと利便性 

  1. 当院は、札幌市営地下鉄大通駅から徒歩30秒という非常に便利な立地にあります。市電西4丁目駅からも徒歩2分です。天候に左右されずに通院でき、お仕事帰りや買い物ついでにも気軽に立ち寄れるのが特徴です。 
  1. 土日も診療・検査を行っているため、平日に時間が取れない方にも対応可能です。 
  1. WEBでの24時間オンライン予約が可能で、ご都合の良い時間にいつでも予約が取れます。 

最後に:あなたの身体の「警報」を見逃さないで 

お尻から紐が出てくるという経験は稀かもしれませんが、それは私たち自身の身体が発する重要な「警報」の一つです。

目に見える症状がある場合はもちろんですが、大腸がんは初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な便潜血検査や大腸内視鏡検査を受けることが、あなたの健康と命を守るための最も確実な「自己防衛」と言えるでしょう。 

もし、サナダムシの症状でお悩みの方、あるいは大腸がんのリスクについて不安がある方は、決して自己判断せず、お気軽に当院にご相談ください。私たちは、最新の設備と経験豊富な専門医、そして何よりも患者様の安心を第一に考えた医療を提供し、皆様の健康な毎日をサポートしてまいります。 

皆様のご来院を心よりお待ちしております。 

   文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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