2025年9月03日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックの院長、福田です。

皆様、お元気にお過ごしでしょうか。私たちの健康にとって、消化器の健康は非常に重要です。特に大腸がんは、近年日本において増加傾向にあり、女性ではがんによる死亡原因の第1位、男女合わせた罹患数では第1位となるほど、身近な病気となっています。

しかし、この恐ろしい病気の多くは、早期に発見し、適切に治療すれば、ほぼ治癒が可能であるという希望の光もあります。

その早期発見の鍵を握るのが、今回お話しする「大腸ポリープ」です。

大腸がんの多くは、良性のポリープから発生することが分かっています。この医療コラムを通じて、大腸ポリープとは何か、なぜ重要なのか、そしてどのようにしてあなたの健康を守ることができるのかについて、詳しくご説明いたします。

当院は、北海道の皆様の大腸がん死亡率減少を使命とし、日々診療に励んでおりますので、どうぞご安心してお読みください。

目次
大腸ポリープとは何か?がんとの密接な関係

大腸ポリープとは、大腸の内壁にある粘膜の一部が異常に増殖して、隆起したできものの総称です。

多くは良性の腫瘍ですが、その中には将来的にがんへと進行する可能性を秘めたものがあります。
大腸ポリープは大きく分けて「腺腫性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」の2種類があります。

腺腫性ポリープ
これは良性の腫瘍ですが、放置すると時間とともに悪性化し、大腸がんへと進行する可能性があります。そのため、腺腫性ポリープは「がんの前段階」と位置づけられ、早期の発見と切除が強く推奨されます。

非腫瘍性ポリープ
過形成性ポリープなどがこれにあたり、基本的にはがん化のリスクは低いと考えられています。しかし、一部の過形成性ポリープが大腸がんの起源となる可能性も指摘されており、その区別は専門的な診断が必要です。

このように、大腸ポリープは一見すると無害に見えても、その一部が大腸がんへと繋がる「芽」となるため、早期の段階でこれらを発見し、適切に対処することが、大腸がんを未然に防ぐ上で極めて重要となるのです。



大腸ポリープ・大腸がんの症状と見つけ方:自覚症状には頼れない

残念ながら、これらはほとんどの場合、自覚症状がありません。

そのため、「自分は健康だから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに病気が進行している可能性があります。
しかし、病気が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

血便・下血
便に血液が混じる、または肛門から出血が見られることがあります。ただし、痔による出血と区別がつきにくいため、自己判断は危険です。

便通異常
便秘や下痢を繰り返す、便が細くなるなどの変化が見られます。

腹痛・腹部不快感
がんが大きくなると、便の通過を妨げ、腹部の痛みや張りを感じることがあります。

貧血
慢性的な出血により、めまいや息切れなどの貧血症状が現れることがあります。

体重減少
原因不明の体重減少も、進行がんの兆候である可能性があります。

これらの症状が現れた時には、病気がある程度進行しているケースが少なくありません。そのため、症状が出る前の定期的な検査が非常に重要になります。



便潜血検査の役割と限界

大腸がん検診の初期検査として広く行われているのが「便潜血検査」です。

これは、便の中に目に見えない微量の血液(ヒトヘモグロビン)が混じっていないかを調べる検査です。日本の便潜血検査は「免疫法」が主流で、食事制限も不要です。便潜血検査を毎年受けることで、大腸がんの発見に効果があります。
しかし、便潜血検査には限界もあります。

偽陽性
大腸ポリープやがんがなくても、痔や大腸の炎症など、がん以外の原因でも陽性となることがあります。

偽陰性
早期のがんや小さなポリープでは、必ずしも出血があるとは限りません。そのため、「便潜血陰性=大腸がんではない」とは言い切れないのです。

便潜血検査で「陽性」と判定された場合、最も重要なことは、決して自己判断で放置せず、必ず精密検査(大腸カメラ検査)を受けることです。痔のせいだと思い込んで精密検査を受けずにいたら、実は大腸がんが進行していた、という事例も少なくありません。



大腸カメラ検査の圧倒的なメリットと当院のこだわり

では、なぜ大腸カメラが、大腸がんの発見・治療に最も有効な検査とされているのでしょうか。

そのメリットと、当札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックが特に力を入れている点についてご紹介します。

1. 診断能力の正確さと詳細さ
大腸カメラ検査は、先端に小型カメラのついた細いスコープを肛門から挿入し、大腸の粘膜を直接、詳細に観察できる唯一の検査です。

病変の直接確認
胃透視検査(バリウム検査)が影絵のような間接的な観察であるのに対し、内視鏡検査は病変の色調の変化やわずかな隆起、凹み、模様の違いを直接認識できます。

組織採取(生検)
疑わしい部分が見つかれば、その場で組織を一部採取し、病理診断(顕微鏡診断)によって「がん」かどうかの確定診断を行うことができます。

2. 検査と同時に治療も可能:日帰りポリープ切除
大腸カメラ検査の最大の利点の一つは、検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除できることです。これにより、将来的な大腸がんの発症リスクを大幅に減らすことが可能です。 当院では、ほとんどのポリープをその場で日帰り切除しています。ただし、大きなポリープや、出血しやすいポリープ、既にがん化している腺腫性ポリープなど、一部のケースでは入院が必要となる場合があります。そのような場合は、入院施設のある病院にご紹介いたしますので、ご安心ください。

3. 患者様の苦痛を最小限に抑える当院のこだわり
「大腸カメラは痛い」「苦しい」というイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。しかし、当院では患者様に安心して検査を受けていただけるよう、様々な工夫を凝らしています。

鎮静剤の使用
多くの患者様が検査に伴う苦痛を「喉の痛みや違和感」と感じます。当院では、鎮静剤(眠り薬)を積極的に使用することで、患者様が眠っている間(あるいはうとうとした状態)に検査を終えることができます。

内視鏡専門医による高い技術
大腸カメラの挿入は、医師の技術力が大きく影響します。特に女性は、大腸の形態上、盲腸までの挿入が難しい、痛みを感じやすい傾向があると言われています。当院の医師は、内視鏡専門医として豊富な経験と高い技術を持ち、患者様一人ひとりの腸の形状に合わせて丁寧に挿入しております。

4. アクセスの良さと利便性
当院は、札幌市営地下鉄大通駅から徒歩30秒という抜群のアクセスに位置しており、お仕事帰りや買い物ついでにも気軽に立ち寄っていただけます。



当院からの患者様への具体的なアドバイス

健康を守るために、当院から皆様へ具体的なアドバイスをお伝えします。

1. 定期的な大腸カメラ検査の重要性
前述の通り、大腸がんの多くは自覚症状がないまま進行します。特に40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸カメラ検査を受けることを強くお勧めします。家族歴がある方や、便潜血検査で陽性となった方は、さらに早期からの検査や頻繁な検査が必要となる場合があります。当院では、患者様一人ひとりのリスクに応じた最適な検査スケジュールをご提案しています。

2. 生活習慣の改善
バランスの取れた食生活、適度な運動、禁煙・節酒、ストレス管理は、大腸ポリープや大腸がんだけでなく、全身の健康を維持するための基本です。野菜や果物、全粒穀物を積極的に摂り、赤身肉や加工肉の摂取を控えめにするなど、今日からできることから始めてみましょう。

3. 便秘時の適切な対応
便秘がちで悩んでいる方は、まず水分補給(1日1.5~2リットル)、食物繊維の摂取(水溶性・不溶性のバランスを考慮)、適度な運動を心がけてください。それでも改善が見られない場合は、決して自己判断せず、速やかに消化器内科を受診してください。当院では、患者様の便秘の原因を特定し、最適な対処法をご提案いたします。

4. 費用と保険適用について
大腸カメラ検査は、症状がある場合や便潜血検査で陽性となった場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。保険適用の場合、自己負担額は通常3割となり、一般的な費用は1万5千円から3万円程度が目安です。ポリープ切除や組織検査を行った場合には、別途費用がかかることがありますが、詳細については診察時にご説明いたしますのでご安心ください。また、加入されている生命保険や医療保険の手術給付金が支払われる場合もありますので、ご加入の保険会社にお問い合わせいただくことをお勧めします。



まとめ:あなたの健康のために、今できること

大腸ポリープは、放置すれば大腸がんへと進行する可能性を秘めた「がんの芽」です。

しかし、早期に発見し、適切に切除することで、大腸がんを未然に防ぎ、あなたの未来を守ることができます。

当札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、最新の内視鏡システムと豊富な経験を持つ専門医による質の高い検査、そして鎮静剤の使用や女性スタッフによるサポートなど、患者様のご負担と不安を最小限に抑えるための様々な工夫を凝らしております。大通駅からのアクセスも抜群で、土日診療や当日検査も可能です。

「痛いのではないか」「恥ずかしい」といった不安から検査をためらっている方も、どうぞご安心ください。私たちは、皆様が安心して検査を受け、健康な毎日を送り続けられるよう、全力でサポートいたします。

気になる症状がある方はもちろん、40歳を過ぎたら症状がなくても、ぜひ一度当院にご相談ください。定期的な検査と、日々の生活習慣の見直しによって、大腸ポリープ、そして大腸がんのリスクを減らし、健康で充実した人生を歩んでいきましょう。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


