2025年8月05日


「最近下痢が長く続いている」といった症状でお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

特に、「一週間以上下痢が続く」という状況は、日常生活に大きな影響を及ぼし、不安を感じる方も少なくないでしょう。

下痢は一時的なものだと軽視されがちですが、実は体からの重要なサインである可能性があります。

今回は、長引く下痢が示す可能性のある病気とその検査の重要性、そして当クリニックでの取り組みについて詳しくお話しいたします。



目次
一週間以上下痢が続く場合:放置してはいけない理由

下痢が一週間以上も続く場合、様々な病気が隠れている可能性があります。

ただの体調不良やストレスが原因であることも多いですが、中には放置すると重篤な結果を招く病気も含まれています。

考えられる主な原因としては、以下のようなものがあります。

感染性胃腸炎
食中毒やウイルス感染が原因で、発熱や嘔吐、腹痛を伴うことがあります。多くの場合は自然に治癒しますが、重症化することもあります。

薬剤性下痢
特定の薬、例えば高血圧の薬や胃酸を抑える薬などが原因で下痢を引き起こすことがあります。抗菌薬の服用も腸内細菌のバランスを崩し、下痢を誘発することがあります。

過敏性腸症候群(IBS)
ストレスや不規則な生活が引き金となり、下痢と便秘を繰り返すなど、腸の機能に異常をきたす慢性的な病気です。

炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸の内部に炎症が起こり、血便や腹痛、体重減少などを伴う難病です。これらの病気は長期的な管理が必要となります。

大腸がん
がんが進行すると、腸管が狭くなり、便通異常(下痢や便秘の繰り返し)や腹痛、血便、体重減少といった症状が現れることがあります。特に、便に血が混じっている場合は、痔と区別がつきにくく、自己判断は非常に危険です。

このように、長引く下痢の背景には、様々な病気が潜んでいる可能性があります。特に、血便、激しい腹痛、発熱、体重減少といった症状が伴う場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診することが極めて重要です。



長引く下痢の診断には「大腸カメラ(内視鏡検査)」が不可欠

「長引く下痢」の精査には、大腸内視鏡検査が最も有効な手段となります。

なぜ大腸カメラが重要なのでしょうか?

病変の直接観察と確定診断
大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察できる唯一の検査です。これにより、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無や状態を詳細に確認できます。疑わしい部分が見つかれば、その場で組織を採取(生検)し、病理検査を行うことで確定診断が可能です。

早期発見とがん予防
大腸がんは初期段階では自覚症状がほとんどありません。症状が現れた時には、病気が進行している可能性が高いのです。しかし、大腸カメラでは、ポリープも見つけやすく、早期に発見し、その場で切除することで、大腸がんの発症リスクを大幅に減らすことができます。実際に、ポリープ切除により大腸がんによる死亡率が53%も低下したという報告もあります。



健康な腸を保つための生活習慣のポイント

検査だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも非常に重要です。

食物繊維
食物繊維は便通を改善し、腸内の有害物質の排出を助ける効果が期待できます。水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく摂ることが大切です。

赤身肉や加工肉
これらは大腸がんのリスクを高める要因とされているので控えめに。

適度な運動
定期的な運動は、腸の働きを活発にし、便通を促進します。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。

禁煙・節酒
喫煙や過度な飲酒は大腸がんのリスクを高めることが知られています。禁煙し、飲酒は適量を守ることが大切です。



最後に

一週間以上下痢が続くという症状は、ご自身の健康を見直す大切なきっかけです。

不安な気持ちを抱え込まず、専門医に相談することが、早期発見・早期治療への第一歩となります。

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、患者様が安心して質の高い検査を受けられるよう、万全の体制を整えております。長引く下痢でお悩みの方、大腸カメラ検査をご希望の方、またはご自身の消化器の健康にご不安をお持ちの方は、ぜひ一度、当クリニックにご相談ください。

皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同、心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!



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