2025年8月07日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

日々の診療を通じて、私は北海道における大腸がん死亡率の減少を使命としております。

患者様からよくいただくご質問の一つに、「特に症状はないけれど、大腸カメラを受けた方が良いのでしょうか?」というものがあります。ご自身の身体を気遣うそのお気持ち、大変よく分かります。

結論から申し上げますと、症状がなくても大腸カメラを受けていただくことは可能です。

ただし、自覚症状がない場合や特定の病気の診断が下されていない場合は、保険適用とならず自費診療となります。

しかし、自費診療であっても、健診目的での大腸カメラは、ご自身の健康を守る上で非常に大きな意味を持ちます。

目次
なぜ症状がなくても大腸カメラが必要なのか?~沈黙の病、大腸がんの真実~

大腸がんは、近年日本で増加傾向にあるがんです。

国立がん研究センターのデータによると、2019年には15万人以上が大腸がんと診断され、2020年には5万人以上が大腸がんで亡くなっています。

がんの罹患数では、女性では第2位、男性でも前立腺がんに次いで第2位と、極めて身近な疾患となっています。この増加の背景には、食生活の欧米化、運動量の減少、肥満などが関係していると考えられています。

大腸がんの約7割は、良性のポリープ(腺腫)が時間をかけてがん化することで発生します。このポリープの段階や、早期の大腸がんの段階では、ほとんど自覚症状がありません。

症状が現れる頃には、病気が進行している可能性が高いのです。だからこそ、症状がない段階での「早期発見」が、大腸がんを治癒に導く鍵となります。



便潜血検査の限界と大腸カメラの重要性

便潜血検査は大腸がんの早期発見に有用ですが、万能ではありません。

陽性でも必ずしもがんではない
便潜血検査が陽性となる確率は約5%から10%ですが、実際に大腸がんが発見されるのは数%程度にすぎません。痔や大腸の炎症など、がん以外の原因でも陽性となることがあります。

陰性でもがんが隠れている可能性
早期のがんや小さなポリープでは、必ずしも出血があるとは限りません。そのため、「便潜血陰性=大腸がんではない」とは言い切れません。

陽性なら精密検査が必須
便潜血検査で「陽性」と判定された場合、最も重要なことは必ず精密検査を受けることです。再度の便潜血検査はあまり意味がなく、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)が最も有効な確定診断の方法です。

大腸がんのリスクは40歳頃から徐々に上昇し、特に50歳以上で急増します。ご自身やご家族の健康を守るためにも、症状がなくても定期的な大腸カメラ検査をご検討いただきたいと思います。



大腸カメラの「苦痛」は過去のものへ~当院の徹底した患者様への配慮~

当院では患者様の負担を最小限に抑えるための様々な工夫を凝らしています。

鎮静剤による無痛検査
多くの患者様が内視鏡検査に不安を感じるのは、その苦痛を想像するからです。当院では、そのような不安を軽減するために、鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しております。

鎮静剤を使用することで、検査中はほとんど眠ったような状態で受けることができ、検査による苦痛や不快感を大幅に軽減することが可能です。

検査後に「気づいたら終わっていた」とおっしゃる方も少なくありません。鎮静剤の種類(プロポフォール、ミダゾラムなど)は患者様の状態や体質に合わせて医師が選択し、安全に配慮して投与します。ただし、鎮静剤を使用した場合は、検査当日は車、バイク、自転車の運転は厳禁です。

炭酸ガス送気による負担軽減
大腸カメラ検査では、腸を広げて観察するために空気を送りますが、これにより検査後にお腹の張りを生じることがあります。当院では空気の代わりに炭酸ガス(CO2)を用いています。

炭酸ガスは空気よりも速やかに腸管から吸収されるため、検査後のお腹の張りや痛み、違和感を大幅に和らげることができます。

熟練した専門医による検査技術
内視鏡検査は、医師の技量と経験に大きく左右される検査です。当院の院長は消化器内視鏡専門医であり、数多くの検査経験を持っています。特に、一般的に挿入が難しいとされる女性や、腸が長い方、癒着がある方に対しても、多くの方で盲腸まで挿入することが可能です。



検査のハードルを下げ、受診しやすくする取り組み

当院は、患者様がより気軽に、そして安心して大腸カメラ検査を受けられるよう、様々な面で利便性を追求しています。

札幌大通駅直結の便利な立地
当院は、札幌市営地下鉄大通駅から徒歩わずか30秒という非常にアクセスしやすい場所にございます。仕事帰りやお買い物のついでにも気軽に立ち寄ることができ、通院による時間的負担を最小限に抑えられます。雨や雪の日でも濡れることなくご来院いただけます。

土日・祝日も検査可能
平日はお仕事や家事、育児で忙しく、なかなか病院を受診できない方も多いかと存じます。当院では、そのような方々のために土曜日・日曜日も内視鏡検査を実施しております。週末の時間を有効活用して、無理なく健康管理を行うことができます。

当日検査枠の提供
検査枠が空いていれば、急な腹痛や血便などの症状がある方でも、当日中に胃カメラ・大腸カメラの検査が可能です。迅速な診断と治療が必要な状況にも対応できる体制を整えています。

院内下剤の選択肢
大腸カメラ検査の事前準備として、ご自宅で大量の下剤を服用することに抵抗がある方もいらっしゃいます。当院では、院内で下剤を服用していただくことも可能です。専属のスタッフがサポートいたしますので、安心して準備を進められます。

胃カメラ・大腸カメラ同日検査
胃と大腸の両方の検査が必要な方には、同日に両方の内視鏡検査を行うことも可能です。これにより、検査のための通院回数や食事制限の回数を減らすことができ、時間的・身体的な負担を大きく軽減できます。



費用と保険適用についてのご案内

改めて保険適用と自費診療についてご説明いたします。

保険適用となるケース:
腹痛、下痢、便秘、血便、便が細いなどの何らかの消化器症状がある場合。
便潜血検査で陽性反応が出た場合。
以前に大腸ポリープを切除した既往がある場合。
これらの場合、医師が必要と判断すれば健康保険が適用され、自己負担額は通常3割となります。
その他の場合でも保険適用になるケースはありますのでご不安な方は医師にご相談下さい。



自費診療となるケース:
特に自覚症状がなく、健康診断やがん予防目的で検査を希望される場合。
自己負担額は、検査内容によって変動しますが、目安としては2万円から3万円程度です。当院では22000円で自費での大腸内視鏡検査を提供しております。



生命保険・医療保険の給付金について

大腸ポリープ切除は、医療保険の給付金の支払い対象となることが多いです。

ただし、保険会社やご加入の契約内容によって条件が異なりますので、事前にご自身の保険会社にお問い合わせいただくことを強くお勧めします。診断書料(3,300円程度)などが別途必要となる場合もあります。また、大腸がんの診断が下された場合は、受け取れる保険金の額が変わることもあります(がん保険の場合など)。

検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合もありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。

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最後に~皆様へのメッセージ~

大腸がんは、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。

症状がないからといって検査をためらうのではなく、むしろ症状がない「今」だからこそ、ポリープの段階で発見し、がんになる前に切除できるチャンスがあります。

当院では、患者様一人ひとりに寄り添い、苦痛を最小限に抑えた質の高い内視鏡検査を提供することをお約束します。アクセスしやすい立地、土日診療、オンライン予約、鎮静剤の使用、院内下剤の選択肢など、皆様が安心して検査を受けられる環境を整えております。

ご自身の健康は、ご自身で守るのが一番です。大腸カメラ検査は、そのための大切な一歩となります。少しでもご心配なことやご不明な点がございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽に当院にご相談ください。皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同努めてまいります。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


