大腸カメラを直近で行っていたら便潜血検査(健診の検便)はしなくてもいいの!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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大腸カメラを直近で行っていたら便潜血検査(健診の検便)はしなくてもいいの!?

大腸カメラを直近で行っていたら便潜血検査(健診の検便)はしなくてもいいの!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年5月10日

皆様、こんにちは。札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

過去に大腸カメラ検査を受けたことがある方や、定期的に大腸カメラ検査を受けている方から、「大腸カメラを直近で行っていたら、便潜血検査はもうしなくてもいいですか?」というご質問をよくいただきます。

この疑問にお答えするために、今回は便潜血検査と大腸カメラ検査、それぞれの役割と特徴、そしてどのように組み合わせてご自身の健康を守っていくのが最も良い方法なのかについて、詳しくお話ししたいと思います。

大腸カメラを直近で行っていたら便潜血検査は不要?

「大腸カメラを直近で行っていたら便潜血検査はしなくてもいいの!?」

結論から申し上げますと、精密な大腸カメラ検査を最近受けていて、異常がなかった場合は、便潜血検査の必要性は低くなると言えます。

なぜなら、大腸カメラ検査は、便潜血検査よりもはるかに高い精度で大腸内部の病変を直接確認できる検査だからです。

もし大腸がんや、がんになる可能性のあるポリープが存在すれば、多くの場合は大腸カメラ検査で発見できます。また、もしポリープが見つかればその場で切除するため、将来がんになるリスクをその時点で取り除くことが可能です。

便潜血検査は、あくまで「出血があるかどうか」をスクリーニング(ふるい分け)する検査です。大腸カメラ検査は、そのスクリーニングで「異常あり」と判定された方や、症状がある方、リスクが高い方などに対して行われる「精密検査」です。精密検査である大腸カメラで異常がなかったということは、その時点での大腸がんや大きな病変の可能性が低いことを意味します。

では、大腸カメラ検査を受けた後の推奨される検査間隔はどのくらいでしょうか? これは、検査時の所見や、ポリープを切除したかどうか、ポリープの種類、そして患者様ご自身のリスク要因(年齢、家族歴、生活習慣など)によって異なります。

一般的には、異常がなかった場合は数年ごと(例えば3~5年ごと)、ポリープを切除した場合は、そのポリープの種類や個数によって1~3年ごとなど、より短い間隔で定期的な大腸カメラ検査が推奨されることが多いです。

もし、直近で大腸カメラ検査を受け、医師から次の検査時期について具体的な指示を受けている場合は、その指示に従って定期的に大腸カメラ検査を受けることが、最も確実な大腸がん予防・早期発見の方法と言えます。

その間、便潜血検査を毎年受けることももちろん無駄ではありませんが、大腸カメラで得られる情報量や精度には及ばないということをご理解いただければと思います。

ただし、大腸カメラ検査で異常がなかった場合でも、次回の検査時期までに気になる症状(便通異常、腹痛、血便など)が現れた場合は、便潜血検査の結果に関わらず、すぐに医療機関を受診し、医師に相談してください

日本における大腸がんの現状と早期発見の重要性

残念ながら、大腸がんは近年、日本において非常に増加傾向にあります。

年間に大腸がんと診断される方は15万人以上、そして年間約5万人以上の方が大腸がんで亡くなっています。女性のがんによる死亡原因の第1位が大腸がんであるという事実も、皆様に知っていただきたい重要な点です。

しかし、悲観することはありません。大腸がんは、早く見つければ治るケースが多いがんです。がんの進行度合いを示す「ステージ」が低いほど、5年生存率(がんと診断されてから5年後に生存している割合)は高くなります。

また、ステージが低い早期段階で発見できれば、がんに伴う症状も軽く、治療による身体への負担も小さく済みます。進行してから発見されると、手術や化学療法も難しくなる可能性があります。だからこそ、生存率や体への負担を考えると、大腸がんの早期発見は非常に重要なのです。

自覚症状についてですが、厄介なことに、大腸がんは進行するまでこれといった症状が現れないことが多いです。ご自身で大腸がんを見つけることは難しいのが現状です。

進行すると、便秘や下痢、腹痛、便が細くなる、血便などの症状が出ることがありますが、症状が出る前に発見することが望ましいのは言うまでもありません。そのためには、定期的な検査が不可欠となります。

実際の大腸癌の画像

便潜血検査の役割とメリット

大腸がんの初期検査として広く行われているのが「便潜血検査」です。

これは、いわゆる検便で、便の中に肉眼では見えないごく微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。日本で行われている便潜血検査の主流は「免疫法」という方法で、ヒトの赤血球に含まれるヘモグロビンというタンパク質に特異的に反応します。

この方法の利点は、食事(肉や野菜など)や薬剤の影響を受けにくいため、検査前の食事制限などが基本的に不要であることです。便を採取して提出するだけで済むため、体への負担が少なく、非常に簡便な検査と言えます。

便潜血検査の最大の意義は、大腸がんによる死亡率を減少させる効果が科学的に証明されていることです。特に40歳以上の方、そして50歳以上の方には年1回の受診が強く推奨されています。これは、40歳頃から大腸がんの死亡率や罹患率が増加し始め、特に50歳以上で急増するからです。

便潜血検査を毎年受けることで、大腸がんによる死亡率を53%減らせるという研究結果もあります。症状がない段階で検査を受けること、そしてそこで早期に異常が見つかることに、大きなメリットがあるのです。

便潜血検査の限界

しかし、便潜血検査には限界があることも理解しておく必要があります。

便潜血検査は、あくまで便中に血液が混じっているかを検出する検査です。大腸がんやポリープからの出血は、常に起きているわけではありません。たまたま便を採取した日に出血がなければ、「陰性」となってしまうことがあります。

特に、早期のがんや小さなポリープでは、必ずしも出血があるとは限らないのです。そのため、便潜血検査が「陰性」であったとしても、大腸がんやポリープが隠れている可能性を完全に否定することはできません。この点が、便潜血検査の最大の限界と言えます。

また、便中に血液が混じる原因は、大腸がんだけではありません。痔や大腸の炎症(憩室炎、虚血性腸炎など)、さらには女性の場合は生理による出血でも便潜血検査は「陽性」となる可能性があります。特に痔がある方の場合、便に血が混じるのは日常的であるため、「これは痔のせいだろう」と思い込んでしまい、便潜血検査で陽性が出ても精密検査を受けない方が多く見受けられます。

大腸カメラ検査の役割と、便潜血検査よりも優れている点

では、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)はどのような検査なのでしょうか。

大腸カメラ検査は、肛門から細くて柔らかい内視鏡スコープを挿入し、大腸の内部(粘膜)を医師がモニター画面で直接観察する検査です。食道や胃を直接観察する胃カメラと同様の原理です。

この検査の最大の利点は、大腸の粘膜の状態を直接、詳細に観察できることです。便潜血検査が便中の血液という「間接的な情報」から異常を推測するのに対し、大腸カメラは病変そのものを「直接確認」できます。

さらに、大腸カメラ検査の大きな特徴として、診断と治療を同時に行えるという点が挙げられます。検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することが可能です。大腸がんの多くは、放置された大腸ポリープ(特に腺腫)から発生することがわかっています。

そのため、大腸ポリープを早期に発見し切除することは、大腸がんの最も有効な予防法の一つなのです。便潜血検査ではポリープの存在は分かりませんし、治療もできません。これは大腸カメラ検査が持つ、非常に重要な役割です。

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックで大腸カメラを受けるメリット

当院は、胃と大腸の内視鏡検査に特化した専門クリニックです。

内視鏡検査に関して経験豊富な消化器内視鏡専門医が、最新の内視鏡システムを用いて、丁寧かつ高精度な検査を行っております。内視鏡検査の精度は、術者である医師の技量や経験に左右される側面があると言われていますが、当院では内視鏡のスペシャリストである医師が担当いたしますのでご安心ください。

そして、皆様が最も心配される「苦痛」についてです。大腸カメラは、腸が伸び縮みしたり、曲がり角を通過する際に痛みや不快感を感じることがあります。特にS状結腸や横行結腸といった部位は、腸が伸び縮みしやすく、医師はここをいかに縮めるか工夫しながらスコープを進めます。

当院では、そのような苦痛を大幅に軽減するために、鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しております。鎮静剤を静脈注射することで、検査中はほとんど眠っているような、あるいはうとうとしたリラックスした状態で検査を受けていただけます。鎮静剤の種類(プロポフォールやミダゾラムなど)についても、患者様に合わせたものを適切に使用いたします。

胃カメラと大腸カメラの同時検査について

当院では胃カメラ検査と大腸カメラ検査を同じ日にまとめて受けることも可能です。

それぞれの検査には食事制限や時間の拘束が必要ですが、同日に行うことで、これらの負担を1日で済ませることができます。食事制限や投薬の回数を減らすことも、時間的、身体的な負担軽減につながります。ただし、ご高齢の方や、ハイリスクな糖尿病など、特定の健康状態にある方には安全を優先し、別日に検査をお勧めする場合もあります。

大腸カメラ検査を受けるためには、前日からの食事制限や下剤の服用が必要です。特に下剤の服用は、多くの方が苦労される点です。腸の中をきれいにすることで、微小な病変も見逃さず、質の高い検査を行うことができるため、この前処置は非常に重要です。

当院では、患者様が前処置を乗り越えられるよう、検査前日の食事や食材選び、下剤を楽に飲むコツについて、分かりやすく具体的な情報を提供しております。消化に良い食べ物・避けるべき食べ物、コンビニで手軽に買えるおすすめの食事 など、皆様が無理なく準備できるようサポートいたします。

当院は、札幌市営地下鉄大通駅から徒歩すぐという、アクセスしやすい立地にあります。仕事の合間や買い物のついでにも立ち寄りやすく、通院による時間のロスを最小限に抑えることができます。雨や雪の日でもほとんど濡れることなくお越しいただけます。

結局、便潜血検査と大腸カメラ、どうすればいいの?

精密な大腸カメラ検査を適切な間隔で受けていて、異常がなかった場合は、その後の推奨される検査時期まで、便潜血検査を必ずしも毎年受ける必要はありません

しかし、便潜血検査は体への負担が少なく簡便な検査であり、大腸がんによる死亡率を減らす効果も証明されています。特に、まだ一度も大腸カメラ検査を受けたことがない40歳以上の方や、忙しくて数年ごとの大腸カメラ検査は難しいという方にとっては、便潜血検査を毎年受けることが、大腸がん早期発見の第一歩として非常に有効です。

そして、便潜血検査で「陽性」と判定された方は、結果を自己判断で放置せず、必ず大腸カメラによる精密検査を受けてください。これは繰り返しになりますが、非常に重要な点です。

ご自身の年齢、ご家族に大腸がんやポリープになった方がいるかという家族歴、日頃の生活習慣(食生活、飲酒、喫煙、運動など)、そして以前受けた検査の結果などを考慮し、定期的に大腸カメラ検査を受けることが、最も確実な大腸がん予防・早期発見につながります

まとめ

大腸がんは増加傾向にありますが、早期発見・早期治療で治る可能性が高いがんです。

そのために最も有効な検査が、大腸カメラ検査です。便潜血検査も死亡率減少効果が証明された有効なスクリーニング検査ですが、限界もあります。便潜血検査で陽性だった場合は、必ず大腸カメラによる精密検査が必要です。そして、精密な大腸カメラ検査を定期的に受けることが、大腸がん予防・早期発見の最も確実な方法と言えます。

「検査は怖い」「苦痛なのでは」といった不安がある方も、当院では経験豊富な専門医が、鎮静剤を用いた「無痛内視鏡検査」や女性への配慮など、様々な工夫を凝らして、皆様に安心して検査を受けていただけるよう努めております。胃カメラとの同日検査も可能で、お忙しい方の負担を軽減できます。

ご自身の健康状態やリスクを考慮し、どの検査をいつ受けるべきか悩まれている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。皆様一人ひとりに最適な検査計画をご提案させていただきます。

ご予約はインターネットやお電話で受け付けております。健やかな毎日を送るために、ぜひ勇気をもって一歩を踏み出しましょう。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。

文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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