大腸癌でも血便がない事ってあるの!? |札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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大腸癌でも血便がない事ってあるの!? 

大腸癌でも血便がない事ってあるの!? |札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年5月14日

皆さん、こんにちは。札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

日々の診療の中で、患者様から様々なご質問やご不安をお伺いします。

中でも、「血便が出ていないから、大腸がんは心配ないですよね?」というお声を耳にすることが少なくありません。

しかし、この認識には少し注意が必要です。今回は、この「血便がない=大腸がんではない」という考え方について記載したいと思います。 

大腸がんの現状と自覚症状の落とし穴 

まず、大腸がんの現状についてお話ししましょう。

大腸がんは、近年日本で増加傾向にあり、年間15万人以上の方が診断されています。そして、残念ながら年間5万人以上の方が大腸がんによって亡くなっています。特に、大腸癌は女性のがんによる死亡原因の第1位でもあります。

大腸がんは、早期に発見し治療を開始することが非常に重要です。なぜなら、がんの進行度を示す「ステージ」が上がるほど、治療後の5年生存率は低下することが分かっているからです。早期の段階で見つかれば、治療の負担も小さく済み、完治を目指せる可能性も高くなります。 

では、早期発見のためにはどうすれば良いのでしょうか?多くの方が、何か体に異常を感じたら病院に行こう、とお考えだと思います。確かに、進行した大腸がんでは、便秘や下痢、腹痛、便が細くなるなどの症状が現れることがあります。血便も、進行症状の一つとして現れることがあります。

しかし、ここに落とし穴があります。大腸がんは、進行するまで自覚症状がないことが多いのです。

特に、早期の段階ではほとんど症状が出ません。つまり、「血便がないから大丈夫」「お腹の調子は悪くないから心配ない」と考えていると、がんが進行してしまうリスクがあるのです。血便がない、あるいは目に見えない微量の出血しかない場合でも、大腸がんが存在する可能性は十分にあります。 

便潜血検査の意義と限界 

大腸がんの一次検診として、広く行われているのが「便潜血検査」です。

これは、便の中に肉眼では見えない微量の血液が混じっているかを調べる検査です。

便潜血検査は、大腸がんによる死亡率を減少させる効果があるという科学的根拠に基づき、40歳以上の方に年1回の受診が推奨されています。これは、40歳頃から大腸がんの死亡率や罹患率が増加し、50歳以上で急増するからです。 

便潜血検査で陽性となった場合、大腸がんの確率は数%程度と言われています。痔や大腸の炎症など、がん以外の原因で陽性になることの方が多いです。ただし痔による出血だと思っても、実際は大腸がんが隠れていた事例もあります。 

そのため、便潜血検査で陽性となった場合は、「精密検査」を受けることが非常に重要です。残念ながら、陽性が出たのに再検査を勧めたり、放置してしまったりするケースも見受けられますが、これは病気発見のチャンスを逃してしまうことにつながります。便潜血検査は、一度でも陽性反応が出れば「躊躇することなく消化器内科専門医を受診してください。 

早期発見の切り札「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」 

便潜血検査陽性場合、最も有効な精密検査が「大腸内視鏡検査」です。

これは、先端に小型カメラがついた細長いスコープを肛門から挿入し、大腸の粘膜を直接観察する検査です。 

大腸カメラ検査には、早期発見・早期治療において、便潜血検査にはない大きなメリットがあります。 

粘膜を直接詳細に観察できる:

大腸の粘膜の状態を隅々まで確認できます。炎症、潰瘍、ポリープ、がんなど、様々な病変の有無を直接目で見て判断できます。便潜血検査では捉えきれない、出血を伴わない早期がんや小さなポリープも見つけやすいのが特徴です。 

組織の採取(生検)が可能:

疑わしい病変が見つかった場合、その場で組織を採取し、病理検査を行うことができます。これにより、「がん」であるかどうかの確定診断をつけることが可能です。 

ポリープ切除が可能:

大腸がんの多くは、腺腫という良性のポリープが時間をかけて変化してできると考えられています。大腸カメラ検査では、見つかったポリープをその場で切除することができます。これにより、将来の大腸がんを予防することにつながるのです。 

大腸がん以外の疾患も発見:

大腸カメラは、大腸がんやポリープだけでなく、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、大腸憩室症、虚血性腸炎、痔など、他の様々な消化器疾患を発見することにも役立ちます。これらの病気も無症状で進行することがあるため、定期的な検査で早期発見することが推奨されます。 

このように、大腸カメラ検査は、大腸の健康状態を詳しく知るための最も確実な方法と言えます。特に、大腸がんのリスク要因(加齢、大腸がんやポリープの家族歴、食生活、喫煙、飲酒、肥満、運動不足など)に心当たりがある方は、積極的に検査を受けることをお勧めします。

胃カメラとの同日検査も可能です 

当院では、胃カメラと大腸カメラの同日検査にも対応しています。 

胃カメラ検査は、胃がんや胃潰瘍などの上部消化管の病変を見つけるのに非常に有効です。胃がんも早期には症状がないことが多い病気であり、早期発見のためには胃カメラ検査が推奨されます。バリウム検査と比較して、胃カメラは粘膜を直接観察でき、早期がんの発見に優れています。

胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けることで、検査前の食事制限や時間的な拘束といった負担を1日で済ませることができます。ただし、高齢の方やハイリスクな病気を抱えている方など、安全を優先して別日をお勧めする場合もありますので、まずはご相談ください。 

検査への不安を軽減する当院の取り組み 

「大腸カメラは痛い」「検査がつらい」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

当院では、患者様に安心して検査を受けていただくために、様々な工夫を行っております。 

鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」:

鎮静剤を適切に使用することで、ほとんど眠ったようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。これにより、検査による苦痛や不快感を大幅に軽減し、患者様のご負担を軽くしながら、医師は質の高い丁寧な検査を行うことができます。

内視鏡専門医による質の高い検査:

当院では、最新の内視鏡システムを用いて、丁寧かつ高精度な検査を行っています。内視鏡医の技量と経験は、検査の精度を大きく左右します。多くの症例経験に基づき、安全で正確な検査を心がけております。 

アクセスの良さと検査時間の配慮:

当院は札幌大通駅から徒歩30秒という非常に便利な場所にあります。仕事の合間や買い物のついでなど、立ち寄りやすい立地です。また、平日に時間が取りにくい方のために、土日も内視鏡検査に対応しています。午前中に検査を集中して行うことで、その日の午後の予定を立てやすく、生活リズムを崩さずに健康管理を行えるよう配慮しています。

検査後のフォローアップも大切にしています 

検査を受けて終わり、ではありません。

当院では、検査で得られた結果を基に、今後の健康管理についても丁寧にご説明し、サポートさせていただきます。見つかった病変について、どのような状態なのか、今後の治療方針はどうするかなど、分かりやすくご説明します。ポリープを切除した場合の注意点や、今後の定期検査のスケジュールについてもご案内します。 

大腸ポリープは再発しやすい疾患の一つです。切除後も、将来的に再発したり、別の場所に新たなポリープやがんができたりする可能性も考えて、定期的なフォローアップが大切です。 

また、検査結果から得られるヒントを基に、食生活や運動習慣、禁煙・節酒といった生活習慣の改善についてもアドバイスを行います。大腸がんのリスク低減には、これらの生活習慣の見直しも非常に有効です。 

まとめ 

「血便がない=大腸がんではない」というわけではありません。

大腸がんは早期には自覚症状がほとんどなく、血便が出ないことの方が一般的です。便潜血検査は有用ですが限界もあり、陽性であれば精密検査が必須です。 

大腸がんを早期発見し、治癒率を高めるためには、定期的な大腸内視鏡検査が最も確実で有効な手段です。特に40歳を過ぎたら、症状がなくても検査を受けることを強くお勧めします。 

大腸内視鏡検査に対して不安や抵抗を感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では、鎮静剤の使用や女性への配慮など、様々な工夫を凝らし、患者様にできるだけ苦痛なく、安心して検査を受けていただける体制を整えております。 

ご自身の健康を守るために、勇気を出して一歩を踏み出すことが大切です。血便の有無に関わらず、大腸の健康について気になる方、検査を受けるべきか迷っている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。私たちスタッフ一同、皆様の健康な毎日をサポートできるよう努めてまいります。 

ご来院を心よりお待ちしております。

 文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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