2025年5月08日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック 院長の福田です。

大腸内視鏡検査ほど、「苦しいのではないか、痛いのではないか」と患者さんに懸念を持たれる検査も少ないと思います。

「腸が伸びやすい」という状態は、大腸カメラの際に、腸管が通常よりもたわんだり、伸びたりしやすい傾向があることを指します。

特に、一般的に大腸カメラの盲腸までの挿入は高齢者や女性の方が難しく、痛みやすい傾向があると言われています。

このような場合、内視鏡の挿入に時間がかかったり、お腹の張りや痛みを強く感じたりすることがあります。そのため、検査に対して苦手意識を持ってしまわれる方がいらっしゃるのも無理はありません。

当院では、そういった方にも安心して、そして苦痛なく検査を受けていただけるよう、様々な取り組みを行っております。

目次
「腸が伸びやすい」方でも安心!「苦痛の少ない」検査

「以前の検査が辛かったから…」という方にこそ、当院の検査をおすすめしたいです。

私たちは「苦痛の少ない大腸内視鏡検査」を徹底的に追求しているからです。

特に、「腸が伸びやすい」と感じる方の場合、内視鏡の挿入に技術と経験が必要です。無理な挿入は腸管の伸展を強く引き起こし、痛みに繋がります。

当院では、豊富な経験に基づいた、腸管をあまり伸ばさずに挿入する「軸保持短縮法」や「水深法」などの技術を駆使することで、女性で難しい大腸の方であっても、ほとんどの場合痛みを感じる事なく検査を終える事ができます。

さらに、当院では検査時の苦痛を最大限に軽減するために、積極的に鎮静剤を使用しています。

鎮静剤を静脈注射することで、多くの方が「楽だった」「気が付かないうちに終わった」と仰るほど、身体的・精神的な負担を少なく検査を受けていただけます。



なぜ大腸カメラ検査が重要なのか

ご存知の通り、大腸がんは日本において増加傾向にあります。

国立がん研究センターのデータによると、2023年にがんで亡くなった方のうち、大腸がんは女性で第1位、男性で肺がんに次いで第2位となっています。過去と比較すると、半世紀で約6倍にまで増加しており、食生活の欧米化などがその理由と考えられています。

大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどありません。症状が現れた時には、病気が進行している可能性が高いのです。しかし、定期的な検査を受けることで、無症状のうちにがんや前癌病変のポリープを見つけ出すことができます。

大腸カメラ検査は、大腸の粘膜を直接観察できる最も有効な検査であり、早期のがんや5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、疑わしい部分があればその場で組織を採取(生検)して確定診断をつけることができます。

また、大腸ポリープ(良性腫瘍)を発見して治療に結びつけることもできます。ポリープの中には、良性であっても放置すると将来的にがん化する可能性があるもの(腺腫性ポリープ)があり、これを早期に発見し切除することでがん化のリスクを軽減できるのです。

便潜血検査も大腸がんのスクリーニングとして推奨されていますが、早期のがんや小さなポリープでは必ずしも出血があるとは限らず、陰性であっても大腸がんを完全に否定できるわけではありません。便潜血検査で「異常あり」となった場合は、必ず精密検査として大腸カメラを受けることが最も重要です。



検査前の準備について

大腸カメラ検査を正確に行うためには、検査前の腸内をきれいにすることが非常に重要です。

腸内に便や未消化物が残っていると、病変が見えにくくなり、小さな病変を見逃してしまう可能性があります。

検査の2〜3日前からは、消化の良い食品を摂取し、食物繊維の多い食品や乳製品、脂肪分の多い食品は控えていただきます。具体的には、うどんや白米、皮を取り除いた白身魚や鶏むね肉などがおすすめです。

一方、消化に時間がかかる食物繊維が多く含まれる野菜、きのこ類、海藻類、こんにゃく、また種子の多い果物や、脂肪分の多い肉類や揚げ物、乳製品などは控えていただく必要があります。

当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な下剤を選び、服用方法についても丁寧に説明いたしますので、ご安心ください。下剤を飲む過程が辛いと感じる方もいらっしゃいますが、正確な診断のためには必要なステップとなります。

検査当日は、指定された時間にクリニックにお越しいただき、最終的な準備が整い次第、検査室にご案内します。リラックスして深呼吸を心がけ、医師や看護師の指示に従っていただくことがスムーズな検査につながります。



検査の流れとポリープ切除について

検査自体は、鎮静剤が効いたことを確認してから開始します。

肛門から内視鏡をゆっくりと挿入し、大腸全体を詳細に観察します。検査時間は通常15分~30分程度です。

検査中にポリープが発見された場合、その場で切除することが可能です。当院での統計では、発見されたポリープの90%以上を当院での切除が可能でした。

ポリープ切除は、内視鏡の先端から特殊なワイヤーなどを出してポリープを焼き切る、外科的な手術に比べて体への負担が少ない「内視鏡手術」となります。入院が必要な大型のポリープが見つかった場合は、連携している高次医療機関にご紹介いたします。

検査終了後は、鎮静剤の効果が切れるまで20分程度リカバリースペースで休息していただきます。その後、検査結果について医師から詳しい説明を行います。ポリープを切除した場合は、その組織を病理検査に提出し、良性か悪性かの確定診断を行います。病理検査の結果は後日ご説明します。



費用と保険適用について

大腸カメラ検査にかかる費用についてもご説明しておきましょう。

症状がある場合や、便潜血検査で陽性となった場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。保険適用の場合、自己負担額は通常3割となります。基本的な観察のみであれば、3割負担で1万円前後が目安です。

検査中にポリープが発見され、切除を行った場合には、別途費用がかかります。ポリープ切除を伴う検査の費用は、約2万5千円前後となることが多いです。ポリープ切除は内視鏡手術とみなされ、手術料が加算されるためです。日帰り手術の場合、3割負担で2〜3万円程度が目安となります。

また、加入されている生命保険や医療保険から手術給付金や医療給付金が支払われる場合があります。入院を伴う手術はもちろん、大腸ポリープ切除のような外来手術や日帰り入院でも給付金の対象となるケースが多いです。保険の種類や契約内容によって異なりますので、ご加入の保険会社に事前に確認されることをお勧めします。

さらに、大腸内視鏡検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合があります。領収書は大切に保管しておきましょう。



定期的な検査と生活習慣の見直し

特に40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。

そして、便潜血検査で陽性の結果が出た場合は、必ず精密検査として大腸カメラを受けましょう。

大腸がんのリスク要因としては、加齢(50歳以上)、大腸がんやポリープの家族歴、食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、飲酒、肥満、運動不足などが挙げられます。これらのリスク要因を意識し、日々の生活習慣を見直すことが、大腸がんの予防に繋がります。

バランスの取れた食生活:
野菜、果物、全粒穀物など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。食物繊維は便通を改善し、腸内の有害物質の排出を助けます。推奨量は成人で一日約20~25グラムとされています。 赤身肉や加工肉の摂取は控えめにすることも大切です。

適度な運動:
定期的な運動は、腸の働きを活発にし、便通を改善し、肥満の予防にも繋がります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。週に最低150分程度の適度な運動量が理想とされています。

禁煙・節酒:
喫煙は大腸がんのリスクを高めます。禁煙に取り組みましょう。飲酒も適量を守ることが大切です。

適切な体重維持:
肥満も大腸がんのリスク要因の一つです。バランスの取れた食事と適度な運動で、適切な体重を維持しましょう.

これらの生活習慣の改善に加え、定期的な大腸カメラ検査を受けることが、大腸がん予防と早期発見の鍵となります。特に、ご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方、40歳以上の方は、症状がなくても定期的な検査をご検討ください。個人のリスクに応じた検査スケジュールを医師と相談して計画することが重要です。



最後に

「腸が伸びやすいと言われて不安」という方も、どうぞご安心ください。

当院では、患者様の不安や苦痛を最大限に取り除くため、経験豊富な医師による丁寧な手技と、適切な鎮静剤の使用を組み合わせた「苦痛の少ない内視鏡検査」を提供することに努めています。

大腸がんは早期発見・早期治療で治癒の可能性が高いがんです。過去の検査経験から足が遠のいている方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞ勇気を出して、もう一度検査をご検討いただければと思います。

当院は札幌の中心部に位置しており、平日お忙しい方のために土日も診療を行い、ネットからの予約も24時間いつでも可能です。清潔でリラックスできる環境と、温かみのあるスタッフが皆様をお迎えいたします。

ご心配なことやご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同努めてまいります。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


