2025年3月30日

今回は、大腸カメラ前に知っておくべき準備や心構えについて詳しく解説させていただきます。

「大腸カメラ」と聞くと、少し不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、大腸カメラ検査は大腸がんをはじめとする様々な病気の早期発見・早期治療に非常に重要な役割を果たします。

適切な準備と心構えを持つことで、検査はスムーズに進み、より正確な診断につながります。

目次
1. 大腸カメラ検査の重要性を理解する

まず、なぜ大腸カメラ検査が必要なのかを改めて認識しておきましょう。

大腸がんは、日本人に多いがんの一つであり、かかる方は年々増加傾向にあります。しかし、早期の大腸がんは自覚症状がほとんどないため、定期的な検査によって早期に発見することが非常に重要です。
特に、

40歳以上の方、

便潜血検査で陽性となった方、

大腸ポリープの既往がある方、

ご家族に大腸がんやポリープになった方がいる方

以上の方は積極的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。
また、便通異常(便秘や下痢の繰り返し、便が細くなったなど)、腹痛、血便などの症状がある方も、速やかに検査を受けるべきです。



2. 検査前の準備:食事、下剤、水分摂取

検査前には腸の中をきれいにする必要があり、食事制限と下剤の服用が不可欠となります。

2.1. 食事制限
検査の2~3日前から、消化の良い食事を心がけてください。

推奨される食品:
白米、うどん、素麺、パン(具なし)、鶏むね肉(脂身なし)、白身魚、豆腐、卵、具の少ない味噌汁やスープ、皮や種のない果物(バナナ、リンゴなど)。

避けるべき食品:
食物繊維の多い野菜(葉物、根菜など)、きのこ類、海藻類、豆類、玄米、雑穀米、ゴマ、ナッツ類、乳製品、脂っこい肉、揚げ物。

ご不明な点があれば、遠慮なく当院の医師やスタッフにご確認ください。

2.2. 下剤の服用
検査前日と当日に、指定された下剤を服用していただきます。当院では、患者様一人ひとりの状況に合わせて最適な下剤を選んでおりますのでご安心ください。

下剤の種類:
洗浄液タイプや錠剤タイプなど、いくつかの種類があります。味や服用量、効果などが異なりますので、医師が最適なものをご案内いたします。

服用方法とタイミング:
下剤の種類によって服用方法やタイミングが異なりますので、医師または看護師の指示を必ず守ってください。

下剤をラクに飲むためのコツ:
冷やしてゆっくり飲む、合間に飴をなめる、ストローを使って飲むなどの工夫をすると、比較的楽に服用できる場合があります。

便秘の方への注意点:
普段から便秘の方は、通常よりも下剤が効きにくい場合があります。事前に医師にご相談いただき、必要に応じて早めに下剤の服用を開始したり、追加の下剤を服用するなどの指示を受けるようにしてください。

2.3. 水分摂取
下剤服用中は、こまめに水分を摂取することが非常に重要です。

水分を十分に摂ることで、腸の動きが活発になり、下剤の効果を高めることができます。水やお茶、スポーツドリンクなどを積極的に摂取し、炭酸飲料やジュースは避けてください。

脱水症状を防ぐためにも、しっかりと水分補給を行いましょう。



3. 検査当日の流れと心構え

検査当日の流れを説明します。

3.1. 来院から検査まで
予約時間に遅れないようにご来院ください。受付後、検査着に着替えていただきます。
3.2. 鎮静剤の使用
当院では、ご希望に応じて鎮静剤を使用し、眠っているような楽な状態で検査を受けていただくことが可能です。鎮静剤を使用することで、検査中の苦痛や不快感を大幅に軽減することができます。

- 鎮静剤を使用した場合、検査後しばらくリカバリー室で休憩していただきます。

- 鎮静剤を使用した当日は、ご自身での運転(自転車、バイク、自動車など)は終日禁止となりますので、公共交通機関やご家族の送迎をご利用ください。

3.3. 検査中の流れ
検査室へ移動後、内視鏡を肛門からゆっくりと挿入し、大腸の内部を観察していきます。検査時間は通常15分から30分程度です。医師は、高画質のカメラで大腸の粘膜を詳しく観察し、ポリープや炎症、がんなどの異常がないかを確認します。検査中に気になることがあれば、遠慮なく医師や看護師にお声がけください。



4. 検査後の注意点

検査後は、リカバリー室でしばらくお休みいただいた後、医師から検査結果の説明をいたします。

食事:
検査後しばらくは、消化の良いものから少しずつ摂取するようにしてください。刺激物、脂肪分の多い食品、生もの、アルコールは避けましょう。

水分摂取:
便秘予防のためにも、引き続き十分な水分摂取を心がけてください。

運動:
激しい運動は避け、体調に合わせて徐々に普段の生活に戻してください。

お腹の張り:
検査後、一時的にお腹が張ることがありますが、通常は自然に改善します。

出血:
ポリープを切除した場合、数日間少量の出血が見られることがありますが、通常はすぐに止まります。もし出血量が多い場合や、腹痛が続く場合は、速やかに当院にご連絡ください
ポリープを切除した場合は、切除したポリープの病理検査を行い、後日結果をご説明いたします。



5. 費用と保険適用

大腸内視鏡検査は、症状がある場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。

保険適用の場合、自己負担額は通常3割となります。ポリープ切除や組織検査を行った場合は、別途費用がかかることがあります。費用の詳細については、検査前または検査後にお気軽にご質問ください

また、大腸ポリープ切除などの治療内容によっては、加入されている生命保険の手術給付金や医療保険の給付金が支払われる場合があります。ご加入の保険会社にお問い合わせいただくことをお勧めします。

大腸内視鏡検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。



6. おわりに
大腸カメラ検査は、皆様の健康を守るための大切な一歩です。「まさか自分が…」と思わずに、気になる症状がある方、検診で異常を指摘された方はもちろんのこと、定期的な健康チェックとして、安心して当院にご相談ください。スタッフ一同、皆様の健康な毎日をサポートさせていただきます。


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