2025年7月12日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

よく『ピロリ菌の検査・治療だけしてください』というご意見を多く受けます。

ただ気を付けて頂きたいのは、ピロリ菌検査/治療は胃カメラを施行していないと保険が効かない場合が多いです。

本日は、「ピロリ菌検査って保険が効かないの!?」という、多くの方が抱えている疑問について、詳しく解説させていただきます。この医療コラムが、皆様の胃腸の健康管理の一助となれば幸いです。

目次
ピロリ菌検査は胃カメラを受けていれば保険適用になります

「ピロリ菌検査や除菌治療は、身近な方が受けているから保険が適用されるだろう」と思われがちですが、実はその通りではありません。

検査の結果や受ける順番によっては、保険適用外の「自費診療」となってしまうことがあるのです。

では、どうすれば保険適用でピロリ菌検査を受けられるのでしょうか? その鍵となるのが、「胃カメラ検査」です。

原則として、ピロリ菌検査を受ける前に胃カメラ検査を受けることが必須条件となります。このルールを知っておくことが、皆様の医療費の負担を軽減するために非常に重要です。

なぜピロリ菌検査の前に胃カメラが必要なのか?

「なぜ、わざわざ胃カメラ検査を先に受けなければならないの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。その最大の理由は、早期の胃がんを見落とす恐れを防ぐためです。

ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜に慢性的な炎症(慢性胃炎や萎縮性胃炎)が引き起こされます。この慢性胃炎は、長年の経過で胃がんへと進行するリスクがあることが分かっています。

特に日本では、ピロリ菌感染が胃がんの大きな原因の一つであり、胃がん患者の半数以上がピロリ菌感染によるものとされています。

もし胃カメラ検査をせずに先にピロリ菌の除菌治療だけを行ってしまうと、万が一、胃がんの初期病変が既に存在していた場合、それが見過ごされてしまうリスクがあるのです。

胃がんの早期発見は治療の成功率に大きく関わるため、除菌治療の前に胃がんの有無を胃カメラで確認することが極めて重要とされています。

バリウム検査では確定診断ができない

バリウム検査で「慢性胃炎の疑い」が指摘されることもありますが、これだけではピロリ菌検査や除菌治療は保険適用にはなりません。

その理由は、バリウム検査が「スクリーニング(ふるいわけ)検査」であり、胃の形や凹凸をレントゲンで影絵のように間接的に観察するものだからです。

一方、胃カメラ(内視鏡検査)は、先端の小型カメラで胃の中を直接観察でき、疑わしい部分があればその場で組織を採取(生検)し、病理検査によってがんかどうかの確定診断をつけることができます。

胃カメラは放射線被ばくがなく, 診断の正確さで優れている点も重要です. バリウム検査は手軽で費用が安いという長所はありますが, 便秘や誤嚥のリスク、そしてなにより早期がんの見逃しリスクがあるという短所もあります.

医師自身が胃の検査を受ける際には、ほとんどが胃カメラを選択するという事実も、その診断能力の優位性を示唆しています.

胃の健康から大腸の健康へ:包括的な消化器管理の重要性

胃の健康を守るピロリ菌対策は非常に重要ですが、皆様の消化器全体の健康を考える上で、大腸の健康管理もまた欠かせません。当院は「胃と大腸の内視鏡クリニック」として、皆様の消化器全体の健康をサポートすることを使命としています。

大腸がんは、近年罹患数・死亡数ともに増加傾向にあり、特に女性ではがんによる死亡原因の第1位、男性では第2位となっています。にもかかわらず、大腸がん検診の受診率は低いのが現状です。

大腸がんは初期には自覚症状がほとんどなく、進行してから気づくことが多いため、定期的な検査による早期発見が極めて重要です。

大腸カメラ検査の重要性

大腸カメラ検査は、大腸の粘膜を直接観察できる最も有効な検査であり、大腸がんの早期発見・早期治療に直結します。

病変の直接観察と確定診断:
炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無や状態を直接確認できます。疑わしい部分があればその場で組織を採取し、病理検査で確定診断が可能です.

ポリープ切除によるがん予防:
大腸ポリープの多くは良性ですが、中には放置すると将来的にがん化する可能性のある「腺腫性ポリープ」があります。大腸カメラ検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することが可能であり、これにより大腸がんの予防につながります。

5mm以下の微小病変の発見:
胃カメラと同様に、大腸カメラは5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、早期のがん発見に優れています。

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックで安心して検査を


当院は、皆様が安心して胃カメラ・大腸カメラ検査を受けられるよう、様々な工夫を凝らしています。

1. 苦痛の少ない検査へのこだわり
「内視鏡検査は痛い、苦しい」というイメージをお持ちの方が多いかと思います。当院では、患者様のご負担を最小限に抑えるために、鎮静剤を用いた「無痛内視鏡検査」を提供しております。

鎮静剤を使用することで、検査中はほとんど眠ったような状態で受けることができ、検査中の違和感や恥ずかしさもほとんど感じることなく、リラックスした状態で検査を終えられます。

2. 専門医による質の高い検査
当院では、内視鏡の挿入が難しいとされる方や、腸が長い方、過去に手術歴があり癒着が懸念される方(特に女性や高齢者)であっても、経験豊富な専門医の技術により、ほとんどの場合痛みを感じることなく検査を終えることができます。

3. 患者様のプライバシーと安心への配慮
特に女性の患者様にとって、大腸カメラ検査は「恥ずかしい」という心理的抵抗感があるかと思います。当院では、プライバシーに配慮したディスポーザブル(1回使い切り)の検査着や、お尻の部分がすっぽり覆われるデザインの検査着を使用しています。

4. 利便性の高いアクセスと柔軟な予約体制
当院は、大通駅から徒歩30秒という非常にアクセスしやすい立地にあります。通勤・通学の帰りや、お買い物のついでにも気軽に立ち寄っていただけます。雨や雪の日でもほとんど濡れることなくご来院いただけます。

また、お忙しい方々のために、土曜日・日曜日も内視鏡検査を実施しております。オンライン予約システムも導入しており、24時間いつでもスマートフォンやパソコンから手軽に検査予約が可能です。空きがあれば当日検査も可能ですので、急な症状でお困りの際もご相談ください。

5. 同日検査による負担軽減
胃カメラと大腸カメラの両方の検査が必要な方には、同日での検査も承っております。これにより、食事制限や時間的拘束、運転制限といったご負担を1日で済ませることができます。

同日検査によって、別々に検査を受けるよりも費用が抑えられることも多いです。特に、ご高齢の方やハイリスクな糖尿病をお持ちの方を除けば、身体への負担はさほど変わりありません。

最後に:皆様の健康な未来のために

ピロリ菌検査だけでなく、消化器全般の健康管理は、皆様の生活の質を大きく左右します。

特に胃がんや大腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒が期待できる病気です。

当クリニックでは、皆様が安心して、そして快適に検査を受けられるよう、万全の体制を整えております。もしご心配なことやご不明な点がございましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同努めてまいります。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


