2025年5月24日

便の状態や排便時の出血は、ご自身の体調を知る上で非常に大切なサインです。特に、普段とは違う出血があると、誰でも不安になるものです。

硬い便が出た後の出血は、多くの場合、切れ痔など、肛門周辺の軽いトラブルが原因である可能性が高いです。硬い便が通過する際に肛門の皮膚や粘膜を傷つけ、出血を引き起こすのです。

しかし、この出血が大腸からのサインである可能性も否定できません。特に、出血が続いたり、量が増えたり、あるいは便に血が混じっている、黒っぽい便が出るなど、普段と異なる状態が見られる場合は注意が必要です。

硬い便が出た後の出血だけでなく、血便がある場合や、便秘や下痢などの便通異常、便が細い、体重減少 といった症状が見られる場合は、大腸検査をお勧めします。

目次
出血がある場合に考えられる病気

血便がでる病気は、大腸がんだけではありません。

大腸がん
大腸にできる悪性腫瘍です。がんができている場所は出血しやすく、大腸の運動や便が通過するときなどに、がんに触れて出血することがあります。

ただし大腸がんは進行するまで自覚症状がないことも多く、症状が現れた時には病気が進行している可能性が高いです。

しかし、定期的な検査を受けることで、無症状のうちにがんやポリープを見つけ出すことができます。

大腸ポリープ
大腸の粘膜表面が突起したものを指します。

ポリープの中には、良性であっても放置すると将来的にがん化する可能性があるもの(腺腫性ポリープ)があります。これらは良性であっても放っておくと大きくなってそのうち悪性化する可能性があるため、発見したら切除するのが望ましいポリープということになります。

ポリープを早期に発見し、その場で除去することで、大腸がんの発症リスクを大幅に減らすことができます。

潰瘍性大腸炎
大腸に慢性的な炎症が起こる病気です。出血を伴うことがあります。

痔
硬い便による出血で最も一般的な原因の一つです。痔による出血は通常、排便時に鮮血として現れることが多いですが、便潜血検査で陽性となることもあります。

これらの病気が疑われる場合、精密検査が必要となります。特に血便がある場合や、以前にポリープの切除を経験された方は、便潜血検査よりも大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。



なぜ精密検査が必要なのか?~大腸カメラ(内視鏡検査)の重要性~

もし便潜血検査陽性の場合、最も重要なことは必ず精密検査を受けることです。

また、症状がある場合や、ご自身の状態に不安を感じる場合も、精密検査を検討することが大切です。

その中でも、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸の粘膜を直接観察できる最も有効な検査です。注腸造影検査など他の検査方法もありますが、大腸カメラには多くの利点があります。

大腸カメラ検査では、以下のことが可能です。
粘膜の状態を直接観察し、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無を確認できます。
5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、早期のがんを発見する上で非常に優れています。
疑わしい部分があれば、その場で組織を採取(生検)し、病理検査を行うことで確定診断をつけることができます。
ポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。

大腸がんのリスク要因としては、加齢(50歳以上)、大腸がんやポリープの家族歴、食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、飲酒、肥満、運動不足 などが挙げられます。

これらのリスク要因を意識し、日々の生活習慣を見直すことが、大腸がんの予防に繋がります。そして、40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。

便潜血検査で陽性の結果が出た場合はもちろん、リスク要因が高い方や50歳以上の方は、定期的に大腸内視鏡検査を受けることが推奨されます。検査によって、リスクを早期に察知し、迅速な対策を講じることができるからです。



苦痛に配慮した質の高い大腸カメラなら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックへ

「大腸検査は痛いのではないか」と不安な方もいらっしゃるでしょう。

特に大腸カメラは、患者さんに懸念を持たれやすい検査です。
当院では、「苦しくない」「痛くない」内視鏡検査を追求しています。私たちは苦しくない大腸内視鏡検査には3つのキーワードがあると考えています。そして、患者様一人ひとりが安心して検査を受けられるよう、様々な取り組みを行っております。

経験豊富な専門医による検査
内視鏡検査は、検査医師の能力や技量が非常に重要です。特に、女性は大腸カメラの盲腸までの挿入が難しく、痛みやすい傾向があると言われています。症例数の多い施設で、上手な医師にやってもらうことが大切です。

鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査
当院では、鎮静剤を使用して、痛みを感じさせないように行う「無痛内視鏡」での検査を積極的に行っています。これにより、患者様の身体的負担が少なく、検査中の不快感がほとんどありません。

最新鋭の内視鏡システムと設備
当院は、高度な内視鏡技術と設備を提供しています。最新鋭の内視鏡システムを導入し、より正確で詳細な観察を可能にしています。最新の技術を持つ設備を使用することで、痛みや不快感を軽減できます。また、検査結果の解析も迅速に行えますので、患者にとって大きなメリットとなります。

大腸カメラの検査時間は、通常15~30分程度で終了します。全体の所要時間は、前処置や検査後の休息を含めて3-4時間程度となります。時間を有効に使うために、あらかじめスケジュールを調整することをおすすめします。

当院では、大腸カメラ施行時にポリープが見つかった場合、大抵のポリープはその場で切除することが可能です。大型のポリープや特殊なケースの場合は、入院施設のある病院にご紹介いたします。ポリープ切除は内視鏡手術となり、医療保険の対象となる場合が多いです。

また、胃の症状もある方には、胃カメラと大腸カメラの同時検査も可能です。胃カメラと大腸カメラを同日に行うことは、別々に受けるよりも身体への負担としてはほぼ変わりません。一度の準備で済むため、時間的・身体的な負担を軽減できるというメリットもあります。当院のウェブサイトでは、胃カメラについての詳細や、胃カメラと大腸カメラの同時検査についても解説しております。



受診を迷っている方へ

血便は、身体のどこかが異常を訴える大きなシグナルとなります。

硬い便の後の出血であっても、「痔だろう」と自己判断せず、一度専門医に相談されることを強くお勧めします。

特に、血便がある場合や、以前にポリープの切除を経験された方は、便潜血検査よりも大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。消化器内科、内視鏡内科、肛門科のいずれかを受診するのが正解です。

当院は、札幌の中心部に位置しており、土日でも診療を行っております。平日はお仕事などで忙しい方でも、週末を利用して検査を受けていただくことが可能です。ウェブサイトからは24時間いつでもネット予約が可能となっております。

もちろん、お電話でのご予約も承っております。便潜血検査で陽性の結果が出た方はもちろん、40歳以上の方や、ご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方など、定期的な検査をご希望の方もお気軽にご相談ください。

初診時には、まず自身の症状や既往歴について正確に医師に伝えることが重要です。事前に主な質問事項や症状をメモしておくと良いでしょう。また、内視鏡検査に対する不安や疑問をすべて医師に相談し、納得のいく説明を受けることも大切です。

私たちは、患者様一人ひとりに合わせたきめ細やかな対応が行われるため、安心して検査を受けることができます。清潔でリラックスできる環境で、丁寧なカウンセリングを行い、患者様目線でのサービス向上にも力を入れています。

皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同努めてまいります。ご心配なことやご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


