2025年10月01日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック 院長の福田です。
初めて大腸カメラ(大腸内視鏡検査)をお受けになる方へ、この検査の重要性や、多くの方が抱える「つらそう」「恥ずかしい」といった不安を当院でどのように解消し、安心して検査を受けていただけるかについて、詳しくお話しさせていただきます。

目次
- 1. なぜ今、大腸カメラ検査が必要なのか?
- 2. 便潜血検査(検便)で「異常あり」と言われたら
- 3. 初めての検査で感じる「苦痛」や「恥ずかしさ」への当院の取り組み
- 3.1. 「痛くない」を追求した無痛内視鏡検査
- 鎮静剤(眠り薬)の使用:当院では2種類の鎮静剤を静脈注射します。これにより、患者様は**「寝ている状態」あるいは「ウトウトした状態」**で検査を受けることが可能です。鎮静剤によって腸の筋肉の緊張がほぐれ、内視鏡の挿入がスムーズになります。これにより、カメラがお尻から入る部分の違和感や恥ずかしさもほとんど感じずに検査を終えることができます。
- 専門医による検査の実施:大腸カメラは、医師の技術力が検査の精度と苦痛の度合いを大きく左右します。一般的に、女性は男性より盲腸までの挿入が難しい傾向がありますが、当院では内視鏡専門医である院長が全例で検査を担当しており、ほとんどの場合で痛みを感じることなく検査を終えることができます。
- 炭酸ガスの使用:大腸を広げて観察する際に、当院では空気の代わりに炭酸ガスを使用します。炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査後のお腹の張りや痛み、違和感を大幅に和らげることができます。
- 3.2. 検査前の「面倒な前処置」の負担軽減
- 最適な下剤の選択:患者様一人ひとりの年齢、排便状況、既往症(腎臓病や心臓病など)に基づいて、最適な下剤(モビプレップ、ビジクリア、ニフレックなど計6種類)を提案しています。例えば、「腸管洗浄液の味が苦手」な方には錠剤タイプのビジクリア、「服用量を抑えたい」方にはモビプレップ(当院で最も使用)など、様々な種類から選択できます。
- 院内での下剤内服:遠方の方やご自宅での準備に不安がある方のために、クリニック内で下剤を服用し、準備を完了させることが可能です。これにより、検査当日に事前診察を行うこともでき、来院回数を減らすことができます。
- 下剤を飲まない大腸内視鏡検査(内視鏡的下剤注入法):事前の診察が必要ですが、内視鏡を使って直接十二指腸内に下剤を注入するこの方法なら、飲む負担を大幅に軽減し、検査準備のストレスを大きく減らすことができます。
- 3.3. 女性の患者様への配慮
- 3.1. 「痛くない」を追求した無痛内視鏡検査
- 4. 大腸カメラ検査の具体的な流れ
- 4.1. 検査前の準備(2~3日前)
- 4.2. 検査当日
- 下剤の服用と来院:ご自宅または当院内で、検査の4~5時間前から下剤(腸管洗浄液)を服用し、腸内をきれいにします。便意が落ち着き、排出される液体が透明になったら、ご来院ください。
- 受付と準備:受付後、検査着に着替えていただきます。鎮静剤をご希望の方には、点滴を行います。血圧や脈拍などのモニタリングを開始し、安全を確認します。
- 検査:鎮静剤によりウトウトした状態になってから、内視鏡を肛門からゆっくり挿入します。検査時間は通常15分から30分程度です。病変が見つかった場合、その場でポリープ切除や組織採取(生検)を行うことが可能です。
- リカバリーと結果説明:検査終了後はリカバリー室でしばらくお休みいただきます(約20分程度)。意識がしっかり回復した後、医師より検査結果を詳しくご説明し、今後の対応についてお伝えいたします。鎮静剤の影響で内容を忘れてしまう場合もありますので、ご不明点があればいつでもご連絡ください。
- 4.3. 検査後の注意点
- 5. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックの強み
- 6. 健康な腸を育むための生活習慣の見直し
- バランスの取れた食生活:野菜、果物、全粒穀物など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。食物繊維は腸内細菌の餌となり腸内環境を整える(善玉菌の増加)、便通を改善し有害物質の排出を助ける、そして大腸の内壁を保護する など、多くのメリットがあります。一方で、赤身肉や加工肉の過剰摂取は控えめにしてください。これらは発がん性物質を生成しやすく、リスクを高めます。
- 適度な運動:定期的な運動は、腸の働きを活発にし、便通改善や肥満予防に繋がります。運動はストレス解消にも効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。
- 禁煙・節酒:喫煙は、大腸がんのリスクを高める要因です。禁煙に取り組みましょう。また、過度なアルコール摂取は腸内細菌叢のバランスを乱し、腸壁のバリア機能を損ない(リーキーガット)、慢性炎症を引き起こすことが示されています。アルコールはがんのリスクを正比例的に上げるという研究結果もあります。適量を守り、休肝日を設けることが大切です。
- 7. 最後に
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1. なぜ今、大腸カメラ検査が必要なのか?
大腸カメラと聞くと、身構えてしまう方も多いかもしれません。しかし、大腸がんは現在、日本において非常に深刻な問題となっています。国立がん研究センターのデータによると、2023年の時点で、大腸がんはがんで亡くなる人のうち、女性では第1位、男性では肺がんに次いで第2位となっており、男女合わせた死亡数は第2位です。過去半世紀で、大腸がんで亡くなる方は約6倍にまで増加しています。
早期発見こそが命綱
大腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、ほぼ治癒が可能な病気です。臨床病期(ステージ)別の5年相対生存率を見ると、ステージIであれば98.8%と非常に高い数字を誇ります。しかし、進行してステージIVになると生存率は大きく低下します。
多くの場合、大腸がんは**「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれる良性のポリープから発生し、時間をかけてがんへと進行します。大腸カメラ検査の最大の意義は、このがんの前段階であるポリープを、症状がない段階で 発見し、その場で切除**することにあります。
ポリープ切除という予防的な処置によって、大腸がんによる死亡率を53%低下させることが報告されており、これは画期的な予防法と言えます。
残念ながら、大腸がんは進行するまで自覚症状がないことが多く、症状(血便、便秘・下痢、腹痛など)が現れたときには、すでに病気が進行している可能性があります。だからこそ、定期的な検査が欠かせないのです。
大腸カメラが特に推奨される方
特に、以下に当てはまる方は、症状の有無にかかわらず大腸カメラ検査の必要性が高いです。
40歳以上、特に50歳以上の方:大腸がんの発症リスクは40歳を過ぎた頃から徐々に上昇し、50歳で急増します。
大腸がんやポリープの家族歴がある方:遺伝的要因によりリスクが高まります。
便潜血検査で「陽性」と判定された方:最も重要な精密検査が必要です。
便通異常(慢性的な便秘・下痢)や血便、腹痛などの症状がある方。
生活習慣上のリスク要因がある方:肥満、過度の飲酒、喫煙、赤身肉や加工肉の過剰摂取、運動不足などが挙げられます。

2. 便潜血検査(検便)で「異常あり」と言われたら
多くの方が大腸がん検診として、便潜血検査(SOBT)を受けているでしょう。これは、目に見えない便中のわずかな血液を検出する、科学的に有効性が証明されたスクリーニング(ふるい分け)検査です。
もし便潜血検査で「陽性(異常あり)」という結果が出た場合、必ず精密検査を受けることが最も重要です。
陽性となる確率は約5~10%ですが、実際に大腸がんが発見される確率は0.1%から0.2%と非常に低いです。多くは、痔や大腸の炎症、潰瘍性大腸炎など、がん以外の原因で出血しています。
しかし、陽性者の中には約50%で大腸ポリープが、そして約6%で早期大腸がん、約4%で進行大腸がんが見つかっています。
「痔があるから大丈夫」「たまたま出血しただけ」と自己判断して精密検査を放置するのは、病気の発見を遅らせる最も危険な行為です。便潜血検査は、がんやポリープがあっても出血していなければ陰性になる(見逃す)ことがあります。だからこそ、一度でも陽性が出た場合は、病変を見つけるための大腸カメラ検査が必要なのです。

3. 初めての検査で感じる「苦痛」や「恥ずかしさ」への当院の取り組み
初めて大腸カメラを受ける方が最も不安に感じるのは、「検査の痛みや苦しさ」そして「検査前の準備(下剤の服用)」ではないでしょうか。当院では、患者様がリラックスして検査に臨めるよう、これらの不安を徹底的に解消しています。
3.1. 「痛くない」を追求した無痛内視鏡検査
従来の大腸カメラは、内視鏡が腸のカーブを曲がる際に、お腹の張りや痛みを感じることが欠点とされていました。しかし、当院ではこの苦痛を最小限に抑えるための工夫を徹底しています。
鎮静剤(眠り薬)の使用:当院では2種類の鎮静剤を静脈注射します。これにより、患者様は**「寝ている状態」あるいは「ウトウトした状態」**で検査を受けることが可能です。鎮静剤によって腸の筋肉の緊張がほぐれ、内視鏡の挿入がスムーズになります。これにより、カメラがお尻から入る部分の違和感や恥ずかしさもほとんど感じずに検査を終えることができます。
専門医による検査の実施:大腸カメラは、医師の技術力が検査の精度と苦痛の度合いを大きく左右します。一般的に、女性は男性より盲腸までの挿入が難しい傾向がありますが、当院では内視鏡専門医である院長が全例で検査を担当しており、ほとんどの場合で痛みを感じることなく検査を終えることができます。
炭酸ガスの使用:大腸を広げて観察する際に、当院では空気の代わりに炭酸ガスを使用します。炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査後のお腹の張りや痛み、違和感を大幅に和らげることができます。
これらの工夫により、当院のアンケート調査では、大腸カメラの痛みが5段階評価で「4、5」(痛みが強かった/非常に強かった)と回答された方は現在まで1人もいません。
3.2. 検査前の「面倒な前処置」の負担軽減
大腸カメラの「つらさ」のもう一つは、大量の腸管洗浄液(下剤)を飲む前処置です。当院では、この負担を軽減するための選択肢を提供しています。
最適な下剤の選択:患者様一人ひとりの年齢、排便状況、既往症(腎臓病や心臓病など)に基づいて、最適な下剤(モビプレップ、ビジクリア、ニフレックなど計6種類)を提案しています。例えば、「腸管洗浄液の味が苦手」な方には錠剤タイプのビジクリア、「服用量を抑えたい」方にはモビプレップ(当院で最も使用)など、様々な種類から選択できます。
院内での下剤内服:遠方の方やご自宅での準備に不安がある方のために、クリニック内で下剤を服用し、準備を完了させることが可能です。これにより、検査当日に事前診察を行うこともでき、来院回数を減らすことができます。
下剤を飲まない大腸内視鏡検査(内視鏡的下剤注入法):事前の診察が必要ですが、内視鏡を使って直接十二指腸内に下剤を注入するこの方法なら、飲む負担を大幅に軽減し、検査準備のストレスを大きく減らすことができます。
3.3. 女性の患者様への配慮
女性にとって、大腸カメラは特に「恥ずかしい」と感じる方が少なくありません。当院では、女性の不安を軽減するための細やかな配慮を行っています。
恥ずかしさの軽減:鎮静剤の使用により、検査中の違和感や恥ずかしさをほとんど感じずに検査が終わります。
ムダ毛や生理の心配:検査前に剃毛の必要はありませんし、生理が重なってしまっても検査に影響はありません。生理用品(ナプキンやタンポンなど)の使用も可能です。ご不安な点は、事前外来の際に女性看護師にご相談ください。
検査中の便意:検査中に便意を催すことはよくありますが、実際には吸引しながら進むため便が漏れることはほとんどありません。万が一の場合も、お尻周囲には吸水パッドを敷いていますのでご安心ください。

4. 大腸カメラ検査の具体的な流れ
初めての方でも安心して検査を受けられるよう、当院での検査の流れをご説明します。
4.1. 検査前の準備(2~3日前)
検査精度を確保するため、腸内に残渣を残さないことが極めて重要です。
食事制限:検査の2~3日前から、消化の良い食事を心がけていただきます。特に、食物繊維の多い食品(野菜、海藻類、キノコ類、豆類、全粒穀物など)や脂肪分の多い食品、種のある果物(スイカ、キウイなど)は避けてください。これらは消化が難しく、腸内に残り検査の妨げとなります。
前日の夕食:前日の21時までに、うどん、おかゆ、具の入っていないスープなど、消化に良い食事を済ませてください。
水分補給:前日の夜間も、水、お茶、スポーツドリンクは摂取可能です。
4.2. 検査当日
下剤の服用と来院:ご自宅または当院内で、検査の4~5時間前から下剤(腸管洗浄液)を服用し、腸内をきれいにします。便意が落ち着き、排出される液体が透明になったら、ご来院ください。
受付と準備:受付後、検査着に着替えていただきます。鎮静剤をご希望の方には、点滴を行います。血圧や脈拍などのモニタリングを開始し、安全を確認します。
検査:鎮静剤によりウトウトした状態になってから、内視鏡を肛門からゆっくり挿入します。検査時間は通常15分から30分程度です。病変が見つかった場合、その場でポリープ切除や組織採取(生検)を行うことが可能です。
リカバリーと結果説明:検査終了後はリカバリー室でしばらくお休みいただきます(約20分程度)。意識がしっかり回復した後、医師より検査結果を詳しくご説明し、今後の対応についてお伝えいたします。鎮静剤の影響で内容を忘れてしまう場合もありますので、ご不明点があればいつでもご連絡ください。
4.3. 検査後の注意点
食事:検査直後は少量の水分から始め、問題なければ通常の食事が可能です。
ポリープ切除があった場合:約1週間は消化の良い食事を心がけ、刺激物、脂肪分の多い食品、生もの、アルコールは避けてください。便秘予防のため、水分摂取も十分に行ってください。
運転禁止:鎮静剤を使用した場合は、終日、車やバイク、自転車の運転はできません。公共交通機関等でご帰宅ください。

5. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックの強み
当院は、患者様にとって「受けやすい」「安心できる」「質の高い」検査を提供することに特化した専門クリニックです。
5.1. 抜群のアクセスと週末診療
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、大通駅から徒歩30秒という非常に便利な立地です。地下鉄からのアクセスが良いため、雨や雪の日でも濡れることなくご来院いただけます。
また、平日はもちろん、土曜日も日曜日も診療・検査を行っております(土日も午後5時まで)。平日の仕事や育児で忙しい方でも、週末の時間を有効活用して検査を受けることが可能です。WEB予約は24時間いつでも承っております。
5.2. 診断と治療を一度に完結
大腸カメラ検査中にポリープが発見された場合、その場で内視鏡的に切除(日帰り手術)を行うことが可能です。早期のがん予防にはこれが非常に重要です。切除したポリープは病理検査に提出され、良性か悪性か、将来がん化する可能性があるかなどを詳しく調べます。
また、当院では胃カメラと大腸カメラの同時検査(同日施行)も可能です。胃カメラ検査は通常、朝食を抜くだけで済みますが、胃と大腸の両方を検査することで、時間的・経済的な負担、そして食事制限や検査台に乗る回数、点滴回数を1回にまとめることができ、大幅な負担軽減につながります。
5.3. 費用と保険適用について
大腸内視鏡検査は、症状がある場合や便潜血検査で陽性となった場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。
費用目安:3割負担の場合、検査費用は1万5千円から3万円程度が目安となります。ポリープ切除や組織検査を行った場合は別途費用がかかります。
保険給付金:ポリープ切除は「手術」とみなされることが多いため、ご加入の生命保険や医療保険から手術給付金や医療給付金が支払われる可能性があります。事前に保険会社にご確認いただくことをお勧めします。
医療費控除:検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。

6. 健康な腸を育むための生活習慣の見直し
大腸がんは、生活習慣と密接に関連している病気です。検査による早期発見・予防とともに、日々の生活を見直すことが再発防止やリスク低減に繋がります。
バランスの取れた食生活:野菜、果物、全粒穀物など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。食物繊維は腸内細菌の餌となり腸内環境を整える(善玉菌の増加)、便通を改善し有害物質の排出を助ける、そして大腸の内壁を保護する など、多くのメリットがあります。一方で、赤身肉や加工肉の過剰摂取は控えめにしてください。これらは発がん性物質を生成しやすく、リスクを高めます。
適度な運動:定期的な運動は、腸の働きを活発にし、便通改善や肥満予防に繋がります。運動はストレス解消にも効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。
禁煙・節酒:喫煙は、大腸がんのリスクを高める要因です。禁煙に取り組みましょう。また、過度なアルコール摂取は腸内細菌叢のバランスを乱し、腸壁のバリア機能を損ない(リーキーガット)、慢性炎症を引き起こすことが示されています。アルコールはがんのリスクを正比例的に上げるという研究結果もあります。適量を守り、休肝日を設けることが大切です。

7. 最後に
「はじめての大腸カメラ」は、誰にとっても不安が伴うものです。しかし、大腸カメラは決して苦しい検査ではなくなっています。当院では、最新の技術と熟練した専門医の技術、そして鎮静剤の使用、院内での下剤準備の選択肢など、患者様の不安と苦痛を最大限に取り除くための体制を万全に整えています。
北海道における大腸がん検診の受診率は全国最下位という現状があります。しかし、早期発見できればほぼ治癒可能なこの病気に対し、私たちは立ち向かわなくてはなりません。
便潜血検査で「異常あり」と指摘された方はもちろん、40歳以上で定期的な検査をご希望の方、ご家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方 は、ぜひ当院にご相談ください。土日も診療・検査を行っておりますので、お忙しい方も安心です。
皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同、心よりお待ちしております


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


