2025年4月14日


札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

近年、健康意識の高まりとともに、大腸カメラ検査を受けられる方が増えてきました。

しかし、検査を受けるにあたって、様々な疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大腸カメラは検査者の技量や患者様の腸内の状態によって検査精度が左右される検査です。

そのため、検査によって病変の見落としが起きやすく、エキスパートでも10-30%の割合でポリープなどの小病変が見逃される可能性があると言われております。

そこで今回は、当院が大切にしている検査の質、そして皆様に安心して検査を受けていただくための取り組みについて、詳しくお話しさせていただきます。

目次
大腸カメラの観察時間とポリープの見逃し

前述のとおり、エキスパートでも10-30%の割合で病変の見落としが発生すると言われております。

大腸の全長は約1.5メートルにも及び、複雑な襞(ひだ)を持っています。隅々まで丁寧に観察するには、ある程度の時間を要します。

短時間で検査を済ませようとすると、襞の奥や死角になっている部分の観察が不十分になり、小さな病変を見逃してしまうリスクが高まることは想像に難くありません。

実際、過去の研究においても、内視鏡の挿入・抜去にかける時間が短いほど、腺腫(将来的にがん化する可能性のあるポリープ)の発見率が低下する傾向が示唆されています。

これは、時間をかけて丁寧に観察することで、より多くの病変を捉えることができるという、至極当然の事実に基づいています。



当院が考える「適切な観察時間」とは

一概に「〇分以上であれば安全」という明確な基準があるわけではありません。

なぜなら、患者様の大腸の状態(過去の手術歴、炎症の有無、腸の長さ、蠕動運動の活発さなど)によって、最適な観察時間は異なるからです。

しかし、当院では、画一的な時間で検査を終えるのではなく、「見逃しをなくすために必要な時間(最低8分以上)をしっかりと確保する」という考え方を重要視しています。

具体的には、以下のような点を考慮しながら、検査を行っています。

事前の丁寧な問診と準備:
検査前に患者様の既往歴や症状、過去の大腸検査の結果などを詳しくお伺いし、大腸の状態をある程度予測します。

また、質の高い前処置(腸管洗浄)は、良好な観察環境を作り出す上で不可欠です。

当院では、患者様一人ひとりに合わせた下剤の選択や内服方法のご説明を徹底し、可能な限り快適かつ効果的な前処置を行えるよう努めています。

内視鏡専門医による丁寧な挿入と観察:
当院の医師は、消化器内視鏡専門医の資格を有し、豊富な経験と高い技術を持っています。

熟練した医師が、大腸の形状や蠕動運動に合わせて、無理のない丁寧な挿入を心がけています。また、抜去時においても、時間をかけて粘膜全体を詳細に観察することを徹底しています。

最新の内視鏡システムと技術の活用:
当院では、最新の高画質内視鏡システムを導入し、微細な病変も見逃さないよう努めています。

また、必要に応じて色素内視鏡検査や拡大内視鏡検査などの特殊な観察技術を用いることで、病変の質をより詳しく評価することも可能です。

患者様の状態に合わせた柔軟な対応:
検査中に腸の動きが活発であったり、過去の手術の影響で癒着が見られる場合など、通常よりも観察に時間を要する場合があります。

当院では、そのような状況にも臨機応変に対応し、必要であれば追加の観察時間を確保するなど、柔軟な対応を心がけています。

検査中のコミュニケーション:
鎮静剤を使用する場合でも、検査中や検査後に、発見された所見について可能な範囲でご説明するように努めています。

患者様ご自身の目でポリープの画像などを見ていただくことで、検査への理解を深めていただくとともに、見逃しがないよう努めていることをご理解いただければと考えています。



観察時間以外にも重要な要素:見逃しを防ぐための多角的なアプローチ

もちろん、見逃しを防ぐためには、観察時間だけが重要なわけではありません。

以下のような要素も、検査の質を左右する上で非常に重要です。
前処置の質:
大腸内に便が残っていると、粘膜の観察が不十分になり、病変を見逃す可能性が高まります。 適切な前処置は、クリアな観察視野を確保するための大前提です。

医師の経験と技術:
熟練した内視鏡医は、大腸の構造を熟知しており、効率的かつ丁寧に内視鏡を操作し、隅々まで観察することができます。 また、**異常を発見する「目」と、それを適切に判断する「知識」が不可欠です。

内視鏡の性能:
高解像度で、視野角が広く、特殊な観察モードを備えた最新の内視鏡システムは、より多くの情報を医師に提供し、微細な病変の発見をサポートします。

鎮静剤の使用:
鎮静剤を使用することで、患者様はリラックスした状態で検査を受けることができ、腸の動きが抑制され、より安定した観察が可能になります。 当院では、患者様のご希望や状態に合わせて、安全に配慮した上で鎮静剤を使用しています。

ダブルチェック体制:
ポリープ切除を行った場合など、重要な所見については、複数の医師で画像を共有し、診断のダブルチェックを行うことで、見逃しや誤診のリスクを低減するよう努めています。


大腸カメラは「早期発見」と「予防」の要

そもそも、なぜ大腸カメラ検査が重要なのでしょうか?

それは、大腸がんの早期発見に非常に有効な検査だからです。 大腸がんは、初期には自覚症状がほとんどないため、症状が現れてからでは進行しているケースも少なくありません。

しかし、大腸カメラ検査を受けることで、早期のがんや、将来的にがん化する可能性のある大腸ポリープ(腺腫)を早期に発見し、治療(内視鏡的切除)することが可能になります。

ポリープの段階で切除しておけば、大腸がんの発症を未然に防ぐことができるため、大腸カメラ検査は「早期発見」だけでなく「予防」の観点からも非常に重要な役割を担っていると言えます。

特に、40歳を過ぎた方、ご家族に大腸がんや大腸ポリープの既往歴がある方、便潜血検査で陽性となった方などは、定期的な大腸カメラ検査を受けることを強くお勧めします。



当院で安心して大腸カメラを受けていただくために

当院では、患者様が安心して大腸カメラ検査を受けていただけるよう、様々な点に配慮しています。

駅直結の好立地:
札幌大通駅14Bまたは15番出口から徒歩30秒というアクセスしやすい立地です。 お仕事帰りや買い物のついでにもお気軽にお立ち寄りいただけます。

プライバシーへの配慮:
検査着は使い捨てのものを採用し、検査時も必要最低限の露出で済むよう配慮しています。 女性の患者様には、女性スタッフがサポートにつくことも可能ですので、ご希望があればお申し付けください。

鎮静剤による苦痛軽減:
ご希望に応じて鎮静剤を使用することで、検査中の苦痛や不安を大幅に軽減することができます。 ほとんど眠っているような状態で検査を受けることが可能です。

土日祝日も検査可能:
平日お忙しい方でも検査を受けやすいよう、土日祝日も内視鏡検査を実施しています。

WEB予約:
24時間いつでもWEBから検査のご予約が可能です。

検査後の丁寧な説明とフォローアップ:
検査結果は、画像を দেখেいただきながら、分かりやすく丁寧にご説明いたします。ポリープ切除を行った場合は、術後の注意点や生活上のアドバイスも詳しくお伝えいたします。



最後に

「大腸カメラの観察時間が短いと見逃しがあるってホント!?」という疑問に対する答えは、「可能性は否定できない」と言えます。

しかし、適切な観察時間を確保し、熟練した医師が丁寧な検査を行い、最新のシステムを活用することで、見逃しリスクを最小限に抑えることが可能です。

当院では、「質の高い検査を提供し、患者様の健康を守る」という理念のもと、観察時間だけでなく、検査に関わる全ての要素を大切にしています。

もしあなたが大腸カメラ検査に不安を感じているのであれば、ぜひ一度当院にご相談ください。経験豊富な専門医とスタッフが、あなたの不安を解消し、安心して検査を受けていただけるよう、全力でサポートさせていただきます。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


