血液検査で大腸癌は分かりますか!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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血液検査で大腸癌は分かりますか!?

血液検査で大腸癌は分かりますか!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年6月28日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

本日は、「血液検査で大腸癌は分かりますか!?」という、多くの患者様がお持ちの疑問について、詳しく解説させていただきます。

この問いに対する私の答えは、「残念ながら、一般的な血液検査だけで早期の大腸がんを確実に発見することは難しい」というものです。

血液検査でわかること:腫瘍マーカーの限界

血液検査で「腫瘍マーカー」の数値を見ることで癌診断の補助が可能です。

代表的な腫瘍マーカーとして、CEA(がん胎児性抗原)やCA19-9が挙げられます。

CEA(がん胎児性抗原):

大腸がん、肺がん、乳がんなど、比較的多くの種類のがんで増加する可能性があります。喫煙の影響でも高くなることがあります。

CA19-9:

膵臓がん、胆管がん、胆嚢がん、胃がん、大腸がんなどで高値になることが多いですが、肝炎や胆管結石といった良性疾患でも上昇することがあります。

これらの腫瘍マーカーは、がんの存在や再発の可能性を示唆する手がかりにはなります。しかし、重要なのは以下の点です。

早期発見には不向き:

腫瘍マーカーは、早期の大腸がんでは異常値を示さないことがほとんどです。一般的に、数値が異常に高くなるのは、がんが進行している場合が多いです。

特異性が低い:

がんがなくても数値が上昇することがあり、また進行がんでも異常を示さないケースが一定数存在します。

単独での診断は不可:

腫瘍マーカーが高値であったとしても、それだけでがんの診断が確定するわけではありません。精密検査(画像診断や組織検査など)と組み合わせて総合的に判断する必要があります。

つまり、血液検査による腫瘍マーカーは、がんの治療経過の観察や再発のモニタリングには有用ですが、「がんを早期に見つけ、根治に繋げる」ための初期スクリーニングとしては、その役割には限界があると言わざるを得ません。

確定診断と予防の要:大腸内視鏡検査

血液検査がスクリーニングの役割を果たす一方で、大腸カメラは、大腸がんの確定診断と予防において最も有効で信頼性の高い検査です。

その理由は以下の通りです。

直接観察と高精度:

内視鏡スコープを肛門から挿入し、大腸の粘膜を医師が直接、詳細に観察できます。5mm以下の小さなポリープや、肉眼では分かりにくい早期のがんも見つけやすく、診断の精度が圧倒的に高いです。

ポリープ切除:

大腸がんの多くは良性のポリープ(腺腫)が大きくなり悪性化する経路で発生すると考えられているため、内視鏡検査中にポリープが発見された場合、その場で切除することで、将来的ながんへの進行を予防できるという、非常に大きなメリットがあります。

様々な疾患の診断:

大腸がんやポリープだけでなく、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室症、虚血性腸炎、痔といった消化器系のさまざまな病気を診断することも可能です。

   当院で内視鏡検査をご希望の方は以下のリンクからご予約ください

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なぜ早期発見が重要なのか:大腸がんの現状

大腸がんは、近年日本で増加傾向にあります。

国立がん研究センターのデータによると、女性のがんによる死亡原因の第1位であり、男性では肺がんに次いで第2位となっています。過去半世紀で死亡者数は約6倍にも増加しています。食生活の欧米化や運動不足、肥満などがその背景にあると考えられています。

しかし、希望はあります。大腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、ほぼ治癒が期待できる病気です。

このデータからも、症状がない段階での早期発見が、命を救い、治療の負担を最小限に抑える上でいかに重要であるかがお分かりいただけるでしょう。

どのような方が大腸内視鏡検査を受けるべきか

以下に該当する方は、症状がなくても定期的な大腸内視鏡検査をご検討ください。

40歳以上の方:

特に50歳以上になると、大腸がんの罹患率が急増します。40歳を過ぎたら、毎年便潜血検査を受け、定期的な大腸カメラを検討することをお勧めします。

便潜血検査で陽性となった方:

検査で陽性と判定された場合は、必ず精密検査が必要です。

大腸がんやポリープの家族歴がある方:

遺伝的要因や生活習慣が共通しているため、リスクが高まります。

過去に大腸ポリープを切除したことがある方:

ポリープは再発しやすいため、定期的な経過観察が重要です。

便に血が混じる方:

痔だと思っていても、がんが隠れている可能性があります。

原因不明の貧血、体重減少がある方:

これらの症状は、がんが進行してから現れることが多いため、症状が出る前の検査が理想的です。

大腸がん予防のための生活習慣

検査はもちろん重要ですが、日々の生活習慣も大腸がんのリスクを減らす上で非常に大切です。

バランスの取れた食生活:

食物繊維を豊富に摂取:

野菜、果物、全粒穀物、豆類など。食物繊維は、腸内の有害物質の排出を促し、腸内環境を整えます。厚生労働省は男性21g以上、女性18g以上を推奨していますが、日本人の平均摂取量は不足しがちです。ただし、極端に少ない摂取量でリスクが高まる可能性があります。

赤身肉や加工肉の摂取を控える:

大腸がんのリスクを高める要因とされています.

水分補給:

便秘予防に十分な水分摂取を心がけましょう.

適度な運動:

腸の働きを活発にし、肥満予防にも繋がります。

禁煙・節酒:

喫煙は大腸がんのリスクを高めます。アルコールの過剰摂取は腸内環境を悪化させ、大腸ポリープや大腸がんのリスクを高める可能性があります。

適切な体重維持:

肥満は大腸ポリープや大腸がんのリスクを高める要因です。

最後に

血液検査だけでは大腸がんの早期発見は難しいのが現状です。便潜血検査は最初の重要なスクリーニングですが、陽性であれば必ず次のステップとして大腸内視鏡検査を受ける必要があります。

大腸がんは、早期発見・早期治療ができれば、決して恐ろしい病気ではありません。当クリニックは、患者様の不安を最小限に抑え、快適に、そして質の高い大腸内視鏡検査を受けていただけるよう、スタッフ一同、日々尽力しております。

ご自身の健康を守るために、ぜひ一歩踏み出してください。不安なことやご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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