2025年5月03日

こんにちは。札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

当院では、日々多くの患者様から胃や大腸に関するご相談をいただいております。

その中でも、特に健康診断の「便潜血検査で陽性が出た」という方や、「血便が出て心配になった」という方から多く寄せられるご質問の一つに、「大腸ポリープが原因で出血することってあるの?」というものがあります。

結論から申し上げますと、大腸ポリープが出血の原因となることは十分にあり得ます。今回は、この大腸ポリープと出血の関係について、そしてなぜ精密検査が必要なのかを分かりやすく解説したいと思います。

目次
大腸ポリープとは?

大腸ポリープとは大腸の粘膜表面にできたイボのような隆起性の病変の総称です。

一口にポリープと言ってもいくつかの種類があり、ほとんどが良性の腫瘍ですが、中には将来的にがんへ進行する可能性のある「腺腫」や「SSL」と呼ばれるものも含まれます。

大腸がんは、放置されたポリープ(特に腺腫)から発生することが多いため、ポリープを早期に取り除くことは、大腸がんの予防につながるのです。



大腸ポリープが出血するメカニズム

では、なぜ大腸ポリープから出血することがあるのでしょうか?

ポリープは粘膜から盛り上がった形をしています。便が腸の中を通過する際に、このポリープに擦れてしまうことがあります。特に、ポリープの表面が傷つきやすくなっている場合や、ポリープが大きくなっている場合には、便との摩擦によって出血しやすくなります。

この出血は、目に見えないごく微量なこともあれば、トイレットペーパーに鮮血が付着したり、便の表面に血液が付着したり、混ざったりする形で確認できることもあります。



出血を知らせるサイン:便潜血検査の重要性

大腸からの出血のサインとして、最も一般的なのが「便潜血検査」です。

これは、便の中に混じった目に見えない微量の血液(潜血)を検出する検査です。

大腸がん検診としての便潜血検査は、特に40歳以上の方に推奨されており、厚生労働省も年1回の受診を推奨しています。これは、40歳頃から大腸がんの死亡率及び罹患率が増加し、特に50歳以上で急増するからです。

便潜血検査で陽性と判定された場合、それは大腸に何らかの異常がある可能性を示唆する重要なサインです。陽性の原因としては、ポリープや大腸がんだけでなく、痔 や大腸の炎症 なども考えられます。

「便潜血陽性=大腸がん」と断定できるわけではありませんが、「大腸に何らかの異常があるかもしれない」という体のサインとして真剣に受け止める必要があります。実際、便潜血陽性の方の大腸カメラ検査では、約50%で大腸ポリープが、約6%で早期大腸がんが、約4%で進行大腸がんが見つかったという報告があります。

逆に、早期のがんや小さなポリープでは、必ずしも出血があるとは限らないため、便潜血検査が陰性であっても大腸がんが隠れている可能性はゼロではありません。しかし、便潜血検査を毎年受けることで、大腸がんによる死亡率を減らせるという研究結果があります。特に40歳以上の方は、自覚症状がなくても定期的に検査を受けることが、早期発見のために非常に重要です。



血便・便潜血陽性時の精密検査:大腸カメラの重要性

血便や便潜血検査陽性の場合に推奨されるのが「大腸カメラ」です。

大腸カメラ検査では、肛門から細く柔らかいスコープを挿入し、大腸の粘膜を医師が直接詳細に観察することができます。これにより、便潜血検査では検出できない平坦な病変や、出血の原因となっているポリープやがん、炎症の有無などを正確に確認することが可能です。

また、大腸カメラ検査の最大のメリットの一つは、病変が見つかった場合、その場で組織の一部を採取して病理検査を行ったり、ポリープが見つかればその場で切除(ポリペクトミー)を行ったりできることです。これにより、診断と同時に治療を行うことが可能となり、時間的な負担や精神的な負担を軽減できます。

早期に発見し、適切に治療を行えば、大腸がんは比較的治りやすいがんです。早期発見のためには、症状がなくても定期的な検査を受けること、そしてサインが見られたらすぐに精密検査を受けることが不可欠です。



当院での大腸カメラ検査:患者様の安心を第一に

大腸カメラ検査は、多くの方にとって「つらい」といったイメージがあるかもしれません。

苦痛軽減への徹底的な配慮
「大腸カメラは痛いのではないか?」というご心配は最も多いかと思います。

当院では、検査中の苦痛や不快感を大幅に軽減するために、ご希望の方に鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しています。鎮静剤使用により、患者様はリラックスした状態で検査を受けられ、医師も落ち着いて丁寧な観察を行うことができます。

また、最新の内視鏡システム と、経験豊富な内視鏡専門医 による丁寧な操作により、身体への負担を最小限に抑えた検査を心がけております。

女性の患者様への特別な配慮
特に女性の患者様にとっては、検査に対する羞恥心など、男性とは異なるご不安もあるかと思います。当院では、そのような女性の患者様のご不安にも寄り添えるよう、以下のような配慮を行っています。

女性スタッフによるサポート:
検査前の事前説明や、検査当日の準備など、女性スタッフが丁寧に対応いたします。生理中の検査に関するご不安など、男性医師には相談しにくいこともお気軽にご相談いただけます。

恥ずかしさに配慮した検査着:
検査時には、お尻の部分にスリットが入った専用の検査着を着用していただきます。立った状態ではお尻が隠れるようになっており、検査時も必要最低限の露出に留めることで、羞恥心に配慮しています。

生理中でも検査可能:
子宮や膣と大腸は別の臓器ですので、生理中でも大腸カメラ検査は問題なく行うことができます。ご希望であれば、生理用品(タンポン、ナプキン)を使用しての検査も可能です。

ムダ毛処理は不要:
肛門周辺のムダ毛は、大腸カメラの挿入に支障を来すことはありませんので、特に処理する必要はありません。ご安心ください。

利便性の高いアクセスと予約システム
お忙しい方でも検査を受けやすいよう、当院は札幌大通駅から徒歩30秒という大変アクセスしやすい立地にあります。地下鉄大通駅の出口(14Bまたは15)から出てすぐのビル内に位置しているため、雨や雪の日でもほとんど濡れることなくご来院いただけます。

また、土日も内視鏡検査を行っており、平日はお仕事などで時間が取れない方でも検査を受けることが可能です。さらに、午前中だけで検査を終えるプラン や、24時間いつでも予約可能なWEB予約システム も導入しており、患者様の都合に合わせて柔軟に予約を取ることができます。

検査の質と安全性の確保
当院では、精度の高い検査を行うために、最新の内視鏡システムを使用し、消化器内科医がすべての検査を担当しています。微小な病変や、経験が必要な観察についても、質の高い検査を提供できる体制を整えております。

偶発症のリスクについても、経験豊富な医師が細心の注意を払い、万全の体制で検査を実施しています。



検査後の丁寧な説明とサポート

検査が終わったら、リカバリールームでゆっくりお休みいただけます。

特に鎮静剤を使用した場合は、意識が完全に回復するまでしっかり休息をとっていただきます。

検査結果については、画像を提示しながら医師が丁寧に分かりやすくご説明いたします。万が一病変が見つかった場合も、その後の治療方針や、必要なフォローアップについて詳しくお話しいたします。

さらに、検査を通じて得られた結果に基づき、今後の健康管理や生活習慣改善に関する具体的なアドバイスも提供しております。バランスの取れた食事や適度な運動、禁煙・節酒などが大腸がん予防につながります。

また、大腸ポリープ切除などの治療を行った場合、ご加入の生命保険や医療保険から手術給付金などが支払われる可能性があります。領収書は大切に保管し、ご加入の保険会社にご確認いただくことをお勧めします。

当院では、胃カメラと大腸カメラの同日検査も可能です。食事制限や時間拘束といった検査に伴う負担を1日で済ませたいという方には、大変メリットが大きいと言えます。ご希望の方はご相談ください。



結び

大腸ポリープが出血の原因となることがあります。

これらのサインは、大腸に何らかの異常がある可能性を示す重要なメッセージです。

たとえ目に見える血便ではなく、便潜血検査での「陽性」という結果であっても、「たかが便潜血」と軽視せず、必ず精密検査を受けるようにしてください。

大腸カメラ検査は、ポリープやがんを早期に発見し、治療に繋げるための最も有効な手段です。早期発見・早期治療によって、体への負担を少なく、完治を目指せる可能性が高まります。

当院では、患者様のご不安に寄り添い、苦痛に配慮した検査、そして質の高い医療を提供できるよう、スタッフ一同努めております。もし、便潜血陽性を指摘された方、血便が出て心配な方、あるいは大腸カメラ検査を検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックにご相談ください。皆様の健康な毎日をサポートできるよう、心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


