肥満だと憩室炎になりやすいってホント!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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肥満だと憩室炎になりやすいってホント!?

肥満だと憩室炎になりやすいってホント!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年4月28日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。 

今回のコラムでは、「肥満だと憩室炎になりやすいってホント!?」というテーマについて、詳しく解説していきたいと思います。 

このテーマを選んだのは、肥満は多くの方が関心を寄せている健康問題であり、また、腹痛や発熱といった症状で来院される患者様の中に憩室炎と診断される方がいらっしゃるためです。

肥満と憩室炎、そして大腸の健康との関係について、皆様の理解を深め、不安なく大腸カメラ検査を受けていただくきっかけとなれば幸いです。 

憩室炎とは何か?左下腹部痛との関係 

まず、憩室炎についてご説明します。

憩室とは、大腸の壁にできる小さな袋状のへこみ(突起)のことです。この憩室自体は、多くの場合、特に症状を引き起こしません。しかし、この憩室に便が詰まったり、細菌が繁殖したりすると、炎症を起こすことがあります。これが「憩室炎」です。 

憩室炎の典型的な症状は、腹痛です。特に左下腹部に痛みが生じることが多いですが、炎症を起こした憩室がある場所によって、痛む場所は異なります。憩室炎が進行すると、激しい痛みや発熱を伴うこともあります。また、血便が見られることもあります。 

左下腹部痛の原因としては、憩室炎以外にも様々な疾患が考えられます。例えば、大腸がんや虚血性腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)といった消化器系の病気が多く含まれます。これらの病気の中には、早期発見・早期治療が非常に重要なものも含まれています。そのため、腹痛や血便といった気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診することが大切です。 

実際の憩室の写真(右上)

肥満と憩室炎、そして大腸の健康リスク 

さて、「肥満だと憩室炎になりやすいという報告があります。

しかし、肥満が様々な病気のリスクを高めることは多くの研究で報告されています。特に、大腸がんを含む、様々ながんのリスクを増大させることが報告されています。 

ソースには、大腸がんの主なリスク要因として、加齢(50歳以上)、大腸がんやポリープの家族歴、食生活(赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、飲酒、肥満、運動不足などが挙げられています。肥満は、これらのリスク要因の一つとして明確に挙げられています。 

このように、肥満は消化器疾患全般、特に大腸がんのリスクを高める重要な要因であると考えられます。憩室炎との直接的な因果関係についてはさらなる研究が必要かもしれませんが、肥満が全身の血管や炎症に影響を与えることを考えると、大腸の健康にも何らかの影響を及ぼす可能性は否定できません。

したがって、「肥満だから必ず憩室炎になる」とは言えませんが、肥満であることは大腸を含む消化器系の健康リスクを高める可能性があり、注意が必要であると言えるでしょう。 

なぜ腹痛や血便には大腸カメラが必要なのか? 

左下腹部痛や血便がある場合、最も確実な診断方法の一つが大腸カメラ検査です。

 

左下腹部痛や血便などの症状がある場合には、精密検査として大腸カメラ検査を受けることが強く推奨されます。

大腸カメラ検査では、粘膜の状態を直接観察し、炎症や潰瘍、憩室、ポリープ、がんなどの病変の有無を正確に確認できます。疑わしい部分があれば、その場で組織を採取(生検)して病理検査を行い、確定診断をつけることも可能です。また、ポリープが見つかった場合には、その場で切除することも可能です。 

大腸カメラで発見できる様々な疾患 

大腸カメラ検査は、憩室の場所や状態を確認するだけでなく、様々な疾患の発見に繋がります。 

大腸がん:

大腸カメラは、早期の大腸がんを発見する上で非常に優れた検査です。大腸がんは進行するまで自覚症状がないことが多いため、定期的な検査による早期発見が非常に重要です。早期に発見できれば治癒率が高く、身体的な負担も少なく済みます。 

大腸ポリープ:

大腸ポリープは、大腸の内壁にできる小さなできものです。多くは良性ですが、種類によっては放置するとがん化するリスクがあります。大腸カメラ検査中にポリープが発見された場合、その場で切除することが可能です。ポリープを切除することは、将来的な大腸がんの予防につながります。 

炎症性腸疾患:

潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患も、大腸カメラで診断されます。これらの疾患は、粘膜の炎症や潰瘍といった特徴的な所見を伴います。 

大腸憩室症:

憩室があること自体は病気ではありませんが、「大腸憩室症」として認識されます。憩室の存在や数をカメラで確認できます。 

虚血性腸炎:

腸の一部に血流不足が生じる疾患で、突然の腹痛や血便が特徴です。大腸カメラで粘膜の状態を確認し診断します。 

痔:

肛門付近の出血の原因として非常に多いですが、大腸カメラで痔以外の出血原因がないかを確認することも重要です。 

このように、大腸カメラ検査は、腹痛や血便の原因を特定するだけでなく、無症状のうちに進行する可能性のある大腸がんやポリープなどを早期に発見し、適切な治療や予防につなげるために非常に有用な検査なのです。 

どんな人が大腸カメラを受けるべきか? 

憩室炎の方以外にも以下に当てはまる方は積極的に大腸カメラ検査を検討することをおすすめします。 

便潜血検査で陽性だった方:

1回でも陽性だった場合は、必ず大腸カメラ検査を受けて精密検査を行う必要があります。再検査で陰性でも安心せず、精密検査を受けましょう。 

50歳以上の方:

40歳頃から大腸がんの死亡率・罹患率が増加し、特に50歳以上で急増します。症状がなくても定期的な検査が推奨されます。 

大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある方:

遺伝的な要因もリスクを高めるため、家族に罹患者がいる場合はより早期からの検査が推奨されることがあります。 

以前に大腸ポリープを切除した経験がある方:

ポリープは再発しやすい疾患の一つであり、定期的な経過観察のための検査が必要です。 

肥満や運動不足、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣がある方:

これらは大腸がんのリスク要因とされています。 

便秘や下痢、腹痛、便が細いなど気になる症状がある方:

これらの症状は進行した大腸がんのサインである可能性もあるため、検査で確認することが望ましいです。 

「自分は健康だから大丈夫」と思っていても、大腸がんは進行するまで自覚症状がないことが多いです。早期発見のためには、定期的な検査が非常に重要です。 

大腸カメラへの不安はありませんか?当院のこだわり 

「恥ずかしい」「苦しい」といった不安から、検査に踏み切れない方もいらっしゃいます。

当院、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、そのような患者様の不安を少しでも軽減し、安心して検査を受けていただけるよう、様々な工夫をしています。 

苦痛の少ない「無痛」内視鏡検査:

当院では、鎮静剤を用いた「無痛」大腸カメラ検査を提供しています。鎮静剤を使用することで、ほとんど眠ったような状態で検査を受けることができ、検査に伴う苦痛や不快感を大幅に軽減することが可能です。 

恥ずかしさに配慮した環境と女性スタッフのサポート:

検査に対する恥ずかしさを感じられる方もいらっしゃいます。当院では、お尻の部分にスリットが入った専用の検査着や穴あきパンツを使用しており、必要最低限の露出で検査を行います。また、女性の患者様には、検査前の説明や準備、検査中の介助など、女性スタッフが細やかにサポートいたします。

アクセスの良い立地と予約の取りやすさ:

当院は札幌市営地下鉄大通駅から徒歩30秒という非常に便利な場所にあります。雨や雪の日でもほとんど濡れることなくお越しいただけます。忙しい方でも検査を受けやすいように、土曜日・日曜日も内視鏡検査を実施しています。

専門医による高精度な検査:

当院には消化器内視鏡専門医が常駐しており、最新の内視鏡システムを用いて、丁寧かつ高精度な検査を行っています。医師の検査技術によって、病変の見落とし率が異なるとも言われています。豊富な経験を持つ専門医による検査は、早期の小さな病変の発見にもつながります。 


大腸カメラ検査の準備と流れ 

大腸カメラ検査を受ける際には、事前の準備が重要です。

検査前日の食事:

検査の精度を高めるためには、前日の食事内容が非常に重要です。消化に良いものを選び、食物繊維の多いもの(野菜、きのこ、海藻類、果物の種、ごま、ナッツ類など)や脂肪分の多いものは避ける必要があります。当院では、検査前日の食事について、分かりやすく具体的な指針を作成しお伝えしています。また、手軽にご利用いただける検査前日用のお食事セットもご用意しています。 

下剤の服用:

腸内をきれいにするために下剤を服用します。下剤の種類や服用方法はいくつかあり、患者様に合った方法を選択できます。自宅で下剤を服用して検査に臨む方法や、当院で下剤を服用する方法などがあります。下剤を飲むのが苦手な方への工夫についてもアドバイスしています。 

検査当日:

検査当日は、準備が整った腸の状態であることを確認し、検査着に着替えていただきます。鎮静剤をご希望の方には、点滴から鎮静剤を投与し、リラックスした状態で検査を行います。検査時間は平均して15~30分程度です。ポリープ切除を行った場合は、もう少し時間がかかることがあります。 

検査後:

鎮静剤を使用した場合は、リカバリールームでしばらくお休みいただきます。意識が十分に回復した後、医師から検査結果について詳しい説明があります。ポリープを切除した場合は、食事や生活上の注意点について説明があります。費用についても、保険適用となる場合や、手術給付金・医療給付金を受け取れる可能性についてご説明します。

予防と健康管理の重要性 

肥満を含む生活習慣が様々な病気のリスクを高めることは間違いありません。

大腸がんのリスクを下げるためにも、バランスの取れた食生活、適度な運動、禁煙・節酒、適切な体重維持といった生活習慣の改善は非常に重要です。食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂ることも、大腸の健康維持に役立つとされています。 

しかし、どんなに生活習慣に気を付けていても、病気を完全に防ぐことは難しい場合もあります。だからこそ、症状がないうちから定期的に検査を受けることが、早期発見・早期治療に繋がり、健康寿命を延ばすために最も効果的な手段なのです。 

まとめ 

肥満が憩室炎の発症率を上げるという報告があります。

しかし、重要なのは、腹痛や血便といった症状は憩室炎だけでなく、大腸がんなどのより重篤な疾患のサインである可能性があるということです。これらの症状を放置せず、正確な診断のために大腸カメラ検査を受けることが極めて重要です。 

大腸ポリープの切除による大腸がん予防や、無症状のうちに進行する早期がんの発見など、大腸カメラ検査は皆様の大腸の健康を守る上で非常に価値のある検査です。肥満などのリスク要因がある方はもちろん、40歳を過ぎたら症状がなくても定期的に検査を受けることを強くお勧めします。 

皆様のご来院を心よりお待ちしております。 

文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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