2025年7月28日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

本日は、「アニサキスで腸閉塞になるってホント!?」という皆様の疑問にお答えしながら、消化器系の健康、特に内視鏡検査の重要性について詳しくお話しさせていただきます。



目次
アニサキス症とはどのような病気でしょうか?

まず、アニサキスについてご説明しましょう。

アニサキスは、魚介類に寄生する線虫の一種です。特にサバ、アジ、サンマ、イワシ、カツオ、イカ、サケ、マスなどの魚介類によく寄生しています。これらの魚介類を生で、あるいは加熱が不十分な状態で摂取することで、アニサキスの幼虫が人間の体内に入り、アニサキス症を発症します。

アニサキスが人間の体内に入ると、その幼虫は胃や腸の壁に潜り込もうとします。これにより、多くの場合、激しい腹痛を主訴とする症状が現れます。その他にも、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が見られることがあります。時には、じんましんなどの皮膚症状を伴うこともあります。

アニサキス症は、実は一種のアレルギー症状であることが知られています。体内にアニサキスが侵入することで、免疫システムが過剰に反応し、アレルギー反応を引き起こすのです。そのため、同じアニサキスを摂取しても、症状の重さや現れ方には個人差があり、中には全く症状が出ない方もいらっしゃいます。



アニサキスで腸閉塞になるってホント!?

「アニサキスで腸閉塞になるってホント!?」

アニサキスは通常胃に食いつきますので腸閉塞をきたす事はありませんが、稀に小腸に食いついたり、炎症を起こしたりして腸閉塞をきたす場合があります。

小腸で炎症をきたした場合は、内視鏡で除去する事は困難であり、入院の上、薬物治療を行う形となります。

入院治療で数日で炎症が落ち着くケースが殆どですが、改善しない場合は緊急手術になるケースもあります。

もし、激しい腹痛や嘔吐が続く場合は、アニサキス症だけでなく、他の重篤な消化器疾患の可能性も考慮し、速やかに医療機関を受診することが非常に重要です。



アニサキス症の診断と治療

アニサキス症が疑われる場合、最も有効な診断と治療法は内視鏡による除去です。

胃カメラを用いて胃や食道の内側を直接観察し、アニサキスを発見した場合は、その場で専用の鉗子などを使って摘出します。この処置は「内視鏡的食道及び胃内異物摘出術(K653-3)」という手術として扱われます。

費用については、全国一律で3250点(32,500円)が設定されており、これに診察料や採血検査費用などが加算されます。健康保険が適用されるため、3割負担の方であれば総額で10,000円から15,000円程度が目安となります。

症状がある場合は基本的に保険適用となります。また、加入されている生命保険や医療保険によっては、手術給付金の対象となる可能性もありますので、ご自身の保険会社に確認してみることをお勧めします。

治療後は、食道や胃の粘膜が一時的に刺激を受けている可能性があるため、刺激物の摂取を控えるなどのケアと注意が必要です。

アニサキス症の予防には、魚介類の適切な処理が欠かせません。

加熱
60°C以上で1分以上加熱すれば死滅します。
冷凍
マイナス20°C以下で24時間以上冷凍すれば死滅します。
不確実な方法
酢漬けや塩漬け、醤油、ワサビなどではアニサキスは死滅しないとされています。



腸の健康を守るために:大腸内視鏡検査の重要性

腸閉塞はアニサキス以外にも癌や術後の癒着等が原因になります。

大腸がんは、近年日本人の間で増加傾向にあり、女性ではがんによる死亡原因の第1位、男性では肺がんに次ぐ第2位となっています。

しかし、大腸がんは早期に発見し、適切な治療を行えば、ほぼ治癒が期待できる病気です。問題は、初期には自覚症状がほとんどないことです。症状が現れた時には、すでに病気が進行している可能性が高いのです。

そのため、定期的な大腸検査が非常に重要となります.

大腸検査では大腸内視鏡検査が最も有効であり、内視鏡時にポリープを切除する事で大腸癌の予防ができると報告されています。


当院で内視鏡検査を受けるメリット

当院では、検査の苦痛を和らげるため、様々な工夫を凝らしています。

苦痛の少ない内視鏡検査
「内視鏡検査は痛い、苦しい」というイメージをお持ちの方が多いかと思います。当院では、患者様のご負担を最小限に抑えるため、鎮静剤(麻酔薬)を用いた「無痛内視鏡検査」を積極的に行っています。鎮静剤を使用することで、検査中はほとんど眠ったような状態や、うとうとした状態で検査を終えることができます。

経験豊富な専門医による質の高い検査
当院では、消化器内視鏡専門医である院長が全ての検査を担当しております。内視鏡検査は医師の技術と経験が検査の精度を大きく左右すると言われます。特に、腸が長い方や癒着がある方など、挿入が難しいケースでも、経験豊富な専門医がスムーズかつ痛みを抑えた検査を実現します。

患者様のプライバシーと快適性への配慮
内視鏡検査では、お尻や肛門を見られることに抵抗を感じる方がいらっしゃいます。当院では、その羞恥心に最大限配慮しています。検査時には、お尻の部分がすっぽり覆われるディスポーザブル(1回使い切り)の検査着や穴あきパンツを使用し、必要最低限の範囲のみ露出するよう工夫しています。

アクセスの良さと予約のしやすさ
当院は大通駅から徒歩30秒という非常に便利な立地にあります。通勤やお買い物のついでにも立ち寄りやすく、地下鉄の出口(14Bもしくは15番)からすぐのビル内にあるため、雨や雪の日でもほとんど濡れることなくご来院いただけます。

検査前後のサポート体制
正確な検査のためには、検査前の食事制限と腸管洗浄が非常に重要です. 当院では分かりやすく具体的な食事指導を提供しています. コンビニで手軽に購入できる消化に良い食品の例や、当院オリジナルの食事セットもご用意しておりますので、ご多忙な方でも安心して準備を進めていただけます.



最後に

アニサキス症による激しい腹痛は、多くの方が経験したくない辛い症状です。

しかし、今日お話ししたように、アニサキスが直接的に腸閉塞を引き起こすことは稀です。

消化器系の病気は、自覚症状がないまま進行することが少なくありません。アニサキス症の疑いがある場合も、大腸がんやポリープのリスクが気になる場合も、早期の発見と適切な診断、そして治療が何よりも大切です。

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、患者様一人ひとりの不安に寄り添い、最新の医療技術と温かいサポートで、皆様の健康な毎日を支えることをお約束いたします。気になる症状がある方、定期的な検査をご検討の方、どうぞお気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております.


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


