2025年7月16日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

近年、食生活の欧米化や高齢化に伴い、大腸がんの罹患数、そして残念ながら死亡数も増加傾向にあります。

特に女性においては、大腸がんが死亡原因の第1位となっている現状があります。

このような背景から、自覚症状がない段階での定期的な大腸がん検診、そして精密検査としての内視鏡検査の重要性は、ますます高まっています。

さて、大腸カメラ検査を受けられた患者様からよくいただくご質問の一つに、「検査の翌日、どんな食事をすれば良いですか?」というものがあります。

この質問に対する答えは、検査でポリープを切除したかどうかによって大きく異なります。今回は、この検査後の食事について、詳しく解説させていただきます。

大腸カメラ検査後の食事の基本:あなたの状況に合わせて

検査後の食事は、大腸の状態と、処置が行われたかによって異なります。

1. ポリープ切除がなかった場合
処置が行われなかった場合、翌日からの食事に
検査当日の食事:
検査直後、まずは少量の水分から始め、問題がなければ徐々に通常の食事に戻していただいて構いません。当院では、検査後のリカバリールームでしばらくお休みいただいた後、医師からの説明を受けてから帰宅となりますが、その日のうちに消化の良い軽めの食事から再開される方がほとんどです。

検査翌日の食事:
翌日からは基本的に通常の食事で問題ありません。ただし、検査前日は大腸をきれいにするために食事制限を行っていただいていますので、急に負担の大きい食事を摂ることは避け、消化の良いものから段階的に戻していくことをお勧めします。

水分補給の重要性:
検査前の下剤服用により、体内の水分が失われている可能性があります。また、検査後の便秘予防のためにも、十分な水分摂取を心がけてください。水やお茶、スポーツドリンクなどを積極的に摂るようにしましょう。



2. ポリープを切除した場合
ポリープ切除を行った場合、食事に注意が必要です。

これは、出血や穿孔といった合併症のリスクを最小限に抑え、傷の回復を促すためです。

約1週間は消化の良い食事を心がける:
主食
白米のお粥、うどん、そうめん、ビーフン、フォーなどの米粉麺、シンプルな食パン(種子やドライフルーツの入っていないもの)など、食物繊維の少ない炭水化物を選びましょう。
たんぱく質
脂肪の少ない白身魚(タイ、タラ、カレイなど)や鶏ささみ、鶏むね肉(皮なし)、豆腐、卵などが適しています。これらは消化しやすく、傷の修復に必要な栄養素を補給できます。
野菜・果物
じゃがいも、長芋、バナナ、りんご(皮なし)など、食物繊維が少なく消化しやすいものを選んでください。

避けるべき食品
刺激物
香辛料の強いもの、熱すぎるもの、冷たすぎるものなど、胃腸に刺激を与える食品は避けましょう。
脂肪分の多い食品
揚げ物、バター、マーガリン、脂身の多い肉(バラ肉など)、青魚(サバ、イワシなど)、生クリームなどは消化に負担がかかるため、控えましょう。
食物繊維の多い食品
ごぼう、きのこ類、海藻類、こんにゃく、豆類、ナッツ、種子類(トマトの種、キウイの種など)、果物の皮、玄米、全粒粉パンなどは、消化されずに大腸に残るため、切除部位を刺激する可能性があります。これらは検査前日も避けていただくようお願いしている食品です。
アルコール
アルコールは腸粘膜に刺激を与え、出血のリスクを高めるだけでなく、腸内環境を悪化させる可能性もありますので、約1週間は控えてください。
服用中の薬について
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血小板薬など)を服用している方は、事前に医師と相談し、検査前後の休薬や調整の指示に必ず従ってください。これは、出血のリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。

異変を感じたら
検査後に腹痛や吐き気、発熱、または便に鮮血が混じるなどの症状が現れた場合は、すぐに検査した医療機関にご連絡ください。早期の対応が合併症のリスクを低減します。



大腸の健康を維持するための長期的な食生活と生活習慣

健康な大腸を維持するためには食生活と生活習慣を意識することが大切です。

バランスの取れた食事:
特定の食品に偏らず、野菜、果物、全粒穀物、良質なたんぱく質をバランスよく摂取しましょう。

食物繊維の積極的な摂取:
大腸がんのリスク低減には、食物繊維が豊富に含まれる食品を積極的に摂ることが推奨されています。食物繊維は、腸内で発がん性物質を体外に排出したり、腸内環境を整えるのに役立ちます。日本人の平均摂取量は不足しがちですので、意識して摂るようにしましょう。

赤身肉・加工肉の摂取を控える:
高脂肪食や加工肉の過剰摂取は、大腸がんのリスクを高めることが指摘されています。腸内で発がん性物質を生成しやすいため、摂取は控えめにすることが望ましいです。

適度な運動:
定期的な運動は、腸の動きを活発にし、便通を改善するだけでなく、肥満の予防やストレス解消にもつながり、大腸がんのリスクを低減します。ウォーキングやジョギングなど、無理なく続けられる運動を習慣にしましょう。

禁煙・節酒:
喫煙と過度の飲酒は、大腸がんのリスクを高める要因です。特にアルコールの慢性的な摂取は腸内環境を悪化させ、ポリープやがんのリスクを上昇させることが報告されています。健康のためにも、禁煙し、飲酒は適量を心がけましょう。



札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックが選ばれる理由

当院は、患者様のために様々な工夫を行っています。

鎮静剤の活用:
多くの患者様が内視鏡検査に抱く「苦しい」という不安を解消するため、当院では鎮静剤を積極的に使用しています。眠っているような状態で検査を終えることができ、「気づかないうちに終わった」というお声を多数いただいております。

熟練の専門医による検査:
内視鏡検査の精度と患者様の負担は、医師の技量と経験に大きく左右されます。当院では、内視鏡専門医が全ての検査を担当し、患者様一人ひとりに合わせた丁寧な挿入技術で、「痛くない」検査を追求しています。

当日検査対応:
検査枠に空きがあれば、当日の胃カメラ・大腸カメラ検査も可能です。ご希望の方はお電話でお連絡下さい。

院内での下剤準備:
大腸カメラ検査で最もつらいとされる下剤の服用ですが、当院では院内での下剤準備も可能です。自宅での準備が難しい方や、不安を感じる方も安心して検査に臨めます。

札幌大通駅から徒歩30秒:
当院は札幌市営地下鉄大通駅からわずか徒歩30秒という抜群のアクセスを誇ります。雨や雪の日でもほとんど濡れることなくご来院いただけます。

土日診療:
平日はお仕事などで忙しい方のために、土曜日・日曜日も診療を行い、内視鏡検査を実施しています。ネットからの24時間予約も可能ですので、ご自身の都合に合わせて検査スケジュールを組むことができます。



最後に

大腸がんは、早期に発見すればほぼ治癒が可能ながんです。

しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な検診と精密検査が何よりも重要となります。

当院では、患者様が安心して質の高い大腸カメラ検査を受けられるよう、万全の体制を整えております。検査後の食事に関するご不安はもちろん、検査そのものに対する疑問や心配事など、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

当院は、その内視鏡検査を「苦痛なく」「正確に」「通いやすく」提供することを使命としています。

皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


