喉に違和感があるあなたへ!好酸球性食道炎とは何か|大通り胃腸内科クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

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喉に違和感があるあなたへ!好酸球性食道炎とは何か

喉に違和感があるあなたへ!好酸球性食道炎とは何か|大通り胃腸内科クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

         

2024年3月27日

喉の違和感、時には食事が喉にひっかかるような感覚。

これは好酸球性食道炎の可能性があります。

好酸球性食道炎は、一見すると他の消化器系疾患との違いが不明瞭ですが、特有の症状や治療法が存在します。この記事では、好酸球性食道炎に焦点を当て、概要から診断、日常生活の対策まで幅広く解説します。

1. 喉の違和感が指し示すもの

身体からの何気ないサインは時として重要な健康問題を知らせているものです。特に喉に違和感を感じる場合、ただの風邪や疲れからくるものと簡単に捉えがちですが、実はもっと深刻な病気が隠されているかもしれません。喉の違和感が長期にわたる場合や、食べ物を飲み込む際の痛みが伴うならば、それは好酸球性食道炎という病気の可能性があります。食道に好酸球が過剰に集まることで炎症を起こし、多様な症状を引き起こすこの病気は、ちょっとした違和感を見逃さず、早期に対応することが大切なのです。

1.1. 好酸球性食道炎の一般的な症状

好酸球性食道炎は、喉の違和感の他にも、食道に独特の症状をもたらします。具体的には、食べ物が食道を通過する際の痛みや詰まる感じ、胸焼け、吐き気、時には嘔吐を引き起こすことがあります。また、食事の際に痛みを感じるため、食欲低下や体重減少といった問題も起こることがあるのです。食物がしっかりと消化されず、栄養摂取が妨げられるため、全体的な健康状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。これが慢性化すると食道狭窄など他の合併症を招く恐れもあり、適切な治療が必要となるのです。

1.2. 他の疾患との違い

好酸球性食道炎は、その症状が胃酸逆流病(GERD)やその他の消化器系の疾患と似ているため、診断が難しい場合があります。しかし、この病気の大きな違いは好酸球という種類の白血球が関与している点です。通常、好酸球は寄生虫の感染やアレルギー反応時に活動を増す免疫細胞ですが、好酸球性食道炎ではこれらが食道に異常集合し、炎症を起こすのです。このため、食生活やアレルギー症状と密接な関連性があると考えられています。

1.3. アレルギーと関連する症状を見極める

好酸球性食道炎は食物アレルギーや喘息など他のアレルギー関連疾患と関係があることが多いです。これらの症状がある方は好酸球性食道炎を疑う必要があるかもしれません。実際に好酸球性食道炎の患者さんは、アレルギーを持つ確率が高く見られております。また、症状のトリガーとなる食物を特定することで、日常生活での管理を効果的に行なうことができるといわれています。

2. 好酸球性食道炎とは

好酸球性食道炎とは、食道内に好酸球と呼ばれる白血球の一種が異常に増加し、食道を炎症させる病態を指します。慢性的なものとなり得るこの症状は、特にアレルギー体質を持つ人に見られる傾向があり、食道の狭窄や食べ物の通過障害を引き起こすことがあります。

2.1. 好酸球性食道炎の基本的な概要

好酸球性食道炎はしばしば食物アレルギーやアレルギー性疾患、特にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、喘息などの患者に共存していることが報告されています。発症メカニズムとして考えられるのは、食物や環境アレルゲンに反応して好酸球が集まり、食道の細胞を損傷させることによるものです。一方で、この病気はその原因となる食物やアレルゲンの特定が困難なケースも多く、診断や治療には複雑なアプローチが必要とされています。

2.2. 発症するメカニズムとリスク要因

好酸球性食道炎の発症メカニズムは、食道に対して異常な免疫反応が起こることによるとされています。具体的には、食物のアレルゲンが食道に接触した時、それに反応して好酸球が集まり、過剰な炎症反応を引き起こすことにより発症する可能性が高まります。また、アトピー性皮膚炎やアレルギー体質を持つことがリスク要因であり、これらのアレルギー疾患を持つ人は、好酸球性食道炎を発症しやすいとされています。

2.3. アレルギー性疾患としての特徴

好酸球性食道炎は、アレルギー性疾患のひとつとして分類されることが多く、他のアレルギー疾患と同様に、体内での免疫反応が異常をきたしている状態です。臨床的には、食物や環境アレルゲンが引き金となり食道の好酸球が活性化するため、好酸球性食道炎の患者はしばしば食物アレルギーや季節性アレルギーを併発しています。このため、診断にあたってはこれらの症状との関連を考慮に入れながら、食道内の炎症状況を詳細に調べることが求められます。治療法には、アレルギー体質を改善するための薬物治療や、特定の食物を避ける食事療法など、個々の患者の状態に合わせた多角的なアプローチが必要であり、それには患者と医療チームの緊密な協力が不可欠となります。

3. 好酸球性食道炎の診断方法

この病気は初期段階では特徴的な症状がないため、見落とされがちです。この診断にはいくつかのステップがあり、それぞれの検査には特定の目的と手順があります。

3.1. 初期段階での症状の認識

好酸球性食道炎の症状は、喉の違和感、食べ物が食道に停滞しているような感覚、嚥下困難など多岐にわたります。また、一部の患者さんには胸焼けや胸の痛みが生じることもありますが、これらの症状は一般的な胃食道逆流症と非常に似ているため、見分けがつきにくいことが一つの問題点です。専門医による診断を受けることで、適切な治療につながり、日常生活における支障を最小限に抑えられます。

3.2. 診断に必要な検査とその手順

好酸球性食道炎の診断を行う上で中心となる検査は、内視鏡検査(胃カメラ)と組織検査です。これによって、食道の内壁に好酸球が著明に増加しているかどうかを確認することができます。内視鏡検査の際には、食道の状態を観察するだけでなく、炎症部位から細かな組織を採取します。この組織を顕微鏡で観察し、好酸球の数を数えることで診断が下されます。

3.3. 胃カメラ(内視鏡検査)でわかること

胃カメラを利用した内視鏡検査では、食道の内壁の状態を直接目で見ることができます。好酸球性食道炎では、食道壁が白くふくれあがるような変化を示すことや、小さな白い斑点、縦条の模様が確認されることがあります。また、食道内を覆う粘膜にも炎症による赤みが見られることがあります。しかし、これらの見た目だけで確定診断を下すことはできません。必ず組織検査を行い、食道内の好酸球の数を計測して、他の食道疾患との差別化を図る必要があるのです。

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4. 胃カメラの必要性

好酸球性食道炎の診断において、喉の違和感やそれに伴う症状の原因を明らかにするため、胃カメラを用いた内視鏡検査は非常に重要になります。この検査は、食道、胃、十二指腸の内部を直接視覚的に確認することで、単なる食道炎か、または他の疾患が潜んでいるのかを鑑別するために必須となるのです。胃カメラを通して、食道の粘膜の変化や炎症の程度を視認し、正確な診断へとつなげていきます。また、定期的な胃カメラの検査は、早期の病態発見や治療効果の評価にも有効であり、長期的な健康管理にも寄与する手段となり得るのです。

4.1. 食道癌などの他疾患との鑑別

好酸球性食道炎だけでなく、喉の違和感を訴える患者様の中には、食道癌や胃食道逆流症(GERD)、バレット食道など他の疾患を抱えている場合もあります。これらの疾患は症状が類似することも多く、正確な診断を下すためには、胃カメラを用いて食道の粘膜の様子を詳しく観察する必要があります。特に、食道癌の早期発見は、治療成功の鍵となりますので、違和感の根本的な原因を突き止めるためにも内視鏡検査は不可欠です。病変の有無、その位置や大きさ、粘膜の変色や浮腫といった細かな情報を入手することで、他疾患との鑑別が可能になるからです。

4.2. 内視鏡での病態確認

内視鏡検査では、胃カメラを用いて食道の内壁を直接観察し、病態の確認を行います。好酸球性食道炎では、食道粘膜に白い斑点や細かなびらん、縦走・輪状溝の病変を認めることがあります。これらの病変は、内視鏡を通じて明確に確認することができ、好酸球性食道炎の存在を示す特徴的な所見になります。また、粘膜の動きや食道の透過性などの機能的な問題も、内視鏡検査によって評価されることがあります。

4.3. 組織検査での確定診断

胃カメラによる内視鏡検査では、疑わしい病変が認められた場合、その場で組織の一部を採取する生検を実施することがあります。組織検査によって得られる病理組織学的な診断は、好酸球性食道炎をはじめとする食道疾患の診断において、最も確実な診断方法の一つです。採取した組織サンプルを顕微鏡で観察し、好酸球の浸潤の有無や程度を確認することで、他の原因による炎症や癌などを除外し、正確な診断に至ることができます。生検による組織的な検証は、患者様それぞれの症状に適した治療法を選ぶための基礎情報となるのです。

実際の内視鏡像
食道粘膜に白色病変と縦走溝等がみられる

5. 日常生活での対処法

呼吸することが困難になるなど、喉に違和感を感じることは少なくありません。これは好酸球性食道炎という病態が関わっていることもあります。この病気は、アレルギー反応をともなうことがあり、日々の生活の中で対処が必要です。食生活の見直しや特定の食物の除去がその一例ですが、生活習慣全体を変えることで、症状の緩和を目指していくことができます。小さな変更でも日常生活における不快感を軽減することは十分に可能です。

5.1. 食生活の見直し

好酸球性食道炎を持つ人にとって、食生活の改善は重要です。例えば、辛いものや刺激の強い食べ物は避ける、アルコールの摂取を控えるといった基本的な食習慣から見直すことで症状の悪化を防ぐことができます。さらに、バランスの良い食事を心がけると同時に、食事の時間や量にも気を配ることが大切です。おやつや間食といったときに選ぶ食品にも注意が必要でしょう。食生活は病気の治療だけでなく予防面でも大きな影響を及ぼすため、意識することが欠かせません。

5.2. 経験的食物除去

好酸球性食道炎において、特定の食物が症状を悪化させることがあるため、経験的に食物除去する治療法も用いられます。一般的には、まずは自己の体験に基づき、過去に症状の原因となった疑いのある食品を避けてみるというアプローチです。これにより、症状の変化を観察し、何がトリガーとなっているのかを特定することが可能になります。しかし、長期的に多くの食物を除去することは栄養不足を招く恐れもあるため、専門家の指導のもとで行う必要があります。

5.3. まずは牛乳、小麦の2種類から除去を

好酸球性食道炎の症状管理には、特定の食物を除去することが有効な場合があります。特に、アレルギー反応を示しやすいとされる牛乳や小麦を含む食品は、まず避けてみることが推奨されます。これにより症状が改善するかを観察するのです。牛乳や小麦を除去することで、多くの加工食品も避けることになりますが、最近は代替品も多く販売されており、それらを利用することで日々の食事におけるストレスを減らすことができます。ただし、栄養バランスを維持するためにも、専門の栄養士に相談しながら実施するのが望ましいでしょう。

6. 好酸球性食道炎の治療オプション

喉の違和感を感じるとき、それが好酸球性食道炎のサインである可能性があります。この状態の治療には様々なオプションが存在し、それぞれの人に適した方法を選択することが大切です。標準的な治療法から、アレルギー特有のアプローチ、さらに食生活の見直しまで、多角的な視点から好酸球性食道炎をケアしていくことが求められます。治療オプションを十分に理解し、適切な対処をしていきましょう。

6.1. プロトンポンプ阻害薬による治療

好酸球性食道炎の治療において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)は第一選択薬とされることが多いです。これらの薬は胃酸の分泌を抑制し、食道の炎症を減少させる作用があります。治療の初期段階でPPIが用いられる理由は、食道炎の原因が胃酸の逆流である可能性が考えられるからです。しかし、すべての患者がPPIに反応する訳ではないため、効果が見られない場合は他の治療法へと移行することも重要です。PPI治療を行う際には、医師の指示により適切な用量と期間を守ることが肝心で、無断での中断は避けるべきです。

6.2. その他の薬物療法

プロトンポンプ阻害薬以外にも、好酸球性食道炎を緩和するための薬物療法があります。例えば、ステロイド薬は局所的な炎症を抑えるのに役立つとされていますが、長期間の使用には副作用のリスクが伴うことから慎重な管理が求められます。重要なのは、患者一人ひとりの症状に合わせた治療を行うことで、一般的な治療法が効果的でない場合でも、他のオプションによって改善を目指すことができます。

6.3. 難治性へのアプローチ

好酸球性食道炎の中には、一般的な治療法で症状が改善されにくい難治性の場合もあります。こうした症例に対してはより専門的な医療機関での評価が求められることがあり、専門医と協力して治療計画を立てることが大切です。難治性好酸球性食道炎には、食事療法や除去食試験を含めた総合的なアプローチが必要になることがあります。また、医薬品の組み合わせ療法や、生物学的製剤の使用を検討する場合もあるでしょう。このような患者様には、定期的なフォローアップと症状の評価、治療方針の見直しが不可欠です。

7. アレルギーとの関連性

好酸球性食道炎は、アレルギーに密接な関係があると言われています。特に食物アレルギーを持つ人々において、その症状が明確に現れることが多いです。アレルギー反応は、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があるため、好酸球性食道炎の症状がアレルギー由来であることを認識することは、病態の理解と治療のために不可欠です。症状や検査結果だけでなく、患者さんの日常生活におけるアレルゲンへの曝露の歴史など、さまざまな側面からアプローチすることで、正確な診断に近づくことができるでしょう。

7.1. 好酸球性食道炎と食物アレルギー

好酸球性食道炎は、食道に好酸球が異常に集まる疾患であり、身体が特定の食物に対して過剰な免疫反応を示すことが関連していることが知られています。実際に食物アレルギーのある患者さんでは、除去食によって症状が著しく改善するケースも報告されており、食物が原因と考えられることが少なくありません。この現象を解明するため、アレルギーテストや食物誘発試験などが行われることがあります。しかし、すべての患者さんにおいて明確なアレルゲンが見つかるわけではなく、個々の食物との関連を細かく見極めることが必要になります。

7.2. 喘息やアトピーとの関係

喘息やアトピー性皮膚炎など、その他のアレルギー性疾患との関連も好酸球性食道炎の理解を深める上で重要です。これらの疾患を持つ人々で好酸球性食道炎の診断がされることも少なくなく、これらの病態が互いに影響を与え合っている可能性が示唆されています。例えば、喘息の治療薬が好酸球性食道炎の症状にも効果を示す例もあり、これらのアレルギー性疾患が持つ共通の炎症経路に着目し、治療の選択肢を広げていくことが今後の課題となるでしょう。

7.3. アレルギーテストではわからないことが多い

好酸球性食道炎の原因としてのアレルギーを探る上で、アレルギーテストは有用なツールですが原因の食材が判る事は少ないです。現在のアレルギーテストは、特定のアレルゲンに対する反応を検出することに特化していますが、好酸球性食道炎のように複雑な病態では、一般的なアレルゲンに該当しないことも多いです。そのため、アレルギーテストの結果と症状を照らし合わせ、実際の生活環境や食事内容を踏まえた総合的な判断が求められます。患者さん自身の観察や記録が、適切な治療に繋がるためのカギとなるでしょうか。

8. 長期的な管理とフォローアップ

好酸球性食道炎は症状が長引くことが知られています。体の異変を感じたり、不快感に見舞われたりするのはとても心配なことです。症状がみられたときは専門の医師に相談するのはもちろんですが、長期にわたって自己管理をし、定期的なフォローアップを受けることがとても重要です。健康な日常生活を取り戻すために、気長に付き合っていく病だと理解することも求められます。患者さんが自己管理をしっかりと行い、医師が適切なフォローアップ検査を提供することで、好酸球性食道炎と上手に付き合っていくことが可能になります。

8.1. 好酸球性食道炎の予後と経過観察

好酸球性食道炎患者さんの予後は、適切な治療と継続的なフォローアップによって大きく変わります。慢性的な疾患として症状が現れることが多いのですが、薬物治療や食生活の改善によって、症状が和らぐことも少なくありません。それには、定期的な医師の診察と相談、そして内視鏡検査による食道内の状態のチェックが不可欠です。何より、患者さん自身が症状の変化に気を付け、医師に伝えることが経過観察を成功させる鍵となります。また、食生活の改善や生活習慣の見直しが予後に良い影響を与え、再発を予防する要因となるでしょう。

8.2. フォローアップ検査の重要性

好酸球性食道炎の治療を行っている場合、定期的なフォローアップ検査は非常に重要です。特に内視鏡による食道の炎症状況の確認は、病状の進行度合いを把握し、治療計画を適切に立てるための基盤となります。また、病状が改善したと感じても、内視鏡検査で好酸球の数が減っていなければ、まだ治療が必要なことを示しているのです。そのため、医師との連携を保ちながら、迅速かつ適切なフォローアップ検査を行うことが患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上につながります。

8.3. 患者自身でできる日々の記録とチェック

治療中の好酸球性食道炎患者さんには、日々の食生活や症状の変化を記録しておくことが推奨されます。食事日記をつけることで、どの食べ物が症状を悪化させるのか、どのような食事が自分に合っているのかを把握できるようになります。また、症状の変化を細かく記録することで、医師がより正確な治療計画を立てやすくなります。自分自身の身体の変化を客観的に評価し、治療の効果を判断するための重要なデータとなるでしょう。患者さん自身が自分の状態を理解し、積極的に治療に関わることで、病気との付き合い方がよりよいものになるでしょう。

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