他人ごとじゃない!正月休み中に激痛!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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他人ごとじゃない!正月休み中に激痛!?

他人ごとじゃない!正月休み中に激痛!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年11月19日

こんにちは!札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック事務長の高橋です!

お寿司やお刺身といった新鮮な魚介類を食べる機会が増える正月シーズンに、体内に寄生虫のアニサキスが入り込み激しい腹痛を引き起こすアニサキス症は、決して他人事ではありません。

特に生の寿司は、日本人にとって欠かせないご馳走であり、正しい知識を持つことでリスクを大きく減らせます。


この記事では、アニサキス症の基礎知識から、家庭でできる確実な予防法、そして激痛が起こった場合の適切な治療法までを分かりやすくご紹介します。


この記事を読むと、アニサキス症の具体的な症状や潜伏期間、ワサビや酢が効かない理由、そして内視鏡による治療の迅速性といった、正月寿司を安全に楽しむための重要な知識が分かります。


この記事は、ご自身やご家族の健康を守るために、正月寿司などの生魚を食べる予定のある方、過去にアニサキス症を経験して不安を感じている方、そして万が一の際に備えて消化器内科クリニックの情報を知っておきたい方はぜひ最後まで読んでみてくださ い!

1. 正月にお寿司を食べる前に知っておきたい!

正月寿司は格別ですが、アニサキス症は突然の激痛で楽しい雰囲気を台無しにしてしまいます。

アニサキス症を正しく理解することで、過度な不安なく新鮮な魚介類を楽しむことができます。


a. アニサキスとは?なぜ「正月 寿司 アニサキス」が危険視されるのか
アニサキスは、クジラやイルカといった海洋哺乳類を最終宿主とする線虫(寄生虫)の一種です。サバ、イカ、カツオ、サンマ、サケといった魚介類に寄生した幼虫を、人間が加熱せずに寿司や刺身として食べることで体内に入り込みます。特に、鮮魚店やスーパーで魚が丸ごと売られている場合、魚が死ぬとアニサキスが内臓から身(筋肉)へと移動するため、生食のリスクが高まります。正月の食卓では、家族や親戚が集まり大量の寿司を用意することが多く、中には自家製で魚をさばくケースも存在するため、アニサキス感染の機会が相対的に増えて危険視されるのです。


b. アニサキスに感染した際の主な症状と潜伏期間
アニサキスを摂取しても、必ずしも激しい症状が出るわけではありませんが、胃壁や腸壁に幼虫が食いつくと強い痛みが発生します。感染後の症状は主に二つに分類され、潜伏期間も異なります。


i. 胃アニサキス症の具体的な症状と発症までの時間
胃アニサキス症は、アニサキス幼虫が胃の粘膜に潜り込むことで起こります。魚介類を生食した直後から数時間後(通常3〜8時間以内)に、みぞおちから上腹部にかけて激しい痛み、吐き気、嘔吐といった症状が現れるのが特徴です。この激痛は、アニサキスが胃の壁に物理的に刺さった痛みだけでなく、虫体が分泌する物質に対する人体のアレルギー反応も深く関わっていることが分かっています。痛みの強さは、人によっては救急車を呼ぶほどの耐え難い「差し込むような痛み」と感じることも少なくありません。


ii. 腸アニサキス症の具体的な症状と重症化のリスク
胃を通り抜けたアニサキス幼虫が小腸や大腸といった腸壁に刺入することで、腸アニサキス症を発症します。発症は胃アニサキス症よりも遅く、魚介類を食べてから十数時間後から数日後に、下腹部の激しい痛みや発熱、吐き気、嘔吐といった症状が出ます。稀なケースではありますが、腸壁の強い炎症により腸閉塞や消化管穿孔(穴が開くこと)といった重篤な合併症を引き起こす可能性があり、その場合は入院治療や緊急手術が必要となるため、非常に注意が必要です。

2. 自宅で実践できる「正月 寿司 アニサキス」食中毒の確実な予防法

正月の食卓で寿司を安全に楽しむためには、自宅でのアニサキス対策が最も重要です。迷信に惑わされず、科学的に効果が証明されている確実な予防法を実践しましょう。


a. 確実なアニサキス対策の基本:「加熱」と「冷凍」のルール
アニサキス幼虫を死滅させるための方法は、厚生労働省からも推奨されている「加熱」と「冷凍」の二つが基本となります。


i. 加熱で死滅させるための具体的な温度と時間
アニサキスは熱に弱いため、食材の中心部を確実に加熱することができれば、死滅させることが可能です。具体的には、魚介類の中心温度が60度で1分以上、または70度以上で瞬時に加熱することで、アニサキスの幼虫は完全に死滅します。例えば、正月に焼き魚や煮付け、天ぷらとして魚介類を調理する場合は、見た目だけでなく、中まで十分に火が通っていることを確認することが重要です。この確実な方法を用いれば、生食にこだわらない正月のメニューではアニサキス症の心配をゼロにできます。


ii. 冷凍で死滅させるためのマイナス20度以下の継続時間
寿司や刺身として生食したい場合は、冷凍処理が最も有効な予防法です。アニサキスは低温に強い性質がありますが、一定以上の低温と時間を継続することで死滅します。その条件は「マイナス20度以下で24時間以上」冷凍することです。スーパーで購入した生食用魚介類でも、この冷凍処理がされているかを確認することが安全な正月寿司を食べる上での重要なポイントとなります。この冷凍処理によってアニサキスは完全に死滅するため、解凍後の刺身や寿司ネタは安心して食べることができます。


b. 効かない予防法:「正月 寿司 アニサキス」対策における誤解
アニサキス症の予防に関して、昔ながらの知恵や民間療法的な誤解が広まっています。正しい知識で安全を確保しましょう。


i. 酢やワサビがアニサキスに効果がない理由
寿司にはワサビや酢を使うからアニサキスは大丈夫」という誤解が広く存在しますが、これは完全に間違いです。通常の料理で使う程度の量のワサビや醤油、また酢で魚を締める調理法(しめサバなど)では、アニサキスの幼虫は死滅しません。例えば、寿司のネタにワサビを乗せたとしても、ワサビの刺激がアニサキスの虫体を不活化させるほどの効果は期待できません。また、魚を酢で締める際に使われる酢酸の濃度では、幼虫は生き残ってしまうことが多くの研究で確認されています。したがって、正月寿司対策としてワサビや酢に頼るのは非常に危険です。予防の基本はあくまで「加熱」または「マイナス20度以下の冷凍」であることを覚えておきましょう。


ii. 鮮度の良さが逆にアニサキス感染リスクを高める仕組み
「鮮度が良いから安心」という考えも、アニサキス症対策においては盲点となります。魚が生きている間、アニサキスは主に魚の内臓に寄生しています。魚が死んで鮮度が低下すると、アニサキスは内臓から筋肉(可食部)へと移動を開始します。しかし、非常に鮮度の良い魚の場合、魚をさばく際に内臓から虫体が移動する前の状態で生食されるため、逆にアニサキスを摂取するリスクが高まる側面もあります。特に、釣りたての魚や市場から直接購入した新鮮な魚を丸ごとさばく際には、速やかに内臓を取り除き、内臓を生食しないことが非常に大切です。正月の活きの良い魚をさばく際は、この点を意識して対応しましょう。

3. 激しい痛みが起こったら?

万が一正月寿司を食べてアニサキス症の激しい痛みに襲われた場合、適切な医療機関で迅速な処置を受けることが重要です。


a. 痛みの原因は「アニサキス」だけではない?アレルギー反応との関係性
アニサキス症の激しい腹痛は、幼虫が胃壁に食いつく物理的な刺激だけでなく、アニサキスの成分に対するアレルギー反応が大きく関与しています。特に、過去にアニサキスに感染した経験がある方や、アレルギー体質の方は、二度目にアニサキスを摂取した際に、より強いアレルギー反応(蕁麻疹など)を伴い、激痛が起こる可能性があります。アレルギー反応が主な原因である場合、幼虫が死滅した後も痛みが続くケースが報告されています。そのため、単に「時間が経てば治る」と放置せず、専門のクリニックで原因を特定し、適切な処置を受けることが大切です。


b. 症状が出たらすぐに内視鏡検査が必要な理由とメリット
正月寿司を食べた後に激しい腹痛、吐き気、嘔吐といった症状が出た場合は、すぐに内視鏡検査が可能な医療機関を受診してください。


i. 胃カメラによるアニサキス虫体摘出の即効性
内視鏡検査、特に胃カメラ(胃内視鏡検査)は、胃の粘膜に食いついているアニサキス幼虫を直接目視で確認し、その場で特殊な鉗子(かんし)を用いて摘出する治療が可能です。アニサキスの幼虫を体外へ取り除くことができれば、物理的な刺激とアレルギー反応の原因を取り除くことになるため、激しい痛みは劇的に、そして速やかに治まります。薬物療法の場合、アニサキスが体内で自然死滅するまで数日〜1週間程度待つ必要がありますが、内視鏡による摘出は、その日のうちに苦痛から解放されるという最大のメリットがあります。正月休み中に早期に治療を終え、日常生活に戻るためにも、迅速な内視鏡検査の実施が推奨されます。


ii. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでできる苦痛の少ない検査
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、アニサキス症の迅速な診断と治療が可能です。当クリニックでは、患者様の負担を最小限に抑えるため、鎮静剤(麻酔)を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を専門的に行っています。鎮静剤を使用することで、患者様は眠っている間に胃カメラ検査や、稀な腸アニサキス症が疑われる場合の大腸カメラ検査を終えることができます。また、当クリニックは土曜日・日曜日も内視鏡検査を実施しており、正月休みや連休中でもアニサキス症の緊急的な検査・治療に対応できる体制を整えています。激しい腹痛を伴うアニサキス症の際も、痛みを長引かせることなく、安心して検査・治療を受けていただくことが可能です。

まとめ


正月シーズンに寿司などの生魚を食べる機会が増えることは喜ばしいことですが、同時にアニサキス症のリスクも高まります。アニサキス症の激しい腹痛を避けるためには、酢やワサビに頼らず、マイナス20度以下での24時間以上の冷凍処理、または中心温度60度以上での加熱処理を徹底することが、最も確実な予防法です。

万が一、正月寿司を食べた後に激しい腹痛や嘔吐といった症状が出た場合は、「自然に治る」と我慢せず、速やかに内視鏡による治療が可能なクリニックを受診してください。特に当院のような胃カメラ大腸カメラの専門クリニックであれば、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査と、その場での迅速なアニサキス摘出が可能です。


本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックまでお気軽にご相談ください。

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