2025年2月02日

『ポリープ切除した晩から出血しているけど病院にいくべき?』

『ポリープ切除後はいつまで出血しやすいの?』

『Cold snare polypectomyは出血が少ないっていわれたけど?』

今回はそのような質問にお答えします。

目次
1. 大腸ポリープ切除後の出血に関する基本情報

大腸ポリープ切除後の出血は、多くの患者にとって気になる問題です。この出血は、治療の一環として避けられない場合もありますが、適切な対策と管理が重要です。

1.1. ポリープ切除後の偶発症に出血があります
大腸ポリープ切除後の大きな偶発症として、出血が挙げられます。出血が発生した場合、通常は軽度から中等度のものが多いですが、まれに重篤な出血も見られます。重篤な出血が起こると、再度の治療や入院が必要となる場合があります。このため、出血のリスクを減少させるための術前準備や注意事項に従うことが大切です。また、出血が疑われる場合は、早急に医師に相談することが推奨されます。
1.2. 出血は治療当日が最も多く3日以内が大部分
出血が発生するタイミングとして最も多いのは、治療当日です。多くの研究で、治療後の1日目から3日目までに発生する出血が、全体の大部分を占めると報告されています。逆に言えば治療後3日が過ぎれば出血のリスクはかなり低くなります。このため、少なくとも治療後の最初の3日は注意が必要です。
1.3. 出血は治療後一週間以内で起こる可能性がある。
大腸ポリープ切除後の出血は、多くの場合3日以内ですが、一週間後や二週間後にも出血をきたすケースがあります。特に、EMRなどの高周波を使用した切除に起きやすいです。これは、遅発性に組織損傷をきたすケースがある事や傷口の治癒速度が個人差により異なるためです。したがって、治療後の経過観察を怠らないことが重要です。出血が疑われる場合には、すぐに医師に連絡し、適切な処置を受けることが求められます。



2. ポリープ切除後出血の対処法

ポリープ切除後の出血は、手術後によく見られる副作用の一つです。しかし、多くのケースは軽度で、適切な対処をすることで問題なく治癒することがほとんどです。

2.1. 少量の出血であれば経過観察で止血される
ポリープ切除後に少量の出血(トイレットペーパーに小量つく程度)が見られる場合、多くは経過観察をすることで自然に止血されます。通常、この程度の出血は身体の自然な治癒力で収まるからです。患者様はこの間、安静に過ごし、無理な動きを避けることが重要です。必要があれば、医師からの追加のアドバイスを受けることができるでしょう。
一方で、予期しない痛みや一時間に複数回トイレに行く程の出血が見られた場合は、すぐに医師に連絡する必要があります。
2.2. 多くが内視鏡で止血処置可能
ポリープ切除後の出血の中でも、比較的多くのケースでは内視鏡を用いた止血処置が取られます。この方法は、出血箇所を直接観察しながら行うため、非常に効果的です。内視鏡下でクリップや高周波を用いて止血を行うことができ、多くの場合、この処置で十分な効果があります。
内視鏡による止血処置は、状況によって入院加療が必要です。出血が続く場合や合併症のリスクがある場合には、もっと詳細な検査や追加の治療が必要となることもあります。
多くの出血は内視鏡の技術で対応可能ですので、しっかりと医師の指示を守り、適切なフォローアップを行うことが大切です。
2.3. 稀に輸血を要する出血もある
ポリープ切除後の出血が重度である場合、輸血が必要になることもあります。このようなケースは稀ですが、大きな血管からの出血や出血が止まらない場合に見られ、早急な対応が求められます。輸血は、失われた血液を補充するための重要な処置であり、患者様の命を守るために行われます。
輸血が必要となる場合、病院での入院が必要となり、専門的な医療チームによる迅速な対応が行われます。また、輸血に際しては、血液型の適合確認や感染症のリスク管理など、慎重な準備が必要です。このようにして、安全かつ効果的に治療が進められます。
重度の出血が見られた場合でも、現代の医療技術により適切な対処が可能であるため、過度に心配する必要はありません。大切なのは、早めに専門医の診断を受けることです。



3. 大腸ポリープ切除後出血のリスク

大腸ポリープ切除後の出血リスクは、ポリープの種類や形態、患者様の年齢や薬の使用状況によって異なります。一般に、大きなポリープやがん化の疑いのあるポリープは出血しやすいです。

3.1. 抗血栓薬の内服
抗血栓薬を複数内服している患者様は、大腸ポリープ治療後の出血リスクが高まります。抗血栓薬は、血液をさらさらにする効果がありますが、その分出血しやすくなります。とくに多剤内服の場合、相互作用によってリスクが増大するのです。したがって、医師や薬剤師と相談しながら薬を調整することが必要です。
3.2. 高齢者
高齢者は、大腸ポリープ治療後の出血リスクが高いです。加齢により血管が硬くなり、また血流も変化することが出血のリスク要因となります。さらに、高齢者は他の慢性疾患を抱えて多くの薬を内服していることが多く、その薬の影響も無視できません。したがって、医師と連携しながら適切なケアを続けることが必要です。
3.3. いきみやアルコール
いきんだりアルコールを摂取したりすることも、治療後の出血リスクを高めます。いきみは、一時的に腹圧を高めるため、治療部位に負担をかけることになります。アルコールは、血管を拡張させる作用があり、これも出血を誘発する要因になります。このため、いきみを避けるよう心掛けたり、アルコールの摂取を控えたりすることが大切です。生活習慣の見直しが、リスク管理に有効です。

4. Cold snare polypectomy

Cold snare polypectomyは、ポリープ切除後の手法の一つです。これはポリープを安全に除去する技術であり、特に小さなポリープに対して有効です。

4.1. EMRと比較して後出血率が低い
Cold snare polypectomyは、従来のEndoscopic Mucosal Resection(EMR)と比較して、後出血率が低いことが報告されています。この手法では、熱を使用しないため血液が凝固しにくいです。その結果、出血が減少します。また、冷たいスネアを使用することで、組織の損傷が少なく、自然な出血止めの効果が期待できるのです。複数の研究によると、後出血率はEMRよりも著しく低いとされています。
4.2. 穿孔リスクなどの他の偶発症も少ない
Cold snare polypectomyは、穿孔リスクや他の偶発症の発生率も低いとされています。この手法は組織を切り取る際に熱を使用しないため、周囲の健康な組織に対するダメージが少ないのです。そのため、穿孔のリスクが大幅に減少します。また、手術後の痛みや炎症のリスクも最小限に抑えられます。これにより、患者様の回復期間が短くなり、術後の合併症の心配が少ないです。
4.3. 日帰り手術可能
Cold snare polypectomyは、日帰り手術が可能である点も大きな利点です。この手法は簡便で迅速に行えるため、患者様は術後すぐに通常の生活に戻ることができます。病院での滞在時間が短く、通院の回数も少なくて済むのです。術後の観察期間も短く、特に重篤な合併症のリスクが低い場合、当日中に退院が可能です。これにより、患者様の負担を軽減し、医療リソースの効率的な利用が期待されます。
4.4. 抗血栓薬内服中でも後出血率が低い
Cold snare polypectomy(CSP)は、抗血栓薬を内服中の患者様にも安全に実施できる手法です。この手法は、出血リスクを最小限に抑える方法として注目されています。抗血栓薬を服用している患者様は、手術中の出血が心配されることが多いですが、CSPにすることで、出血が抑えられるのです。複数の臨床研究によれば、CSPは抗血栓薬使用中の患者に対しても高い安全性を誇っています。



5. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでの大腸ポリープ切除

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、大腸ポリープの切除を行います。最新の内視鏡技術を用いて、安全かつ迅速に処置を行うことができます。

5.1. 10mm以下のポリープは日帰り切除可能
10mm以下の大腸ポリープは、日帰りでの切除が可能です。多くのポリープは早期に治療することができ、入院の必要がありません。鎮静剤を使用し、痛みや不安を軽減しながら切除手術を行います。この手術は通常、短時間で終了します。さらに、術後の回復も早く、翌日から普段の生活に戻ることができます。
切除後も、医師が詳細な説明を行うため安心です。また、必要に応じて、次回の検査やフォローアップのスケジュールを組むことができます。ポリープは大腸がんの初期段階とされているため、早期発見と処置が重要です。当院では、そのプロセスを円滑に進めるための体制が整っています。
5.2. 鎮静剤使用の大腸カメラ
当院では、鎮静剤を用いた大腸カメラ検査を行います。鎮静剤を使用することで、検査中の痛みや不快感を軽減し、安心して受けることができます。まず、患者様の状態や要望を確認し、最適な鎮静方法を選びます。そして、適切な投与量を決定して検査を行うので、安全です。検査中は、医師や看護師が常に状態をモニタリングし、異常があれば迅速に対応します。
検査後は、20分から30分程休息してから帰宅できます。鎮静剤の効果が完全に消えるまで時間がかかるため、当日は車の運転や複雑な作業を控えることが推奨されます。また、検査結果はすぐに説明を受けることができ、次のステップについても具体的に案内されます。鎮静剤を用いた大腸カメラは、安心して受けられる検査として、多くの患者様に選ばれています。
5.3. 治療後のアフターフォロー
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、治療後のアフターフォローにも力を入れています。まず、治療後の状態や症状について電話での対応を行います。患者様の不安や疑問にすぐに対応することができ、安心して治療を続けることができます。また、必要に応じて迅速な再検査を手配します。これにより、異常が見つかった場合でも早期に対応することができます。
さらに、専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関への紹介も行います。患者様の健康を第一に考え、最善の治療を受けられるようサポートしています。アフターフォローが充実しているため、患者様は安心して治療に専念することができます。

当院で内視鏡検査をご希望の方は以下のリンクからご予約ください。

6. 大腸癌予防の大腸ポリープ切除

大腸癌を予防するためには大腸ポリープを切除するのが効果的です。ポリープは前癌病変として知られ、早期に取り除くことで癌に進行するリスクを大幅に減少させます。

6.1. 大腸癌の多くが大腸ポリープより派生
大腸癌の多くは、大腸ポリープから派生します。ポリープが増殖し、悪性化すると大腸癌に進行することが知られています。特に腺腫性ポリープは、癌に進行しやすいです。ポリープは長期間放置されることで癌化のリスクが増します。そのため、早期発見と切除が大変重要です。大腸内視鏡検査でポリープを発見し、適切に対応することが大腸癌予防の基本です。
ポリープの早期除去により、癌の進行を防げる可能性が高まります。発見が遅れると、症状が進行し、治療が困難になることがあるのです。ポリープは症状がなくても、検査を定期的に受けることが大切です。これにより、大腸癌の発生リスクを大幅に低減することができます。
6.2. 大腸ポリープ切除により53%の大腸癌死亡を予防
大腸ポリープを切除することで、大腸癌による死亡率を53%も減少させることができます。ポリープの早期発見と除去が大腸癌の進行を抑えるからです。大腸内視鏡検査を受け、ポリープを発見し次第切除することが重要です。
これは特に、リスクが高い年齢層には有効です。40歳以上の方は、定期的に大腸内視鏡検査を受けるべきです。
6.3. 症状が起きないうちから大腸カメラを。
大腸ポリープは初期段階では症状を引き起こさないことが多いです。そのため、症状が現れる前に大腸カメラでの検査が重要です。大腸カメラを使用することで、ポリープを早期に発見し、切除することが可能です。これは、大腸癌のリスクを大幅に低減する手段です。
無症状の段階で検査を行うことで、治療がより簡単で効果的になります。症状が現れると、病変が進行している可能性が高く、治療が複雑になることがあります。定期的な検査を心がけ、ポリープを早期に見つけて対処することが大切です。



7. 早期発見のメリットと手術について

健康を維持するためには、病気の早期発見が非常に重要です。早期に病気を見つけることができれば、治療も簡単で、手術を避けることが可能になります。

7.1. 早期発見がなぜ重要か
早期発見が重要なのは、病気が進行する前に適切な治療ができるからです。初期段階での治療は、体への負担も少なく、手術を避けられる可能性が高くなります。また、病気が進行すると治療費も高額になりがちですので、経済的な負担も軽減できます。
7.2. 手術を避けるための検査の役割
手術を避けるためには、定期的な検査が欠かせません。特に、胃や大腸の内視鏡検査は非常に有効です。内視鏡検査は、早期段階で病変を見つけることができるため、手術を回避し、簡単な治療で済むことが多いです。さらに、検査により自己管理意識が高まり、予防も効果的に行えます。このようにして、病気を未然に防ぐことができます。
7.3. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでの検査
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、最新の内視鏡機器と熟練した専門医が在籍しています。また、クリニックでは、患者の負担を軽減するための工夫もされています。例えば、毎回検査結果レポートをお渡しして、疑問や不安を解消するサポートが行われます。



8. 血便がでたらすぐに医療機関に連絡を

血便が見られたら、すぐに病院やクリニックに連絡を取りましょう。血便はさまざまな内科的問題のサインであるため、早期の対応が重要です。

8.1. ポリープ切除後に限らず血便がでたら早めの病院受診を。
ポリープ切除後に血便が出た場合、早めに病院を受診しましょう。ポリープ切除後の血便は迅速な対処が必要です。また、切除後でなくても血便が続く場合は、その背後にさまざまな疾患が潜んでいるおそれがあります。
そのためポリープ切除に関係なく、血便が見られる場合は早期に医療機関を受診してください。放置すると、鑑別診断が遅れます。結果的に症状が悪化する可能性があります。専門医による診察と検査を受け、適切な治療を受けることが重要です。早期対応は健康維持につながります。
8.2. 血便により出血性ショックを来す可能性あり
血便が続くと、出血性ショックを引き起こす可能性があります。これは、大量の出血が原因で血圧が低下し、意識を失うなどの危険な状態です。出血が続く場合、迅速に医療機関を受診することが求められます。
出血性ショックは、命に関わる状態であり、早期の治療が不可欠です。血便が短時間に二度以上確認された場合、医師に相談することが強く推奨されます。治療が遅れると、治療が複雑になる可能性が高まるため、注意が必要です。緊急時には、迷わず救急車を呼びましょう。
8.3. ポリープ切除に伴う死亡例の報告あり
ポリープを切除した後、まれに死亡例の報告があります。特に、高齢者や基礎疾患を持っている人はリスクが高まります。そのため手術後の経過観察が重要になります。
手術後に体調が急変した場合、早急に医師に連絡しましょう。特に、持続する腹痛や急な体調の変化があれば、即座に対応が必要です。医療機関での適切な処置により、リスクを未然に防ぐことができます。医師の指示を守りましょう。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


