2025年8月21日

こんにちは!札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック事務長の高橋です!
年末年始や歓送迎会シーズン等々、ついつい飲みすぎたり食べすぎたりして、お腹の調子を崩してしまったという経験はありませんか?そんな時、ふと「大腸カメラ検査」が頭をよぎる方もいらっしゃるかもしれません。
「飲みすぎや食べすぎで大腸カメラって受けても大丈夫なの?」「検査前に何を気をつけたらいいの?」といった疑問や不安を抱えている方は少なくないでしょう。この記事では、そんな疑問に専門的な知識と具体的なアドバイスでお答えします。
この記事を最後まで読んでいただくことで、飲みすぎや食べすぎと大腸カメラ検査の関係、そして検査をスムーズに受けるための具体的な食事や生活のヒントがわかります。
「最近、飲み会続きで体重が増えてしまった…」「食生活が乱れて、便秘がちになってきた…」そんなお悩みを抱えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
目次
飲みすぎ・食べすぎは大腸カメラ検査にどう影響する?
大腸カメラ検査は、大腸の中を隅々まで観察し、ポリープやがんなどの病変を早期に発見するための重要な検査です。この検査を正確に行うためには、大腸の中を「からっぽ」にしておくことが何よりも大切になります。
しかし、飲みすぎや食べすぎが続くと、大腸内に消化されにくい食べ物のカスが残ってしまい、検査の妨げになることがあります。特に、脂肪分の多い食事や、食物繊維が豊富な食べ物を過剰に摂取すると、消化に時間がかかり、検査前日の食事制限だけでは便が残ってしまうリスクが高まります。
私自身も、過去に健康診断で「再検査」になった経験があり、その際に食生活がいかに大切かを痛感しました。あの時の反省を踏まえ、この記事では具体的な対策について詳しくお話しします。
飲みすぎや食べすぎを防ぐための大腸カメラ検査前の食事制限
大腸カメラ検査を成功させるためには、検査当日だけでなく、数日前からの食事管理が重要です。多くのクリニックでは、検査の3日前から「低残渣食」と呼ばれる消化の良い食事を推奨しています。
1. 飲みすぎ・食べすぎは3日前から控える
特に便秘がちの方は、検査の3~4日前から食事に注意を払いましょう。アルコールは血管を拡張させる作用があり、検査中に組織を採取した場合に出血しやすくなる可能性があります。また、脂質の多い揚げ物や肉類も消化が悪く、大腸に残ってしまいやすいです。
2. 検査前日に食べて良いもの・悪いもの
検査前日は、消化に良い「低残渣食」を意識します。
- 食べて良いもの: 白米、おかゆ、うどん、そうめん、食パン、豆腐、卵、白身魚、鶏ささみ、ちくわ、かまぼこなど。これらは消化が良く、大腸にカスが残りにくい食材です。
- 避けるべきもの: 野菜(きのこ、ごぼう、ネギ、もやしなど)、海藻類、こんにゃく、ナッツ、ゴマ、果物の皮や種、玄米、雑穀米、全粒粉のパン、中華麺、パスタ、ラーメンなど。これらは食物繊維が豊富で、大腸内に残りやすい代表的な食品です。
ある患者さんの話ですが、検査前日に「消化に良いと思って」とそばを食べてしまい、検査中に食物繊維が大量に残っていて再検査になったというケースがありました。このように、良かれと思って食べたものが検査に影響することもあるため、事前の確認が大切です。
3. 飲み物は何を飲んでも大丈夫?
基本的に水やお茶、透明なスポーツドリンクは飲んでも問題ありません。しかし、牛乳や果肉入りのジュース、アルコール、ミルクやレモンを入れたコーヒー・紅茶は避けるべきです。特にアルコールは、脱水症状や麻酔の効き目に影響を及ぼす可能性があるため、検査前日は必ず控えましょう。
飲みすぎ・食べすぎの後の大腸カメラ検査当日の過ごし方
検査当日は、基本的に絶食です。水やお茶は、クリニックの指示に従って検査の数時間前まで飲むことができます。朝食を抜くことはもちろん、前日の夕食後は何も食べないようにしてください。
もし、前日にうっかり食べすぎたり飲んだりしてしまった場合は、正直にクリニックの医師に相談することが重要です。無理に検査を進めると、腸内が不十分で正確な診断ができなかったり、最悪の場合、検査が中止になることもあります。
検査をスムーズにするためにできること
検査前日の下剤服用は、大腸カメラ検査の成功を左右する非常に重要なプロセスです。
1. 下剤の飲み方と注意点
下剤は指定された時間に、指定された量を飲むことが大切です。飲みすぎ・食べすぎた後だと、便が固くなっている場合があり、下剤を飲んでもスムーズな排便が難しいことがあります。
2. 運動で腸の動きを促す
下剤を飲んでいる最中に、軽い散歩やストレッチをすることで腸の動きが活発になり、スムーズな排便を促すことができます。激しい運動は避け、腹圧をかけすぎない程度に体を動かしましょう。
検査後の飲みすぎ・食べすぎに注意
大腸カメラ検査が終わると、解放感からついつい暴飲暴食したくなる気持ちは分かります。しかし、検査後も胃腸への負担を考えた食事が大切です。
- 検査当日の食事: まずは水分を少しずつ摂り、吐き気や腹痛がないか確認します。問題なければ、おかゆやうどん、豆腐など、消化の良いものから始めましょう。
- ポリープを切除した場合: ポリープを切除した場合は、出血を避けるために1週間ほどは刺激物(香辛料、アルコールなど)や脂質の多い食事を控える必要があります。この時期の食事は、クリニックの指示に必ず従ってください。
私の知人も、ポリープ切除後に「大丈夫だろう」とビールと焼き肉を食べてしまい、翌日出血して再受診したという苦い経験があります。検査後の注意点を守ることは、安全に回復するためにも非常に重要です。
まとめ
飲みすぎや食べすぎは、大腸カメラ検査の精度に影響を及ぼす可能性があります。
しかし、検査の数日前から食事に気をつけ、正しい準備をすることで、正確で安全な検査を受けることができます。
大腸カメラ検査は、早期発見・早期治療のために非常に大切な検査です。
特に、日頃から食生活が乱れがちな方にとっては、自分の腸の状態を知る良い機会にもなります。
本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックまでお気軽にご相談ください。