2025年11月21日

こんにちは!札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック栄養士の田中です!
突然ですが、特定の食品を食べた後にお腹がゴロゴロしたり、下痢やお腹の張りを感じたりしたことはありませんか?もしそのような不調が続いているなら、原因として「高FODMAP(フォドマップ)」食品が関係しているかもしれません。
FODMAPとは、小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質の総称を指し、特に腸内でガスを発生させやすいため、消化不良や腹部不快感を引き起こすことがあります。FODMAPを多く含む食品は、腸に敏感な方にとって、体調に悪影響を与えることが多いのです。
今回は大腸の不調に関係するFODMAP食品について前半後半に分けて詳しく解説していきます。どのような食品を避けるべきか、またどのように食事を改善することで症状を軽減できるかをご紹介します。日々の食生活を見直して、より快適な生活を送るためのヒントをお届けします。
ポイントも交えながら、無理なく続けられる食事法を一緒に見つけていきましょう。毎日の食卓に取り入れられる工夫を知ることで、腸の健康をより身近に感じられるはずです。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
FODMAP(フォドマップ)とは?
FODMAP(フォドマップ)とは、以下の頭文字を組み合わせた言葉になります。
Fermentable:発酵性の
Oligosaccharides:オリゴ糖(フルクタン、ガラクトオリゴ糖)
Disaccharides:二糖類(ラクトース)
Monosaccharides:単糖類(フルクトース)
And
Polyols:ポリオール(ソルビトール、マンニトール、イソマルト、キシリトール、グリセロール)

体に合わないFODMAP(フォドマップ)を摂取し続けると…
FODMAPには本来、野菜・果物・豆類・乳製品など、通常であれば腸内環境を整える食材も多く含まれます。
一見、健康的に見える食品でも、IBS(過敏性腸症候群)など、日頃からお腹の調子が不安定な方の中には、それが刺激となり逆効果になる可能性があります。
体に合わないFODMAPを摂取し続けると
1)消化管内に過剰に水分を滞留させる
小腸内に残存したFODMAPが、小腸の表面から水を吸い上げて、消化管内に過剰に水分を滞留させます。消化管内に水分が溜まることによって、腹部の膨満感や腹部の痛みや、下痢などの原因になると考えられています。
2)腸内細菌によって発酵され、ガスを発生させる
吸収されなかったFODMAPは、大腸まで移動し、腸内細菌により発酵されます。その結果、ガスが消化管内に滞留し、腹部の膨満感や痛みにつながると考えられています。
よって、腹痛やおならなどの腹部症状や、下痢・便秘などの便通異常が起こると考えられています。
どれくらいのFODMAP(フォドマップ)を食べたら症状が出るの?
では、実際にどの程度のFODMAPを摂取したら消化器症状に繋がるのでしょうか?
これは非常に個人差が大きく、一人一人で処理することのできるFODMAPの上限量が異なっています。
この上限量の概念を説明するのに、バケツをご想像していただけるとわかりやすいと思います。

FODMAPを含む食品を摂取するにつれ、バケツの中にFODMAPが少しずつ溜まっていきます。
バケツに余裕がある間は症状は出ませんが、FODMAPが溜まり満杯になって溢れた瞬間に、消化器症状が現れるというイメージです。
ここでのポイントは、FODMAPは累積するということです。
一つ一つのFODMAPを摂取して症状がでない場合でも、それが徐々に蓄積していくと、消化器症状が現れる可能性があります。さらに累積するということは、食べ物に含まれるFODMAPの量も重要となってきます。
また、単品では問題なくとも、食事の中で複数のFODMAPが積み重なることで上限を超え、消化器症状が現れる可能性もあります。
摂取量・組み合わせ・食べるタイミング など全てが影響することもあります。
FODMAP(フォドマップ)とどう付き合っていけばいいのか?
消化器症状を引き起こす原因となる食品を特定した上で、原因となる食品の摂取量を調整しながらバランスの良い食事を摂取することがFODMAP食のゴールとなります
低FODMAP食の摂取によりIBS(過敏性腸症候群)症状等を軽減することが欧米を中心に報告されていますが、極端にFODMAPの食品を避けてしまうと食事のバランスが偏り、IBS(過敏性腸症候群)とは異なる不調が生じる可能性があります。
低FODMAP(フォドマップ)食で食事コントロールをしましょう
FODMAPのにはFODMAP含有量が少ないもの(=低FODMAP)があります。
FODMAPが含まれる食品を制限する(=食べない・食べてはいけない)という食事療法ではありません。これは消化器症状をコントロールするための食事療法と言われています。
低FODMAP食を通して、自分の消化器症状の原因となるFODMAPの種類を特定します。あくまでも、お腹との相性の悪い食品を探るための方法の一つだということです。
FODMAPへの正しい理解を深めることが重要となってきます。
自身の消化器症状を引き起こす高FODMAP食品を避けつつ、徐々に栄養バランスが良い食事を摂ることによって、生活の質を上げていくことがゴールになります。
次回以降のブログでは、低FODMAP食の進め方やm含有される食品の種類について詳しくご紹介します。また、低FODMAP食品を使った栄養バランスの良い参考レシピも随時公開していきますので、ぜひお楽しみにしてください!
低FODMAP食は、腸の不調を抱える方にとって一つの選択肢となり得ますが、やみくもに食品を制限してしまうと、かえって栄養バランスを崩してしまうこともあります。正しい知識を取り入れて実践することで症状緩和が期待できる一方、個々の体質や病状によって合う・合わないが大きく異なるため、専門家のサポートを受けながら進めることが大切です。低FODMAP食を自己判断で進めるのはおすすめしません。必ず医師や管理栄養士に相談してからはじめてください。
医療機関への受診と定期的な大腸カメラ検査を!
また、お腹の不調は生活習慣やストレス、他の病気が背景にあることも少なくありません。原因を明確にするためにも、まずは医療機関への受診や、定期的な大腸カメラ検査を通じて現状を知ることが安心への第一歩となります。当院では、リラックスして検査を受けていただけるよう配慮し、丁寧な説明を心がけています。皆さまの不安に寄り添いながら、日々の生活をより快適に過ごせるようサポートいたしますので、気になる症状があればどうぞ一度ご相談ください。
札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、札幌市大通駅徒歩30秒の好立地で、鎮静剤を使用した苦痛の少ない精度の高い大腸カメラ検査を土日も提供しております。
最新の設備と熟練した専門医の技術、鎮静剤の使用、院内での下剤準備の選択肢など、患者様の不安と苦痛を最大限に取り除くための体制を万全に整えています。 皆様の健康な毎日をサポートできるよう、スタッフ一同、心よりお待ちしております
本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックまでお気軽にご相談ください。


