2025年3月04日

毎日下剤を飲むことによるリスクをご存知ですか?

下剤の長期服用は、体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
また下剤の種類によってもリスクは変わります。

札幌市中央区にある札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、内視鏡検査だけでなく、便秘に関する専門的な知識を持った医師が、患者様一人ひとりの状態に合わせた適切な治療法を提案しています。

目次
1. 下剤の長期服用が招くリスク

下剤の長期服用は、さまざまな健康リスクを招くことがあるため注意が必要です。

1.1. 下剤長期服用による副作用とは
下剤の長期間の服用は、さまざまな副作用を引き起こす可能性があります。最もよく見られるのは腹痛や便秘の悪化です。また、電解質バランスの崩れにより、不整脈や脱力感が生じることもあります。腸が下剤に慣れてしまうと、効果が薄れるだけでなく、さらなる服用が必要になるため、リスクが増大します。
1.2. 大腸癌リスクと下剤の関係
下剤の長期服用と大腸癌のリスク増加の関係は、科学的には解明されていません。しかし、週に2回以上便秘薬を常習的に飲む方が大腸癌になりやすいという報告があります(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15341986/)。腸内環境を整えることが、健康維持において重要です。そのため、早期に医師の指導を受け、適切な治療を行うことが肝要です。
1.3. 大腸の機能低下
刺激性下剤を常用すると、大腸の粘膜が刺激され続け、大腸の機能が低下する恐れがあります。この結果、便秘がさらに悪化し、下剤なしでは排便が難しくなるという悪循環に陥ることがあります。大腸が正常に機能しなくなると、下剤の使用を増やさざるを得なくなります。そのため、早期に対策が必要です。


2. 下剤毎日服用の代替方法

下剤を毎日服用することは、長期的には体に悪影響を与えるおそれがあります。そのため生活習慣の改善で下剤に頼らない身体を目指しましょう。

2.1. 食物繊維の重要性
食物繊維は、健康な消化器官の機能をサポートするために非常に重要です。特に、腸内のバクテリアを活性化し、便の通過をスムーズにする役割があります。例えば、野菜、果物、全粒穀物などの食品に多く含まれているからです。食物繊維を摂取することで、便秘を予防し、腸内環境を整えることができます。
さらに、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になり、便の量を増やすことで腸の動きをサポートします。不溶性食物繊維は、吸収されずにそのまま残り、腸を刺激して便通を促進します。
また、食物繊維の不足は腸の働きを鈍らせ、便秘やその他の消化器系の問題を引き起こすことがあるため、意識して摂取することが大切です。日常の食事に取り入れることで、自然な形で便秘を解消する手助けとなるでしょう。
2.2. 水分摂取の役割
水分摂取は、健康な消化機能を維持するために欠かせない要素です。特に、便の柔らかさを保つためには十分な水分が必要です。水分を適切に摂取することで、腸内の便が硬くなるのを防ぎます。その結果、便秘の予防につながります。
また、水分は新陳代謝を促進し、体内の老廃物を効率よく排出する助けになります。毎日2リットル程度の水を飲むことが推奨されますが、これは個々の体重や活動量によって異なります。特に運動後や暑い日には、意識して水分補給を心がけましょう。
さらに、水だけでなく、ハーブティーやスープ、果物などからも水分を摂取することができます。特定の飲料はカフェインの摂りすぎに注意する必要がありますが、水分摂取のバリエーションを増やすことで、無理なく続けられるでしょう。毎日の習慣にすることが、効果的な便秘解消法になります。
2.3. 食事療法での便秘解消
食事療法は、便秘解消に非常に効果的なアプローチです。食物繊維や水分の摂取だけでなく、バランスの取れた食事も重要です。毎日の食事に注意を払うことで、便秘を自然に解消することができます。特に、朝食には全粒穀物やフルーツを取り入れると良いでしょう。
また、乳酸菌を含むヨーグルトや発酵食品も、腸内環境を整える助けになります。これにより、腸の働きが活発になります。プロバイオティクスが含まれる食品も、消化を助ける有益なバクテリアを増やし、便通を促進します。
さらに、食事の時間を同じにすることや、一口ずつゆっくりとよく噛んで食べることも、消化をスムーズにするために効果的です。ストレスを軽減するために、リラックスした状態で食事を取ることも心がけましょう。これらの方法を積極的に取り入れることで、自然な形で便秘を解消し、健康な生活を送ることができるでしょう。



3. 下剤の種類と作用(市販薬)

下剤は便通を促すために使用される薬です。大きく分けて、以下の3つの種類があります。

3.1. 刺激性下剤
刺激性下剤は、大腸を直接刺激することで腸のぜん動運動を促進します。これにより、比較的短時間で排便効果を得ることができます。便秘解消の速効性が求められる場合に有効です。
しかし、頻繁に使用すると腸が依存してしまい、下剤なしでは排便が困難になるリスクがあります。また、腸の敏感な部分に負担をかけることもあるため、長期使用は控えるべきでしょう。医師の指導のもと、適切に使用することが重要です。(例:センノシド、ピコスルファート、大黄)
3.2. 浸透圧性下剤(塩類下剤)
浸透圧性下剤は、腸内に水分を取り込み、便を柔らかくすることで排便を促します。これにより、自然な排便を支えることができます。便秘解消が緩やかに進むため、身体に負担が少ないです。
しかし、腎機能が低下している人が使用すると、体内の水分バランスに影響を与える可能性があります。したがって、腎臓に問題を抱える方は医師に相談してから使用する必要があります。安全性を確保するため、適切な使用が求められます。(例:酸化マグネシウム)
3.3. 膨潤性下剤
膨潤性下剤は、水分を吸収して便の体積を増やします。これにより、腸が刺激されて排便が促されます。自然な排便に近い形で便秘を解消するため、安全性が高いと言われます。
効果が現れるまでに時間がかかることが多いですが、継続して使用することで自然な腸の動きを取り戻すことが期待できます。ただし、十分な水分補給が必要です。過剰に摂取すると腸閉塞のリスクもありますので、適量を守ることが大切です。

塩類下剤 | 酸化マグネシウムE |
コーラックMg など | |
膨潤性下剤 | ウィズワン |
コーラックファイバー など | |
浸潤性下剤(刺激性下剤) | コーラックII |
新ビオメットS など | |
ピコスルファート(刺激性下剤) | スルーラックS |
ビオフェルミン便秘薬 | |
コーラック など | |
センナ(刺激性下剤) | 漢方センナ錠 |
サイラックス など | |
大黄(刺激性下剤) | タケダ漢方便秘薬 |
皇漢堂 漢方便秘薬 など |

4. 排便習慣の見直しと整腸剤の活用

排便習慣は、健康維持にとって非常に重要です。便秘や不規則な排便は体に負担をかけ、生活の質を低下させます。

4.1. 定期的な排便習慣の作り方
定期的な排便習慣を作るためには、まず規則正しい生活が重要です。毎日同じ時間にトイレに行くことを心掛けるとよいです。特に朝食後に行くのが一番効率的です。次に、水分をしっかり摂ることが大切です。水分不足は便を硬くしてしまい、排便がしにくくなります。食事においては、食物繊維を多く含む食品を取り入れることが重要です。
4.2. 整腸剤の効果と選び方
整腸剤は、腸内環境を整えるための重要なサポートです。整腸剤には、乳酸菌やビフィズス菌などの有益な菌を含むものがあり、これらは腸内の悪玉菌を抑え、善玉菌を増やす効果があります。また、整腸剤の選び方も大切です。自分の体質や生活習慣に合った整腸剤を選ぶことが重要です。まず、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。その上で、自分に合った整腸剤を継続的に使用することが、効果を最大限に引き出すポイントです。
4.3. 運動不足が便秘に与える影響
運動不足は、便秘の原因の一つとされています。運動によって腸が刺激され、腸の蠕動運動が活発になります。この動きが便を移動させ、排便を促すのです。逆に運動不足になると、腸の動きが鈍くなり、便秘がちになります。また、運動はストレスを軽減する効果もあります。ストレスは腸の働きを阻害するため、運動不足は便秘だけでなく、全体的な腸の健康にも影響を与えるのです。定期的な運動を取り入れることが、便秘解消に役立ちます。



5. 便秘の原因を特定することの重要性

便秘は、生活習慣の乱れだけが原因ではなく、多くの病気が隠れている可能性もあります。

5.1. 大腸がん
大腸がんは、特に進行すると腸管が狭窄し、便秘を引き起こす可能性があります。初期段階では症状が出にくいこともあり、知らず知らずのうちに進行することがあるため、注意が必要です。定期的な検診を受けることが予防に役立ちます。もしも血便や腹痛などの症状が現れた場合、速やかに医師に相談することが重要です。早期発見によって、治療の選択肢も広がり、改善の見込みが高まります。
5.2. 大腸ポリープ
大腸ポリープは、腸管内にできる良性の隆起で、多くの場合症状はありません。しかし、ポリープが大きくなったり、数が多くなったりすると、便の通過を妨げて便秘を引き起こすことがあります。定期的な健康診断や内視鏡検査を受けることで、早期に発見し、適切な処置を行うことが可能です。ポリープが発見された場合には、医師と相談の上、取るべき対策を決定しましょう。早めの処置が、大きな問題を未然に防ぐ鍵となります。
5.3. 過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群は、ストレスや生活習慣の変化が引き金となり、腸の正常な働きに異常をきたす症状です。この結果、便秘や下痢を繰り返すことがあります。症状が続くことで生活の質が大きく低下するため、早期に対応することが大切です。食事のバランスやストレス管理を心がけることが、症状の緩和につながります。また、医師の指導を受けることで、効果的な対策を見つけることができるでしょう。適切なアプローチを取ることが、症状の改善に役立ちます。
5.4. 甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が不足することで引き起こされます。このホルモンは体内でのエネルギー代謝を調節する重要な役割を持っているため、その分泌が低下すると腸の動きも鈍くなります。この結果、便秘が引き起こされることがあります。甲状腺機能低下症は、血液検査により診断され、ホルモン補充療法によって症状が改善されます。便秘が長引く場合には、医師による適切な検査と治療が必要です。早期に診断し、適切な対応をすることで、症状の管理が可能となります。
5.5. 薬剤の副作用
薬剤の副作用として便秘が発生することがあります。特に高血圧の薬や抗うつ薬などがその例です。薬剤が体内の水分バランスや腸の動きに影響を与えることで、便秘が引き起こされることもあります。もしも服用中の薬で便秘が続く場合には、医師や薬剤師に相談し、代替の薬や便秘対策の方法を見つけることが重要です。自己判断で薬を中断することは避け、専門の指導のもとで対応します。適切なサポートを受けることで、健康を保ちつつ問題を解決することが可能です。



6. 便秘を改善するための生活習慣

便秘を改善するためには、まず生活習慣を見直すことが重要です。

6.1. 毎日の運動の効果
毎日の運動が便秘改善に効果的です。まず、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、腸の蠕動運動を促進します。これにより、便の移動がスムーズになり、排便がしやすくなります。また、ヨガやストレッチも効果的です。これらは、腸周りの筋肉をほぐし、腸の働きを助けます。一日の中で少しでも時間を作り、体を動かすことを心掛けてみてください。さらに、運動はストレス軽減にも効果的です。
6.2. ストレス管理の方法
ストレスが便秘の原因であることは少なくありません。そこで、ストレス管理の方法を見つけることが大切です。まず、自分に合ったリラクゼーション法を見つけることです。例えば、深呼吸や瞑想は効果的です。また、好きな音楽を聴いたり、趣味に没頭することも良い方法です。次に、日常生活の中でストレスを感じたときに、すぐ対処できる方法をいくつか用意しておくことです。こうした方法でストレスを管理し、便秘を防ぎましょう。
6.3. 睡眠習慣の見直し
睡眠不足は便秘の原因になることがあります。腸の働きが正常であるためには、十分な睡眠が不可欠です。まず、毎晩同じ時間に寝る習慣をつけることです。これにより、体内リズムが整い、腸の働きも規則正しくなります。また、寝る前の電子機器の使用を控えることも重要です。これにより、より深い睡眠を得ることができます。適切な睡眠習慣を見直すことで、便秘改善につなげましょう。



7. 大腸内視鏡検査のすすめ

大腸内視鏡検査は、早期発見と予防に優れた方法です。

7.1. 40歳を過ぎたら
40歳を過ぎると、大腸がんのリスクが高まります。そのため、定期的な大腸がん検診を受けることが重要です。検診を受けることで、早期に異常を発見し、適切な治療を開始することができます。早期発見が治療の成功率を高めるため、大腸がん検診を怠らないようにしましょう。同時に、生活習慣の見直しも大切です。バランスの良い食事や適度な運動を心がけることで、リスクを減らすことができるからです。
7.2. 便潜血検査で陽性
便潜血検査で陽性反応が出た場合、大腸内視鏡検査を受けることが推奨されます。これは、潜血が見つかった場合には、大腸内に何らかの異常が存在する可能性が高いためです。内視鏡検査では、より詳細な検査が可能であり、ポリープや早期のがんなどを発見することができます。特に不安を感じる人でも、内視鏡検査は非常に有効な手段であることを覚えておきましょう。正確な診断を受け、必要な治療を早期に開始することが、健康を守る鍵となります。
7.3. 「札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック」の紹介
「札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック」では、内視鏡専門医が最新の内視鏡システムを用いて検査を行います。最新技術を駆使し、正確かつ迅速な診断が可能です。さらに、鎮静剤を使用することで、検査中の苦痛を最小限に抑えることができるため、安心して受診をご検討ください。



8. 大腸癌の予防と早期発見

大腸癌の予防と早期発見は、あなたの健康を守るために非常に重要です。

8.1. 大腸癌の初期症状とその見分け方
大腸癌の初期症状を知ることは非常に重要です。初期症状として、便秘や下痢、血便があります。便に粘液が混ざる場合も注意が必要です。また、お腹の痛みや不調を感じることもあります。しかし、これらの症状は他の病気でも見られるため、注意が必要です。定期的な内視鏡検査を受けることが最も確実な方法です。内視鏡検査は、内部の状態を直接観察できるため、病気の早期発見に非常に有効です。予防と早期発見のために、症状があればすぐに医師の診察を受けることが大切です。
8.2. 大腸癌予防の生活習慣
大腸癌を予防するには、健康的な生活習慣が重要です。まず、バランスの取れた食事を心がけましょう。特に食物繊維が豊富な野菜や果物を積極的に摂ることが効果的です。次に、適度な運動を日常に取り入れることも大切です。運動は腸の働きを活発にし、大腸癌のリスクを低減します。また、禁煙や節酒も重要です。タバコや過度のアルコールは大腸癌のリスクを高めます。これらの生活習慣を見直すことで、大腸癌の予防に繋がります。
8.3. 内視鏡検査による早期発見の重要性
内視鏡検査は、大腸癌を早期に発見するための非常に重要な手段です。この検査は、内視鏡を用いて腸内を直接観察し、異常を見つけることができます。特に40歳以上の方は、定期的な内視鏡検査を受けることが推奨されます。早期に発見すれば、治療が比較的簡単で効果的に行えます。また、ポリープの段階で発見できれば、癌に進行する前に切除することが可能です。早期発見のために、内視鏡検査を積極的に受けることが健康を守るカギとなります。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


