孤独のカメラ 第2話──腹は減らない、だが胃が語りかけてくる|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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孤独のカメラ 第2話──腹は減らない、だが胃が語りかけてくる

孤独のカメラ 第2話──腹は減らない、だが胃が語りかけてくる|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2026年2月07日

──深夜、ふと手が止まる。 仕事のキリはついたはずなのに、どうにも収まりが悪い。

原因は、喉の奥からみぞおちにかけて居座っている「名もなき違和感」だ。
最近、どうも胃の調子がよくない。 食後に、妙な重みがある。 激痛が走るわけじゃない。 だが、羽毛のように軽いわけでもない。 食事を終えたあと、胃のあたりに、見知らぬ客が勝手に上がり込んで“居座っている”感じ。


(心の声)

「暴飲暴食をした覚えはない……。 昨夜だって、ごく普通の定食を、ごく普通に平らげたはずだ。 だが、どうもスッキリしない」


以前なら、 「年のせいだ」 「最近の油が合わなかっただけだ」 そう自分に言い聞かせ、市販の胃薬で適当に誤魔化していただろう。

だが── あの時の「孤独のカメラ(検査食編)」が、脳裏をよぎる。


(心の声)

「知らない不安は、放っておくほど大きくなる……。 そう教えてくれたのは、あの時の自分だったな」

胃の不調は、案外「ごまかし上手」だ。
胃の不調というのは、実に厄介で、かつ「世渡り上手」な症状だ。


食欲は普通にある


のたうち回るような痛みはない


仕事だって普通にこなせる


だからこそ、つい「後回し」という名のゴミ箱に放り込まれやすい。 だが、外来の待合室では、こんな言葉が吐息のように漏れるのをよく耳にする。


「ずっと胃もたれはあったんですけど、いつものことだと思って……」


その“ずっと”という言葉の裏には、数か月、時には数年という長い時間が隠されている。

胃は、沈黙を貫きながらも、確実に悲鳴を上げていることがあるのだ。

胃カメラという、高すぎる「心理的ハードル」

「胃カメラ」という響きだけで、人は反射的に顔をしかめる。


あの、のたうち回るような苦しさ


「オエッ」という、生理的な拒絶反応


未知の管を飲み込むという根源的な恐怖


(心の声)

「確かに、昔のイメージはそうだった。 だが今は、令和だ。技術は進歩し、選択肢は増えている」
鼻からスッと通す経鼻内視鏡。 あるいは、眠っている間にすべてが終わる鎮静剤の使用。 もはや、気合と根性で耐える時代ではない。


(心の声)

「大腸カメラがあれほど楽だったんだ。 ならば胃だって、同じ舞台の上だろう」

検査前日 ── 胃を休ませるという「贅沢」

検査前日は、刺激物を避け、胃に優しい食事で整える。 アルコールも抜き、夜21時以降は水かお茶のみ。


(心の声)

「……こういう夜も、悪くない。 いつも何かを詰め込んでいる胃を、空っぽにしてやる。 いわば、胃のメンテナンス休暇だ」


空腹とともに、不思議と気持ちまで凪いでいく。 自分を労わるという行為は、それだけで少し誇らしい。

検査当日 ── 孤独の胃カメラ

検査室。 消毒薬の独特の匂い。 静かに流れる空気。 ベッドに横になり、喉にシュッと麻酔を受ける。


(心の声)

「……さて、どう来る?」
腕に針が通り、鎮静剤が静かに血管を流れていく。 まぶたが重くなる。視界がゆっくりと溶けていく……。

……。

…………。


「胃之頭さん、終わりましたよ」


(心の声)

「……あれ? 今、始まったところじゃ……」


まさに、拍子抜け。 ドラマの1シーンを丸ごとカットされたような感覚だ。 あの恐怖心は、いったいどこへ消えたのか。

胃の中を「直接見る」という、究極の安心

診察室で、先ほど撮ったばかりの自分の「内側」と対面する。


胃炎の広がりはあるか
潰瘍の影はないか
ピロリ菌という「招かれざる客」は潜んでいないか


そして、がんの兆候は……
モニターに映し出される、自分の胃壁。 ピンク色の、滑らかな迷宮。


(心の声)

「なるほど……。 この赤みか。だから、あの違和感があったのか。 言葉で聞くより、この一枚の画像が何よりも雄弁だ」
正体が分かれば、不安という霧は一気に晴れる。 「分からない」という恐怖が、「分かっている」という対策に変わる瞬間だ。

胃カメラは、怖がるための検査ではない

胃カメラは、「何か悪いものを見つけるための儀式」ではない。 むしろ、「何もないことを確認し、明日を美味しく迎えるための切符」なのだ。
そして、もし何かあっても。 「早ければ、なんとかなる」。 この事実は、何物にも代えがたい。


(心の声)

「大腸を見て、次に胃。 体の中を順番に点検していく……。 忙しい日常で、自分の声を後回しにしがちな大人にとって、 これは最も贅沢で、必要な句読点かもしれない」

胃は、あなたに「サイン」を送っていないか?

もし、あなたが以下のような「ノイズ」を感じているなら、それは胃からのメッセージだ。

チェック項目胃からのサイン


◻︎胃もたれ



◻︎胸やけ



◻︎黒い便



◻︎40歳以上



◻︎ピロリ未検査



「そのうち治る」という呪文は、たいてい効かない。 不調に慣れてしまう前に、確認する。 それが、自分という資産を守る「大人の選択」だ。

最後に ── 孤独のカメラは続いていく

一話ごとに完結しながら、静かに積み重ねられていく物語がある。
『孤独のカメラ』もまた、一度きりで終わるものではない。

腸を整え、胃を清める。
そうしてまた、何の変哲もない――だが、かけがえのない
日常の食事へと戻っていく。


(心の声)

「さて……明日は何を食べようか。 万全の胃袋で迎える明日のメシは、きっと今日より美味いはずだ」

──今日は、孤独のカメラ(胃カメラ編)。

最高の、自分孝行だった。


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