2025年5月30日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

健康診断の便潜血検査で「陽性」という結果が出ても、大腸カメラなどの精密検査を躊躇してしまう方は多いです。

また、都合がつかなくて中々検査が受ける暇がないという方もいらっしゃると思います。

そんな方が気になる事として、「いつまでに検査を受けたらいいのか」といったことがあるでしょう。

今回は、この便潜血検査で陽性となった場合、いつまで放置しても良いのか、そしてその結果が示す意味について、詳しく解説したいと思います。

当院で内視鏡検査をご希望の方は以下のリンクからご予約ください。

目次
便潜血陽性、いつまで放置しても大丈夫?

結論から申し上げますと、便潜血検査陽性の場合はなるべく早い専門医受診をお勧めします。

便潜血陽性の場合は大腸癌がある可能性があるからです。

ただし、といっても実際はすぐには検査できない事が多いと思います。

そこで、最低いつまでは検査した方が良いといった指標を提示したいと思います。

大腸癌は、4週間以上放置することで予後が悪化する事が報告されております。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33148535/)

そのため、大腸癌だったとしても4週間以内に検査・治療ができれば放置による予後悪化の可能性は低そうです。

また大腸がんの場合は、自覚症状がない状態から進行がんになるまで約7年続くと言われており、この期間に発見できれば早期に治療可能で、大腸がんによる死亡を防げる可能性が高まります。

そのため、数年おきに定期的な内視鏡をおこなっていれば大腸癌の早期発見は十分可能とご理解下さい。



便潜血検査とは?その意義と限界

まず、便潜血検査とはどのような検査なのでしょうか。

便潜血検査は、肉眼では確認できないほどの微量の血液が便に混じっていないかを調べる検査です。これは、食道や胃、腸といった消化管で炎症や潰瘍、ポリープやがんなどの腫瘍が生じた場合に、便に血が混じることがあるため、消化管の病気の有無を推し量るのに有用です。

この便潜血検査は、大腸がんによる死亡率を減らす効果があるという十分な証拠があり、強く推奨されている検査方法です。

しかし、便潜血検査はあくまで「スクリーニング検査」であり、その精度には限界もあります。陽性(+)または陰性(-)で結果が示され、陽性であれば「要精密検査」となります。自治体が行った大腸がん検診の報告では、陽性となった人のうち、精密検査で大腸がんが診断された人の割合は2.79%でした(2019年度)。

「たった数%か」と思われるかもしれませんが、これは見方を変えれば、この数パーセントの中に早期発見によって救える命があるということです。



なぜ精密検査、特に大腸カメラが必要なのか?

便潜血検査で陽性となった場合に最も重要なのは、精密検査を受けることです。

その中でも、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸の粘膜を直接観察できる最も有効な検査です。

大腸カメラ検査では、以下のようなことが可能です:
粘膜の状態を直接観察し、炎症、がんなどの病変の有無を確認できます。
小さな病変も見つけやすく、早期のがんを発見する上で非常に優れています。
疑わしい部分があれば、組織を採取(生検)し、確定診断をつけることができます。
ポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。

便潜血検査が陽性となり、痔だと自己診断する場合でも、大腸カメラを受けることを強く推奨します。痔は便潜血検査が陽性になる一因ですが、他の異常を見逃す可能性もあるからです。

便潜血検査以外にも大腸の検査方法はありますが、精度の点で大腸カメラに軍配があがります。特に5mm以下の大腸がん/ポリープを見つけることにおいては大腸カメラより優れた検査はありません。



大腸がんのリスク要因について

便潜血陽性以外にも、大腸がんのリスクを高める要因はいくつかあります。

これらの要因に該当する方は、便潜血検査が陰性であっても、定期的な大腸カメラ検査を検討することが重要です。
主なリスク要因としては、以下が挙げられます:
加齢(50歳以上):
40歳頃から大腸がんの死亡率及び罹患率が増加し、特に50歳以上で急増します。

大腸がんやポリープの家族歴:
家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方は、リスクが高まります。

食生活:
赤身肉や加工肉の過剰摂取、食物繊維不足がリスクを高めます。バランスの取れた食生活(野菜、果物、全粒穀物など食物繊維を豊富に含む食品の摂取)が重要です。

喫煙:
喫煙は大腸がんのリスクを高めます。禁煙に取り組みましょう。

飲酒:
アルコールの過剰摂取や常習的な飲酒は腸内環境を悪化させ、大腸ポリープや大腸がんのリスク因子になると言われています。飲酒はほどほどにしましょう。

肥満:
肥満も大腸がんのリスク要因の一つです。適切な体重維持が重要です。

運動不足:
定期的な運動は、腸の働きを活発にし、肥満の予防にも繋がります。

これらのリスク要因に心当たりがある方は、便潜血検査で陰性であっても、特に40歳を過ぎたら症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。



札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでの大腸カメラ検査

当院では大腸の不調でお悩みの方に対して、安心で質の高い大腸カメラ検査を提供しています。

精密検査への迅速な対応:
当院では、便潜血検査陽性の場合の精密検査を強く推奨しており、直近の1~2週間後には予約が取れることがほとんどです。

鎮静剤の使用:
鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しています。鎮静剤を使用することで、検査中はほとんど眠ったような、うとうとした状態で受けることができ、検査による苦痛や不快感を大幅に軽減することが可能です。

便利なアクセス:
当院は札幌市営地下鉄大通駅から徒歩30秒(14B出口、15番出口からすぐ)という非常に便利な場所に位置しています。

土日診療:
平日がお忙しい方のために、土曜日・日曜日も午後5時まで診療を行っており、大腸カメラ検査が可能です。

当日検査:
検査枠が空いていれば、当日でも胃カメラ・大腸カメラの検査が可能です

胃カメラとの同日検査:
胃カメラと大腸カメラの検査前準備(食事制限など)や流れは共通する部分が多いため、ご希望に応じて同日に両方の検査を受けることも可能です。



まとめ:あなたの健康を守るために

便潜血検査で陽性となった場合、それはあなたの体が発している大切なメッセージです。

「いつまで放置しても大丈夫か」ではなく、「早く精密検査を受けて原因を確かめよう」と前向きに捉えていただくことが、ご自身の健康を守る上で最も重要なことです。

当院では、便潜血陽性となった皆様の不安を解消し、質の高い大腸カメラ検査を提供するために、様々な準備と配慮をしています。

苦痛を最小限に抑える無痛検査、便利な駅直結のアクセス、土日も可能な柔軟な予約体制、女性へのきめ細やかな配慮、そして発見時の即日ポリープ切除など、安心して検査を受けていただける環境を整えております。

あなたの健康と安心のために、一歩踏み出す勇気を持っていただければ幸いです。ご心配なことやご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。スタッフ一同、皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


