2026年2月02日

こんにちは!札幌駅大腸カメラ便潜血クリニック栄養士の田中です!
今や全国的にすっかり定着した「恵方巻き」。 その年の恵方を向き、願い事を胸に秘め、無言で一本の太巻きを丸かぶりする――。この独特な、どこかストイックで、それでいてお祭りのような高揚感のある風習は、もともと関西地方の花街や商人の間で「商売繁盛」や「無病息災」を願って広まったものとされています。
現在では、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、デパートの食品催事場、果ては高級寿司店まで、あらゆる場所で趣向を凝らした恵方巻きが並びます。海鮮が溢れんばかりに詰まった豪華なものから、黒毛和牛のローストビーフを巻いた変わり種、お子様でも食べやすいハーフサイズや、最近ではスイーツで作られた「ロールケーキ恵方巻き」まで登場しています。
選ぶ楽しさ、家族で囲む食卓の賑やかさ。「節分=一年の健康を願う食イベント」として、楽しみにされている方も多いはずです。しかし、医療の現場に身を置く人間として、この賑わう季節にふと思うことがあります。
「皆さんは、願いを込めて恵方巻きを頬張るその瞬間、ご自身の『腸』の状態にまで思いを馳せているでしょうか?」
恵方巻きという、一見すると栄養満点の伝統食。しかしその陰には、私たちの消化管、特に「大腸」にとっての大きなドラマが隠されているのです。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
恵方巻きの栄養学:それは「腸」にとって味方か、それとも?
まず、恵方巻きの中身を分解して、その栄養バランスを「腸内環境」という視点から分析してみましょう。
・酢飯(白米): エネルギー源となる炭水化物です。酢に含まれるクエン酸は疲労回復に役立ちますが、酢飯には意外と多くの砂糖が含まれています。糖質の過剰摂取は、腸内の悪玉菌の餌になる側面も持ち合わせています。
・海苔: 「海の野菜」とも呼ばれるほど食物繊維が豊富です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含み、便通を整える助けになります。
・生魚(マグロ・サーモンなど): 良質なタンパク質に加え、オメガ3系脂肪酸(DHAやEPA)が含まれており、これらは血管の健康だけでなく、腸の炎症を抑える働きも期待できます。
・卵焼き・かんぴょう・しいたけ・きゅうり: これらもタンパク質やビタミン、食物繊維の供給源となります。
こうして見ると、恵方巻きは非常に優れた健康食に見えます。適量であれば、間違いなく私たちの体に活力をもたらしてくれるでしょう。しかし、ここで問題となるのが、節分特有の作法である「丸かぶり」という食べ方です。
「丸かぶり」が腸に強いるハードワーク
「縁を切らないように」と包丁を入れず、一気に食べる。この作法は、消化器系にとっては実はかなりの「試練」となります。
・咀嚼(そしゃく)の不足 「無言で一気に食べる」というルールに集中するあまり、普段よりも噛む回数が圧倒的に減ります。食べ物は口の中で唾液(消化酵素アミラーゼ)としっかり混ざり合うことで、胃腸での消化の準備が整います。しかし、大きな塊のまま胃に送り込まれると、胃は過剰に胃酸を出し、腸は未消化の塊を処理するために激しく運動しなければなりません。
・空気の嚥下(えんげ) 太い巻き寿司を頬張る際、私たちは無意識のうちに大量の空気も一緒に飲み込んでいます。これが「呑気症(どんきしょう)」のような状態を引き起こし、食後の異常なお腹の張り、ゲップ、ガスの増加を招きます。
・内臓の冷え 恵方巻きは冷たい状態で食べることが一般的です。大量の冷たい酢飯が一気に胃腸に入ると、消化管の血流が一時的に低下し、消化能力そのものがダウンしてしまうことがあります。
願いを込める「行事」としての側面は大切ですが、その裏側で、皆さんの腸は一生懸命に「渋滞」と戦っているのです。

節分の翌日、あなたのお腹が発しているSOS
節分の翌朝、次のような症状を感じたことはありませんか?
・お腹がパンパンに張っている、あるいは重だるい。
・ガスが溜まって苦しいが、なかなか出ない。
・便秘になった、あるいは逆に、急な下痢に襲われた。
・便のにおいが、普段よりもきつい(腐敗臭に近い)。
多くの人はこれを「昨日の恵方巻きが大きすぎたかな」「単なる食べ過ぎだ」と、軽く受け流してしまいます。確かに、一時的な消化不良であれば、数日で収まるでしょう。
しかし、もしこうした「食後の不調」が、節分の時だけでなく、日頃の食事でも頻繁に起こるようになっているとしたら、それは腸が発している「限界のサイン」かもしれません。
「年齢のせい」という言葉に隠されたリスク
特に40代を過ぎたあたりから、「最近、油物がもたれるようになった」「昔ほど量を食べられなくなった」「すぐにお腹を壊す」といった変化を、多くの人が「加齢による体質の変化」として片付けてしまいます。
確かに、年齢とともに腸の蠕動運動は緩やかになり、善玉菌の割合も減少する傾向にあります。
しかし、私たちが日々診療の現場で目にするのは、「年齢のせいだと思い込んで放置していた不調の裏に、本物の病気が隠れていた」というケースです。
腸の中で、自覚症状をほとんど出さずに進行するものがあります。それが
・大腸ポリープ(がんの芽)
・慢性的な腸の炎症
・そして、初期の大腸がん です。
恵方巻きを食べた後の「なんとなくの不調」は、例えるなら車のダッシュボードに灯った「点検ランプ」のようなものです。エンジンの調子自体が悪いのか、それとも燃料が悪いだけなのか。それを確認せずに走り続けることは、非常に大きなリスクを伴います。
節分=厄払い。今こそ考えるべき「腸の厄払い」
節分の本来の意義を思い出してみましょう。 節分とは「季節を分ける」こと。立春の前日に、季節の変わり目に生じやすい邪気(鬼)を払い、新しい一年を清らかな体と心で迎えるための儀式です。「鬼は外、福は内」という掛け声は、体の中に溜まった悪いものを追い出し、福を呼び込むための願いです。
現代において、私たちの体の中でもっとも「厄(悪いもの)」が溜まりやすい場所はどこでしょうか。それは間違いなく「腸」です。
なぜ「腸」が厄払いの中心なのか
近年の医学研究では、「腸は第二の脳」と呼ばれ、全身の健康の鍵を握っていることが明らかになっています。
免疫の要: 全身の免疫細胞の約70%が腸に集中しています。
メンタルの安定: 幸福ホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸で作られています。
美肌と健康: 腸内環境が乱れると、腐敗物質が血液を通じて全身を巡り、肌荒れや慢性的な疲労の原因になります。
つまり、腸の中にポリープや慢性的な炎症といった「厄」を抱えたままでは、どれだけ高価なサプリメントを飲み、恵方巻きで願い事をしても、本当の意味での「健康」や「幸福」は手に入りにくいのです。
節分という、一年の中でも健康を意識する絶好のタイミングで、体の中をリセットする。そのためのもっとも確実で、もっとも科学的な方法が、「大腸カメラ検査」による点検なのです。

「大腸カメラ」に対する誤解を解く:現代の検査はここまで変わった
「大腸カメラを受けたほうがいいのは分かっているけれど……」 そう二の足を踏んでしまう方の多くは、一昔前の、あるいは誰かから聞いた「つらい検査」のイメージに縛られています。
「お尻からカメラを入れるなんて恥ずかしい」
「痛くて苦しいと聞いた」
「下剤を2リットルも飲むのが地獄だ」
まずははっきりと申し上げます。現在の大腸カメラ検査は、驚くほど楽に、そしてスマートに受けられるようになっています。
①痛みと羞恥心への配慮
当院をはじめ、現代の内視鏡専門施設では、患者様の心理的・肉体的負担を最小限に抑えるための技術が確立されています。
鎮静剤の使用(眠っている間の検査): 適切な鎮静剤(静脈麻酔)を使用することで、うとうとと眠っているような状態で検査が終わります。「気づいたら終わっていた」という感想を抱く方が大半です。
極細でしなやかなスコープ: 最新の内視鏡は、驚くほど細く、かつ柔軟です。腸のカーブに沿ってスムーズに進むため、物理的な圧迫感が大幅に軽減されています。
炭酸ガスの使用: かつては検査中、腸を膨らませるために空気を入れていましたが、これが検査後の「お腹の張り」の原因でした。現在は、空気よりも200倍吸収が早い「炭酸ガス」を使用するため、検査後にお腹が張って苦しむことはほとんどありません。
②下剤(腸管洗浄剤)の進化
「カメラ自体より、事前の下剤が辛い」という声にも、解決策があります。
最近では、飲む量が少なくて済むタイプや、味が改善されてスポーツドリンクのように飲みやすいタイプが選択できるようになっています。また、どうしても飲むのが辛いという方には、院内でリラックスしながら服用できる環境を整えているクリニックも増えています。
「怖い」というイメージだけで、自分の寿命を左右するかもしれない検査を避けてしまうのは、あまりにももったいないことだと思いませんか?
「症状がない」からこそ受ける、最大最高の自己投資
ここで一つ、非常に重要な事実をお伝えします。 「大腸がんは、早期に発見できれば、ほぼ100%近く治すことができる病気である」ということです。
繰り返しになりますが、早期の大腸がんやポリープには自覚症状がありません。血便が出た、便が細くなった、腹痛が続く……。そうした「目に見える症状」が出てから検査を受けた場合、すでに病状が進行してしまっていることが少なくないのです。
ポリープを切除することは「未来のがん」を摘むこと
大腸カメラ検査の素晴らしい点は、検査と同時に「治療」ができることです。 検査中にがん化する可能性のあるポリープを見つけた場合、その場で切除することが可能です(※ただしサイズや状態によって異なります)
これは、将来がんになる芽を、あらかじめ摘み取ってしまうということです。
これこそが、私たちが提案する「究極の厄払い」です。 恵方巻きを食べながら「健康でありますように」と願う。その願いを現実のものにするための具体的なアクションが、大腸カメラなのです。
なぜ「節分・立春」の時期に検査を予約すべきなのか
季節の変わり目である節分に大腸カメラをおすすめするのには、単なる縁起担ぎではない、医学的・生活習慣的な「裏付け」があります。
年末年始の「食の乱れ」が蓄積する時期
12月の忘年会、お正月の暴飲暴食、そして新年会。1月から2月にかけては、私たちの消化器系が一年でもっとも酷使される時期です。高脂質な食事、アルコールの過剰摂取、そして寒さによる運動不足。これらはすべて腸内環境を悪化させる要因となります。 この時期に一度、腸の中を「空っぽ」にして検査を行うことは、リセット効果としても非常に優れています。
春からの新生活に向けた「健康の棚卸し」
4月は多くの人にとって新年度、新生活のスタートです。新しい環境ではストレスも溜まりやすく、過敏性腸症候群(IBS)などの症状が出やすくなります。その前に「自分の腸には物理的な異常(ポリープや炎症)はない」という確証を得ておくことは、精神衛生上、非常に大きな安心材料になります。

40代・50代が直視すべき「大腸がん」のリアル
ここで、少しシリアスな数字のお話をしましょう。 日本国内において、大腸がんは女性の死因第1位、男性でも第2位(部位別)という、非常に身近で恐ろしい病気です。
しかし、その罹患率(病気になる確率)が急激に上昇し始めるのが、まさに40代なのです。
便潜血検査(検診)の落とし穴
多くの自治体や職場の健康診断で行われる「便潜血検査」。これは便に血が混じっているかどうかを調べる簡易的な検査です。「陽性が出なかったから、自分は大丈夫」と考えている方が非常に多いのですが、ここに落とし穴があります。
・ポリープがあっても出血しないことは多い。
・早期のがんは、毎日出血するわけではない。
・たまたま出血していない日の便を提出すれば「異常なし」と判定される。
つまり、便潜血検査はあくまで「スクリーニング(ふるい分け)」であり、完璧なものではありません。
一方で大腸カメラは、医師の目で直接粘膜を確認するため、こうした「見逃し」が限りなくゼロに近い、最も精度の高い検査と言えるのです。
「第二の脳」腸が整うと、人生が変わる
大腸カメラを受けて「異常なし」と診断されたり、あるいはポリープを切除して腸がきれいになったりした後、多くの患者様が「体調だけでなく、気分も晴れやかになった」とおっしゃいます。これは気のせいではありません。
脳腸相関(のうちょうそうかん)のメカニズム
腸と脳は、自律神経やホルモンを通じて密接に連絡を取り合っています。 「腸が不快感を感じている=脳にストレス信号が送り続けられる」 という状態です。恵方巻きを食べた後の「なんとなくの不調」が慢性化していると、脳は常に微弱なストレスを感じ、意欲の低下や不眠、イライラを引き起こします。
腸の「厄」を払うことは、脳をストレスから解放すること。つまり、大腸カメラは、あなたの仕事のパフォーマンスや日々の幸福度を向上させるための「メンテナンス」でもあるのです。
「自分への投資」としての検査費用と時間
恵方巻きに数千円、家族での外食に数万円。私たちは「今この瞬間の楽しみ」には投資を惜しみません。
では、「将来の10年、20年の健康」への投資はどうでしょうか?
大腸カメラ検査は、保険診療(3割負担)であれば、約2〜3万円(ポリープ切除の有無により変動)で受けられます。時間は事前準備を含めても半日〜1日です。
このわずかな費用と時間で、「大腸がんで命を落とすリスク」を劇的に減らせるのです。これほどコストパフォーマンスの良い投資が他にあるでしょうか。
恵方巻きを囲む皆さまへ:医師からのメッセージ
今年の節分、恵方巻きを頬張りながら、ぜひ思い出してください。
その一口を受け止めるあなたの食道、胃、そして長い旅路の終着点である「腸」。 彼らは文句も言わずに、あなたが食べたものを消化し、栄養を吸収し、不要なものを排出するために、24時間365日働き続けています。
もし、恵方巻きを丸かぶりして「ちょっと苦しいな」と感じたら、それは腸からの「たまには僕たちのことも気にしてよ」という、ささやかなメッセージかもしれません。
「鬼は外、福は内」 豆まきで家を清めるように。 恵方巻きで福を願うように。 大腸カメラで、あなたの大切な体の中も、清らかに整えてあげてください。

当院のサポート体制
「そうは言っても、やっぱりまだ勇気が出ない」という方もいらっしゃるでしょう。 当院では、そんな皆さまの不安に寄り添うために、以下の体制を整えています。
「とりあえず相談だけ」も大歓迎: 検査の必要性があるかどうか、今の症状から医師が判断します。
プライバシーへの徹底した配慮: 検査着や専用の待機室など、恥ずかしさを感じさせない工夫を行っています。
最新設備の導入: 小さな病変も見逃さない、高精細な内視鏡システムを使用しています。
さあ、腸の「厄払い」を始めましょう
立春を過ぎると、暦の上では春が始まります。 新しい季節、軽やかな体でスタートを切るために。
そして、来年も、再来年も、美味しい恵方巻きを家族全員で笑顔で食べるために。
今、このブログを読み終えた瞬間が、あなたの腸の運命を変えるチャンスです。 気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
最短最速の検査は分院「札幌駅大腸カメラ便潜血クリニック」で
当院では、内視鏡専門医による「痛くない・苦しくない」検査を徹底しています。 もちろんご相談も大歓迎です。あなたの不安に寄り添い、最適な検査方法をご提案します。

※本院「札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック」とお間違えのないよう、ご注意ください。
恵方巻きを無言で食べる時間は、自分自身の体と向き合う数分間でもあります。 噛みしめる喜びとともに、あなたの「内なる声」に耳を傾けてみてください。 私たちは、その声に応える準備を整えてお待ちしています。
一年の健康は、節分の「腸の点検」から。 あなたの「福」が、内側からずっと続きますように。
本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックならびに札幌駅大腸カメラ便潜血クリニックまでお気軽にご相談ください。


