憩室炎の再発予防方法について|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

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憩室炎の再発予防方法について

憩室炎の再発予防方法について|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

         

2025年2月12日

『憩室炎って繰り返すんですか?』

『憩室炎を繰り返す場合は手術した方がいいんですか?』

『憩室炎って予防する方法はあるんですか?』

そんな疑問にお答えします。

1. 再発予防するエビデンスレベルの高い方法はない

大腸憩室炎の再発予防に関して、現時点でエビデンスレベルの高い有効な方法は確立されていません。ただ、エビデンスレベルは高くありませんが、いくつか予防の報告はありますのでご紹介します。

1.1. 食物繊維摂取量の増加が再発率を下げる事を示した報告がある

食物繊維の摂取量を増やすことで、大腸憩室炎の再発率を下げる結果がいくつかの研究で示されています。特に果物や野菜を含む食事が推奨されます。これにより腸内環境が改善され、便通が良くなることが関係しています。

1.2. メサラジンが大腸憩室炎の症状軽減・再発予防に効果あり

抗炎症薬の一つであるメサラジンは、大腸憩室炎の症状軽減および再発予防に一定の効果があることが研究で示されています。しかし、日本においてはメサラジンの使用に対する保険適用が現在認められていません。これにより、治療費の負担が患者様にかかるため、使用には慎重な検討が必要となります。

1.3. プロバイオティクス(整腸剤)には再発予防効果は少ない

プロバイオティクスの使用により、大腸憩室炎の治療後に発生する腹部症状を抑える効果があるとされています。これは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることで症状を和らげるためです。しかし、再発予防に関するエビデンスは不足しており、実際に再発を防ぐ効果はあまり期待できません。

1.4. リファキシミンが憩室炎の再発予防に有効という報告もある

リファキシミンは、大腸憩室炎の再発予防に有効であるとの報告があります。この抗菌薬は腸内で過剰な細菌を抑制する働きを持ち、腸内環境を整えます。いくつかの研究では、リファキシミンの使用により憩室炎の再発率が低下することが示されています。ただし、長期的な使用に関する影響や副作用についてはまだ解明されていない点も多いため、慎重な使用が求められます。

2. 大腸憩室症ガイドライン(日本消化管学会)

大腸憩室症は日本消化管学会によるガイドラインが発行されています。こちらの内容をいくつか紹介していきます。

2.1. 大腸憩室保有者は増加傾向

大腸憩室を持つ人は増加しており、2011年の時点で日本人の23%が大腸憩室を保有していました。この増加の原因には、食生活の変化や高齢化があります。定期的な健康チェックが重要です。また、適切な飲食物の選択や生活習慣の見直しが必要です。これにより、さらなる増加を防ぐことができます。

2.2. 大腸憩室は右側結腸に多い。

大腸憩室は一般に右側結腸に多いのが特徴です。しかし、年齢とともに左側結腸にもその割合が増えるのです。若い世代では右側の結腸に多く見られる傾向がありますが、年齢を重ねるごとに左側結腸にも増加します。

2.3. 大腸憩室炎は大腸憩室出血より約3倍多い

大腸憩室保有者の累積出血率は、10年間で10%となります。つまり、大腸憩室を持つ10人のうち1人が10年以内に出血を経験する可能性があります。それに対して大腸憩室炎の発生率は、大腸憩室出血の約3倍となっています。

3. 憩室炎

憩室炎は、大腸の壁にできたポケット状の憩室が炎症を引き起こす病気です。特に中高年に多く見られるものであり、下腹部の痛みや発熱が主な症状となります。

3.1. 大腸憩室炎の危険因子

大腸憩室炎の危険因子として、喫煙と肥満が挙げられます。喫煙は血流を悪化させ、腸内の環境を不安定にするため、憩室の炎症リスクを高めます。また、肥満は内臓脂肪が多く、腸にかかる負担も増大します。これにより、憩室ができやすくなり、炎症も起きやすくなります。

3.2. 正確な診断には大腸カメラが有効

正確な診断を下すためには、大腸カメラが有効です。大腸カメラを使用することで、憩室炎だけでなく、その他の疾患を見つけることができます。例えば、大腸がんやポリープなどです。これらの疾患を否定することが、正確な憩室炎の診断には欠かせません。

3.3. 大腸憩室炎の再発は必ずしも予後不良因子にはならない

大腸憩室炎の再発は、必ずしも予後不良因子にはなりません。再発することで、症状が軽減される場合もあります。再発が繰り返し起こることで、炎症の管理も容易になっていくことがあります。適切な治療と生活習慣の改善が功を奏することが多いです。従って、再発するからといって早めに手術を選択する必要はありません。

4. 憩室炎の再発率

大腸憩室炎の再発率は、膿瘍合併例や年齢により異なります。

4.1. 大腸憩室炎の再発率

大腸憩室炎は画像検査で明らかな場合と身体診察のみでしか判断がつかない場合があります。画像検査で明確に診断される場合の再発率は13%です。しかし、症状から推測して診断される場合の再発率は47%と高いです。これは、炎症が強く出なくとも症状は生じやすい疾患という事を示してます。

再発を防ぐためには、早期診断と適切な治療が不可欠です。特に、症状が現れた場合には直ちに医療機関を受診することで、再発リスクを低減することが可能です。日常生活においても、適切な食事と運動が重要です。

4.2. 再発率は一年で8%、5年で17%、10年で22%

大腸憩室炎の再発率は、時間の経過とともに増加します。再発率は、発症後一年で8%、五年で17%、十年で22%となります。

長期的に再発率が徐々に上昇するため、継続的な健康管理が求められます。早期発見と適切な治療が、再発リスクを低減する効果的な手段です。したがって、定期的な検診を受け、医師の指示に従うことが重要です。

4.3. 大腸憩室炎の再発率は膿瘍合併例、若年者で高くなる

大腸憩室炎の再発率は、特定の条件下で特に高くなります。膿瘍を伴う場合や若年者においては、再発リスクが高まります。これは、病態の複雑さや若年層の生活習慣などが影響を及ぼすためです。

膿瘍を伴う場合、炎症が重症化しているため再発リスクが高くなります。このため、早期の段階で適切な診断と治療が重要です

再発率が高い患者様に対しては、医師はより綿密なフォローアップを行います。特に、生活習慣の指導や定期的な検診が、再発防止に効果的です。

5. 札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでの大腸カメラ

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、精度の高い大腸カメラ検査を提供しています。

5.1. 憩室の検索や憩室症以外の原因精査には大腸カメラが有効

憩室は大腸の壁に小さな袋ができる状態で、炎症を引き起こし痛みなどの症状を引き起こすことがあります。憩室症の原因を詳しく調べるためには、大腸カメラが非常に有効です。大腸カメラを使用することで、憩室の位置や数、大きさなどを正確に確認できます。これにより、適切な治療方針を策定することが可能です。

5.2. 鎮静剤を使用した無痛の大腸カメラ

大腸カメラ検査には、鎮静剤を使用することで無痛で受けることができます。特に憩室を持っている患者様は、検査時に痛みを感じることが多いですので、鎮静剤の使用は非常に効果的です。鎮静剤を用いることでリラックスした状態で検査を受けられますし、痛みや不快感を感じることなく、詳細な検査ができます。

5.3. WEBで24時間検査予約可能

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、WEBを通じて24時間いつでも検査予約が可能です。このシステムを利用すれば、忙しい日常生活の中でも簡単に予約を取ることができます。時間を選ばず、いつでも予約ができるため、非常に便利です。

当院で内視鏡検査をご希望の方は以下のリンクからご予約ください

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<文責:福田遼>

大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!

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