年末年始の暴飲暴食が“大腸”に残す影響とは?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

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年末年始の暴飲暴食が“大腸”に残す影響とは?

年末年始の暴飲暴食が“大腸”に残す影響とは?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通駅徒歩30秒の内視鏡検査・消化器内科

         

2025年12月02日

こんにちは!札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック栄養士の田中です!

年末年始は、一年のなかで最も“食とお酒”が集中する時期です。クリスマス、忘年会、おせち料理、新年会、帰省でのご馳走…多くの人がこの時期に普段より高脂肪・高糖質・高塩分の食事を摂り、飲酒量も増えます。
しかしこの「暴飲暴食+飲酒の連続」は、単に“一時的にお腹の調子が悪くなる”というレベルではありません。大腸の生理学的機能、腸内細菌叢(フローラ)、粘膜のバリア機能、さらには腸の免疫系までも大きく揺さぶる強烈な負荷なのです。

本記事では、年末年始に起こりやすい腸への影響を、医学的知識を踏まえて深く解説しつつ、「この時期だからこそ大腸カメラ検査が有効である理由」を丁寧にお伝えします。

ぜひ、最後までご覧ください。

1. 年末年始は“大腸の恒常性(ホメオスタシス)が最も崩れやすい時期”

大腸は、
・水分吸収
・ナトリウムなど電解質の調整
・腸内細菌による発酵と短鎖脂肪酸の産生
・免疫細胞の活性化
・便の形成
など、生体にとって極めて重要な役割を担っています。

しかし年末年始の生活は、この“腸の恒常性”をまとめて揺るがします。

▼ 崩れる主要因はこの3つ

  1. 過剰な食事量(特に脂質と糖質)
  2. 大量のアルコール摂取
  3. 生活リズムの乱れ(睡眠不足・運動不足)

医学的にはこれらが 腸内細菌叢の急激な変化(ディスバイオーシス) と 腸粘膜のバリア機能低下(リーキーガット様状態) を引き起こすことがわかっています。

2. 暴飲暴食が大腸に与える“生理学的ダメージ”

(1)高脂肪食による腸管通過時間の遅延

唐揚げ、焼肉、すき焼き、おせち料理の甘い煮物など、年末年始の定番はほぼ高脂肪食です。

高脂肪食は
・胃排出能の遅延
・小腸での脂肪吸収過多
を起こし、大腸に到達する未消化残渣量を増加させます。

結果として、
腸管通過時間(トランジットタイム)が遅くなり、便秘を誘発。

通過時間が遅くなると、腸内での発酵時間が延び、ガス・臭い・お腹の張りが増える悪循環が生まれます。

(2)高糖質食による腸内細菌の“偏り”

お餅・おせち・ケーキ・お菓子・ジュースなど、糖質が急増するのもこの時期の特徴です。

糖質は速やかに腸内細菌のエサとなり、
・ガス産生菌
・乳酸過剰産生菌
が増加しやすく、腸内細菌叢が乱れます。

腸内細菌叢の乱れは、
●便秘・下痢
●腹部膨満
●免疫低下
●炎症性腸疾患の発症・増悪リスク
など多岐に影響します。

3. アルコールが大腸に及ぼす影響は“意外と深刻”

お酒は胃腸にとって“刺激物”であることはよく知られていますが、
大腸への影響はさらに複雑です。

(1)腸粘膜の透過性を上げる

アルコールは腸上皮のタイトジャンクションを緩め、
腸粘膜バリアが低下します。
これにより炎症性物質が体内に入りやすくなり、慢性炎症の原因にもなります。

(2)腸の過蠕動(下痢)を引き起こす

アルコールは大腸の運動を一時的に亢進し、
急激な下痢 を引き起こします。
アルコール翌朝の“急な便意”はこのためです。

(3)腸内細菌の多様性が低下する

飲酒が続くほど腸内細菌の多様性が失われ、
・免疫力低下
・便秘か下痢のどちらかに偏る
・炎症体質になる
などのリスクが増えます。

4. 年末年始の腸トラブルはこうして起こる

(1)急性便秘

高脂肪+水分不足+運動不足のトリプルパンチで、
大腸内の便が固まりやすくなります。

(2)過敏性腸症候群の悪化

ストレス・睡眠不足に加えて食生活の乱れは、IBS(過敏性腸症候群)の悪化要因になります。

(3)IBD(炎症性腸疾患)の軽度悪化

アルコールや高脂肪食は腸粘膜を炎症させやすいため、軽い再燃を起こす人もいます。

(4)大腸ポリープ、がんの症状に気づきやすい時期

便通や腹部症状が揺らぐため、
普段見落とす症状にも気づきやすくなります。
一方で「年末年始で食べ過ぎてしまったから仕方ない」と放置してしまう人も多く要注意です。

(5)アニサキス

年会やおせち料理など、年末年始は生魚を含む料理を口にする機会が増えるため、アニサキスによる食中毒の発生が例年増加する時期でもあります。特に刺身や寿司、海鮮料理を食べる頻度が高まることで、アニサキス幼虫を摂取するリスクが上昇します。

5. 注意すべき“大腸からの危険サイン”

以下の症状が年末年始後に続く場合、食べすぎだけとは限りません。

・便に血が混じる
・急に便が細くなった
・便秘と下痢を繰り返す
・お腹の張りが常に続く
・便の色が黒い
・原因不明の体重減少
・40歳以降で便通の性質が変わった

これらは大腸ポリープ・大腸がんの初期症状として知られています。

6. 年末年始後は“大腸カメラ検査のベストシーズン”

理由を医学的に解説

大腸カメラは、
・小さなポリープの段階で発見し、
・その場で切除できる、
極めて有効な検査です。

年末年始後は、実は検査に最適な条件が揃っています。

(1)腸の不調に気づきやすい

普段は気づかない変化も、“食生活の反動”で自覚が強くなります。

(2)休暇明けで検査の予約が取りやすい

年始は比較的予約が空きやすい時期です。

(3)暴飲暴食後は、腸の異常を発見しやすい

腸の動きが乱れることで、
本来隠れていた症状が見えやすくなるメリットがあります。

(4)大腸ポリープ・がんは“無症状”が基本

だからこそ“気になった今”が適切なタイミングなのです。

7. 年末年始の腸を整える科学的な方法

ここからは実践的な腸ケアです。

① 水分摂取量をいつもの1.5倍を意識

冬は喉が渇きにくく脱水になりがち。
水分不足は便秘の最大要因です。

② 食物繊維は「不溶性:水溶性=1:1」が理想

年末年始は不溶性繊維(野菜・雑穀)が多く偏りがち。
水溶性繊維(海藻・大麦・エニマクリン検査食に含まれる成分など)を意識すると腸に優しくなります。

③ アルコールを飲んだあとは「飲んだ酒量の1.5倍の水」を意識

腸の脱水と粘膜ダメージを防ぐため重要。

④ 発酵食品は“毎日少量”が効果的

腸内細菌叢の回復には継続性が必要です。

⑤ 食後10~15分の歩行で腸蠕動を改善

腸管トランジットが改善し、便秘予防に。

⑥ 睡眠を整える

腸と自律神経は直結しているため、睡眠不足は腸の動きを直ちに悪化させます。

8. 【まとめ】年末年始は“大腸の健康を見直す絶好のチャンス”

暴飲暴食で腸のバランスが乱れるのは、年末年始には誰にでも起こり得ることです。
しかし本当に注意すべきなのは、「その後に現れる小さな変化を見逃さないこと」です。

腸はとてもデリケートな臓器で、飲食の乱れやアルコール、睡眠不足などの影響を受けると、
数日〜数週間にわたって、便の状態やお腹の張り、痛みなどが変わりやすくなります。
普段なら見過ごしてしまいがちな症状(腹痛が長引く、ガスが溜まりやすいなど)実は腸がSOSを出しているサインかもしれません。

特に年末年始後は、大腸がんやポリープなどの症状が表に出やすくなる時期といわれています。
暴飲暴食や生活リズムの乱れによって腸内環境が崩れると、
普段は気づきにくい“隠れていた異変”が、便の変化やお腹の違和感として現れやすくなるためです。

それにも関わらず、
「体質だから仕方ない」
「食べすぎたから調子が悪いだけ」
と自己判断してしまう方がとても多いのが現実です。
しかし、こうした思い込みこそが、重大な病気を見逃す一番の原因になります。

年末年始明けのこのタイミングは、腸の状態を見直す絶好のチャンス。
少しでも不安があるなら、一度しっかり確認しておくことが、未来の健康につながります。

年末年始は、生活の乱れと食習慣の変化から、大腸が一年で最も負担を受ける季節です。
この時期に便通が不安定になったり、わずかな違和感が続いたりするのは、大腸からの“見逃してほしくないサイン”かもしれません。

大腸カメラ検査は、
✓ 小さなポリープも高精度で発見できる
✓ その場で切除可能
✓ 40歳以降は特に受ける価値が高い

そんな、未来の健康を守るための最も確実な方法です。

年末年始に酷使した腸を、このタイミングで一度しっかり確認してみませんか?
「半年以上大腸カメラを受けていない」
「便通が変わった気がする」
「年明けからお腹の調子が安定しない」

当院では、皆さまのお腹の悩みにしっかり寄り添い、丁寧にサポートいたします。
ぜひ一度ご相談ください。

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、札幌市大通駅徒歩30秒の好立地で、鎮静剤使用で苦痛が少ない、専門医による精度の高い大腸カメラ検査を土日も提供し、皆様の健康をサポートしています。

本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックまでお気軽にご相談ください。

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