2025年6月09日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

トイレの際に突然血がでると非常に驚くものです。

その血便に腹痛や肛門部痛を伴ってないとさらに心配になります。

今回はそんな血便の治し方について説明していきます。

当クリニックでは、患者様が安心して検査を受け、最適な治療へと進めるよう、日々努めております。

目次
1. 血便を治す方法

血便を来す原因は非常に多くあり、原因によって治療法が異なってきます。

そのため、原因を特定するための精密検査(大腸カメラ)が必要になります。

血便の主な原因は多岐にわたります。

痔:
最も一般的な原因であり、排便時の痛みやトイレットペーパーに付着する少量の鮮血として現れることが多いです。

大腸ポリープ:
大腸の粘膜にできる隆起で、良性であっても便の通過時に表面が傷つき出血することがあります。ポリープは将来的にがん化する可能性があるため注意が必要です。

大腸がん:
がんができた部位からの出血が見られることがあり、特に直腸やS状結腸のがんでは鮮血が見られることがあります。進行すると便通異常(便秘・下痢)、便が細くなる、貧血、腹痛などの症状を伴うことがあります。

潰瘍性大腸炎:
大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じる難病で、出血を伴うことがあります。粘り気の強い便が出ることも特徴です。

大腸憩室症:
大腸の壁が外側に飛び出した「憩室」からの出血で、腹痛を伴わない大量の出血が特徴的です。

虚血性大腸炎:
腸管の血流が悪化して炎症が起こる病気で、突然の左下腹部痛と血便を伴うことがあります。

このように、血便は痔のような比較的軽度なものから、大腸がんのような重篤な疾患まで、様々な原因で起こりえます。自己判断は非常に危険であり、症状が見られた場合は速やかに医療機関を受診することが極めて重要です。



2. なぜ精密検査が必要なのか?早期発見の重要性

「たかが血便」と軽視してしまうことは、大変危険です。

大腸がんは、女性のがん死亡数で第1位、男性では肺がんに次いで第2位(2023年全国がん登録データ)と、非常に増加傾向にある疾患です。過去半世紀で約6倍にまで増加しております。

しかし、大腸がんは早期に発見し治療すれば、ほぼ治癒が可能な疾患です。国立がん研究センターのデータによると、臨床病期がステージIの場合、5年相対生存率は98.8%と非常に高い数字を示しています。

そして残念なことに、大腸がんは初期段階では自覚症状がほとんどありません。症状が現れた時には、すでに病気が進行している可能性が高いのです。

そのため、症状がなくても定期的な検査を受けることが推奨されています。




3. 血便の原因を特定し、根治を目指す「大腸カメラ」の重要性

血便の真の原因を突き止め、そして「治す」ために最も有効な検査が、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)です。

大腸カメラ検査は、細長いカメラを肛門から挿入し、大腸の粘膜を直接詳細に観察できるため、以下のことが可能です。
病変の直接観察:
炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無、色調、形状を直接確認できます。
早期発見の精度:
5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、早期のがんを発見する上で非常に優れています。便潜血検査では見逃されがちな早期がんも、内視鏡検査では発見できる可能性が高まります。
組織採取(生検)と確定診断:
疑わしい部分があれば、その場で組織を採取し、病理検査を行うことで確定診断をつけられます。
ポリープの即日切除とがん予防:
ポリープが見つかった場合、その場で内視鏡的に切除することが可能です。これにより、将来的にがん化する可能性のある腺腫性ポリープを事前に除去し、大腸がんの発症リスクを大幅に減少させることができます。実際に、ポリープ切除によって大腸がんによる死亡率が53%も低下することが報告されています。
大腸カメラ検査は、単なる診断だけでなく、その場で治療へと繋がる点で、血便の根本的な原因を治すために非常に強力な手段と言えます。



4. 安心して大腸カメラを受けていただくために:当クリニックの取り組み

「大腸カメラは痛い」「準備が大変そう」「恥ずかしい」といった不安から、検査をためらう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、当札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックでは、患者様が安心して快適に検査を受けていただけるよう、様々な工夫を凝らしています。

4.1. 検査の苦痛を最小限に抑える工夫
鎮静剤(眠り薬)の使用:
当院では、鎮静剤の点滴により、「寝ている状態」または「ウトウトした状態」で検査を受けることが可能です。これにより、内視鏡挿入時の不快感や痛み、恥ずかしさをほとんど感じることなく検査を終えることができます。
経験豊富な専門医による検査:
大腸カメラの盲腸までの挿入は、特に女性において難しい場合や痛みを伴う傾向がありますが、当院では内視鏡専門医である院長が全例で検査を担当します。高い技術力により、ほとんどの患者様が痛みを感じることなく検査を終えられています。
炭酸ガス送気:
検査中に腸管を広げるために空気の代わりに炭酸ガスを使用します。炭酸ガスは腸管内で速やかに吸収されるため、検査後のお腹の張りや痛みを和らげることができます。
女性への配慮:
女性にとって大腸カメラは「恥ずかしい」と感じる方も少なくありませんが、当院では患者様のプライバシーに配慮し、鎮静剤の使用、女性看護師によるサポート体制を整えています。生理中でも検査に影響はありませんので、ご安心ください。

4.2. 検査前の準備をサポート
大腸カメラ検査の成功には、事前の腸内洗浄が非常に重要です。
食事制限:
検査の2~3日前から、消化の良い食事を摂っていただきます。食物繊維や脂肪分の多い食品、種のある果物、キノコ類などは避けていただきます。具体的な「食べていいもの」「避けるべきもの」のリストも提供しておりますので、ご安心ください。
下剤の選択と服用:
検査前日または当日に、指定された下剤を服用し、腸の中をきれいにします。当院では、患者様一人ひとりの状況(年齢、排便状況、既往症)に合わせた最適な下剤(モビプレップ、ニフレック、サルプレップ、ビジクリア、ピコプレップなど)を提案・提供いたします。
院内での下剤服用も可能:
ご自宅での下剤服用が不安な方のために、院内で下剤を服用できる体制も整えています。これにより、検査日当日の来院だけで準備から検査まで済ませることができ、忙しい方や遠方からお越しの方にも便利です。
服用中の薬の管理:
常用薬がある場合は、事前に医師に相談し、指示に従っていただくようお願いしています。特に、血液をサラサラにする薬や糖尿病薬については注意が必要です。

4.3. 検査の流れとアフターケア
検査時間は通常15分から30分程度です。
検査中:
鎮静剤によりウトウトした状態で内視鏡を挿入し、大腸の内部を詳細に観察します。疑わしい病変があれば、その場で組織を採取したり、ポリープを切除したりします。
検査後:
リカバリー室でしばらくお休みいただいた後、医師より検査結果を詳しくご説明し、今後の対応についてお伝えいたします。ポリープ切除を行った場合は、後日病理検査の結果についてもご説明いたします。
検査後の生活:
ポリープ切除を行った場合は、約1週間は消化の良い食事を心がけ、刺激物、脂肪分の多い食品、生もの、アルコールは避けていただきます。便秘予防のために十分な水分摂取も重要です。



5. 血便の再発を防ぐための生活習慣と定期検診

血便の根本原因を治療した後も、再発を防ぎ、大腸の健康を維持するためには、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が不可欠です。

5.1. 食生活の改善
食物繊維の積極的な摂取:
野菜、果物、全粒穀物、豆類など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂りましょう。食物繊維は便通を改善し、腸内の有害物質の排出を助けることで、大腸がんのリスクを低減すると考えられています。ただし、極端に摂取量が少ないと大腸がんリスクが高まる可能性があります。
赤身肉や加工肉の控えめな摂取:
赤身肉や加工肉の過剰摂取は、大腸がんのリスクを高める要因とされています。便にはこれらの発がん性物質が含まれることがあるため、摂取量を控えめにすることが重要です。
バランスの取れた食事:
「虹を食べよう」という言葉のように、色とりどりの果物、野菜、全粒穀物、ナッツ類、シード類などをバランス良く摂取することが推奨されます。

5.2. 適度な運動
定期的な運動は、腸の働きを活発にし、肥満の予防にも繋がります。肥満や急激な体重増加は大腸がんのリスク増大と強く関連しているため、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。運動はストレス解消にも効果的であり、心の安定にも繋がります。

5.3. 禁煙・節酒
喫煙は大腸がんのリスクを高めることが知られています。禁煙に取り組みましょう。飲酒も適量を守ることが大切です。過度なアルコール摂取は腸内環境を乱し、がんや心血管系の病気のリスクを上げる可能性が指摘されています。

5.4. 定期的な検診
40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。特に、便潜血検査で陽性の結果が出た場合は、必ず精密検査(大腸カメラ)を受けましょう。家族に大腸がんやポリープの既往歴がある方も、定期的な検査が推奨されます。



6. 検査費用と保険適用について

大腸内視鏡検査は、症状がある場合や便潜血検査で陽性となった場合など、医師が必要と認めた場合には健康保険が適用されます。

3割負担の場合、検査費用は1万5千円から3万円程度が目安となります。ポリープ切除や組織検査を行った場合は、別途費用がかかりますが、詳細については検査前または検査後にお気軽にご質問ください。
また、大腸ポリープ切除などの治療内容によっては、ご加入されている生命保険の手術給付金や医療保険の給付金が支払われる場合があります。大腸ポリープ切除は「手術」とみなされることが多く、給付金の対象となるケースがあります。ただし、保険会社や契約内容によって対象が異なるため、検査前にご加入の保険会社にお問い合わせいただくことをお勧めします。必要な書類(医師の診断書、手術記録、領収書など)を準備し、申請手続きを行うことで、スムーズに給付金を受け取ることができます。
大腸内視鏡検査にかかった費用は、確定申告で医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。



7. 当札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックへご相談ください

血便は、皆様の健康を守るための大切な身体からのサインです。

放置することなく、その原因を特定し、適切な治療を行うことが何よりも重要です。
当札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、以下のような特徴で皆様の健康をサポートいたします。
便利なアクセス:
地下鉄大通駅から徒歩30秒という好立地にあり、通勤や通学の帰りにも気軽に立ち寄れます。
土日も検査可能:
平日は忙しくてなかなか検査の時間が取れない方のために、土日も診療・検査を行っております。
当日予約も可能:
急な症状や検査の必要性が生じた際にも、柔軟に対応できるよう、当日予約での検査も承っております。ウェブまたはお電話にてご予約いただけます。
患者様目線の診療:
最新の医療設備と経験豊富な専門医・スタッフが、患者様一人ひとりに寄り添い、丁寧な説明と質の高い医療サービスを提供します。
血便は、決して軽視してはならない身体からのサインです。ご自身やご家族の健康を守るためにも、少しでも気になる症状があれば、ぜひお早めに当クリニックにご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


