2025年6月07日

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック院長の福田です。

本日は、「腸内細菌は年齢とともに変化するってホント!?」というテーマで、皆様の腸の健康と、それが大腸がんの予防にどのように関わるのかについてお話しさせていただきます。

目次
腸内細菌叢とは何か、そしてその変化

腸内には、100種類以上の腸内細菌が共存し、「腸内フローラ」を形成しています。

この腸内フローラは、免疫機能の調整、栄養素の吸収、そして腸壁のバリア機能を保つなど、私たちの健康維持に欠かせない重要な役割を担っています。

そしてご質問の通り、腸内細菌は年齢とともに変化するというのは本当です。

新生児の腸内細菌叢の形成は、出産がそのスタートと考えられており、出産時に産道を通る際に受け継がれることが知られています。母親の腸内細菌のバランスが良ければ、生まれた赤ちゃんの腸内細菌のバランスも良くなる可能性が高いです。

しかし、成長するにつれて、食事や抗生物質の使用など、さまざまな環境因子が腸内細菌叢の構成に影響を与えます。また、加齢に伴い善玉菌の割合少なくなっていくことも報告されています。



腸内環境に影響を与える要因と大腸の健康

腸内細菌叢のバランスは、私たちの食生活や生活習慣によって大きく左右されます。

食物繊維の重要性:
食物繊維は、腸内環境を整える上で非常に重要な役割を果たします。水溶性食物繊維は便を柔らかくし、善玉菌を増やして腸内環境を改善します。不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を高め、排便量を増やし、発がん性物質などの腸内の有害物質を体外へ排出させる効果があります。
大腸がん予防効果:
食物繊維が豊富な食事が大腸がんのリスクを下げる強力な証拠があるとされています。また、食物繊維が腸内細菌によって発酵されることで、有益な短鎖脂肪酸が生成され、大腸の細胞を保護し、腸内環境を改善します。
推奨摂取量と現状:
米国がん研究協会はがんのリスクを下げるために1日あたり30グラム以上の食物繊維摂取を推奨していますが、厚生労働省の基準では成人男性で21g以上、女性で18g以上とされており、日本人の平均摂取量は1日あたり14グラム前後と、不足している傾向にあります。

アルコールの影響:
アルコールは、腸内環境に悪影響を及ぼすことが研究で示されています。
腸内細菌叢の乱れ:
アルコールの過剰摂取は腸内細菌叢のバランスを乱し、アセトアルデヒドなどの代謝産物が腸壁に影響を及ぼし、有害な細菌の増加とともに善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)の減少を引き起こし、腸内環境が悪化します。



大腸ポリープと大腸がん:早期発見の重要性

大腸ポリープの一部は時間をかけて悪性化し、大腸がんになることがあります。

大腸がんは、現在、日本において増加傾向にあり、女性では死亡者数の第1位、男性では肺がんに次いで第2位となっています。過去半世紀で死亡者数が約6倍に増加しており、食生活の欧米化や運動量の減少などが関係していると考えられています。また、40歳を過ぎたあたりから罹患率が上昇し、近年では若年層の大腸がんも増加しています。

大腸がんは、初期段階では自覚症状がほとんどありません。症状が現れた時には、病気が進行している可能性が高く、便秘や下痢、腹痛、血便などが見られるようになります。
しかし、大腸がんは早期に発見し、適切な治療を行えば、ほぼ治癒が期待できる病気です。がんの進行度(ステージ)が低いほど5年生存率は高く、治療による身体的な負担も小さく済みます。このため、無症状のうちに早期発見することが極めて重要なのです。



大腸がんのスクリーニングと精密検査

大腸がんの早期発見のためには、定期的な検査が不可欠です。

大腸カメラ(大腸内視鏡検査):精密診断のゴールドスタンダード
診断能力の高さ:
大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察できる最も有効な検査です。5mm以下の小さなポリープも見つけやすく、早期のがんを発見する上で非常に優れています。また、疑わしい部分があれば、その場で組織を採取(生検)し、病理検査を行うことで確定診断が可能です。
予防効果:
ポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。ポリープを切除することで、将来的な大腸がんの発症リスクを大幅に減らすことができます。
診断可能な疾患:
大腸がんだけでなく、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、大腸憩室、痔など、様々な大腸の病気を診断できます。

当院での取り組みと安心の検査:
苦痛の少ない検査:
大腸カメラは「痛い」「苦しい」というイメージを持たれがちですが、当院では鎮静剤を用いた「無痛大腸カメラ検査」を提供しており、検査中はほとんど眠ったような状態で受けていただけます。これにより、検査による苦痛や不快感を大幅に軽減し、「検査中の記憶がほとんどない」とおっしゃる患者様も多くいらっしゃいます。
経験豊富な専門医:
当院では消化器内視鏡専門医が検査を担当しており、難しいとされる大腸の方でも、ほとんどの場合痛みを感じることなく検査を終えることができます。
日帰りポリープ切除:
大腸カメラ施行時にポリープが見つかった場合、ほとんどのポリープはその場で切除することが可能です(日帰り手術)。これにより、何度も来院する手間が省けます。
アクセス:
当院は大通駅から徒歩30秒という好立地にあり、通勤や通学の帰りにも気軽に立ち寄ることができ、公共交通機関を利用する方にも大変便利です。



健康な未来のために

生活習慣の見直しによって、大腸がんのリスクを低減することができます。

バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙・節酒、そして適切な体重維持を心がけることが、大腸がん予防の鍵となります。

そして何よりも、40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要です。便潜血検査で「陽性」と判定された場合は、大腸カメラによる精密検査を必ず受けてください。

大腸がんは早期に発見し、適切な治療を行えば治癒する可能性が高い病気です。皆様の健康な毎日をサポートするため、札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、最新の設備と経験豊富な専門医による、苦痛の少ない精密な検査を提供しております。ご心配なことやご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックは、皆様の健康を守るために全力を尽くします。


大腸内視鏡検査は札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニックがおすすめです!


