大腸がん予防のための食事術と大腸カメラの必要性|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

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大腸がん予防のための食事術と大腸カメラの必要性

大腸がん予防のための食事術と大腸カメラの必要性|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

         

2024年3月07日

1. 大腸がんとは

大腸がんとは、大腸に悪性の腫瘍が形成される病気のことを指します。大腸がんの死亡率は国内で第2位と非常に多い疾患であり、その中でも特に多いのが50歳以上の方に発症することが一般的です。2019年の統計では、国内の年間の罹患者は15万人以上です。男性はおよそ10人に1人、女性はおよそ12人に1人が、一生のうちに大腸がんと診断されています。病気の進行により、大腸の機能が損なわれ、便秘や下痢、腹痛などの症状が現れてきます。大腸がんの早期発見、早期治療が重要となってきます。

1.1. 大腸がんの概要

大腸がんは、大腸の粘膜層を起源とするがん細胞が増殖し、しだいに大腸の腔を狭め、さらには壁を侵して付近の臓器やリンパ節、遠隔の臓器にまで進行してしまう悪性の疾患です。大腸がんは、直腸がんと結腸がんに大きく分けられます。結腸がんは右半結腸がんと左半結腸がんに分けられ、それぞれ異なる特性と病態があります。

初期の大腸がんは、自覚症状がほとんどないか、または軽微なため、患者さん自身が気づきにくいのです。そのため、定期的な健診による早期発見がとても重要になります。また、大腸がんは早期であれば手術や放射線治療、抗がん剤治療などで治療が可能で、完治することも十分にあるのです。

1.2. 大腸がんの原因

大腸がんの原因は明確にはまだ解明されていませんが、生活習慣病とも関連性が深いとされます。特に食生活がその発症に大きく関与しています。大量の肉類や脂質をとる食生活は大腸がんのリスクを高めるとされています。

また、一部の大腸がんは遺伝的要素が関与していることが示されています。家族に大腸がん患者が多い場合や、大腸ポリープ症候群などの遺伝性の疾患がある場合には、大腸がんの発症リスクが高くなることがあります。

加えて、慢性的な肥満や糖尿病、喫煙や過度なアルコール摂取も大腸がんのリスクを高めるとされています。

1.3. 大腸がんの症状

大腸がんの症状は、その位置や大きさにより様々です。初期段階では特に症状が出ないため、患者本人が気づかないこともあります。だからこそ、定期的な大腸がん検診が大事と言われています。

大腸がんが進行してくると、腹痛や腹部の膨満感、便秘や下痢、下腹部の痛みなどの症状が現れます。また、大腸がんは出血を伴うことが多く、便に隠れた血(潜血)が見つかることがあります。

悪化してくると、全身のだるさや体重の減少、食欲不振などの全身症状も見られます。これらの症状が自覚できた場合や、何か変だと感じた場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。

2. 大腸がんのリスクを高める食習慣

大腸がんは、日本人のがん死亡者数の2位に位置付けられるほどの深刻な疾患です。食事がこの大腸がんのリスクを大きく影響していると知られています。食事の中でも特に肉類の過剰な摂取、油脂の摂取、食物繊維の不足は大腸がんのリスクを高めると言われています。具体的にどのような食習慣が有害なのか、以下で詳しく解説していきます。

2.1. 肉類の過剰な摂取と大腸がん

肉類は、タンパク質や鉄分を多く含む一方で、過剰に摂取すると大腸がんのリスクを高めると言われています。特に赤肉(牛・豚・羊肉)や加熱された肉(焼肉・ハム・ソーセージ)が指摘されます。その理由としては、肉類に含まれるニトロソ化合物やヘム鉄が大腸の細胞にダメージを与え、がんを発症させる可能性があるからです。また、肉類を加熱処理すると所謂焼き肉などで見られる「焦げ」が発生しますが、この焦げに各種発がん物質が生成されるのです。健康に影響を及ぼす可能性を低くするためには、肉類の摂取を控えめにし、加工肉の消費を減らすことが求められます。

2.2. 油脂の摂取と大腸がん

高脂肪食が大腸がんのリスクを高めることも指摘されています。油脂が多い食事は胆汁酸の分泌を促し、これが腸内で化学反応を引き起こし、発がん性物質を生成する可能性があるとされています。具体的には、油で揚げたものや肉類の脂身、甘味物などには注意が必要です。また、油脂を過剰に摂取することで体重が増え、肥満につながることも大腸がんのリスクを増加させます。適切な油脂の摂取量を理解し、食生活を見直すことが大切です。

2.3. 食物繊維不足と大腸がん

食物繊維は便通を正常に保つ働きがあり、その不足は便秘となって大腸がんのリスクを高めるとされています。食物繊維は腸内の細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸を生成しますが、この短鎖脂肪酸が大腸の細胞を保護し、がんの発症を防ぐとされています。穀物の全粒製品やバナナ、こんにゃくなどが食物繊維を豊富に含む食品の一部です。食物繊維は水を含むことで膨張し、満腹感を得やすくする効果もあります。食事にバランスよく食物繊維を取り入れることは、大腸がん予防に役立つばかりでなく、一般的な健康維持にも有効です。

3. 大腸がんを予防する食事

大腸がんは現代の生活習慣病の一つであります。その予防策として、食生活の改善が注目されています。バランスの良い食事を心がけ、食物繊維を多く取ることや適度な運動を行うことが大腸がんの予防に繋がります。また、発酵食品を摂取することも大腸がんの予防に有効で、健康維持に役立ちます。食生活の見直しでリスクを下げていくことは可能です。

3.1. 食物繊維の豊富な食事と大腸がん予防

食物繊維の豊富な食事は大腸がん予防に大いに効果的です。食物繊維とは主に植物由来の栄養素で、体内で消化されにくい性質を持っています。これが腸内で水分と混ざり合ってゲル状になり、腸の動きを活発化させます。これにより、食物の通過時間が短縮され、発ガン物質が腸壁と接触する時間が減少します。それが大腸がんの予防につながるのです。また、食物繊維は腸内環境を整え、有害な物質を排出する役割も持っています。野菜や豆類、全粒粉のパンなど、食物繊維が豊富な食事を毎日の食生活に取り入れることは大切な予防策です。

3.2. 発酵食品と大腸がん予防

発酵食品とは対象の原料に微生物や酵母を働かせて作られる食品のことを指します。例えば、日本の伝統的な食品である味噌や納豆、キムチなどが該当します。これらの発酵食品は、善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境の改善に効果的です。善玉菌が増えることで、腸内の悪玉菌とのバランスが保たれ、発がん物質の生成が抑制されます。これにより大腸がんの発症リスクを低減することができます。そのため、日々の食事に発酵食品を取り入れることは大腸がん予防に役立ちます。

3.3. 適度な運動とバランスのとれた食事

適度な運動も大腸がん予防に有効です。運動をすることで、大腸の蠕動運動が促進され、食物の通過時間が短縮されます。これにより、発がん物質が大腸壁との接触時間が減り、大腸がんのリスクを低下させることが期待できます。しかし運動だけではなく、食事も重要です。無理な食事制限よりも、バランスの取れた食事を心がけ、栄養を偏らせないことが大事です。特に、食物繊維を多く含む食品や、発酵食品を積極的に摂取するといいでしょう。健康的な生活習慣により大腸がんを未然に防ぐことが可能になります。

4. 飲酒と大腸がんの関連性

2024年2月に厚生労働省が缶ビール一本でも大腸がんのリスクが上がると発表しました。アルコールが体に及ぼす影響は多岐にわたり、大腸がんも例外ではありません。厚生労働省のガイドラインでは、大腸がんの発症リスクを高める飲酒量の目安は、1日あたりビールロング缶1本に相当する約20g(週150g)以上と示されています。

4.1. アルコールと大腸がんの関係

アルコールは、肝臓で分解される過程でアセトアルデヒドという発がん物質を生み出します。このアセトアルデヒドが大腸の細胞に接触し、細胞のDNAを損傷することでがんを引き起こします。さらに、アルコールは、全体的な免疫システムを弱めることにより、体全体のがんリスクを高める役割を果たしています。このようにアルコールを摂取することで大腸がんのリスクを増加させてしまうのです。

また、大腸がんとアルコールの関連性を示す多くの研究が存在します。それらの研究では、頻繁にアルコールを摂取することで大腸がんのリスクが上昇するという結果が示されていました。一日に飲酒する量が多ければ多いほど、大腸がんのリスクも上昇するという関係性が明らかにされています。

4.2. 減酒の重要性

アルコールを辞めることに越したことはないのですが、中々辞めるのは難しいものです。そして一度の飲酒量や飲酒の頻度を減らすだけでも大腸がんのリスクは低下します。ですので禁酒できなくても減酒することは、大腸がん予防に非常に有効な手段ということです。

それと同時に、適度な運動やバランスの良い食事も大腸がんのリスクを減らすのに貢献します。アルコールを摂取するときは飲酒の量などに注意しつつ、健康的な生活習慣を心掛けることが大切です。健康を左右する生活の中心である飲食は、適度で適切なものであることが求められます。

4.3. 飲酒する際の工夫

飲酒する際には少し工夫をすることで健康的な飲酒を楽しむことも可能です。例えば、飲酒量を少なめにする、あるいは飲むペースを落とすことです。これにより、アルコールが体に与える影響を軽減することができます。

また、食事と共にアルコールを摂取することで、アルコールの吸収を軽減することができます。さらに、飲酒後には十分な水分を補給することが大切です。これにより、アルコールが体から排出されやすくなります。飲酒は適度に楽しむことが大切で、その上で大腸がんとの関連性を知り、自己管理することが大切なのです。

5. 大腸カメラ検査の重要性

大腸がんは早期発見と治療が生存率を大幅に上げることが知られています。そのため、大腸がんを早期発見するための大腸カメラ検査の重要性を知ることは、我々の生活を守るための一歩となります。

5.1. 大腸カメラ検査とは?

大腸カメラ検査とは、太い管状の大腸を、カメラを装備した細長い管(カメラ)を挿入し内部を観察する検査です。麻酔を使用するため、痛みをほとんど感じません。もし、異常が見つかった場合にはその場で組織を採取し、病理検査を行います。これにより確定診断が下され、早期に治療に取り掛かることが可能となります。

5.2. 大腸カメラ検査で早期発見

大腸がんは初期の段階では大きな痛みを伴うことは少なく、また自覚症状がほとんどないとも言われています。しかし、大腸カメラで定期的に検査を受けることで、早期の段階で異常を見つける可能性が高まります。放置しておくと、がん細胞は大腸壁を越え血液やリンパ液に乗って身体各部へ広がり、予後不良となってしまいます。早期発見により軽度な治療で済むことが多く、生活の質を保ったまま治療をしていくことが可能です。

5.3. 大腸カメラ検査の頻度

大腸カメラ検査の頻度は、年齢や体調、家族歴などにより変わるため、かかりつけ医と十分に相談した上で決めるべきでしょう。また、初めての方はカメラに抵抗を感じることも少なくありません。しかし、その少しの不快感が命を救うことを思えば、積極的に受けるべきでしょう。大腸カメラは、がんの早期発見という観点から見ても、非常に重要な検査手段と言えるでしょう。

6. 大腸カメラの流れと注意点

大腸カメラは大腸がんの早期発見をする事ができる検査です。大腸の内部を直接眺めることで、がんだけでなくポリープや炎症など初期段階の異常を見つけることができます。しかし、その有効性を最大限に発揮するためには、適切な準備と注意点があります。以下では、大腸カメラ検査前の準備から検査中の注意点、そして検査後のケアまでを詳しく説明していきます。

6.1. 大腸カメラ検査前の準備

大腸カメラを受ける前の準備としてまず重要なことが、食事調整です。前日の夕食から消化の良い食事にし、検査前日の夜9時以降は完全に絶食します。また、前日から指定された下剤を使用して腸内をきれいに洗浄します。下剤は医師の指示に従い、適切なタイミングで服用しましょう。下剤の服用は便通が良い状態になるまで続けることが必要です。

また、通常の薬の服用についても医師と確認することが大切です。中には血液を固まりにくくする薬など、一時的に中止あるいは変更が必要なケースもありますので、必ず事前に確認して下さい。

6.2. 大腸カメラ検査中の注意点

大腸カメラは大腸内部を詳しく観察するため、時間を要します。その平均時間は約30分ですが、場合によってはもっと長引くこともあるので、心構えをしておくことが大切です。検査中は鎮静剤が使用されるため、多少の不快感はありますが、激しい痛みを伴うことはまれです。

検査中に何か異常が見つかった場合、その場でポリープの除去などを行なうこともあります。その為、医師の指示に従って動作を行うことが重要です。事前に可能な限りリラックスしておき、何か不快感があればすぐに医師に伝えましょう。

6.3. 大腸カメラ検査後のケア

大腸カメラ検査後は、特別なケアは必要ありませんが、注意点がいくつかあります。検査後すぐに運転や機械操作は控えて下さい。鎮静剤の影響で意識がはっきりしない場合があり、一時的に判断力や反応速度が低下する可能性があるからです。

また、飲食についてもやや控えめにしましょう。検査直後は胃腸が反応しやすい状態になっていることが多いためです。この時期に油っこい食事やアルコールを摂取すると、吐き気や下痢を引き起こすことがあります。十分な休息を取り、自分の体調を第一に考え、適切なケアを心掛けてください。

大腸検査に関する疑問は下記サイトをご参照ください。

7. 専門医による診断

7.1. 専門医の診断の重要性

専門医による診断は最新の医療技術を利用して行われ、その結果により病状の所見が立ちます。血液検査、X線、CT、MRIなど、特定の疾患を見つけ出すための様々な検査が必要となります。また、専門医はその分野での豊富な経験と知識をもつため、その診断結果により適切な治療法を提案することができるのです。したがって、自己検診の結果に何らかの問題があった場合、または体調に不安を感じている場合は迅速に専門医に相談することを強くお勧めします。

7.2. 診断後の取り組み

体の問題が見つかれば、それに対する適切な取り組みが求められます。専門医の指導に従うことが最も重要で、処方された薬の服用、必要な手術、リハビリテーションなどが含まれます。さらに、診断結果によっては生活習慣の見直しを余儀なくされることもあります。例えば、飲酒や喫煙の禁止、食事内容の変更、適度な運動など、病状の改善や予防のためには自己管理が重要となります。また、精神的な側面においても、恐怖感や不安感を抱え込まずに、専門家や信頼のおける人々と共有することは非常に重要です。それによりあらゆる角度からの健康の向上を目指すことができるでしょう。

8. 生活習慣の改善による大腸がん予防

現代のライフスタイルは、病気のリスクを高める要素がたくさん詰まっています。特に、大腸がんは先進国で増加傾向にあり、怖ろしい病気の1つと言えるでしょう。しかし、習慣的な生活改革によってがんのリスクを減らすことが可能です。具体的には、運動習慣の形成、食事改善、ストレスと睡眠の管理が重要とされています。これらの生活改善だけでも予防効果が期待できます。これから、それぞれの方法を具体的に紹介します。

8.1. 無理のない運動習慣の形成

運動と聞くと辛い、苦しいと感じる事があるかもしれません。しかし、大腸がん予防のため、無理なく続けられる運動習慣を作ることが大切です。まず、日々の生活に積極的に動きを取り入れてみることから始めましょう。例えば、階段を使う、駅から歩く、庭仕事を行うなどが考えられます。特に、30分以上の歩行が効果的とされています。

一度に長時間の運動は無理かもしれませんが、1日を通して細切れに運動する方法も有効です。ストレッチや軽い体操を定期的に行うのもおすすめです。また、週に数回程度の筋力トレーニングを取り入れると、筋肉を増強し脂肪燃焼効率を上げることができる勝然となります。

8.2. 食事改善の実践方法

健康な食生活は大腸がんの予防に欠かせない要素です。まず、野菜や果物、全粒穀物などの食物繊維をたくさん摂ることが重要です。解説すると、食物繊維は腸内環境を整え、排便を促進します。これにより有害な物質が体内に滞る時間が減少し、大腸がんのリスクを減らすことが可能です。

肉類や加工食品は控えめにし、特に赤身肉の摂取には注意が必要です。これは、肉類が含む鉄分が大腸がんの発病に関与するからです。しかし、肉類も必要な栄養素を含んでいますから、全く避けるのではなく、適度な量でバランス良く摂るよう心がけましょう。

8.3. ストレスと睡眠の管理

ストレスは免疫力を低下させ、がんの発病リスクを高める可能性があります。長時間の労働、人間関係のトラブル、家庭の問題など、ストレスの源は様々です。これらのストレスをうまく発散し、ストレスフリーな生活を目指すことが健康維持に繋がります。

適度な運動や趣味を通じてストレス解消を図ることが有効です。また、メンタルヘルスを支えるためには十分な睡眠が必要です。眠らないと身体だけでなく、メンタルも不安定になります。睡眠時間を確保し、良質な睡眠を取るための環境作りも重要です。例えば、寝室の温度や湿度を適切に設定する、寝る前のスマホを控えるなど、日々の生活習慣の見直しから始めると良いでしょう。

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