潰瘍性大腸炎と下痢の関連性とは?詳細解説|大通り胃腸内科クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

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潰瘍性大腸炎と下痢の関連性とは?詳細解説

潰瘍性大腸炎と下痢の関連性とは?詳細解説|大通り胃腸内科クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

         

2024年3月14日

激しい下痢に悩まされることはありませんか?実は、これが潰瘍性大腸炎の典型的な兆候かもしれません。本記事では、「炎症性腸疾患の一つ潰瘍性大腸炎」を初めとするこの疾患の症状や特徴、「下痢が続くと潰瘍性大腸炎を疑うべき理由」や診断方法、効果的な「治療法の種類」などを詳しく解説します。潰瘍性大腸炎をよく知り、より良い生活を送るための知識を身につけましょう。

1. 潰瘍性大腸炎とは何か?症状と特徴を解説

潰瘍性大腸炎とは、腸の粘膜が長期にわたって炎症を起こし、潰瘍を伴う場合がある病気です。日本でも多くの人々がこの疾患に悩まされていて、その原因はまだ明確に解明されていません。潰瘍性大腸炎は、炎症が大腸に限定されるのが特徴であり、症状としては下痢や腹痛、血便といったものが頻繁に報告されています。慢性的な経過をとることも多く、時には炎症が激しいために日常生活にも大きな影響を及ぼします。この病気は、症状の重度や活動期と寛解期の繰り返しにより、患者さんのストレスにもなりがちです。ここでは、潰瘍性大腸炎の詳細と、その特徴について見ていきましょう。

1.1. 炎症性腸疾患の一つ潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease, IBD)という疾患の一つです。この疾患には、クローン病など他の疾患も含まれており、それぞれに特有の症状や病態が存在します。潰瘍性大腸炎の場合、炎症は連続的に大腸の内膜に影響を及ぼし、端から始まることが多いです。これにより、症状が大腸の特定の範囲に現れることが特徴とされています。炎症が生じている部位によって直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型という、主に3つの型に分類されています。また、潰瘍性大腸炎は再発を繰り返すことで知られており、寛解状態に保つことが治療の大きな目標になります。治療法には薬物療法が中心ですが、症状のコントロールには食生活や生活習慣の調整も重要であるとされています。

1.2. 下痢を主な症状とする潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎では、下痢を主な症状として現れることが特徴です。しかしこの下痢は、通常の下痢とはいくつかの点で異なります。例えば、しばしば血便を伴う場合があり、下痢の回数が日に何度もあったり、夜中に起きることもあります。これは大腸の内面が潰瘍や炎症によってダメージを受けていることを示しており、そのために水分の吸収がうまくいかない状態になっているのです。下痢の他にも、患者さんは腹部の痙攣や急な便意、腹痛を経験することがあり、このような症状が日常生活に支障をきたすことも少なくありません。長く続く下痢には、様々な合併症、例えば脱水や栄養不足などが生じるリスクも高まります。

1.3. 潰瘍性大腸炎の他の典型的な症状

潰瘍性大腸炎には下痢以外にも典型的な症状が見られます。例えば、慢性的な腹痛や、便に粘液や血が混ざることも一つの特徴として挙げられます。特に血便は潰瘍性大腸炎の診断において重要な指標となります。また、日常的に見られる症状としては、疲労感や体重減少、食欲不振などがあり、これらは消化吸収の障害による栄養不足や、慢性的な炎症の影響で引き起こされます。時には発熱や貧血を伴うこともあり、これは炎症が全身に及んでいる証拠でもあります。これらの症状は、活動期に顕著に現れ、寛解期には軽減するのが一般的ですが、症状の出方は個々の患者さんによって大きなばらつきがあります。

2. 下痢が続くと潰瘍性大腸炎を疑うべき理由

腹痛や排便習慣の変化など、心配な症状はさまざまありますが、特に下痢が長期間続く場合には慎重な検討が必要です。特に血便や粘液の混じった下痢が見られたときは、潰瘍性大腸炎の可能性を疑うべきでしょう。長い期間にわたる下痢は、大腸の炎症や潰瘍が原因である場合があり、これは潰瘍性大腸炎の特徴的な症状の一つです。この病気は適切な治療をしないと重症化しやすく、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあるのです。ですから、潰瘍性大腸炎を早期に発見し、適切な治療を受けることが非常に重要になります。

2.1. 潰瘍性大腸炎の発症原因と病態

潰瘍性大腸炎は、大腸の内側の粘膜に炎症が生じる病気であり、その原因はまだ完全には解明されていません。しかし、遺伝的な要因や、腸内環境の乱れ、自己免疫反応などが関与していると考えられています。大腸の粘膜に持続的な炎症があるため、慢性的な下痢や血便が引き起こされ、潰瘍が形成されることもあります。病態は患者によって異なるため、軽症から重症までさまざまな症状が見られるのです。また、炎症が大腸全体に及ぶ全大腸性の場合や、炎症が左側大腸に限局する左側性などの型に分けられます。定期的な大腸内視鏡検査によって、病態の進行を把握し、それに合わせた治療を行うことが肝要になります。

2.2. 下痢の種類と潰瘍性大腸炎の関連

下痢にはいくつかの種類が存在し、それぞれ原因や特徴が異なります。急性の下痢は、食中毒やウイルス感染などが原因で一般的には短期間で治りますが、慢性下痢となると話は異なります。慢性下痢は4週間以上続く下痢を指し、潰瘍性大腸炎をはじめとする炎症性腸疾患が関与していることが多いです。潰瘍性大腸炎における下痢は、炎症による腸の運動機能障害や粘膜からの分泌亢進が原因であり、特に血便が伴うことが多いのが特徴です。長期にわたり頻繁にトイレに行く必要があるなど、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

2.3. 重症化する前に注意したい下痢のサイン

潰瘍性大腸炎の重症化を防ぐためには、下痢のサインに早期に気づき、適切なアクションを行うことが重要です。潰瘍性大腸炎が疑われる下痢の特徴として、血便や粘液便、排便回数の増加があります。また、夜間にも排便のために目覚めることや、お腹のこわばり、不快感といった腹部症状を感じることもあります。これらは潰瘍性大腸炎の可能性があるという警鐘であるため、これらの症状が見られたら速やかに医師の診察を受けることが勧められます。早期発見と早期治療が重症化を防ぎ、生活の質を維持するためには非常に重要なのです。

3. 潰瘍性大腸炎の診断方法

潰瘍性大腸炎を診断する際には、患者さんの病歴や症状を詳しく聞き取ることがスタート地点となります。主要な症状である下痢のほかに、血便や腹痛の有無もチェックされます。その後、血液検査や大腸内視鏡検査、必要に応じて画像診断などが実施されることになります。これらの検査を通じて、他の病態と区別し、適切な診断を下すことが重要となります。しかし、症状だけでは判断が難しい場合もあるため、複数の検査結果を総合的に見て診断が行われることが多いのです。

3.1. 大腸内視鏡検査の役割

大腸内視鏡検査は潰瘍性大腸炎の診断において中核的な役割を担っています。この検査により、直接大腸の内面を観察し、炎症の範囲や重症度、潰瘍の有無など、病変の詳細を把握することが可能です。内視鏡を用いて採取した生検組織を顕微鏡で調べることで、炎症が大腸のどの層まで及んでいるかなど、より詳細な情報を得ることができます。また、潰瘍性大腸炎は時として他の炎症性腸疾患や感染性の疾患と鑑別が必要ですが、この検査によってそれらの病気との差異を確認することもできます。

3.2. 症状から見る診断のポイント

潰瘍性大腸炎の診断において症状から読み取れるポイントは非常に重要です。例えば、長期に渡って続く下痢や進行する血便は潰瘍性大腸炎を疑う大きな手掛かりになります。さらに腹痛、緊急性の便意、夜間の下痢など、日常生活に影響を及ぼす症状が存在することもポイントです。この他にも全身的な症状として発熱や体重減少、貧血などが見られることがあります。これらの症状を詳細に把握することで、潰瘍性大腸炎が疑われる場合、専門的な検査に繋げていく必要があります。

3.3. 診断に必要な他の検査手段

潰瘍性大腸炎の診断を裏付けるためには、大腸内視鏡検査以外にも複数の検査が実施されることがあります。血液検査によって炎症の程度を示すC反応性タンパク(CRP)や赤血球沈降速度(ESR)の上昇が確認できることがあります。また、カルプロテクチンの様な便中のマーカーが炎症性の腸疾患の存在を示唆することもあります。画像診断では、腹部のCTやMRI検査を行うことで炎症の範囲や大腸外の合併症を観察することが可能です。これらの検査を総合して、診断を精密に進めることができるのです。

4. 潰瘍性大腸炎の治療法の種類と効果

潰瘍性大腸炎は長期にわたる治療を必要とする炎症性腸疾患であります。炎症をコントロールし、病状の安定を目指す治療法がいくつか存在します。一般的な治療法には、5-ASA製剤、ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤などがありますし、これらの薬剤の効果は患者さんによって異なり、また副作用にも注意を払う必要があります。症状が軽いうちは薬物療法による管理が中心になりますが、症状が重くなるとより積極的な治療が必要になり、時には手術を要することもあります。最適な治療法は、患者さんの状態、症状の重さ、治療に対する反応に応じて個別に決定されることになります。

4.1. 5-ASA製剤の基礎知識

5-ASA製剤は潰瘍性大腸炎の最も一般的な治療薬であり、腸の粘膜で直接的に炎症を抑える作用があります。この薬は軽症から中等症の患者さんに特に推奨されることが多いとありますが、病状の改善と再発の予防に効果を示すことが知られています。主な副作用としては、頭痛や吐き気、軽い腹痛などがありますが、大部分の患者さんでは比較的容認できる範囲です。しかし、5-ASA製剤を長期に亘って使用する際には、副作用と効果を定期的に評価し、治療方針を見直すことが時には必要となります。

4.2. ステロイドを用いた治療

炎症反応を強力に抑えるステロイドは、5-ASA製剤では抑えることが難しい活動性の炎症に対して用いられることが多いです。ステロイドは早急に症状を改善させる効果がありますが、長期間の使用には多くの副作用が関連しています。代表的なものには、骨量の減少、血糖値の上昇、感染症のリスク増加などがあげられます。そのため、病状が安定した際には、なるべく早くステロイドの使用を中止し、他の薬剤に切り替えることが一般的な治療戦略となります。

4.3. 生物学的製剤による治療の進展

生物学的製剤は、潰瘍性大腸炎の治療において近年特に注目を集めている治療法です。これらの薬剤は人の免疫系に作用し、炎症を引き起こしている特定のタンパク質を標的とすることで効果を発揮します。特定の免疫細胞やシグナル伝達経路をブロックし、炎症反応を抑えることができるのです。薬剤の効果は高いと評されていますが、免疫系への影響から感染症のリスクが増加することや、高額な治療費が問題となることがあります。それでも、従来の治療法ではコントロールできなかった重症の患者さんにとって、新たな希望となっているのは間違いありません。

5. 食事療法による潰瘍性大腸炎の自己管理

潰瘍性大腸炎の患者さんにとって、日々の食事は症状のコントロールに重大な影響をもたらすことが知られています。これは、消化管を直接刺激し、炎症を起こす要因を取り除くかどうかに直結するためです。食事療法は医薬品治療とは異なり、副作用のリスクが低く、症状を軽減するために日常的に取り組むことが可能な自己管理の一部と言えます。ただし、個々の患者さんによって症状の出方や食べられる食材には差があるので、それぞれの状況に適した食事療法を見つけることが大切です。

5.1. 患者に合わせた食事療法の重要性

食事療法における最も大切な点は、患者さん一人ひとりの体質や症状、好みに合わせて、適切な食材を選び、栄養バランスを考えることです。潰瘍性大腸炎を抱える患者さんには、乳製品や高脂肪の食品が合わない場合が多く見られます。これは、これらの食品が消化を難しくし、腸に余計な負担をかけるためです。だからと言って、乱暴に食事制限を行うと栄養失調を招く危険もあるため、十分な栄養摂取を心がけながら、消化に良い食材を中心にした食事療法が求められます。

5.2. 炎症を抑える食事のポイント

潰瘍性大腸炎の炎症を抑えるためには、消化に優しい、軟らかくて食べやすい食品を選びましょう。たとえば、良質なタンパク源として、鶏のささみや豆腐が推奨されることも多いです。また、オメガ3脂肪酸を含む食品は、抗炎症作用があるとされているため、サーモンのような脂の多い魚を適量取り入れることも有効です。ただ、食物繊維の多い食品は腸を刺激することがあるので、潰瘍性大腸炎の症状が活発なときは制限が必要です。

5.3. 避けるべき食材と推奨される食材

一般的に、潰瘍性大腸炎の患者さんは、カフェインやアルコール、刺激物の多い食品、ガスを発する食品(例えば豆類)を避けた方がよいとされています。これらは腸を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。反対に、消化しやすく低刺激の食材である白米やうどん、粥などは消化器系の負担を軽減し、症状の軽減に役立ちます。バランス良く栄養素を摂れるように、食生活を工夫しながら、自己管理を行うことが推奨されます。

6. 潰瘍性大腸炎の予後と日常生活の工夫

慢性的な経過をたどる潰瘍性大腸炎は、その予後に大きな個人差があります。再発のリスクを常に抱えており、患者たちの日常生活においては、様々な工夫が不可欠となります。長期的な寛解を目指し、生活習慣の見直しやストレス管理、適切な食生活の維持が重要な要素であるのです。さまざまな対応策や治療法を駆使して症状のコントロールに努めることが、健やかな生活を送るための鍵となります。

6.1. 長期的な予後について

潰瘍性大腸炎の予後は、患者さん個々の病態や治療への反応によって幅広く変動します。一部の人には外科手術が必要となるケースもありますが、多くは薬物治療によって症状の管理が可能です。ただし、完治までは至らず、症状の再発が繰り返されるのが典型的な経過でしょう。寛解と活動期が交互に訪れることもあり、長期間にわたって継続的な医療と自己管理が求められます。また、長期的に見ると大腸癌への罹患リスクも指摘されており、定期的な健康診断や検査が極めて重要なのです。

6.2. 症状を和らげる日常生活での工夫

日常生活の中で工夫をすることは、潰瘍性大腸炎による症状を和らげる上で大きな効果をもたらします。例えば、食事面では、食物繊維の摂取をコントロールすることで下痢を抑えることができます。また、小麦粉や乳製品など、症状を悪化させる可能性のある食品を避けることも大切です。ストレスは炎症を悪化させる要因とも言われているため、リラクゼーション技法を習得し、適切な休息をとることも必要です。さらに、疾患の理解を深め、家族や友人にサポートを仰ぐことも心の負担を軽減し、日常生活をより良くしていきます。

6.3. 社会生活とのバランス

潰瘍性大腸炎を抱えながらの社会生活は、様々な挑戦を伴います。症状が急に現れることもあるため、職場や学校での対応策が必要となります。事前に上司や同僚に状況を説明しておくことで、理解と配慮を得やすくなるでしょう。また、必要に応じてトイレのアクセスが容易な職場環境を整えるなどの工夫も大切です。働き方の柔軟性を持ち、体調に合わせてテレワークを取り入れたり、時短勤務を選ぶことも選択肢の一つです。社会生活での成功は、病気管理の知識と周囲のサポートが不可欠となるのです。

7. 大腸カメラによる定期検査の意義

大腸カメラとは、医療で一般的に使用される大腸内視鏡検査の俗称です。この検査は潰瘍性大腸炎の治療過程において、病状の経過把握や合併症の早期発見のために非常に重要な手段とされます。潰瘍性大腸炎は慢性の疾患であり、活動期と寛解期を繰り返す特徴があるため、定期的な検査による精密なフォローアップが必要です。大腸カメラを利用することで、炎症の程度や粘膜の変化を直接視覚的に評価することができ、病変の拡がりや悪化のサインを早期に捉えることができるのです。

7.1. 大腸内視鏡検査によるフォローアップ

大腸内視鏡検査は潰瘍性大腸炎の患者さんにとって、治療と並んで必要不可欠なフォローアップの手段です。この検査を定期的に行うことで、腸内の状態を細かく把握し、炎症の進行具合や改善状況を評価することが可能になります。また、活動期の炎症が落ち着いた寛解期においても、再燃の兆候をいち早くキャッチするために大腸カメラによる検査は実施されます。こうした密なフォローアップを行うことで、より適切な治療計画を立案し、患者さんのQOL(Quality of Life)の向上に寄与することを目指しているのです。

7.2. 定期検査で見られる変化

潰瘍性大腸炎の定期検査により観察される変化には、炎症や潰瘍の発生といった直接的な病変のほかに、腸管の狭窄(きょうさく)や異形成などが含まれます。炎症が長期間にわたって続くと、腸壁が硬くなる線維化が進行し、狭窄を引き起こすことがあります。このような変化は、大腸カメラでしか確認できないため、潜在的なリスクを把握する上で大変重要です。異形成の検出は特に注意を要するポイントで、潰瘍性大腸炎に伴うがん化のリスクに対する警戒として、定期的な内視鏡検査が推奨されています。

7.3. 検査結果に基づく治療方針の見直し

大腸内視鏡検査で得られた結果は、治療方針の見直しに不可欠な情報を提供します。検査によって定量的に評価された病変部位の状況や、病状の進行具合に基づき、医師は治療薬の変更や用量の調節を行うなど、より適切な治療方針を決定します。例えば、異形成が見つかった場合や炎症がひどい場合は、治療の積極化や手術の選択肢が検討されることになるでしょう。また、病気の状態が安定していることが確認されれば、薬物療法の軽減や維持治療への移行が決定される可能性があります。

8. 潰瘍性大腸炎の合併症と対応策

潰瘍性大腸炎は炎症を原因とする慢性の疾患ですが、適切な治療を行わないと様々な合併症を引き起こすリスクがあります。重大な合併症には大腸がんや重度の出血、腸の穿孔(せんこう)、さらには全身に影響を及ぼす可能性のある合併症も含まれています。これらの合併症を避けるためには、症状の早期発見と治療の開始、定期的な医療機関での検査が重要になります。また、日々の生活習慣の改善も合併症発生のリスクを下げる助けになるでしょう。潰瘍性大腸炎の患者さんが知識を持ち、対策を講じることで、合併症を未然に防ぐことが可能になります。

8.1. 重大な合併症とその症状

潰瘍性大腸炎が進行すると、いくつかの重大な合併症が出てくることがあります。最も懸念されるのは大腸がんです。炎症状態が長く続くことで大腸の細胞に異常が生じ、がん化へのリスクが高まります。大腸がんの初期症状は目立たないことも多いのですが、変化する便の形状や血便、体重の減少などに注意する必要があります。また、重度の出血が医師の迅速な対応を必要とすることもあり、場合によっては切除手術が必要になることもあるのです。その他にも毒性巨大結腸症と呼ばれる合併症があり、これは大腸の急激な拡張を伴い、体内に毒素を放出して全身状態を悪化させる非常に危険な状態です。これらの合併症は生命にかかわる可能性があり、異常を感じたらすぐに医師の診断を受けることが重要です。

8.2. 合併症発生時の治療オプション

合併症が発生した場合、その治療オプションは多岐にわたります。例えば大腸がんが見つかった場合は、がんの進行度や位置、そして患者さんの一般的な健康状態を考慮した上で手術、化学療法、放射線療法などの治療法が選択されます。一方、毒性巨大結腸症などの緊急性が高い合併症が起きた場合には、速やかに炎症を抑えるための高用量のステロイド治療や切除手術が行われることもあります。また、出血が激しい時には血液製剤の輸血や、出血を止めるための治療が必要です。重要なのは、合併症の種類や重症度に応じ、専門医と相談しながら最適な治療法を選択することです。

8.3. 合併症を防ぐための予防策

潰瘍性大腸炎の合併症を予防するためには、日常生活での注意が必要です。まず、症状をコントロール下に置くために、処方された薬は正しく服用し、病状の変化に気を配ることが大切です。さらに、食生活やストレス管理に留意し、病状を悪化させる要因をできるだけ避けることも予防策の一つです。定期的な医療機関でのチェックを怠らず、早期発見・早期治療に取り組むことで、合併症のリスクを抑えることができます。また、禁煙や適度な運動も症状の管理に有効であり、一般的な健康状態を保つ意味でも重要な予防策です。潰瘍性大腸炎と向き合いながら健康的な生活を送るための工夫を心掛け、合併症に打ち勝っていきましょう。

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