お酒を飲んで顔が赤くなる人は食道癌の高リスクってホント!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

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お酒を飲んで顔が赤くなる人は食道癌の高リスクってホント!?

お酒を飲んで顔が赤くなる人は食道癌の高リスクってホント!?|札幌大通胃と大腸の内視鏡クリニック|札幌市大通りの内視鏡検査・消化器内科

         

2024年4月01日

お酒を飲むと顔が赤くなる。

そんな経験はありませんか?

それが単なる一時的な反応ではなく、実は食道癌のリスクを暗示している可能性があるとしたら…。本記事では、アルコール摂取による赤面や喫煙との食道癌との関連性について、科学的視点から解き明かしていきます。

1. お酒をのんでなぜ顔が赤くなるの?

お酒を飲むと顔が赤くなるという現象は、アルコールを分解する過程で起こります。体質や体内の反応に個人差があるものの、特にアジア人に多く見られる特徴です。なぜお酒を飲むと顔が赤く変化するのか、その理由には科学的な背景があるのです。アルコールが体内でどのように処理されるかを理解することは、健康な飲酒習慣を身につけるためにも重要です。

1.1. アルコール摂取で赤くなる肌反応の原因

アルコールを摂取した際の赤面反応は、体内でのアルコールの分解過程と密接に関連しています。アルコールは体内に入ると、肝臓の酵素によって分解されるのですが、この過程で発生するアセトアルデヒドという物質が関わっているとされています。アセトアルデヒドは体に有害な物質であり、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって無害な酢酸に変換される必要があるのです。しかし、ALDHが十分に機能しない人の場合、アセトアルデヒドが蓄積しやすく、血管拡張を引き起こし顔が赤くなります。このような体質の人は、少量のアルコールでも赤面反応を示すことがあります。

1.2. アセトアルデヒドがもたらす体内の変化

アセトアルデヒドは、アルコールが肝臓で代謝される際に一時的に生成される中間産物です。この物質による体内の変化は単に赤面に留まらず、吐き気や頭痛などの不快な症状を引き起こすこともあります。また、アセトアルデヒドは変異を含むALDH遺伝子を持つ人において、蓄積されやすくなっています。この酵素の働きが弱いために、アセトアルデヒドが効率良く酢酸に分解・排除されず、体内にとどまってしまうのです。これが赤面やその他の不調の原因になるわけです。

1.3. 赤面を引き起こす科学的プロセス

アセトアルデヒドはその後ALDHによってさらに無害な酢酸に変換されますが、ALDHの活性が低い人では、アセトアルデヒドの蓄積とそれに伴う血管の拡張が起こります。血管が拡張すると、皮膚の表面に近い部分に血液が増加し、皮膚が赤く見えるというわけです。また、感情面での昂ぶりや体温の上昇も赤面に影響を与える要因であると言われています。

2. 飲酒が食道癌リスクを高める理由

私たちの日常生活において、お酒はさまざまな場面で楽しむ人も多いかと思います。ですが、お酒を飲んで顔が赤くなることを経験されたことがある方もいるでしょう。では、なぜ飲酒が食道癌のリスクを高めるのでしょうか。この疑問について、科学的な観点からその理由を探ってみたいと思います。飲酒に起因する健康への影響は少なからずあり、特に食道癌に対するリスクは明確に報告されています。

2.1. アルコール分解過程の詳細とリスク因子

アルコールが肝臓のアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに変換されますが、アセトアルデヒドという物質は非常に反応性が高く、細胞に損傷を与えることが知られています。特に、ALDHの活性が低い人ではアセトアルデヒドが体内に蓄積しやすく、このことが食道などの粘膜に影響を与え、食道癌を発生させるリスク因子となるのです。飲酒によりアセトアルデヒドが生成される過程を理解することで、どうして食道癌が起こりやすくなるのかが明らかになります。

2.2. アルデヒド脱水素酵素の役割とその変異

先述したように、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)はアルコールの分解過程において重要な役割を担っています。この酵素の活性には個人差があり、特にアジア人に多く見られる特定の遺伝的変異を持つ人ではALDHの活性が低下しています。この低活性型のALDHを持つ人は、飲酒後に体内のアセトアルデヒドがうまく分解されないため、この有害な物質が長い時間体内に留まり、食道の細胞にダメージを与えやすくなるのです。これが長期にわたって続くと、食道癌へと進行する可能性が高くなると考えられます。このように、ALDHの遺伝子変異は飲酒によるリスクを高める一因とされています。

2.3. 飲酒量と食道癌リスクの関連性

飲酒量と食道癌リスクの関連性は、数多くの研究によって報告されています。飲酒量が多くなるほど、食道癌のリスクが高くなる傾向が明らかになっています。特に、高濃度のアルコールを頻繁に摂取する習慣があると、食道癌の発症確率はより上昇します。また、食道癌になりやすい個体の特徴として、アルコールを分解する能力が低いことが挙げられます。逆に言えば、肝臓の酵素活性が高く、アルコールを効率良く分解できる人はリスクが低くなる可能性があります。しかしながら、遺伝的素因や生活習慣など、個々のリスク要因を総合して考慮する必要があるでしょう。飲酒量を控え、健康を意識した生活を心がけることが、結果として食道癌リスクを下げることにつながります。

3. 喫煙が食道癌リスクに与える影響

喫煙は多くのがんをもたらす危険因子として広く知られていますが、中でも食道癌との関連はとくに強いとされています。タバコに含まれる有害物質は、食道の粘膜に直接接触することで、細胞の変異を引き起こし、がん化するリスクを高めるのです。たばこを吸うことの長期的な影響には、呼吸器系の疾患だけでなく、消化器系にも悪影響を及ぼすことが多々報告されています。こうした研究結果を知ることで、喫煙習慣が食道癌のリスクをどれほど増加させるのか、そのメカニズムも含めて、理解を深めることが肝要です。

3.1. 喫煙による癌発生リスクの増加

喫煙は食道癌のリスク因子になります。煙草に含まれるニコチンだけでなく、タールやベンゼンといった発癌性物質が、食道の組織にダメージを与えることが確認されています。また、これらの物質はDNAの変異を引き起こし、正常な細胞の成長を乱す結果、より悪性の高いがん細胞が誕生するリスクを高めます。喫煙年数や量にも比例してリスクは上昇するため、早期の禁煙が予防には不可欠と言えるでしょう。

3.2. 喫煙と飲酒の相乗効果について

喫煙と飲酒は、それぞれが癌のリスクを増加させる行為ですが、これらが結びついた時、食道癌に対するリスクはさらに増大します。アルコールを含む飲料を摂取することで食道の粘膜が一時的に傷つき、そこにタバコの有害物質が付着しやすくなるという研究結果が示されています。また、喫煙と飲酒はそれぞれが細胞のDNAに損傷を与えるため、同時に行うことでその影響は相乗的に増加することが指摘されています。このように、食道癌を未然に防ぐためには、喫煙だけでなく、飲酒の習慣を見直すことも重要であるのです。

3.3. 生活習慣としての喫煙の見直し

日常生活における喫煙の影響は、食道癌だけに留まりませんが、特にがんの防止観点からの見直しが求められています。健康を守るためにも、喫煙を取り巻く環境を改善し、禁煙支援のシステムを積極的に利用していくことが大切です。禁煙がもたらす健康効果は早期に表れるため、習慣化してしまった喫煙をいかにして止めるか、その方法を具体的に検討していくことが必要なのです。また、若年層における喫煙の予防も、将来の食道癌リスクを減少させるためには欠かせない取り組みでしょう。

4.新型コロナウイルスとアジアンフラッシャーの関係

最近、佐賀大学の研究で「飲酒して顔が赤くなる人(アジアンフラッシャー)はCOVID-19が悪化しにくい」という結果の論文がでました。この論文は疫学研究で、WEB上でのアンケートの結果、飲酒して顔が赤くなる日本人が赤くならない日本人に比べて新型コロナウイルスによる入院割合が有意に少なかったという内容でした。

4.1. アルデヒド脱水素酵素の活性が低い事によるウイルス感染への影響

アルコール消毒がウイルスに対して効果的な手段であることは一般的に知られていますが、体内でのアルコールやその代謝物がウイルス感染に与える影響については、一概に明言することはできません。この研究では、アジアンフラッシャーの人々においては、アルデヒド脱水素酵素の活性が低いため、アルコールを分解する過程で生じるアルデヒドが体内に留まりやすく、これが体内の病原体に対する一定の影響を与えるかもしれないと報告されています。

4.2. 医学的見解におけるエビデンス

アジアンフラッシャーと新型コロナウイルス感染症の関係については、明確な結論が出されているわけではありません。現段階で利用可能なエビデンスには、アルデヒドが抗菌作用を持つ可能性や、アジアンフラッシャーの人々が新型コロナウイルスによる入院割合が少なかったという事があります。ただ、これまで発癌リスクが主に注目されていた、アジアンフラッシャーの方々にとっては上記の論文はとても朗報といえるでしょう。

5. アルコール分解と関連疾患

お酒を楽しむ場面は多いですが、それが体内でどのように分解され、どのような健康への影響を及ぼすのかをしっかり理解することが重要です。アルコールは、肝臓で主に分解されますが、この過程で発生する物質が様々な疾患の原因となることがあります。アルコール分解の主役である肝臓ですが、この器官に過度な負担をかけ続けると、肝硬変や肝臓癌など深刻な病気へと進展する恐れがあります。また、アルコール分解に関与する酵素の活動には個人差があり、特に東アジア人に多い特定の遺伝的要素を持つ人々は、アセトアルデヒドという有害物質による影響を受けやすいとされています。

5.1. アルコール消費が体に与える短期・長期影響

アルコールを体内に取り込むと、短期間で顔のほてりや心拍数の上昇といった反応がみられるケースがあります。これは、アルコールが血管を拡張させることによるものです。一方で、長期にわたって過度な飲酒を続けると、肝臓だけでなく、胃や膵臓といった消化器系にも負担がかかります。長期的な影響としては、アルコール依存症、慢性膵炎、様々な種類の癌などのリスクが高まることが知られています。さらに、アルコールは神経細胞に直接的なダメージを与える可能性もあり、神経機能障害や認知症のリスクも指摘されているのです。これらの影響は、アセトアルデヒドという有害物質の蓄積と解毒が遅れることが関わっていることが研究で明らかにされています。

5.2. アルコールが関わりうる他の健康障害

アルコールは、一連の代謝過程を経て分解されますが、この際に生じるアセトアルデヒドは多くの体の組織に悪影響を及ぼすことが知られています。特に、心臓病や高血圧などの循環器系の障害とアルコールの関連が懸念されています。アルコールが原因で起こる可能性のある疾患はこれに限りません。例えば、アルコール性骨粗鬆症は、長期的な過剰摂取により骨の健康に悪影響を与えるものです。また、メンタルヘルスに対する影響も大きく、アルコール依存症はもちろん、うつ病や不安障害を悪化させる要因にもなりうるのです。これらの健康障害は、アルコールの代謝過程に直接関わる肝臓の機能障害とも関連しており、全身にわたる影響を及ぼす恐れがあることを認識する必要があります。

5.3. アセトアルデヒドと他癌種との関連

アセトアルデヒドはアルコールを分解する際に生じる代謝産物であり、この物質は発癌性が高いとされています。ある研究によれば、アセトアルデヒドによるDNA損傷が、食道癌だけでなく胃癌や大腸癌、肝癌など他の癌種の発生にも関与している可能性が指摘されています。アセトアルデヒドによる影響は、遺伝的にアルデヒドの分解が遅い人々においてより顕著で、特にアジア人に多いアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の活性が低い変異を持つ人々が高リスクです。このため、アセトアルデヒドへの曝露を可能な限り減らすことが、これらの癌種の予防につながると考えられています。また、アルコールを適正に摂取することの重要性が、このような観点からも強調されているのです。

6. 食道癌の予防策と生活習慣の改善

お酒を飲んで顔が赤くなる現象は、体内でアルコールの分解がうまくいかないことが原因であり、この現象を示す人では食道癌のリスクが高いという説があります。そこで、食道癌を予防するためには、日常の生活習慣を見直し、適切な予防策を取り入れることが重要です。具体的には、飲酒の量を控えめにし、バランスの良い食事を心がけるなどがあります。また、ストレスを適切に管理し、定期的な運動を取り入れることも、全般的な健康の向上と共に予防に繋がるでしょう。

6.1. 適度な飲酒と飲酒習慣の改善手法

多くの研究で、適度な飲酒量を守ることがいかに重要であるかが証明されています。適切な飲酒とは一日のアルコール摂取量を男性では概ね20g以下、女性では10g以下とすることが一般的な目安です。しかし、自己管理が難しい場合は、アルコールの摂取を週に数日に制限する、あるいは飲酒する環境を変えることで無意識の飲酒を抑制するといった手法もあります。さらには、友人や家族との協力を得て、酒量を減らすサポートを受けることも一つの改善策でしょう。

6.2. 食生活の調整による予防へのアプローチ

食生活の改善は、食道癌の予防において非常に大きな役割を果たします。特に抗酸化物質を多く含む野菜や果物を積極的に摂取することが勧められます。また、肉類を食べる際は赤身肉よりも魚や鶏肉のような低脂肪のタンパク質源を選ぶこと、そして加工肉はできるだけ摂取を控えることが大切です。塩分の過剰摂取もリスクを高めることから、塩分控えめの食事にすることも予防策の一つになります。

6.3. 定期検査と早期発見の重要性

食道癌の早期発見は、治療成功率を高めるうえで欠かせません。そのためには、リスクが予想される方は特に、定期的に専門の医療機関で検査を受けることが奨励されます。具体的には、バリウムを用いた胃部X線検査や内視鏡検査などがあります。これらの検査によって、食道の異常を早い段階で発見し、適切な治療を行うことが可能になります。定期検査による早期診断は、食道癌に限らず多くの病気においても重要なのです。

7. 食道癌早期発見のためのサインとは

お酒を飲んで顔が赤くなることは、単に一過性の反応に過ぎない場合もありますが、この身体の変化が食道癌のリスクを高めているかもしれないという指摘があります。では、食道癌を早期に発見するためのサインには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。体に現れる小さな変化や日常生活の中での不都合な症状に気をつけることが、早期発見につながる鍵となります。

7.1. 食道癌の症状と早期発見の手がかり

食道癌の早期症状はとても微妙で体感として捉えにくいものです。しかし、飲食時の違和感や食べ物が通りにくいと感じる嚥下困難、心窩部の痛みなどが続く場合は、食道に何らかの問題が発生している可能性があります。また、持続する喉の異物感や咳が出る場合も注意が必要です。納豆やキムチなどの粘質食品が喉を通過しにくいと感じることも、サインの一つであることから、日常生活の中でのちょっとした異変を見逃さず、早期に専門医の診察を受けることが重要です。

7.2. 定期健診を利用した早期診断の重要性

健康診断は予防医学の観点から非常に重要です。特にバリウムを使った透視検査や内視鏡検査は、食道癌のように自覚症状が出にくい病気の早期発見に効果的です。定期的にこれらの検査を受けることで、食道の異常を早期に捉えることができます。食道癌は進行すると治療が難しくなるため、早期発見・早期治療が生存率を高めるためには不可欠であるのです。

7.3. 食道癌の初期症状への注意点

食道癌の初期症状は、他の病気との区別が困難な場合が多いです。そのため、日頃から体の変化に敏感であることが求められます。例えば、普段と比べて少し食べただけでも胃もたれを感じたり、食後に嘔吐を伴うことがあるようであれば要注意です。加えて、声がかすれやすい、息苦しさを感じるといった呼吸器系の症状が現れることもあります。これらの初期症状を見過ごすことなく、医療機関を訪れることで、食道癌を早期に発見する機会を得ることができるでしょう。

8. 食道癌高リスク者へのアドバイス

お酒を飲んで顔が赤くなる人には、食道癌のリスクが高いと言われています。実際に日本人はお酒に弱い人が多いため、食道癌の発生率が高くなっているのです。アルコールに弱い体質の人たちが、食道癌リスクグループとされているため、飲酒習慣の見直しや生活習慣の改善が必要です。食道癌の早期発見や発症予防のためにも、リスクを知り、適切な対応をすることが求められます。

8.1. 専門医と相談すべき飲酒や喫煙の習慣

飲酒や喫煙は食道癌をはじめとした多くの癌のリスクを高める要因です。特に、アセトアルデヒドを効率的に分解できない人の場合、飲酒によって顔が赤くなるといった症状が現れます。赤面反応を示す人は、食道癌の高リスク者とされているため、専門医との相談を通じて、飲酒量の管理や喫煙習慣の見直しが必要です。また、定期的な健康診断で食道の状態をチェックし、専門医からのアドバイスを受けることで、リスクを低減することができます。このような予防策は、ただ自己判断で行うのではなく専門家の知見を取り入れながら、自己の生活に合った改善策を見つけ出すことが重要です。

8.2. リスクを低減させるための生活指針

食道癌のリスクを持つ人は、飲酒以外にも生活習慣を見直すことが推奨されます。バランスのとれた食生活、適度な運動、ストレスの管理といった健康を守る基本的な生活習慣は、癌を含めた様々な疾患の予防にもつながります。多くの野菜や果物を摂取し、高脂肪な食品や加工肉製品を避けることも効果的です。また、肥満を防ぎ、健康的な体重を維持することも食道癌のリスクを低減するためには重要です。これらの生活指針は、個々の生活パターンや体質に合わせて調整することで、より実効性のある予防策となります。

8.3. 赤面と癌リスク認識の社会啓発必要性

アルコールによって赤面する現象は、社会的な飲酒の場でもよく見られますが、この反応が食道癌と密接に関係していることを知る人は少ないです。社会全体でのリスク認識と啓発が不足しているため、啓発活動を通じてこれらの情報を多くの人に届けることが必要です。気軽な飲酒文化の中で、健康への配慮も忘れてはならないという意識を広めることで、食道癌に対する予防意識の高まりにつながります。

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